俺が七草の養子なのは間違っている   作:萩月輝夜

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ようやっと入学編終了…。
UAが40000越えて評価バーが生まれて投稿した作品ではじめて4本になったの嬉しすぎる。お気に入り登録ももうすぐ700…。
解釈違いの作品を一読していただいて本当に感謝しかないです。
コメント&好評価よろしくお願いします。

※今回もオリジナル魔法が出ます。苦手な人はバックしてください。
 残虐な表現がございます。ご注意ください。

当作品はハーレムものです。ご注意ください。


悪意の代償

「アンティナイトを使え!」

 

「八幡さん!」

 

アンティナイトを所持する人員が一斉に使用し波動が迸る。

しかし、ほのかが慌てるが俺は涼しい顔をして前に進む。この程度のノイズが効く筈もない。

 

テロリストに向けてCADを構えトリガーを押し込む。

 

起動式が展開し《重力爆散》が放たれテロリスト達に殺到し吹き飛ばされる。

あまりの衝撃に呻くテロリストもいるが俺には関係ない。

一人のテロリストが難を逃れ此方に拳銃を引き抜き俺に発砲するが《グラビティ・バレット》で弾き飛ばすと同時に《縮地》を用いて背後に回り込み、組伏せ、頭部にサイオンを纏わせオーラのように光る手刀を突きつける。

 

「動くな」

 

「くっ…!!」

 

「あんたに聞きたいことがある、お前らに指示してるリーダーは何処にいる?」

 

テロリストの一人が反抗しようとするが組伏せるのを強くし動けなくさせる、諦めたのか抵抗する力が弱くなったが喋る気はないらしい。

 

「貴様に喋ることなど…ぐっ!」

 

「まぁ素直に喋ってくれるわけないわな…じゃ、あんたの『記憶』に直接聞くわ」

 

俺は《瞳》の力を用いてテロリストの記憶を1日だけだが遡り覗き見る。

 

この男はどうやら首謀者である司一に直前にあっていたらしい。場所は…学校近くの廃工場じゃないか…

ずいぶんとお近い御住まいで。

 

「居場所分かったわ」

 

「なっ…!?」

 

男の記憶を覗いたのちに素早く光波振動系の魔法で意識を刈り取った。

倒れた男を拘束して他にも倒れていたこの男の連中も一纏めに《拘束》を発動させた。

これで一先ずは安心できるだろう。

 

後ろに居たほのか達に視線を向けると無事な姿を確認できて俺は安心した。

 

「大丈夫だったか…って、…は?」

 

俺はほのか達の安否を聞こうとしたら両者に抱き締められてしまった。なんで?すすり泣く声が聞こえてきてしまって俺は困惑した。

え…怪我したのか!?《初期化》使わないと…でも見られるのは…!

 

と思ったのだが。

 

「…怖かったです。ぐすっ…!怖かったよぉ~!!」

 

「…怖かった」

 

違ったらしい。

 

ほのかが俺に抱きつき涙を流して先程のテロリストに魔法を無力化され、傷つけられそうになった恐怖を思いだしたのか俺に抱きついてきた。雫も同様で普段なら見せない不安な表情を浮かべていた。

俺は二人を落ち着かせるために抱きつかれたのを振りほどくわけにはいかないので宙で空間をもて余す両手を二人の頭にそれぞれ置き撫でて落ち着かせることにした。

 

しばらくして《瞳》で状態を確認すると落ち着いたようで精神状態も異常無いようだ。

 

二人がようやく離れてくれた。

…俺も男なので二人のような美少女に抱きつかれてしまうと非常その…恥ずかしいんですけど…

ふと、ほのか達の現在の格好を見る。

練習着とは言え機能性に優れたハーフパンツの装いになり、雫の華奢な美脚とほのかの健康的で少しむちっとした脚線を覗かせていた。

 

近年では戦争による寒冷化で着込むことが多く、公の場に出る場合女性は肌を見せないようにするのが通例であるが、部活中だったほのか達には当てはまらない事柄だろう。

普段見えないほのか達の脚線美が見えたこと、そして雫は体型が細いのだがそれに比例し何処がとは言わないが体操着からの上からでもはっきりと分かる大きさでほのかに至っては大きすぎず小さすぎない理想的な大きさのモノが今も緊張しているのか上下してしまってい…

ちょっと待って?今の俺めちゃくちゃ気持ち悪いじゃん…

 

つまり…その、今のほのか達の格好も相まって非常に目のやり場に困ってしまう。

瞬間、ほのか達と目があってしまう。

 

俺の視線がほのか達の『アレ』に向いていることが分かり二人は顔を真っ赤にして腕で前を隠し抗議の目で俺を見てくる。

 

俺が悪い訳じゃない!しょうがないじゃないか!こういったときでも男の子だもの!

 

「八幡さん…目がえっちですよぉ…目を瞑ってください…!」

 

「八幡のえっち…目、瞑って?」

 

「す、すまん…」

 

二人が近づき俺は目を閉じる。

 

多分だけど殴られるんだろうな…と思ったがいつまで経っても衝撃が来なかった。

俺は恐る恐る目を開け、其処には

 

チュッ。

 

ほのかと雫。二人の美少女に俺の頬にキスをされていたのだから。

 

「…?」

 

俺は突如の事で脳がフリーズしてしまった。ホワイ?なんでキスされたの?なんで?

ほのか達は顔を赤くして俺からゆっくりと離れた。

 

「八幡さんは私たちを助けてくれましたから…その、お礼です…」

 

「八幡は私たちの命の恩人…だからお礼…あげる」

 

「い、いただきます…?」

 

俺も思考が回っていないのか見当違いの回答をしてしまいほのかと雫はようやく笑顔になってくれた。顔はまだ赤いままだったが。

 

俺は、はっ!と我に返り現在の状況を再把握する。二人を安全な場所へと避難させねばならない。

二人を抱き抱え校舎まで自己加速術式を展開し校舎を目指す。

両腕で抱き抱える状態だ。

 

「え?八幡さん…?きゃあっ!?」

 

「八幡…大胆」

 

二人の可愛らしい悲鳴が聞こえたが命には代えられない。我慢して貰うことにした。

降ろしたあとで色々と言われてしまいそうだけれども…

案の定降ろした先でほのか達に怒られた。

なぜか…その際に《瞳》に映り込んだほのかと雫の俺へ対する好感度が最大値になっていたのは何故だろう…?俺、ガッツリ怒られてたよな?

 

俺はほのか達が安全な場所へ避難したのを確認して、先程のテロリストの記憶からこの事件の首謀者である司一にケジメをとって貰うため学校すぐの廃工場へ自己加速術式を展開しその場を駆けた。

 

 

一方、その頃図書室にて機密文章を盗み出そうとしたテロリストとその文章入手のために利用された壬生先輩は達也達の手によって鎮圧されていた。

 

壬生先輩はエリカとの勝負に敗北し治療と事情聴取の為に保健室に運ばれ、彼女が利用されたことの発端の事を達也は知ることになった。

原因としては壬生先輩が渡辺先輩に言われたことを誤って理解していて、全ては誤解だったと言うことだ。

その瞬間壬生先輩が近くにいた達也の胸に埋まり後悔と恥ずかしさで涙した。

その光景を深雪は目を伏せ何も見ていないポーズを取っていた。

 

落ち着きを取り戻した壬生先輩の口から「ブランシュ」の存在を聞かされ達也は案の定、と言った反応を示しており問題はその首謀者が何処にいるのかという話になる。

 

「奴らが今、何処にいるかと言うことになるのですが…」

 

「達也くん、まさかとは思うけど彼らと一戦交える気なの?」

 

真由美が達也に確認する。その肯定は過激なものであった。

 

「一戦交えるではなく、叩き潰すんですよ。徹底的にです」

 

その発言に渡辺先輩が食いつく。

 

「危険すぎる!学生の領分を越えている!」

 

「確かに学生の領分を越えています。これは警察に任せる案件です」

 

真由美の尤もらしい発言に達也は強烈な一言を突きつけた。

 

「壬生先輩を家裁送りにするつもりですか?強盗未遂で。それこそ当校の汚点になるかと思いますが」

 

その発言に十文字先輩を除く全員が絶句する。十文字先輩が達也の発言に反応した。

 

「警察の介入は好ましくない。だが相手はテロリストだ、下手をすれば命に関わる。俺も七草も渡辺も当校の生徒に命を掛けろ、とは言えん」

 

「当然だと思います。最初から委員長や部活連のお力を借りるつもりはありませんでした」

 

「一人でいくつもりか?」

 

「本来ならば、そうしたいのですか」

 

「お供します」

 

妹の発言を皮切りにこの場にいたレオ達が参戦の意思を固めてきた。

しかし達也はここで気がついた。この場に『居なければいけない男』が居ないことに。

 

「七草会長、八幡は何処です?」

 

達也に言われ真由美も気がついたのだろう「あ、そういえば…」と言った表情で八幡がこの場に居ないことを思い出していた。

 

「八くんには外の侵入者に対応するようにお願いしていたのだけれど…もう、お姉ちゃんに連絡しないなんて、まったくもう…皆待っててチョッと今何処にいるか確認するから…」

 

達也は嫌な予感がしていた。まさか八幡お前…と思案していると真由美の驚く声が耳に入り思考が中断された。

達也の想像は的中してしまったようだ。

 

「ええっ!?八くん!!?いまこの事件の首謀者が居る場所に乗り込んでいるですって!?どうしてそんな危険なことを?!」

 

全員が騒然とする。

既に八幡が位置を特定し戦闘を開始しているところだったからだ。

 

「雫さんとほのかさん達が危険な目にあった…?大丈夫だったの?…そう無事なのね。八くん今場所は?いま何処に居るの?私たちも今すぐに向かうから危ないことはしないでよ!?あ、ちょっと!」

 

ブツリ、と通話が切れてしまった。会話の内容から察すると場所の位置はどうやら学校と目と鼻の先にある廃工場らしい。

 

達也はその八幡の行動にふと『らしい』と。

どうやらあいつも考えることは俺と同じらしいと。自分と妹の日常を脅かすものは排除…八幡も同じなのだろう。

自分と姉、七草生徒会長を大事に想っているあいつならこのような手段に出るのは当たり前だったかもしないと。

達也はつくづく『自分と似ている』と感じてしまった。

 

会長の話を聞いていた

 

「雫、ほのか…無事でよかった。しかし八幡さん一人で…どうしてそんな危険な場所へ…これはどうやら『お話』しないといけないですね…!」

 

深雪は八幡の行動に対して心配していたようで怒っていた。

 

こうして達也達は十文字会頭達と現場に車で向かうことになった。

 

 

 

閉鎖された廃工場へ向かうと衝撃的な光景が広がっていた。

思わずその光景を目の当たりにした深雪が達也に問いかける。

 

「これは八幡さんがお一人で…?」

 

「ああ、これほどの人数をたった一人で全滅させるとは…」

 

閉じられていた門扉は破壊され其処かしろに無力化され気絶しているテロリスト達が転がっており武装は全て凍りつき無効化されていた。

 

「ぎゃあああああああ!!!」

 

廃工場から男の悲鳴が聞こえる。八幡のものではないことが分かるがこの事件の首謀者かもしれない。

レオ達に侵入口に留まって貰い、達也達は内部へと走った。

 

 

達也達が到着する数十分前。

 

「ここか…」

 

俺は自己加速術式を展開し《重力爆散》を鉄門扉に発動し破壊する。

 

「な、なんだ!?」

 

突如として現れた俺に驚いていたようだが此方がどうやら本隊らしい、俺の存在を確認し直ぐ様体制を整えた。

 

「貴様…!十師族の七草八幡か!?」

 

「お、こっちの連中はちゃんと調べてたのか。勉強熱心なことで」

 

「撃て!!殺せ!!」

 

外にいた数十名のテロリストが重火器を構えるが即座に振動系魔法《ニブルヘイム》を発動させる。

一瞬にして数十名のテロリスト達の重火器が凍りつき使用が不可能になる。ナイフを取り出そうとするが遅い。

飛び込める距離にいたので乱舞の型『朱雀』の構えを取りつつ武器を取り出そうとした男の手首をへし折り蹴り飛ばし集団の元に届く前に自己加速術式を併用し到達。男を蹴った反動を利用し撃破する男達の体を足場代わりにして次々と跳躍し蹴り技で意識を刈り取り無力化していく。

その姿はテロリストから見てみれば恐怖でしかなく俺のその攻撃方法は源平合戦で義経が壇之浦で使ったという八艘飛びのように見えていた事だろう。

 

…うん、自分でも思うけど気持ち悪いわ。人間やめてね?

 

「命までは取らないでおくわ…後処理面倒くさいし…まだ中に居るんだろうな…めんどくさっ」

 

周囲にいた重火器をもった数十名のテロリストどもはたった一人の人間に制圧された。

俺は気だるげに倉庫内に飛び込んだ。

 

案の定、まさに蜂の巣をつついたようにうじゃうじゃと湧いてくるテロリストたちの持つ重火器を無効化し、近接戦闘しか出来ないようにする。

がしかし、アンティナイトを持つ数名の要員がいたので振動収束系魔法《フラッシュエッジ》を複数起動させ光の丸鋸のような光輪がアンティナイトだけを切り落とした。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

目測が誤ったかもしれない。肉も削いでしまったかも知れないが死んでいないから問題ないな。

悲鳴が上がるがどうでもいい。俺は耳障りな音を無視し、再び《ニブルヘイム》を発動し氷付けにして廃工場内のテロリストを無力化した。

俺は《瞳》を使用する。どうやらこの廃工場にもう一部屋あり、数名が残存しているようだ。

道中に気配は感じられないのでそのまま突き進んだ。

 

広いホールのような場所へ出ると一人たっている男を目視で確認する。残りの人員はあそこら辺に隠れてそうだな…

俺がこのホールに入ってきたことを感知し振り返る。

メガネを掛けた細い体躯のいかにも『革命家』といった風体だった。俺に話しかける。

 

「ようこそ、初めまして、司波…ん?招かれざる客だな」

 

「お前が望んでいた人間はここには来ないし、お前も『ここ』で終わりだ司一」

 

「君は…ふははっ!まさか七草家の長男がここに来るとは…予想外だ…改めて初めまして。僕がブランシュ日本支部のリーダーである司一だ」

 

俺の目の前にいるこいつは自分の事は選ばれた人間だとでも思っているのだろうか?こういった手合いのインテリは話すと長くなるからな…

 

俺はホルスターからCADを引き抜き突きつける。

 

「一応警告しておくわ。両手を頭の上で組んで大人しくしろ」

 

「ふむ。君はあの十師族の一員だ、魔法が絶対的な力だと思うのなら大間違いだよ」

 

司が手を挙げると物陰に武装したテロリスト共が現れ俺に銃口を向ける。

 

「なぁ、ひとつだけ聞いていいか?」

 

「なんだい?七草八幡くん」

 

数で勝る司は勝利を確信しているのか余裕そうな態度で此方の問いかけに答えている。聞きたいことはただ一つだ。

 

「お前が高校を襲えと命令したのか?」

 

「ああ、そうだけれど?それがどうかしたのかい?」

 

当たり前の事を聞くな、と言わんばかりの態度だったがこれではっきりした。証拠も十分に揃った。

姉さん、達也、深雪達。そして雫やほのかが危険な目にあった。

なら、その空間に手を出したことを後悔させなければならない。

眼鏡越しに司を俺の金色に輝く《瞳》が射貫く。

 

「お前、消えていいわ」

 

俺は死の宣告を告げた。

 

瞬間、濃密な何かに司は目の前にいるこの少年が自分に向けているのは「殺意」であると。今すぐに行動を起こさなければ殺される!と思ってしまった。

 

「う、撃てぇー!」

 

司一は逃げようとし、護衛の人員は俺の殺気に当てられ直ぐ様動けなかった。

テロリスト共がサブマシンガン等から銃弾を発射しようとするが発射する前に俺が《グラビティ・バレット》を発動し腕ごと潰され銃が暴発した。

テロリスト達から苦悶の悲鳴が聞こえるがお構いなしに魔法を発動し無力化していく。

気がつくと部屋の奥へ逃げようとした司一を確認して俺はあとを追いかけた。

 

奥の部屋に入り込むと不快なノイズ音が聞こえる。

 

「ふ、ふふふっ!!どうだ化け物!…本物のキャスト・ジャミン…」

 

グ、と言いたかったのだろうがアンティナイトのブレスレッドを付いた腕を見せようと思ったのだろうが無駄だった。

何故ならば既に《フラッシュエッジ》の光輪で胴体から消し飛んでいたのだから。

 

「ぐ…ああああああああああっ!う、腕が…!」

 

鮮血を吹き出し苦悶の状態で喚いているがどうでもいい。

頭頂部にCADを突きつける。驚愕の表情でこいつはで俺を見上げるが俺の表情は死んでいた。

 

「た、助けてくれ…な、何がほしい!」

 

命乞いをするとは思わなかったがこいつが空いている手で眼鏡を外そうとする予兆が見えたので俺は直ぐ様こいつがやろうとしていることが分かり、もう1本の腕も《フラッシュエッジ》切り飛ばした。

 

「ぎゃあああああああ!!い、痛い゛…!!」

 

辺りが鮮血で染め上がり俺にまで掛かってしまう。

おい、どうすんだよクリーニング代寄越せや。

こいつがやろうとしていたことを指摘してやる。

 

「どうせ壬生先輩の時のように俺に『邪眼』でも使用したかったんだろうが…無駄だぜ。分かっている手品のタネほど退屈なもんはないぞ」

 

俺の指摘と金色に輝く《瞳》を見せると此方に対して反抗する気力がなくなっていく。

俺は止めを刺すべくCADを司一に突きつけ引き金を引いた。

意識を重力波で刈り取り傷口を焼いて止血して。あまりの痛みに今回の犯人は失神した。

 

俺は血糊を付けたままその場から撤退した。

あとに残ったのは両腕が欠損した首謀者と意識が刈り取られ無力化されたテロリストだけが転がっていただけだった。

 

 

「八幡!」

 

「八幡さん!!っ、そのお姿は!?大丈夫ですか!?」

 

廃工場のホール出口まで行くと達也と深雪の声が聞こえた。どうやら十文字会頭もこの場所に来ていたようだった。

 

「大丈夫…って、怪我してないけど」

 

「血まみれではないですか!?今治療を…」

 

「いや、返り血だから…」

 

鬼気迫る表情で俺の治療をしてこようとする深雪をなだめ十文字先輩に話しかける。

 

「無事か、八幡」

 

「ええ、ご覧の通りっすけど…」

 

「七草が怒っていたぞ…『勝手に一人で行っちゃうなんて』とな」

 

うげ…姉さん怒ってんのか…あとで埋め合わせしないとな…じゃなくて。

 

「この奥に無効化したテロリストと首謀者を捕まえてるんで処理は十文字先輩にお願いしていいっすか?警察の管轄は『十文字家』でしたよね?」

 

「ああ、それで首謀者の人間は?死亡したのか?」

 

「いえ、まぁ…死んだ方がマシな状態かもしれないですね。両手を吹き飛ばしてしまったので」

 

「其処までやる必要があったのか?」

 

俺の首謀者へのオーバーキルに対しての発言だろう。十文字先輩は俺の実力があれば其処までの行為をしなくても無効化できたはずだと思っているのだろうが違う。俺は『それ』でも手加減してやったのだ。

 

「姉さんのいる空間で。ましてや俺の大事なものに手を出した代償を払って貰っただけっすよ」

 

「そうか…分かった。あとは此方に任せろ…それと八幡、その血糊を落とせよ。そうしなければ七草に驚かれるぞ。司波、一緒に来てくれるか?」

 

「分かりました」

 

俺の揺るぎない意思を十文字先輩は確認したのか短く頷いて達也を引き連れ工場へ向かっていった。

 

「八幡さん?」

 

正面を向き直ると仁王も真っ青なほどの笑顔なのだが怒っている深雪が立っていた。

不味い、これ…やばいかも。

あまりの怒りっぷりに姿勢を正し返事をする。

 

「は、はい…」

 

「その前に血糊を落としましょう。はい」

 

そういって魔法を使い返り血を浴びた俺の制服をキレイキレイしてくれた。

 

「あ、りがとう、ございます…」

 

「どういたしまして。さて八幡さん?どう言うことなのか説明していただけますよね?どうしてお一人で?」

 

満面の笑みでありながら俺は深雪のその圧にびびっていた。なんでこんなに怖いんですか?

理由を説明しないと深雪は納得しなさそうなのでありのままを伝えることにした。

深雪に嘘付いても直ぐに見破られそうだし…

 

「…あー、えーと…最初は十師族として学校に対して変な動きをする連中に対してムカついて…その最中に雫とほのかが危うく連中の手に掛かって命の危機にカッとなって撃退して。そのときに達也や深雪が危険な目に合うんじゃないかと頭によぎって…冷静じゃいられなかったんだ、俺の…「友達」…だから…な」

 

俺は頭を両手で抱えて踞った。

 

ああああああああ!!恥ずかしい!!なにいってくれてるんですかね?俺は!?

「友達」なんて柄じゃないでしょーが…向こうは、達也達は俺を「友達」だなんて思っていないだろ。

せいぜい良くて「知り合い」だ…誰かこの勘違い野郎を殺してください…

ふと目が深雪と合う。

 

深雪はキョトンとした顔で俺を見て「友達…ですか…」と呟いて残念そうな、でも喜んでいるようななんとも言えないお母さんが子供を見るような慈しみの目で俺を見てくる。

 

深雪さん、やめて俺のライフはゼロよ!その残念なものを見る目で見ないで!

 

再び地面に視線を向けると柔らかい感触が俺の頭に触れた。

深雪がしゃがみ項垂れている俺の頭に白い綺麗な手が撫でていた。

 

「八幡さん」

 

普段よりも優しげな声は大きくはなかったがしっかりと俺の耳に入ってきた。

 

「は、はい?」

 

「八幡さんが傷ついたら兄も…私はもちろん悲しみますからね。だから、約束してください。無茶しないと」

 

真剣な表情で俺を心配してくれているようだったが俺にもプライドというものがある。

目の前で知り合いが傷つけられるのは寝覚めが悪いし俺の精神衛生上よろしくない。

そう全ては『自分』の為なのだ。

深雪に今出来る精一杯の抵抗を見せる。

 

「善処…します」

 

深雪に負けたりなんてしない!

 

「してくれます・よ・ね?」

 

全てを魅了するような笑顔だったが有無を言わせずに「はい」と言いなさいと言われているようだった。

駄目だったよ…

 

「…は、はい」

 

こうして『国立魔法大学附属第一高校襲撃事件』は無事収束を向かえた。

 

七草の義理の息子の活躍によって。




次は九校戦の話かなぁ…。
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