俺が七草の養子なのは間違っている   作:萩月輝夜

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投稿遅すぎぃ!!
…すいません、試験勉強等で筆が遅くなっちゃいました。
8月の後半まで投稿できるか微妙です。

コメント&評価ありがとうございます。
誤字脱字報告も重ねてありがとうございます。


鉄板ネタは三度までだぞ

病院襲撃事件から一夜明けて月曜日。

今日も姉さんと一緒に登校しキャビネットから出ると見知った顔が別のキャビネットから出てくるのが見て取れた。

それは向こうも同じで此方に気がつき駆け寄ってくる。

 

「…」

 

その姿を見た姉さんが一瞬不機嫌そうな表情を浮かべるが直ぐ様普段通りになった。

俺じゃなかったら見逃してるね。

 

「不機嫌にならないでくんない?姉さん。」

 

「…別に?不機嫌になんてなってないわよ?」

 

「いや既に現れてんじゃん…。」

 

ペシっ。

 

「いだっ。」

 

そんなことを言うもんだから俺の二の腕を叩いてきてきたのちに俺の右腕に自分の腕を絡ませてくる。

 

「そんなことを言う八くんにはこうしちゃう。」

 

「ちょ、おい!…はぁ、好きにしてくれ…。」

 

妙に嬉しそうにしている姉さんが隣に居るがまぁいいかとなったが付近に居る男子生徒達が血涙を流しながら悔しがっているのが見れたがお前達に姉さんは渡さん、とだけ決意した。

その光景を見ていたのは当然男子生徒だけではなく…。

 

「八幡?公衆の面前で何をしてるのかな~?」

 

「会長離れてくださいますか?」

 

「ん。同意。」

 

「か、会長は八幡さんから離れてください!」

 

「あら?皆さんお揃いで登校かしら?」

 

俺と姉さんの目の前にはエリカを初めとした少女達がキャビネットのロータリーで一触即発に陥りそうになったが俺と達也の発言を受けてハッとなっていた。

俺たちの声色も怒気を帯びていたからだろうか。

 

「「みんなの迷惑なるからやめような姉さん」やめるんだ深雪。」

 

「「「「ご、ごめんなさい」「申し訳御座いません…」」」

 

気を取り直して俺たちは第一高校へと足を向けた。

 

駅から学校まで男は俺と達也、女子が五人と見る人から見れば羨ましがること請け負いではあるがただのクラスメイトと同級生と姉だ。

今俺の左右には姉と反対側にエリカが居る。

後方に居る深雪達が前方に居る俺へ恨み節のような視線をぶつけるが気のせいだと思って無視をする。

隣に居るエリカが俺に話しかけてきた。

 

「昨日次兄上と病院で会ったって本当?」

 

「聞いたのか?」

 

「ええ。…一緒にいけすかない女と一緒に居たこともね。」

 

いけすかない女…もしかして渡辺先輩の事を言っているのだろうか?

その事について突っつくと薮蛇をつつくことになりそうなのでやめておくがエリカは俺と同じくシスコン…もといブラコンなのだろう。

その点においては俺とエリカは近しい存在だと言えるだろう。

耳元に近づき囁く。

その行動に隣に居る姉さんと深雪達が「なっ!」と声を上げていた。

 

「その時に『人喰い虎』と戦ったんでしょ?その時剣術を使ったの?」

 

「使ったけど…それがどうかしたのか?」

 

「次兄上が八幡に『今度千葉家に連れてきて手合わせしたい』って伝えてくれって。」

 

「マジかよ…。」

 

正直あんまり『刀藤流剣術』を広めたくはないのだが…。

”千葉の麒麟児”と呼ばれた修次さんに見せたのが間違いだったと後悔したがあのときは持っていたCADが威力がありすぎるものだったので抜くわけには行かなかったし仕方がないと言えば仕方がないと言えるのだが…。

エリカがとんでもない爆弾発言を決めた。

 

「これであんたをウチに呼べる口実ができたからあたし的には大歓迎。」

 

顔を少し紅潮させたその発言は思わずドキリとしてしまい視線を姉へ戻すと不機嫌な表情をしていて俺は思わず冷や汗を流した。

 

「ふぅ~ん…」

 

「な、なんだよ…。」

 

「別に?お姉ちゃんの約束破っちゃうんだ?って思っただけよ。」

 

「ここで蒸し返すなよ…。」

 

「ん?何の話?」

 

エリカには聞こえていなかったらしくそのまま何も聞こえないことにして貰おう。

 

「ああ、いや今度エリカの家に行くの楽しみだなって…。」

 

「絶対に…きてよね?」

 

「お、おう…。」

 

顔を俯かせ袖を控えめに摘まんでくる様子に普段とは違う印象を受けて『かわいいなこいつ…』となったが俺は悪くない。

その事を告げたことで俺に突き刺さる視線が強くなった。

俺は悪くない。

 

◆ ◆ ◆

 

姉さん、エリカ、達也達とは教室が違うし学年も違うため一旦ここで分かれて教室へ深雪達と向かう。

教室に入るとクラスメイトから「おはよー七草くん。」「おはようさん。七草。」と挨拶をかけられ俺は

 

「うっす。」

 

と声を上げて手を挙げる。

普段通りの挨拶であるのでクラスメイト達は普通の反応を返してくれた。

何時も通りに挨拶を返して席に着く。

始業時間までは時間があるので一眠りするか…と思ったが俺の席付近の女子はそうはさせてくれない。

と言うよりもヘソを曲げている女子を宥めなければならないと言う高難易度ミッションが待っていた。

 

「…なんでお前達ヘソ曲げてんの?」

 

「曲げてなどおりませんよ?」

 

「曲げてなんていない。」

 

「ま、曲げてなんていないです。」

 

完璧にその様子が構ってほしい妹に重なって苦笑するしかなかったのだが深雪がその理由を発言した。

 

「最近はエリカも無自覚に虜にして本当に…。」

 

「虜?なんでエリカが…。」

 

深雪の言っていることが分からないが…ってなんでその事知ってるんだ?

 

「八幡のお家に言ったことなんて無いのに羨ましい…。」

 

「いや、ウチにきても面白くないだろ。」

 

何故、雫がその事を知ってるんだ…?

 

「わ、私も八幡さんのお家に泊まりに行きたいです!」

 

あ、間違いねぇエリカの奴ゲロりやがったな。あいつ…。それにほのか?女の子が男のウチに泊まりたいって言うもんじゃないからな?

 

「泊まりはダメだが遊びに来るのは良いけど…」

 

「本当ですか!?」

 

少し喰いぎみに俺の回答に食いつき俺の席へ詰め掛ける。

その瞬間にほのかの大きなものがドタプン、と揺れて目を奪われる。

 

「ん、八幡私は?」

 

「ああもちろん。」

 

雫が聞いてくるのでもちろんと答える。

友達だと思ってた奴の家に呼ばれた時に「なんでお前居るの?」と言われて追い出されたことを思い出して仲間はずれは辛かろうと言う意味でだが。

 

「では…八幡さんのご自宅にお邪魔するついでですが私はシロちゃんの様子を見に行かせていただきます。元気ですか?」

 

「ああ、シロね。元気だよ。人馴れしすぎてお前本当に捨て猫か?って疑いたくなるぐらいには。」

 

この間の夏に保護した白猫…白いからシロと名付けられた子猫はウチのアイドルと化しており家政婦さん達や家族をメロメロにしている。

とても人懐っこく最近では仕事している父の膝で丸くなって寝ているか俺の部屋に入り込み俺の布団に忍び込んでくるほど人馴れして居る。

 

「ん、八幡私も猫見たい。」

 

「私も見たいです。」

 

「ああ。良いぞ。そうだな…今はウチが忙しいから12月頃になるかも知れないけど良いか?」

 

「ええ」「うん」「はい」

 

三人の少女達は嬉しそうに頷くと当時に授業を告げるチャイムが鳴り響いた。

 

 

授業が終了し昼休み。

席を確保するために俺と深雪はほのかと雫を先に配膳台に行かせて料理を取りに行かせている間に深雪からお礼を述べられた。

 

「八幡さん。お兄様の護衛お疲れさまです。」

 

「?何の件だっけ…ああ。先日の日曜日か」

 

「ええ。危うくお兄様がお作りになられた研究テーマの起動式が危うく奪われるところだったとお兄様からお聞きしまして。」

 

「まぁ仕事だしな。気にするなよ。まぁ実行犯が捕まったとは言え単独犯とは言いづらいが…。」

 

その背後に誰が着いているのかは俺は把握しては居るが無関係な深雪を巻き込むわけには行かないのでその事は告げなかったが。

 

「その事を本人に聞いてみるか…。」

 

「?なにか言いましたか?」

 

深雪が不思議そうな表情を浮かべて此方を覗き込んできた。

 

「ああ、いや何でもない。」

 

もしかしたらと俺の脳内で推理が始まる。

現地協力者として利用されていた平河はあの長髪の青年を通して協力者として仕立て上げられ呂剛虎に狙われていたのだとすれば関本先輩はさらにヤバイか…?

データの奪取ともなれば呂とその関係者の顔を見ているはずだ。

消される可能性はある…。

正直自分の都合で犯罪紛いの行為に手を貸したことに関しては自業自得だとは思うが姉さんの居る学校で傷害事件など起こされたら堪ったものではないので関本先輩を保護するためにも向かわなければならないだろう。

となれば特別鑑別所へ呂剛虎の襲撃もあり得る。既に情報は伝わっているはずだ。

並みの魔法師では奴に勝つことなどできないのは既に二度も交戦している俺だからこそ断定できる事だろう。

惨劇が起こるのは確定だ。

てか、俺はあいつと何回戦えばいいんよ…?

 

「…ん?」

 

そんな脳内で推理を進めていると不思議そうな表情を浮かべて俺を見つめる深雪の視線が俺の眼前まで近づいているのに気がつき思わず声を上げる。

 

「…うおっ!?」

 

椅子から転げ落ちそうになった瞬間に踏ん張りどころが悪かったのか力が入らなかった。

 

「八幡さんっ」

 

すかさず隣に居た深雪が支えてくれた、のだが。

 

「す、すまん深雪…」

 

「は、八幡さん……///その…。」

 

俺を支えている深雪の顔はリンゴのように真っ赤になっており顔から湯気が出てしまいそうな程であり俺は嫌な予感がして深雪の顔から視線を下へ向ける。

 

「…い、いやわざとじゃ…!」

 

俺の手はナニかに捕まろうとしたのだろう、まさかの掴んだモノが”深雪の胸を鷲掴んで揉みしだいている”のだから。

夏休みでのあの感触を思い出し思わず男の悲しい性で感触を思い出そうともう一度揉みしだきそうになったもう一人の俺を全速力で張り倒し深雪から離れ全力で謝罪した。

 

「…」

 

深雪は此方を恥ずかしそうに見て胸の辺りを腕でクロスしている。

その瞳は潤んでいた。

 

「す、すまん!!」

 

同級生の胸を揉みしだいて謝罪だけで済まそうと言うのは虫の良い話だろう。

済まない妹達…このままだとお兄ちゃんは同級生のおっぱいを揉んだことで警察沙汰になって明日の朝刊に乗ってしまいそうです。

 

『七草家長男、第一高校の雪の女王こと”Sさん(匿名)の身体へ触れて裁判沙汰へ!?』で紙面を飾ってしまいそうなのはどうしても避けなければならない…!示談金って相手の言い値だっけ?数億なら出せるけどさぁ…!!

 

「…顔を上げてください八幡さん。」

 

大真面目にそんなことを考えていると深雪から声をかけられた。

俺は恐る恐る面を上げるとそこには顔を赤くしながら此方を見据える深雪が居た。

 

「大丈夫ですよ八幡さん、警察にも突き出したりしませんから。」

 

「深雪さん?なんで俺の思ってることが分かんの?エスパー?」

 

「私はBS魔法師ではないですよ?…八幡さんが分かりやすすぎるんです。…コホン。ですが八幡さん私の胸をイヤらしく揉みしだいてなにも無しでは八幡さんがまた事故を装って襲われてしまうかも…。」

 

「いやそれは、」

 

無いだろ、と言いかけたが俺の台詞を遮った。

 

「心から?神に誓ってでもですか?」

 

「…ああ。」

 

「嘘ですね♪」

 

信用無いね俺ね…。

満面の笑みで否定されて心が折れそうになったが女王深雪様から一転して心優しい同級生深雪さんへジョブチェンジして俺へ話しかけてきた。

 

「…冗談ですよ八幡さん。…今回は私の不注意で今のような”事故”が起こってしまいましたが私以外にこのようなことをしないでください。」

 

「は、はい…。」

 

「八幡さんが私をデートに誘ってくれましたら信じましょう。」

 

「俺が深雪をデートに誘うのは難易度が高すぎじゃありませんか?」

 

「…胸を揉まれたのに。」

 

「ぐっ…!」

 

「ほのかとはデートしていたのに私とはしてくれないんですね…?」

 

「うぼぉあ…!?」

 

「このままではお兄様に『八幡さんから獣の如く胸を揉みしだかれた』と…。」

 

そんなことを達也に知られたら俺はこの世から消されてしまうのでやめてください死んでしまいます。

姿勢を正して向き直る。

 

「分かった…分かりましたこのとおり…デートさせてください。」

 

「約束ですからね?はい指切りです。」

 

深雪の白魚のような白い小指に俺の指が絡まりお馴染みの言葉を告げる。

 

「ゆ~びきりげ~んまんうそついたらはりせんぼんの~ます♪指切った♪」

 

「指切った…。」

 

「うふふっ♪」

 

そういって俺と深雪は指を離し深雪は嬉しそうに俺は申し訳なさそうな表情をうかべた。

その直後に雫達が戻ってきて達也達も食堂の俺たちのいる場所へ近づいてきた。

今起こったことは俺と深雪の二人だけの秘密になった。

てか待って?『私以外にはしないで下さい』って言ったか?

 

その後昨日のことをみんなに伝え達也は鑑別所に収監されている関本先輩と面談するために達也が行動を起こそうとしていたのを見て俺は少しため息をつきたくなった。

 

◆ ◆ ◆

 

その日の放課後、関本先輩のいる特別鑑別所へ向かうための委任状を一応形だけでも貰いに行こうと考え風紀委員会本部へ向かうと声が聞こえた。

 

『ダメ』

 

怪訝に思いながら扉を開けて入室するとそこには渡辺前委員長と千代田先輩、そこには達也が居た。

 

「おはようございます。…どうしたんすか?」

 

「ああ、ちょうど良いところに八幡くん。達也くんに言ってあげて!」

 

「何をっすか?」

 

「関本勲の面会申請をよ。」

 

やっぱり…と合点が行ってしまったが関本先輩を保護するためには向かわなければならないのは俺も一緒なので千代田先輩を説得にかかる。

 

「被害を受けたのは当事者である達也のはずっすよ?それを何の理由も無しに『ダメ』で押し通すのは流石に酷いんじゃないですか?そもそもにおいて鑑別所の面会承認は風紀委員長を通して生徒会長がすることになっていますんで最終的な決定権は学校に在りますが。」

 

「なっ!?」

 

千代田先輩もまさか俺が達也の味方をするとは思っていなかったのだろう。

二の句が告げずにいるのを俺は好機と見て追撃をかける。

 

「申請を出すのが達也でダメなら俺なら大丈夫でしょう?その随員として達也を連れていく、まぁ俺は監視でもしていれば良いんじゃないですかね?」

 

「ぐぐぐ…でも、」

 

「これはお前の敗けだな花音。諦めろ。それにあたしと真由美と八幡くんの三人で一緒に関本の様子を見に行く予定を立てて居たからな。問題なかろう?」

 

「…まぁ、摩利さんと八幡くんが一緒なら。」

 

一応俺も大丈夫判定になっているのが驚いたが拒否されたら”七草家の権力”を使って行こうと思っていたから好都合だった。

 

「八幡くんには事後報告になってしまったが構わないね?達也くんのそれで良いかな?」

 

「大丈夫っすよ。」

 

「大丈夫です。」

 

こうして四人で関本先輩のいる特別鑑別所へ向かうことになったのだった。

 

◆ ◆ ◆

 

「準備できました。」

 

雑居ビルの一室で陳達は関本勲を始末するための部隊を選抜し編成が完了した。

 

「呂上尉。」

 

「是」

 

呂剛虎は陳へ指示を出す。

 

「特別鑑別所は現在警備が厳重になっている。当然ながら正面後方からの潜入はできない。そこで呂上尉は屋上からの潜入して対象を抹殺しろ。随員は正面で騒ぎを起こし引き付けろ。装備は対魔法師用のハイパワーライフルを装備。回収は陸路を使い車両だ。」

 

随員が敬礼し作戦が始まった。

しかし呂はターゲットである関本勲などどうでもよくなってきていた。

来るであろう自分に二度も土をつけた男へと意識は割かれてその名前を呟く。

 

「七草八幡」

 

その感情が薄い表情からは予想だにしないほど募る怒りが迸っていた。

 

◆ ◆ ◆

 

そして次の日火曜日。

俺は達也と姉さん、渡辺先輩の四人で関本先輩が収監されている特別鑑別所へと足を向けた。

一応部隊の数名を鑑別所付近へ展開し不審者が現れたら俺の端末へ報告するようにとは伝えていたが今日に至るまで報告はなく平和だった。

なぜだか今日は襲撃が敢行されると俺の”勘”がそう物語っていた。

 

入り口では様々な手続きがあったが入ってしまえば拍子抜けしてしまうほどであった。

これも偏に”七草家の権力”が働いているのだろう。

俺と姉さんがいるからだろうか。

先日の立川病院での暴漢の報告があったために警備人員は割り増しになっていた。

ここに襲撃をかけるのはよほどのバカか腕に自信があるバカの二者だ。

 

関本先輩が収監されているのはビジネスホテルのような個室だが、それと異なり部屋の中を覗き見られる隠し部屋が併設されている。

その部屋に俺と姉さん、達也が入り関本先輩を尋問するために相対するのは渡辺先輩ただ一人である。

正直俺の《記憶読取(リローデットメモリ)》を他人に見せるわけにはいかないので助かったのだが女性をほぼ犯罪者の部屋に一人で行かせるというのは少し複雑な心境では在る…。

隠し部屋に備え付けられた大型の偽造ミラーに映る渡辺先輩に対して関本先輩が”天地がひっくり返っても勝てない”ということはこの部屋にいる誰もが知っていた。

関本先輩が暴れたとしたら俺と姉さんが取り押さえる算段をしている。

 

関本先輩がいる部屋に渡辺先輩が入ってくると驚いた表情を浮かべ無意識に手首に手をおいていたのは普段の癖か自分よりも強い渡辺先輩を警戒してだろう。

声が震えてないのが不思議なぐらい緊張をしているのが見て取れる。

 

『もちろん事情を聞かせて貰いに来た。』

 

同じ風紀委員だったことも相まって渡辺先輩のやり口はよく知っているものだろう。

だからこそこの密室に渡辺先輩が来たことにより関本先輩の警戒心は大きく引き上げられている。

無論、それは今尋問を行っている先輩も知っていることでこの鑑別所で魔法を使おうモノならば警報システムが作動し収容室に備え付けられた銃座(暴徒鎮圧用のゴム弾)が作動し対魔法装備をつけた警備員が飛んでくる。

 

『そうか?』

 

渡辺先輩はそうとだけ告げると匂いを使った意識操作の準備を会話中に準備しており関本先輩はその狙いに気がつき息を止めるが既に遅かった。

 

部屋には意識誘導するための匂いが満ちて意識は堕ちていった。

 

 

「渡辺先輩すげぇな。」

 

俺は素直に渡辺先輩の自白剤を使わずに”匂い”での意識操作の手腕に手放しで感心していた。

 

「八くんは摩利がどんな魔法を使ったのか分かるの?」

 

「ああ。魔法…と言うよりも手品見たいなもんだろう?意識誘導、匂いでアロマテラピーとかのそういった類いだろ?渡辺先輩は防衛大にはいるよりも専門校に入った方が引く手数多なんじゃないか?」

 

白衣を着て悩み相談をしている渡辺先輩を想像したら存外似合っていた。

戦う民間療法師とか人気でそうじゃない?見た目も相まってだけど。

どこぞの戦うコック…○ガールかよと一緒のカテゴリーになったが。

その事を告げると姉さんはクスりと笑ってた。

達也も苦笑いを浮かべてその反応を見ていたがその直後に警報が鳴り響いたと同時に通信が入る。

 

「俺だ。」

 

実働部隊の一人の少女からの通信だった。

 

『連中が侵入してきたみたい。正面にはハイパワーライフルを装備した諜報員が数名…あ、上空からの強襲が本命みたい!』

 

その報告を聞いて俺は頭が痛くなったがそうもしていられない。

素早く指示を出す。

 

「やっぱりかよ…お前達は下の警備員達と一緒に防衛に務めてくれ。”七草の関係者”と言えば問題ない。」

 

『かしこま~!』

 

防災警報ではない、非常警報が鳴り響いている。

 

警報を聞いた俺たちの反応は早かった。

俺は姉さんを連れて廊下の外へ、達也は周囲を警戒し、向こうの部屋に居た渡辺先輩は関本先輩を備え付けのベットに気絶させて倒し部屋を出て鍵を掛けた。

 

「侵入者…やっぱり…。」

 

天井のメッセージボードを見て確認すると同時にこの鑑別所を襲撃を仕掛けた獣性とそのプレッシャーを感じとる。

 

俺の呟きに渡辺先輩が反応し戦慄していた。

 

「どこのバカだ…。」

 

その答えは直ぐ様分かった。

 

「そこに居ますよ。…姉さん達、下がっててくれ。」

 

三階の非常口付近へ素早くホルスターから《特化型CAD(ガルム)》を引き抜き『重力爆散(グラビティ・ブラスト)』を叩き込む。

 

「八くん!?」

 

「八幡くん?!」

 

爆音と爆風が館内に響き渡る。

俺の突然の施設の破壊を目の当たりにして驚いているようだったが達也は気が付いていたのだろう。

俺の突拍子の無い攻撃に驚く素振りも見せずにその視線は非常口へと注がれる。

 

煙が充満する付近から大柄の若い男が飛び出した。

その身長は俺よりも頭ひとつ高く、だとすれば百八十後半。

鍛え上げられた肉体は鈍重さを感じさせない、どちらかと言えば大型肉食獣を想起させるしなやかさを兼ね備えていた。

その姿を確認した渡辺先輩は見覚えのある男だった。

 

「呂剛虎」

 

◆ ◆ ◆

 

「ちっ…鉄板ネタは三回が限度だっつーの。」

 

俺はそう吐き捨てるように呟き《乱戦乱舞・朱雀乃型(お馴染みの構え)》を取り先輩達の前に行こうとした瞬間俺へ前方から敵意が殺到する。

前へ出ようとした渡辺先輩を蹴って後ろへ勢い良く倒す。

 

「ぐっ…八幡くん!?一体何を…?」

 

ズドン!とさっきまで渡辺先輩が居た場所へ大口径の銃弾が叩き込まれそれを合図に鉛弾の大豪雨が俺たちへ殺到しそうになったその瞬間に俺の正面、つまりは攻撃が当たる全面へ叩きつけるような重力フィールドが形成されて叩き落とされる。

力業で押さえ込むその光景をみて渡辺先輩は俺へ文句の一つを言いたかったのだろうがキャンセルされた。

 

「す、すまない八幡くん助かった。」

 

「渡辺先輩は姉さんの援護に入ってください…まだ来ます!」

 

銃弾は全て叩き落とされ攻撃は此方へと届かない。

 

「対魔法師用のハイパワーライフル…潤沢だなぁおい!」

 

同じく呂と共に降下してきた工作員が対魔法師様のハイパワーライフルを持って此方へ遮蔽物の影から射撃をして来るが俺が重力フィールドを形成しているため当たらない。

しかしそれと同時に達也達の背後から接近してくる気配がある。善意ではなく悪意、もしくは殺気。

その事に気が付いた俺は素早く達也に指示を出す。

 

「達也ぁ!後ろから歩兵八!姉さんと先輩を頼む!」

 

その瞬間に背後の階段がある扉をぶち破って都市迷彩を着用した諜報員が同じくハイパワーライフルを装備して姉さん達へ襲いかかる。

 

「分かった!」

 

俺の言わんとすることを理解し素早く応戦を始めた。

 

(達也ならあのくらいの敵を倒すのはわけない…筈なんだがやっぱ何か隠してるな…。)

 

たまたまチラ見したときに達也の魔法演算領域に巣食っていたあの大容量の”魔法”のことが脳裏を過るが今はそれどころではない。

 

「八くん援護するわ!」

 

姉さんの申し出は嬉しいが余計な手が入ると計算が狂ってしまうのでどちらかと言えば後方に展開している連中の相手をしていて欲しいので少し冷たい言い方で答える。

 

「姉さんは俺の背後に居る連中の排除を頼む!」

 

「…っ、分かったわ!」

 

姉さんの”マルチスコープ”があれば非魔法師等相手ではないので直ぐに決着は着くだろう。

この鑑別所でドンパチされたら色々と問題になるのだがそれも想定内だ。

 

近くの遮蔽物に隠れつつ応戦している達也の戦闘スタイルをみていると若干の苛立ちを覚えたが人には隠しておきたいこともあると飲み込んで正面で展開している諜報員達を詠唱破棄した《重力爆散(グラビティブラスト)》を叩き込み地面へと叩きつけられ悲鳴が上がる。

死にはしない威力に押さえたので問題はないだろう。

それよりも問題なのが今目の前に居るのだが…。

 

呂は此方へ突進を開始した。

どうやら援護など不要と言わんばかりに初めから待つつもりは端から無かった様で遭遇した際”俺しか見ていなかった”。

 

「シッ!!」

 

呂の命を刈り取る拳が俺へ迫ろうとした時に拳に纏わせたサイオンで迎え撃つと同時に地面を重力魔法で砕きコンクリ片を反重力で飛ばし質量攻撃を行う。

しかし相手もコンクリを拳で砕き此方への攻撃の手を緩めない。

此方も攻撃を受け流し片手に装備した特化型で《グラビティ・バレット(得意技)》をばらまくと鋼気功で弾かれてしまうが怯ませることには成功した。

利き足を踏み込み攻撃を仕掛ける。

 

「ふっ…!」

 

振り抜いた拳は確かに呂をとらえた筈なのだが本来であれば肉体を殴ったときに生じる破裂音は”パァン”と肉を打つ音ではなく”ガァンッ!”と金属を打つ音が鳴り響いた。

 

(強化してきやがったか…?)

 

呂を打った拳は負傷しなかったが手応えが先日に相対したときよりも向上しているのが感じて取れた。

此方と打ち合う呂の表情は不適に笑っているように見えた。

さながら獲物を狙う肉食獣だ。

 

「気味の悪い野郎だ…!」

 

俺は《朱雀乃型(速度重視)》を解除して《白虎乃型(破壊力)》に構え直し凶戦士と相対するが速度の遅い《白虎》では呂の速度には追い付け無いが情報強化された鋼気功を撃ち抜くにはこれしかない。

”殺さないように加減して気絶させる”のは至難の技だ。

相手は近代近接魔法師十指に入る実力者でありその考えは蜜よりも甘い。

 

まさにその考えは命取りだった。

 

《白虎乃型》が発動中の拳を呂へぶち当てようとするが回避されてその場から消え去った。

 

「やべっ!」

 

背後に居る姉さんの声が俺に届く。

 

「八くん!」

 

恐らく背後に移動しているのだろう呂は命を刈りとるために俺の心臓を拳で貫こうとしている。

ここの距離では他人の援護は望めないしそれにこの状態ではもう片方の手でCADは引き抜けない。

自分で何とかしなければならない場面だ。

仮に殺されたとしても《物質構成(マテリアライザー)》を使ってしまえばそれまでだができればそれは姉さん達の前では使いたくない。

そうなれば俺は”鬼札”を切ることにした。

背後から近寄る獣を一瞥せずに発動する。

 

『召龍・青龍乃型』

 

瞬間、体内からサイオンが急激に抜けていく感覚を覚える。

 

「くぅっ…!」

 

その瞬間、背後より寸でのところでその拳を俺を貫けるところまで行った呂へ”地面より黒いナニか”が現れ嘶きそれごと凄まじい衝撃ごと天井へと激突した。

 

『グオッッッッッッッッッ!!!』

 

「ガァッ!!?」

 

戦闘を終えて此方への援護をしようとしていた姉さんを含めた三名は驚きの表情を浮かべる。

 

「なに…それ。」

 

「何だ一体それは…」

 

「八幡それは…。」

 

『グルルル…。』

 

天井に突き刺さっていた呂は一瞬だが動きを止めたのちに拘束を振りほどいて降りてきて此方を見ているがその表情は感情が薄いとはいえ遠目からみても”驚いている”と分かる。

 

「ちっ…結局使うことになっちまったな。」

 

俺の隣には俺の体躯よりも二回り三つ回り程大きい黒い光を纏った”龍”が俺に渦を巻くように纏わり付く。

その姿は東洋に伝わる青龍…ではあるのだが生物よりかは機械と有機物が融合したような見た目でありそれも驚く原因なのだろうが…。

 

正直この技は使いたくなかった。

理由は只一つ。

目立つからだ…というのは嘘だが《召龍・青龍乃型》は俺自身のサイオンの四分の一を喰らって現れるこいつは俺の《四獣拳》の中で《白虎》よりも”一番殺傷力が大きい”技だからだ。

 

相手もプロの軍人、困惑はしていたが直ぐ様気を取り直し此方の命を奪おうと大型肉食獣の如く此方へ突貫を仕掛けてくる。

しかし、呂は気がついていなかった。

 

俺の『瞳』が金色の”爬虫類種”へと変化していることに。

 

「……」

 

『ギュグオァァァァ!!』

 

黒龍が黒炎を吐き出し呂へ直撃する。

 

「ウォォォォォ!!?」

 

焦げ付くような匂いが鼻に突くが勢い勇んだ呂の速力が落ちていく。

 

クルリ、と背を向けて脱力する。

その行為に姉さん達の驚く声は当然ながら来るわけだ。

 

「ど、どうして後ろを向くの!?」

 

「何を考えているんだ八幡くん!」

 

「八幡!」

 

呂の鋼鉄すら貫く拳が俺へ当たる瞬間。

 

「ハッ!!」

 

『ギュグオァァァァ!!』

 

その拳に俺の強化された剛脚に黒龍が吐き出した黒炎が付与された回し蹴りが激突する。

 

「…」

 

「…」

 

一瞬の静寂がその場に広がる。

拳と脚がぶつかったその瞬間に空気が弾ける音が鳴り響いて呂は俺の脚を砕いたと思ったのだろうがそれは逆だった。

 

「っ!?」

 

呂の拳が弾け砕け散り欠損する。

それに連鎖するように獣の躯から鮮血が迸り床を赤で汚していく。

 

「ぐ…がぁ…!」

 

「…」

 

倒れまいと此方に追撃を仕掛けようとする呂へ俺は無慈悲に拳を欠損している右腕に剛脚を当てた瞬間に”龍の顎”がイメージとして現れ喰らい尽くし右腕を失わせた。

 

『青龍乃型・龍撃』

 

この技は相手のサイオンを全て食らいつくし自分の攻撃の威力に上乗せし相手の魔法式も無効にしつつ相手の肉体へ裂傷、もしくは破壊させるために開発されたこの技は師匠でもある婆ちゃんから言わせると”最もエグい技”と言われている。

 

「……!」

 

最後の踏ん張りが無くなってしまった呂は血だまりに崩れ落ちていった。

この体躯であれば死にはしないだろう。

倒れ込む獣を見てボソり、と呟いた。

 

「地を這う獣が天に浮かぶ龍に勝てるわけねぇだろが。」

 

◆ ◆ ◆

 

正面で奮戦していた警備隊は一人の犠牲も出さずに済んだが襲撃者は逃げられてしまった、という結果になってしまったが十分といえるだろう。

警備隊が八幡達のいるエリアに到着した場面は地獄絵図であったことだろう。

 

挟み撃ちにされた状態で四名全員が五体満足であり襲撃を仕掛けてきた13名のうち13名は重症であったが全員生きては居た。

 

特に警備隊が目にしたもので一番驚いたものといえば血だまりに沈む手配中の呂剛虎がおりそのすぐ近くに少年がキズひとつついていないことだろうか。

その光景に驚きこそすれば少年少女達の制服が”第一高校”の物を着用していたために直ぐ様確保に踏み切った。

恐らくは『七草家』の事を知らされていたのだろうが。

血だまりに沈む呂剛虎は片腕を失っており気も失ってはいるが命に別状はなかった。

その後、事情聴取は行われなかった。

ここでも『七草』の名前が有効活用されていたことを知り八幡は後処理の事を考えずに済むな、と頭の中に思い浮かべて真由美達よりも先にその場を後にした。

 

その後に達也たちから先ほど使用した技を聞かれたが「秘伝だから教えられない」とだけいってその会話を終わらせた。

恐らく幹比古が居れば先程八幡が召喚した龍を見れば腰を抜かして驚いていたことだろうが…。

特別鑑別所を襲撃してきたテロリストと呂剛虎を確保することが出来た。

しかし、実働部隊である呂を捕まえることは出来たがそれに指示を出している首謀者がまだ捕まっていない。

逆に論文コンペ当日までは安全を確保できているといってもいいが当日は戦争じみた光景が広がることは想像に固くない。

八幡は端末に連絡を入れて現在横浜に駐留している不明船へ工作活動を仕掛けるように指示を出すと直ぐ様七草傘下の実働部隊のリーダーから「了解した」の返事が帰ってきた。

 

リーダーに工作を任せて八幡達は帰路に就いた。

 

 

論文コンペティションが行われるまで妨害は一切無かった。

本番が開かれるまでの一週間は平和そのものであったのだが横浜に潜伏している敵はそれどころではなかった。

”突如として直立歩行戦車が内部パーツが腐食し大破”、”装備群の紛失”、”弾丸が劣化してしまい使用できない”等といった論文コンペティション当日に蜂起する予定に間に合わなくなってしまっていたがそれは学生達にとっては関係の無いことであった。

 

そんな論文コンペティションが開かれる二日前。中華街の一室にて二人の男性が向かい合い会話をしていた。

 

「周先生すっかりお世話になりました。」

 

「恐縮です、閣下。」

 

青年に向かい合う陳は何時もと変わらず横柄な口調を出しているが周はそれを気にも止めずに恭しく、柔らかな表情を浮かべて頭を下げている。

 

「しかし、大変でしたね。まさか持ち込んだ装備群が全て破壊されてしまったとは…閣下の心中をお察しいたします。」

 

「ええ。周先生のご協力が無ければ破壊された装備群を集めることは出来なかった。…必要最低限ですが、感謝いたします。」

 

陳は目の前にいる青年に借りを作ってしまったことに多少の胃の痛みを覚えていたが起きてしまったことは仕方がないと飲み込んだ。

潜伏していた装備群を破壊した工作員を調べようとしたが”痕跡が一切見当たらなかった”のだ。

必要最低限の装備を周に用意してもらい本国へは追加の装備を送るように打診した。

 

「本国からの追加物資と艦艇を派遣するとの連絡がありました。少々予定は狂いましたが作戦を遂行することが出来る。」

 

「おお。それは良かった。お役に立てたのでしたら光栄です。」

 

「ただ、一つ未解決な問題がありまして。」

 

「おや、それは何でしょうか閣下。」

 

対面している二人は何時もの表情で腹の探り合いをする。

 

「ご存じかも知れませんが武運つななく副官が敵の手に落ちてしまいまして。」

 

「存じております。誠に運が悪かったとしか申し上げられません。まさか呂先生が…。」

 

「しかし、一度敵に囚われる失態を犯したとはいえ彼は我が国に必要な武人。」

 

周は無言で頷いて陳の言葉を肯定しはするが自らは言葉を発しない。

余計な言質を取られないように。

なにも言おうとしない周に陳は諦めて自らの言葉を切り出した。

 

「もう一度だけ力を貸しては貰えないだろうか。」

 

陳が周へ頭を下げずにそう言うと、周は軽く目を見張って驚きを表現した後に、返答した。

 

「閣下、もちろんですとも。同胞の危機を見過ごすわけには行きません。」

 

座りながら机に乗り出すように周が出てくる。

 

「実は明後日、いや正確には明日ですが呂先生の身柄が横須賀の外国人病院刑務所へ移送されることになっておりまして。」

 

周からもたらされる情報に本気で驚いてしまっていた陳だった。

 

「病院刑務所…呂上尉が負傷したと?」

 

「どうやら七草の長兄との戦闘で利き腕を失ったようでして…命に別状は無いようですが」

 

「まさか呂上尉が…。」

 

驚きを隠せない陳の姿を見た周は茶化すことはせずに言葉を続ける。

 

「移送ルートは調べ済みです。実に好都合なタイミングですので。」

 

周は陳へ詳細を説明した。

 

「明日の作戦でこの街にはなるべく被害を…」

 

見返りではないが今二人がいる横浜中華街へは被害出さないように話題を切り出し陳は頷く。

 

「もちろんですとも。作戦の第一目標が関東魔法支部ですので多少の荒事は避けられませんが被害を出さないように作戦指揮官へは念押ししております。」

 

「ご遠慮痛み入ります。」

 

言葉だけの約束に周は恭しく頭を下げた。

 

嵐が近づこうとしていた。




藤林がいる国防軍の部隊には情報が行っている?

ここでは書いてませんがピクシーに貰ったデータは達也に手渡して藤林にわたっています。

平河の記憶は消されている?

平河と周は七草の実働部隊に阻まれて会いに行けておらず記憶はそのままですが情報は八幡経由で提示されてしまっているので周は少し動きが悪いです。
平河の嫌悪感は達也にのみ向けられており八幡に対しては尊敬の念を向けています。

修次は八幡をどう思っている?

ギルティ。

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