短く纏めたいのに纏められないという私の文章構成力がないのと地の文が多いのは私の発想力がないからでしょうね。
本当に申し訳ない。
最近リーナは親睦の為にA組のクラスメイトと食事を取ることが多いので視線が突き刺さる。
周囲の視線は話題の金髪美少女に突き刺さり注目されるのは仕方がないとはいえリーナは内心で別のことを考えていた。
(ミアに会いに行った方が良いのかしら…?)
クラスメイトとの雑談に興じながら借りているマンションの一室の隣人であり、ある意味同僚…というか部下である「ミア」ことミカエラ・ホンゴウが潜入先として働いているマクシミリアン・デバイス社員として第一高校を訪問することになっている。
脱走者追跡任務に掛かりきりのせいでリーナはここ数日顔を会わせていなかった。
…会わせていなかったせいでミアが大変なことになっているとは気がつけなかった。
(まさかミアが白覆面の女…
遡ること数日前。
八幡に敗北したリーナはその後その場に現着しようとしていた達也達に遭遇しないように真由美が乗っている移動指揮車に搭乗した。
その際に真由美がこちらを見ても対して驚いた様子もないことに逆にリーナが驚いてしまったが八幡はただただ不敵な笑みを浮かべるだけですこし不貞腐れた。
会談をすることになったのだがその際に捕獲され台の上に乗っている覆面を剥がされた白覆面の女の顔を見てリーナは驚愕していた。
「ミア…!?ウソ…そんなまさか…!?」
指揮所に備え付けられた寝台の上に横たわり目蓋を閉じてはいるがミアの姿があったのだ。
死んでいるように見えたが胸は上下しており呼吸をしていることを確認し生きていることが一目で分かった。
本来であればその反応をすることは作戦上あってはならないことなのだが…。
「この女の子の体内に
「包み隠さず話せ」、そう問われたリーナは答えに窮するが近くにいた真由美が助け船を出した。
「ちょっと八くん…あまり問い詰めるようなことをしちゃダメよ。アンジー…いやシールズさんも今目の前の状況に混乱してるみたいだし…。あ、シールズさんそこに座って落ち着いて話をしましょうか?」
真由美が指揮車内の椅子を引いて座らせるように促す。
「あ、はい…ありがとうございますマユミ。」
促されたリーナは素直に椅子に座って深呼吸をして伝えることにした。
「ミアは…わたしの部隊…スターズの諜報メンバーの一人なの。」
その回答に八幡は質問した。
「…お前達はなんのために日本に来たんだ?この事件を引き起こしてるパラサイトの捕獲、または抹殺か?」
そう問いかける八幡にリーナは「隠していても仕方がない」と開き直って告げた。
「ワタシの任務…それは脱走兵の捕縛、抹殺よ…それにパラサイトが関わっているわ。」
もう一つの任務、『灼熱と漆黒のハロウィンを引き起こした術者を探せ』という任務については教えなかった。
…八幡と真由美は知っていたがあえて突っ込むことはしない。
「抹殺…。」
真由美は信じられない…といったような表情を浮かべていたが八幡は合点が言ったような表情を浮かべていた。
「なるほどな…じゃあつまりはこうか。”そっちで発生したパラサイトが憑依して軍を脱走して日本に逃げ込んできたから抹殺指令を受けた”…それで日本に来たわけか。」
洞察力の良さにリーナは苦笑を浮かべるしかなかった。
「流石ね。八幡は探偵にでもなった方がいいんじゃない?」
軽口を叩かなければやっていけなかった。
その後八幡からリーナに「どうしてそのような事態が起こったのか」「どうしてパラサイトが魔法師を襲うのか」「どうやってパラサイトが現れたのか?」を問いかけられたがリーナは詳細を伏せて説明をした。
少ない情報量ではあるが理解を示した八幡にリーナはただただ呆れる他なかった。
「こちらの情報を教えてあげたのだからワタシの質問に答えてもらうわよ八幡。」
逆に今度はリーナが八幡に戦闘時に使用した魔法について《仮装行列》に似た魔法やナイフを通り抜けた魔法について質問をすると。
「あれは加重系統の反転術式だ。”ナイフが当たっていないように見えたのは空間に対する重力の歪みでそう見えた”だけだ。それにお前も調べて知ってるんだろうけど俺は元々第八研究所の出身…ってのは知ってるだろうから詳細は省くがそもそも俺は七草の家の人間のように四種八系統の魔法も得意だから組み合わせて使うのは別におかしくないだろ?」
「でも、あれは…。」
「それ以外に説明のしようがねーんだけど?」
リーナは納得が行かなかったが八幡に言われた通りのことを信じる他なかったが腑に落ちなかったがそう言われてしまえばリーナは納得し黙る他なかった。
その光景を楽しそうな様子で見つめる真由美の視線が気になったリーナは反論したかったが反論できる言葉がなかったのでその感情を一旦飲み込んだ。
気にすればこの兄弟のペースに巻き込まれる、そう確信したからだ。
一先ずの情報交換が終わって共にパラサイトの駆逐、捕獲という合同作戦を締結しようか?という話になったのだがリーナはあくまでも部隊長であり作戦を指示しているのは統合本部のバランス大佐という人物が決定権を握っていることを知らされた八幡は
「それなら本格的に作戦提携するのはバランス大佐に直接交渉するしかないか…連絡は取れるか?」
「…ノーコメント、と言いたいところだけど実は作戦の進行具合があまり良くなくて…近々視察に来るかもしれないわ…でも」
「俺が”ダークマター”の最重要容疑者になってるから軍本部…なおかつ統合参謀本部の大佐に会わせるのは危険、ってことか?」
「っ!?…やっぱり知ってたのね。」
「七草の情報網を舐めるなよ。…というかお前が学校に来てから”お前怪しいな?”的なムーブ決めて俺に問い詰めてたじゃねーかよ。これでも十師族の一位二位を四葉と競ってるしな。俺の存在をバランス大佐とお前の仲間に知らせるのは危険だな。軍への背信行為に裏切り…軍法会議待ったなしだな。」
俺がそう告げるとリーナは黙ってしまったがフォローする。
「だけど俺が協力してるのはスターズ総隊長アンジー・シリウス少佐、じゃなくて困ってたクラスメイトのアンジェリーナ・クドウ・シールズに七草の息子がただ協力してた、ってだけだ。」
そう告げるとリーナは呆れて表情を変えていた。
「…あなたって本当に…そういうのって日本だと”ニマイジタ”って言うんでしょ?」
「嘘も方便、ってやつだ。実際に協力を持ちかけたのは俺の方だし。実際にバレても処罰が下るのはお前だけだしな。」
「なっ!?ズルいわよ!」
リーナは座席から立ち上がり指摘するが八幡は待ったくもってのノーダメージ。実害があるのはスターズだけなので旨味しかないが達也達を騙しているのは少々心苦しいが必要経費だ、と自分に言い聞かせた。
八幡は余計なことを告げた。
「まぁ俺に負けたしな。リーナは。」
「はぁ!?負けてなんかいないわよ!本気じゃなかったんだから!」
「それ、負け惜しみって言うんだぞ…?」
「う、うるさいわね!」
腕を胸の前で組みそっぽを向いて不貞腐れるリーナに対して八幡は苦笑を浮かべ真由美も同じ表情を浮かべていた。
本当にリーナはあの世界最強の魔法師集団の長なのか?と二人は疑問符を頭に浮かべていた。
一先ずは”アンジー・シリウス”ではなくアンジェリーナ・クドウ・シールズ本人に直接協力をする、という形でパラサイトの抹殺、捕獲を手伝うことになったのだが…。
「…ねぇ八幡、ミアは…もう助からないの?」
台の上で眠ったように目蓋を閉じるミアを視界に収めながら八幡に問いかけるリーナ。
その表情は先程言い合っていたものとは違いかなりの悲壮感を出している。
リーナは本国からの命令で”脱走兵…もといパラサイトの抹殺”という任務を請け負っている。
先に処断したデーモス・セカンドの件は勿論の事ながら統合参謀本部に伝わっているので脱走兵=パラサイト感染者、と言うことになる。
それは”寄生された自軍兵士の殺害”という意味を含んでいることを理解している八幡は回答した。
「…方法がない訳じゃない。」
「八くん…それは本当?」
リーナも当然ながら反応した。
未知の精神寄生体でその対処があるのなら今、この案件に関わっている魔法師ならば訊きたい対応策だからだ。
しかし、八幡の表情は芳しくない。
「只、な…完全に葬る、と言われたら正直微妙なんだよ。何せ今まで”その実験をやったことがない”、いや出来た試しがない、と言うべきか。ぶっちゃけるとぶっつけ本番の後悔なし、って言ったところか。(正直…精神生命体相手に俺の《物質構成》が通用するのか分からないからな…)」
八幡としても精神生命体…つまりは実体がない生き物…幽霊や霊体に対して無系統魔法・《
(《アレ》が使えれば一番いいんだけどな…あれは”破壊”という概念が付与された最強の武器だからな…精神的な物を破壊できるからそれでミアさんを《物質構成》で復活させれば分離できる…と思ったんだが無い物ねだりは出来ないしな…向こうの世界に行って勝手に持ち出すわけに行かないし…。)
向こうの世界での”愛刀”の存在に惜しみつつ今ある手札でこの事件を乗りきろうとするには《物質構成》が一番確率が高いことを知っている八幡はその方法でパラサイトへのアプローチをかけることにした。
八幡は座席から立ち上がりホルスターから『
「まぁ俺が実際にこの被験、いやミアさんで試してみる。時間があればちゃんとした起動式を組み立てるんだが…眠りを解除した途端に暴れる可能性があるからな…大丈夫か?リーナ。」
そう八幡に言われ決意を決めたリーナ。
「彼女がパラサイトに寄生されて『
リーナに懇願された八幡は手にした『
当然ながらリーナや真由美は”偽装されている”ことを分かっていない。
八幡の古式魔法によってリーナの体の輪郭が淡く輝いている。
しかし、というかやはり誤算があった。
(『
並行世界の人物の情報体を
こんなことは初めてで八幡も一瞬困惑をしてしまったが承った以上はやり遂げると決めた八幡は
偏光レンズの裏側で光る黄金色の《瞳》はミアの状態を確認して作業が完了したことを確認して光が収まり突き付けていた『
しばらくして光が収まると先程まで台に眠るように横になっていたミアが目を醒ました。
しかし、目の前にリーナ以外の人間が目の前にいることで自身の作戦の失敗を悟り苦い顔を浮かべるミアだったがリーナから説明を受けて落ち着きを取り戻していた。
「リーナ。」
「なに?」
「ミアさんを七草の家で預からせてもらってもいいか?」
「どう言うこと?」
リーナのきつい視線が向くが八幡は言うか言うまいか迷ったが納得してもらうために説明をする。
「ミアさんの体のなかに今活動はしていないがパラサイトが宿っている状態になっている。だからこそ今の状態で本隊復帰しようもんなら処断されちまう。気づく奴には体内に”異物”が入ってるのがすぐ分かるぞ?」
「…っ!」
ミアが体をびくり、と震わすのをみて八幡はほんの少しだが申し訳ない気分になるが自分の目的を優先させることにした。
「俺がミアさんに使った不完全な術式が完成すれば対パラサイト用の術式として使用できる…そのためにミアさんの身柄…身体に宿るパラサイトを研究させてもらいたい、って訳だ。」
リーナは難色を示していたがミアは「協力します。」と言ってくれたお陰でリーナが逆に折れてくれた為にミアは七草で身柄を預かることになったのだ。
その一方で八幡は考え事をしていた。
(ミアさんに活動を停止しているパラサイトが宿っている状態だ…だがリーナの話によれば脱走兵は数名…となればパラサイトも一人?でいいのかは分からないが仮定として複数がいるはず…となれば連中に仲間意識があるのかは知れないがミアさんを狙って活動をする…可能性はあるか…?しかし、なぜ魔法師を攻撃するのか…パラサイトの目的はなんだ…?それを知るためにも…あまりいい気分じゃないがミアさんには”撒き餌”になってもらうか。)
この場にいる三名には知られずに八幡は決意していた。
◆ ◆ ◆
(今は八幡のところにいる筈なんだけど今日は仕事で第一高校に機材を卸しに来ているのよね…本当にミアったら働き者なんだから…。)
頭では前日の事を振り返りながら今日訪れる同僚の事を思いつつ話を振られてもいいようにそちらにも意識を割きつつ最後の一皿を空にしたそのときだった。
(…これは!?)
リーナは反射的に立ち上がろうとしたが腰を少し浮かばせたところで思い留まり同席している生徒は不審には特に思われていなかったことは幸いであったがリーナは愛想笑いを浮かべて異質な波動を感じ取っていた。
他の生徒が感じ取っていないのは魔法、想子の波動ではないのは確実でリーナがここ数日で何度も戦ったことがあったから感知出来ていたがこれは『白覆面の女』ではなく別のモノ…ミカエラ・ホンゴウの気配ではなくその異質な波動は別の”吸血鬼”の存在だった。
時刻を確認すると丁度業者が出入りしている時間帯であり方向は通用門、業者が出入りする方角を察知した。
(ミアが危ない!)
この時ばかりは八幡を恨んだ。
恐らくはパラサイトに憑依されていることに気がつかれないように日常を送らせるためにマクシミリアン・デバイスの業務をしているのだろうがなにも今日でなくてもいいではないか、とリーナは思った。
「すみません。少し用事を思い出してしまったのでお先に失礼しますね。」
リーナは同席していたクラスメイトに断りを入れて丁寧に立ち上がり食堂を後にしてその場から駆け出すと端末が震えたが気がつかずに目的地へ向かった。
◆ ◆ ◆
ー同胞よ。どこにいる…?そこにいるのか?私たちは取り戻す。ー
(…なに…?声が聞こえる…!?)
マクシミリアン・デバイス所属のトレーラーに乗りながら第一高校に向かっている最中にミアの脳内に言葉を発しない無言の声が響き渡る。
蜂の羽音のようなざわめきは人の耳には聞こえない霊子の波動。
吸血鬼が思念による交わりし合う「声」だった。
ミアからは思念を送っている『吸血鬼』と体内で眠っているパラサイト…言わば不活性状態であるので一方的な受信を受け取っている状態だ。
その声に込められた意思はそれぞれでありミアは傍聴をすることに決めた。
第一高校の通用門に接近すると法陣…《偽装解除法陣》を通り抜けるがミア本人には通常の人間の想子波動のパターンに戻っているために人間と変わらない。
これで察知されて攻撃をされたらどうしようかと思ったが杞憂であったことに安堵していた、が。
感覚がリンクしているかのようにトレーラーが塀を越えて通用門を通りすぎた後にミアの体に不快感と痛みが訪れたのだった。
(これは…?)
ー同胞を探す、そのついでだ。第一高校は世界有数の魔法師を育成する機関だ。きっと我らの貴重なサンプルになってくれる。
ーそうですね、しかし。ー
ー心配性だな。ー
ーそれよりも欠けている我が同胞を探すのが先決だろう。ー
ミアは保護されている七草家…八幡の魔法によって偽装されている状態…それも第一高校の警備を突破できるほどの高度な偽装魔法によって知っている人物以外から決して見破れないほどの高度な偽装が施されている。
自身が乗っているマクシミリアン・デバイスのトレーラーが到着し外へ出るともう一台のトレーラーが先に到着していた。
(どうして…?トレーラーが…この時間帯はマクシミリアンの業者しか訪問予定が無い筈なのに。)
第一高校の業者の訪問予定表を入手していたミアは疑問を浮かべるがその疑問は直ぐ様焦りへと変わる。
「…!?」
先に外に出ていた同じ車両に乗ってきていた会社の同僚が倒れているのだ。
そして先に止まっていた一台の車両から嫌な雰囲気を”体”で感じ取っていた。
(これは…”同胞”の気配…。)
ーミツケタ。ー
ーミツケタ。ー
ーミツケタ。ー
(…!?)
感情の籠っていないたんたんとしたテレパシーで発せられた台詞にミアは思わず背筋が冷えた。
ーーーミツケタ。ーーー
ハッとなりもう一台の車両の方に目を向けると同じような作業服を来ている女性がこちらを見ていた。
「……!」
その瞳が妖しく輝き目の前に立ちはだかるミアを見ていた。
「ミア!」
時を同じくして背後からミアが憧れた聞きなれた少女の声が響き渡っていた。
◆ ◆ ◆
俺は今日の昼食は姉さんと共に会長室…というか俺が勝手に根城にしている学校の空き教室を学校側に許可をもらって使用して姉さんと俺だけの専用の部屋で今日も俺が用意した弁当をいただきながら雑談、という名の相談をしていた。
俺と姉さんが二人で食堂にいると深雪達やエリカの視線が俺に突き刺さりそして目の前にいる姉さんが機嫌が悪くなり…と針のむしろ状態になってしまうので今日はこっちで話がある、と前もって告げてこちらに逃げてきていた。
「まさかリーナさんが本当にスターズの…USNA最強の魔法師、アンジー・シリウスだったとは思わなかったわ。本当に八くんの《瞳》ってすごいのねぇ。」
「まぁ…ね。」
勿論の事ながらこの教室には盗聴器の類いや監視カメラ等の情報を抜き取る機器は存在しておらず外からの盗聴されないように遮音フィールドと偽装フィールドを展開しているので学内で一番の気密性があると言って良い。
まぁ俺と姉さんがいる時点で干渉できる魔法師がいない、といった方が的確か。
弁当の卵焼きを箸で持ち上げながら口に運ぼうとしたが姉さんからの質問に答える方が先決だった。
「うちで保護したミアさん…アレからなにか分かった?」
「いや、ミアさんには協力をして貰ってるんだけど…体内にいるパラサイト自体が休眠状態になってるみたいで正確なデータが取れてない。」
「え、でも体が侵されてるならその乗っ取られてる人からコミュニケーション…彼らが言葉を発せられることが出来るのかは分からないけどコンタクトは取れないの?」
「いや、ミアさん本人はミアさん本人の意思になってるから…どうも休眠状態になって体の奥底で眠ってるらしくてコンタクトを取れなかったんだけど…面白いことが分かった。」
「面白いこと?それは?」
俺は姉さんに不眠不休で調査した情報を姉さんに伝えた。
これはまだ達也達にも伝えていない情報だ。
「連中…つまりはパラサイトだけど精神構造に取り憑く精神寄生体だから脳神経に憑依してるのかと思ったけど奴らは”心臓”に寄生してるみたいなんだ。」
「心臓に?どうして…。」
「そこは生きてるパラサイトに聞かないとわからんね。そもそもなぜ本当の”吸血鬼”のように傷もないのに体内の血液が抜き取られているのか、どうして魔法師を狙うのか、って言うのはまだ分からないからさ。」
俺がそういうと姉さんは少し考え頷いた。
「そうね…八くんでもそこまでしか分からないなら生の声…パラサイトを捉えて聞くしかないわね。かなりの高難易度になりそうだけど大丈夫?パラサイトに憑依された人を倒す、よりも生きたまま捕縛するっているのは大変よ?」
「分かってるよ。だからこそこの間ミアさんに行った”体内のパラサイトを不活性にする”っていう手段しか取れなかったわけだし。」
「所で対パラサイト用の術式の研究は進んでる?」
「これが耳の痛い話で…さっきも言ったけど生きてるパラサイトがいれば研究が進みそうなんだけど…まぁ少なく見積もっても三割しか完成してないわけで。」
「まぁ…仕方ないわよね…ってもう三割も出来上がってるの?ミアさんが来てからまだ二、三日しか経過してないわよ?」
驚いた…という表情と呆れた…という表情が混じりあった不思議な表情だ。
恐らく呆れられているんだろうけど。
「元の術式は完成してるから後はどれだけデータを取って完成形へ持っていけるか、だからそこまで難しくはないんだけど…さっきも言ったけどデータがなくてさ。」
《物質構成》を元にした魔法の起動式…それを対精神・霊体用術式を作るのは流石の俺でも骨が折れる。
こんなことをしたくはないが何れ姉さん達や達也に火の粉が振り掛かるかもしれない、と考えるとこれは必要経費だと自分に言い聞かせ作業をしていた。
「あんまり無茶しちゃだめよ?」
姉さんの労いの言葉が心にスーっと効いて癒される…。
これで後一週間は寝ずに作業に没頭できそうだ。とまあ冗談はさておいておいて。
「分かってるって。…ありがと。」
用意した弁当を食べ終え少し眠ろうと思った俺は机に突っ伏そうとしたが正面にいた姉さんが俺の隣へ移動していた。
「八くん眠たいの?」
「ちょっと勢いが乗っちゃってさ…丸2日ほどしっかり寝てない。」
「おバカ!…全くもう八くんは集中するとそういったところが無頓着になるわね…だめよ?寝ないのは早死の原因なんだから。昔の漫画家の人で寝ないで早死にした人だっているんだから。」
「え、あぁ…まぁ…ごめん。」
「ほら。」
「え?」
まぁ死んだところで全知全能の神が如く復活できるんだけど…とここでは説明できない。
言い淀んでいると座っている長座椅子の上で姉さんは自分の膝…というか太股を軽くペチペチと叩いてナニかを催促している。
「これは…?」
そう聞き返すと姉さんは顔を赤くして告げた。
「眠いんでしょ?机に突っ伏してお昼寝するくらいなら…”こっち”の方が眠りやすいでしょ?」
「え、いやでも…。」
「良いからっ。ほら八くん。」
「うおっ!?」
無理矢理姉さんに引き倒される形で膝…太股に吸い込まれた俺は頭の後ろに布越しの柔らかさと温もりを感じた。
「………」
「…あの…姉さん?」
「時間になったら起こしてあげるから寝てなさい。」
引き倒された、ということは俺の目の前には姉さんの顔が当然あるわけで…今の俺は”膝枕”されている状態だ。
密着しているせいでめちゃくちゃいい匂いがするのと二徹のせいでだんだんと目蓋が重くなっていく。
あ、だめだこれ。
俺は意識を手放して姉さんの太股を枕に眠りに落ちた。
…額に柔らかいものが当たったのは気のせいだろう
◆ ◆ ◆
布越しに感じていた暖かな温もりをもう少し感じていたかったが最悪の感覚で目を醒ますことに俺は少し不機嫌だったが姉さんの膝から飛び起きる。
それと同時に姉さんが持っている端末に反応を示してた。
俺が特別に調整した、というかリーナに協力をしてもらって対パラサイト用の感応レーダーを作成しリンクしている状態だ。
それに引っ掛かったのだろう端末には《パラサイト》を示す”赤い光点”が一つ程青い光点に接近しようとしている。
「八くん起きて!大変よ!」
「起きてる。俺の方でも不快な感覚を感じ取ったから…どこから?」
「通用門よ。でも今の時間帯…不味いわ。今の時間帯はマクシミリアン・デバイスの社員が機材の搬入をしに来てる。」
その話を聞いて俺は数日前にミアさんから教えられていたことを思い出す。
「ミアさんそういえば今日搬入手伝いに来るって言ったっけな…。」
「ミアさんが偽装解除法陣に引っ掛かった?」
「いや、偽装は完璧だ。有るとするならばパラサイトを体に宿したミアさんを狙いに来ているかも。」
俺は内心で作戦通りだな、と一人呟く。
ミアさんの中に眠るパラサイトは休眠状態であり死亡、消滅をしているわけではない。
他のパラサイトが同族の存在を知覚していたら?
生物の体を手に入れても連絡がなければ?
危機的状況に陥っていると錯覚してミアさんにコンタクト、接触を取ってくる筈だと仮定して”敢えてミアさんを放って誘き出す為のエサ”として使うことをそれとなく伝えていたがまんまと上手く行ったのでなんかこう…申し訳ない気分になった。
「急いだ方がいいかもな。ミアさんが襲われる場面を達也や幹比古見られたら誤魔化すのが面倒くさい…が何とかするわ。」
姉さんの膝から起き上がり素早く教室のドアへ駆け寄る。
「八くん。実験棟資材搬入口の監視装置とレコーダーオフにしておくわ。」
本来であれば学校側の警備システムに侵入しデータ改竄を行うことは犯罪ではあるがそこは”七草”ということで一つ納得して貰うことにして…。
返答を確認する前に俺は教室の扉から駆け出し正面の窓から飛び降り重力制御で通用門へ向かった。
◆ ◆ ◆
現地に到着し建物の物陰から様子を窺うと人影が見える。
顔見知り、と言うのはミアさんがいた。
そして似たような作業服を来た黒髪の女がミアさん見ている。
そしてその車両の物陰にミアさんと同じく通用門を許可されたマクシミリアンの作業員が気を失っているのか数人ほど倒れている。
状況を俯瞰する為に八幡は《
(達也に深雪…それに幹比古に美月か…。予測していたとは言え到着早くないか?)
《瞳》を凝視すると女の回りに恐らく炙り出すために幹比古が呼び出した精霊魔法であろうと察しが付いた。
対象物のステータスを覗き見る《瞳》が有るわけでもないのだから。
黒髪の女を視認していると別方向から人の気配がしたのでそちらに目を向けると見知った顔が有った。
「リーナ…?ってあいつミアさんに会いに来たのか…」
金髪の美少女ことリーナは標的に近づく…と言うわけでなく知り合いであるミアさんに声を掛けようとしているのか駆け足気味で近づいてきていた。
恐らくはミアに会いに来ただけ…と言うのは考えられず俺と同じくパラサイトが発生させている波動を感じ取り駆けつけた、と言った感じなんだろうが…お前少し無防備過ぎないか…?
リーナはミアさんを見ている黒髪の女の姿に気が付いていない。
ゆらり、その体をゆっくりと動かし行動を始めた。
流石にリーナも気がついたのか怪訝な表情で見ている。
次の瞬間に状況が一変した。
《吸血鬼》が雷撃を発生させ二人目掛け攻撃を始めたのだ。
リーナは声を上げてミアさんを守るため突き飛ばしその場から回避を選択する。
《吸血鬼》は魔法を発動させるためのCADを持っていないのにも関わらず凄まじい展開速度で雷撃を放っていた。
(吸血鬼はCADを必要とせずに魔法を発動できるのか…?)
隙を見せた二人に次なる攻撃が飛んでこようとした瞬間二人の前に影が躍り出ていた。
背後から襲いかかろうとした《吸血鬼》相手に手にした小太刀の先端を突き出す。
その姿にリーナを援護するためにエリカが突撃していた。
流石の《吸血鬼》も意識外からの攻撃も当然ながら避けきれず正面から胸を貫かれていた。
人間であれば致命傷…即死は免れない傷なのだが同時にリーナとミアさんを援護、もしくはパラサイト確保に動いている俺はぎょっとした。一番ギョッとしたのは近くにいるエリカとリーナだろうが。
「マジかよ…!」
黒髪の《吸血鬼》はエリカに貫かれた胸の穴を一瞬で塞いでしまった。
そんな光景をエリカも見ており険しい顔になって黒髪の《吸血鬼》を蹴り飛ばし距離を取った。
その行動は正解であり《吸血鬼》はその傷が癒えた瞬間に右手が鉤爪のようになって薙ぎ払いエリカの前髪を数本切り裂いた。
其だけにとどまらず《吸血鬼》は凄まじいスピードで再び電撃攻撃を発動させようとしているのを目撃し俺はこのままでは直撃を避けきれないと判断し《次元解放》のポータルを潜りエリカの前に突如として現れた。
「「八幡!?」」「八幡さんっ!?」
三人の発言が同時で一瞬吹き掛けたがそんなことを構わず潜り抜けると同時に《漆喰丸》を取りだし腕を切り落とすと鮮血が吹き出した。
しかし、発動し掛けている魔法をキャンセルをすることは叶わなかった。
襲いかかる雷撃に対して庇うように障壁を展開する準備をしたが背後からの声でひと安心した。
「八幡さん!」
背後より深雪の声が聞こえ黒髪の《吸血鬼》は突如として現れた冬将軍によって氷浸けにされ動きを止めた。
背後を振り返りとそこには笑みを浮かべた深雪の姿が。
「サンキューな深雪。助かったわ。」
「お怪我はございませんか八幡さん。」
「大丈夫。リーナもエリカも無事か?」
「大丈夫よ。…一寸前髪切られちゃったけド。」
「え、ええ。大丈夫。」
俺とリーナは視線を合わせて裏口を合わせ頷くとミアさんも感づいたのか此方に裏口を合わせてくれる。
「ミアさんも大丈夫でしたか?」
「は、はい。大丈夫です…こ、これは一体…?」
何が起こったのか分からない無知な作業員を装ってくれているミアさん。
その反応に対して達也が問いかけてきた。
「このマクシミリアンの作業員の方と知り合いなのか八幡。」
「リーナの近所に住んでる人でこの間所用でリーナの家に行ったときにお邪魔しててな。そのときにCADの話で盛り上がったんだ。ちなみ俺らより年上のお姉さんだぞ。」
嘘は言っていないぞ?
「そうだったのか…。」
達也が納得している反面で隣から凍りつきそうな冷気を発生する冬の勢力とジト目で此方を見る小太刀を持った武士系美少女が此方になにか言いたそうな表情を浮かべるが無視することにした。
そこで話は一旦打ち切られ話題は凍漬けされている《吸血鬼》に移った。
リーナがミアを連れて俺のとなりに移動し聞こえない声で耳打ちしてきて妙にくすぐったい。
「八幡、うちのオペレーターからの連絡でこの黒髪の《パラサイト》はスターズの隊員じゃないわ。恐らく普通の魔法師に憑依したんだと思う。」
その事を聞いてとなれば遠慮は必要じゃない、と言うことになるな。
「其じゃこの《吸血鬼》はうちで貰っていくけど…異論なしで大丈夫か?」
そう問いかけるとエリカは頷いていたが達也と深雪は微妙な顔をしていた。
「大丈夫って。調べた後に情報はしっかりと流すさ。其にいくら化け物、と言っても元は魔法師だし…歴とした人間に戻せないか実家で治療させて貰う。」
そう言うと達也も深雪も納得していた。
深雪に関しては少なからず”処分”することに忌避感が有ったみたいが予防線を張っておいてよかった。
だが俺たちは少し警戒を怠っていたかもしれない。
俺は達也と深雪とエリカを見て話しており逆に達也も俺とエリカを見て喋っていてリーナもミアさんを心配して互いが互いを見ていたので反応が遅れてしまった。
「危ないっ!」
物陰から状況を俯瞰してみていた幹比古の声が響きハッとなったが既に時遅し。
深雪によって凍漬けにされていた《吸血鬼》…もとい氷の彫像が発光していた。
其は魔法の発動の兆候でありあり得ないことだった。肉体は動かずにましてや意識がある筈がないのだ。
電光に包まれその氷の彫像は爆散した。
「自爆かよっ!」
俺の声に反応し達也は深雪を庇うように前に立ちふさがり障壁魔法を発動できないエリカに俺は飛んで前に立ちリーナはミアを下がらせる。
《吸血鬼》はその体を爆散させ粉々になったかと思えば心臓付近に炎が上がり次の瞬間に上空に裂け目が現れそこからこの場にいる者達…つまりは俺たちを対象として雷が降り注ぐ。
本物の雷ではなく魔法的に再現されたもので速度は其ほどではないだろうがかなりの量が降り注ぎ恐らく連続して十発も喰らえば死に至るだろう出力だ。
速度は加速術式を使えば回避できないものではないが中々にきついものが有るだろう。”想子の保有量が少ない魔法師にとっては”だろうか。
其々が其々の回避、防御方法をとっており深雪の背後を狙った魔法は達也が打ち消し深雪はエリカを狙った雷球を氷の魔法で消滅させた。
リーナがミアに近づく雷撃をプラズマ魔法で蹴散らし俺は俺で迫る電撃を重力波動で寄せ付けない。
術者はとっくにいないと言うのに魔法が発動しているプロセスを感じとることが出来るのは俺の《瞳》に映る…宿主の体から抜け出し上空に漂う”異物”が発動させているのに気がついた。
攻撃を円陣を組んで凌ぐ俺と達也と深雪とリーナ。
「八幡どうしてだと思う?」
「いきなりどうした?こんなクッソ忙しいタイミングで質問なんてよ。」
《瞳》が俺たちに対する攻撃を仕掛けているのを捉え達也はその攻撃を無力化しているのを確認できた。
恐らくは《術式解体》で無力化しているのだろうが器用すぎないか?と思った矢先にパラサイトは霊子の塊なのに視えているのか?という疑問が浮かんだ。
が其を指摘する前にこの状況をどうにかしなくてはならない。
《
「まるで俺たちをここに留めておきたい…様に感じてな。」
その意見にはもっともでパラサイトは逃げる気配を見せずに俺たちに攻撃を仕掛けている。
あれだけの雷撃を広範囲に仕掛けていれば想子切れになりそうなものだが相手は存在しない物体でありその辺りの常識は関係ないのかもしれない。
リーナから聞いたことを達也に伝えた。
「パラサイトは人間に取り憑いてその性質を変質…つまりは化け物に変容させる。つまりあいつらは自分達を保存するための”容器”を探し回って俺たちに攻撃をしに来てるんだろ。」
「つまりは宿主…寄宿先を探してる?」
「そう言うこった。」
「面倒だな。」
心底面倒そうに呟いた達也のその台詞に俺も納得した。
「同感だなっ…不味い…エリカが狙われてる…あいつらは状況把握出来るほどの知能も持ってるらしい。」
対抗魔法がないことを察知されたのか雷撃はエリカを狙いを変えていた。
其に対してエリカは身軽に雷撃を避けてはいるが其にも限界が来てしまう。
俺は片手で重力波動を維持しつつ空いた片手でCADを操作し詠唱破棄と二重詠唱し強度補正した《フラッシュエッジ》を投擲した。
その数は凡そ”二十”。
回転する光の刃がエリカに襲いかかる雷撃を切り裂いていく。
直撃コースだった雷撃を切り裂いて危機を抜け出すとエリカの感謝の言葉が飛んできた。
「サンキュー八幡!でも助けてほしいかな!」
「こっちもこっちで手一杯だ!もう少し走り回ってくれ!」
「ひどくない!?」
と、軽口を叩いているものの状況はあまり宜しくないのは実情でどうしても状況の打開が必要だった。
俺は考えを巡らせながらマルチタスクしていると視界に二人の生徒がいることに気がついた。
幹比古と美月だ。
俺は直ぐ様指示を出す。
「幹比古!美月を援護して攻撃を仕掛けてきているパラサイトをあぶり出してくれ!」
「分かった!」
指示を出すと幹比古が声を張り上げて準備を始める。
そのなかで攻撃を凌ぎながらそんな様子を視ていると美月がなにかを発見したのか上空を指差し幹比古が手から炎を産み出し叩きつけた。
俺の草薙の拳…!と茶化すのはよくないのでやめておくが上空に浮かぶ霊子塊であるパラサイトに直撃し朧だったその形容がハッキリと《瞳》で捉えることが出来た。
まるでその姿は化け物、と言って差し支えないものだった。
攻撃を受け身を蠢かせるパラサイトは無差別に雷をばら蒔くがその大きさは先のモノとは比べ物にならない。
雷撃の処理に気をとられていたリーナに降り注ぐ。
「っ?!?」
先ほどの処理していたものよりも巨大な雷撃、対応しようとしてリーナもプラズマをぶつけるが所持しているCADが普段使いの軍用のエキスパート品でないのか押し負けていた。
雷撃がリーナに直撃する、そのときだった。
「ミア!?」
「くぅっ…!」
近くにいたミアさんがリーナの前に立ちふさがり両手で障壁を展開していたからだ。
その光景に俺も思わず驚いた。
(ミアさんは魔法力が全く無い訳じゃないがあれだけの障壁を展開できる筈がない…!)
俺はミアさんに取り憑いているパラサイトを思い出した。
(まさかミアさんに取り憑いたパラサイトによって魔法の演算領域に類似する機能が拡張されてたのか…?)
現にリーナが対抗できていなかった雷撃をCAD無しの状態で発動に間に合わせ展開し攻撃を防いでいることが事実でその仮説は正しいのかも知れない。
だが今はその問題は後回しにすることにした。
攻撃を防がれ諦めたのかパラサイトは自身を見破ったであろう今度は美月に狙いを定めたらしくその異形の情報体から伸びた触手を標的へ伸ばしていた。
近くにいる幹比古が対応しようとするが切るだけで本体にはダメージを与えられない。
別の触手が美月の体を捉えようと目掛け伸ばしているのを確認した俺は鬼札を切ることにした。
《瞳》が黄金色に輝く。
美月によって正体を明かされた《パラサイト》。
その正体位置の座標を確認し右手に持った《
(外したか…!?)
狙いは完璧、というわけではなく位置情報のズレがあったようで消し飛ばすことが出来たのは触手と本体の一部分のみに留まった。
そのお陰で攻撃を中断させ美月を守ることには成功したが不利、と判断する知能が残っているのかは正直微妙な所ではあるのだが撤退を選択されてしまい逃げられてしまった。
「逃がしたのか…?」
達也の言葉に思わず「うぐっ…」となり掛けたがわざと言った、というのは理解できてただ状況把握のためにこぼした独り言、だと俺はそう理解することにした。
「ミア!ミアしっかりしてください!」
今回の作戦は失敗、と言えるだろう。
対象を取り逃しこっちは負傷者が出てしまっていた。
ミアさんは貧血のような状態を引き起こし血色がかなり悪く一先ずはこの状況を打開するために状態を確認しミアさんには命の危険がないことを確認し休ませる為に保健室へと向かうことにした。
唯一得られた報酬は”パラサイトは人間に取り憑くと《サイキック》能力を扱う事が出来る”ということだけだった。
完全な負け戦に俺は無性にマッ缶を煽りたい、と思いリーナもミアが命に別状がないことを確認すると疲れきった表情を浮かべ俺と同じような感想を抱いていたのは確実だろう。
…あとで1本奢ってやろうと決意した。