結晶蠍のカオス・アカデミア 作:魔川単
「朝だぞ起きろ
「うみゅうぅ……」
(うるさいなぁ、私が朝弱いって知ってんでしょ
勢いづけて扉から部屋の中に入って来た緋色の髪を持つ男は私から
「お前が朝弱いのは長年の付き合いだから理解してるけどよ、今日は
…………えっ
「まぁぁぁじでぇぇ!!!」
あっマジだ。
「はぁ……起きたならさっさと着替えて降りてこい、学校までは車で送ってくれるってさ」
「ご飯も車?」
「当たり前だろ、ただでさえ遅れてるんだぞ」
はい……遅れてるのは私のせいだもんね。
《雄英校までユザパ!》
門デカ! 人多!
そらそうだ、トップヒーローを目指すならココっと言わしめるだけあってそのブランドに合う実績がある高校なんだ、当然同じ雄英志望のライバルは多いよね。
気を引き締めないと
「先に行くぞ」
「あっ! こら
《色々ユザパ!》
実技試験
内容は四種類のポイントを持つロボットを倒して得点を稼ぐという物。
ただしアンチヒーローな行いはNGである。
さて……突然だがこの世界では人口の約8割が『個性』という名の超常を身に宿している。
そしてそれらは分かりやすくするために『発動』『変形』『異形』の三つに分けられている。
その中でも『異形』型の個性は外見だけでも特徴的なモノが多いのだ。
実技試験という事もありそういった『異形』を持つものは多くいる、
だがその中でも格段に目立つ人物が一人
「しゅぅぅぅぅ」
「すっげぇなんだあの金ピカ」
「ボクのキラメキには遠く及ばないね☆」
「蠍の異形と鉱石発動の複合型かな?」
本人にその気がなくとも輝くその容姿に周囲から視線が集まる。
しかし見られている本人は慣れているのでさほど気にせずにスタートダッシュの準備をしていた。
(時間制限は十分、今日はお母さんの稽古を無くしてにもらったからエネルギーを出し惜しみする必要は無い、とはいえ建物の倒壊や他の受験者への被害を出さない様に気を付けねば!)
私がそんなことを考えていると実技試験会場の門の上から足音が聞こえて来たのでそちらを向く……
「はいスタート」
上って来た黄髪のDJっぽい男が何の脈絡もなく口にした言葉を聞き私は反射的に他の受験者を跳び超えて試験会場に入る。
「走れ走れ、賽は投げられてんぞ!」