結晶蠍のカオス・アカデミア   作:魔川単

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続きを待ってるという感想が来てたことに六月になって気付いたぜ☆


想定外

抑揚のないスタートの合図が出されたと同時に門をくぐり抜け、試験会場の中へ入る。

 

「ニンゲン、ブッコロス!!!」

「セイタイケイノ、ガンチリョウ!!」

「カイタイ、カイタイ、カイタイィィ!!!」

 

「随分と物騒なセリフね」

 

仮想ヴィランのロボット、

その装甲には「1」や「2」、「3」と種類によって違う数字が番号付け(ナンバリング)されており、ロボットを倒した際にその数字がポイントとして討伐者に加点される。

 

さて……話が少し変わってしまうが受験者用に加工され、向かってくるロボットと体力を気にせずに走っている『個性』で創られた鉱石を纏う人間、さて両者が衝突するとどうなるのか?

答えは簡単……

 

「脆……」

 

衝突した瞬間、試験用ロボは形を変え、その機能を停止した。

 

「これならスピード重視で行ける」

 

そう言いながら、自身の火力がこの試験において過剰であると理解した蠍珠はポイントの高い物を優先して効率的に狩る第一プランを捨て、出会うロボを轢き進むプランに変えた。

 

 

《少しだけユザパ!!!》

 

 

「ちょっとやりすぎたかな?」

 

現在、私は建物の屋上に登って偵察を装いながら休憩している。

理由は単純、スピード重視のし過ぎだ。

 

一体一体のポイントは数えてないけど総討伐数なら覚えてるからね、下で聞こえた「45ポイント」と言う声が聞こえたことからして、40体轢いた私のポイントは他と比べると差がついてしまっているだろう。

これ以上ポイントを取りすぎてしまうと色々と不味いことになりそうだし。

 

「後は、近くに人がいなさそうなロボを適当に……」

 

ドッ!! バァーン!!!

 

私が少々上から目線な思考で周囲を見渡し始めると同時に地響きが起き、その震源地であろう場所から建物より大きい巨大ロボットが現れていた。

 

「あの形……もしかして0ポイントヴィラン?」

 

だとすれば……

 

「無理、無理、無理」

「0ポイントなんて相手をするだけ無駄だ!」

 

巨大ロボから逃げる人たちがこっちに来た

 

「やっぱそうなるよね」

 

そうだなぁ、壊すのは簡単だけど……そうすると周囲への被害がヤバいしなぁ~。

それに、アレをわざわざ相手にする必要性が感じられない。

 

私がそんな風に周囲を観察していると、巨大ロボの出現によってできた瓦礫に挟まっている女の子を見つけてしまった。

更に言えばその子がいる場所が巨大ロボの進路である事にも気が付いた。

 

「流石に重症者が出るのは不味いし……あの子は助けないとね」

 

そう言うと蠍珠は建物から飛び降り、そのまま地面に着陸すると瓦礫に挟まれている女の子の下に走り出す

 

「残り2分!!」

 

黄髪のDJの様な人が叫んだ瞬間、走る蠍珠の前で腰を抜かしたように座り込んでいた男の子が立ち上がろうと腰を上げ始めていた

 

(おぉ! 腰を抜かしてこんなに早く復帰するとは、逃げるためとはいえ凄いね)

 

私がそんなことを考えながら立ち上がろうとする男の子の横を通り過ぎ、

その男の子が私と同じ方向(・・・・・・)に走り出してきた。

 

そして、私が勝手ながら彼の行動に先程の脳内評価を上方修正した瞬間

 

私の後ろで地面が窪んだ

 

「なっ!!」

 

一瞬、何が起きたのかを確認するために振り返ると、そこには私の後ろを走りだしていた男の子が居なくなっている。

もしやと上を向くとさっきの男の子が、巨大ロボに殴り掛かろうとしていた。

 

私は瞬時に瓦礫に挟まる女の子の上に覆い被さる

もし、彼にこの巨大ロボを倒す『個性(チカラ)』が在った場合、間違いなく周囲にとてつもない二次被害が起こる!

 

 

刹那

何かが爆発するような打撃音が聞こえ、巨大ロボの身体が倒れ始めた

 

「凄っ……」

 

私の想像していたよりも純粋すぎる『個性(チカラ)』だったな。

もっとこう……爆破で吹き飛ばしたり、炎で溶かしたりするのかと思ってたよ。

 

さて……時間も残りわずかだろうし、もうちょっと頑張ろうかな。

 

「あれ? あの子落ちて来へん?」

 

私が立ち上がりって気合を入れなおしていると私の下に居た女の子がそんなことを呟いた。

いや、まさかそんなわけ……自分の『個性(チカラ)』でそんな事するわけ……

 

マジで落下してきてる!!

しかも頭から落ちて来てるって事は全身を増強系の『個性』で強化して着陸するわけでもなさそう。

……っていうかよく見たら右腕と両足がビラビラ靡いてる!!

アレ折れてっていうか粉砕してるでしょ!!

 

「流石に死人が出るのは冗談にならないよ!」

「ウチの……『個性』なら助けられる!」

 

助けられる…………

 

「それ本当? なら、手伝いは要る?」

「足が動かせへん、私をあの子の傍まで運んでください」

「オッケー! 任せて!」

 

男の子が地面に着くまで、あと10秒程。

女の子を尻尾で包んで男の子の落下地点の直ぐ傍まで移動した、後はこの女の子を信じるだけ。

 

そしてその時が来た、そして……

 

「えぇ!!」

 

私の尻尾に包まっている女の子が落ちて来る男の子をビンタした

 

男の子は地面にぶつかる前で一瞬だけ浮遊し、今までの落下エネルギーを無くして落ちた。

 

「良かった……大丈b「オウェッ」

 

男の子の無事を確認するために近づこうとした瞬間、私の尻尾付近で人の嗚咽が聞こえた。

 

「えちょ……」

 

それは想定してない。

 

キラキラキラ…………

 

唯一の救いは私の尻尾にかからなかった事ですかね。

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