結晶蠍のカオス・アカデミア   作:魔川単

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試験の痕

「せめて、せめて1ポイントだけでも!」

 

「試験、終~了!!!」

 

金髪のDJが試験の終わりを告げた。

先程0ポイントヴィランを殴り飛ばした男の子は、それを聞いた瞬間に白目をむいて気絶した。

 

それは疲労によるものか、それとも受け入れたくない現実(取得ヴィランポイント0)によるものなのかは分からない。

 

 

ちなみに私はキラキラを吐い(だし)た女の子の背中をさすっている。

 

 

「えーと……大丈夫?」

「ウップ…………あ、ありがとうございます」

「とても大丈夫そうじゃないね……」

 

とりあえず、吐いたものが喉につまらないように横に向けてあげよう。

 

私がキラキラしちゃった女の子を看病していると、後方から他の受験生の「ざわざわ」とした雰囲気を感じた。

この子のキラキラが見られたのではないかと後方を確認すると。

 

「あいつ、何だったんだ?」

「いきなりギミックに飛び出したりして」

「増強型の個性だろうけど規格外だ」

「けど、あんな個性持っておいてどういう生き方すりゃあんなビクビクできるんだ?」

「他を出し抜く為の演技じゃねえ?」

「出し抜いて得られる恩恵があったようには見えねえけど」

「とりあえず、すげえ奴だってのは間違いねえよ」

 

よかった、どうやら周りの人たちの視線は気絶したさっきの男の子に向いているみたいだ。女の子のキラキラシーンなんて見させるわけにはいかないからね。

 

「はい、お疲れ様~お疲れ様。飴ちゃんは要るかい?」

「あ、ありがとうございます……」

 

あの人は……

 

「誰だ? あのお婆ちゃん」

「あのマドモアゼルはリカバリーガール、雄英の屋台骨だ」

 

リカバリーガール、この方が居ればこんな危険な試験が行えるわけだ。

彼女の『個性』は《癒し》、治癒能力を活性化させて怪我を癒す『個性』だ。

 

「すみません! こっちに重傷者がいます!」

「あいよ~」

 

チュウゥ~~

 

(((((ババア!)))))

 

 

 

 

 

 

 

「さて……実技試験の結果が出たね」

「今回突出した成績を叩き出したのは三人ですね」

 

露出が少々過激な女性が手元のパッドを操作して大画面に実技試験の成績上位三名が映し出される

 

一人目は「金髪の爆発頭の少年」

二人目は「全身に黄金の鉱石を纏った少女」

三人目は「緋色の髪に肩から二つの小さな竜頭が見える少年」

 

実技成績が上位であるこの三人は優等生であると同時に、この時点で既に問題児でもある

 

「金髪の子はレスキューポイント0でヴィランポイントだけで三位」

「女の子はヴィランポイントは三位の子にほんの少しだけ負けてるけど、レスキューポイントが合算されて二位」

「そして、圧倒的なヴィランポイントと僅かなレスキューポイントで一位」

 

三者三様の得点、彼らが何故問題児なのか

 

「三位の爆豪(ばくごう)勝己(かつき)。後半に他が鈍っていく中、派手な個性で迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

「それでも、他者を気にしていなさすぎるとも言えてしまう」

 

「次に二位の斎賀(さいが)蠍珠(かつみ)。スタートダッシュが他よりも速く、ヴィランロボの討伐速度も速かった」

「だが後半になるにつれてわざとヴィランロボを避けているように見えました。恐らくポイントを必要以上に撮らないように意識していたんだと思います」

「それでヴィランポイントだけでも上位に入るほど高いのか」

 

「最後……一位の陽務(ひづとめ)緋傷(ひかし)。始まりから終わりまで試験会場でヴィランロボを蹂躙した戦闘能力と建物などに二次被害を出さなかった『個性』の制御力。ただ……」

「0ポイントヴィランを融かし尽くしたあの火力、最後のアレは危険(・・)だ」

 

画面が移り変わり、実技試験の映像が映し出される。

そこには0ポイントヴィランと、巨大な三つ首の緋竜が対峙している。

 

静止されていた画面が再生される

 

同時に三つ首の一つが大きく口を開き、爆炎が0ポイントヴィランを融かし尽くした。

 

「他の会場でもアレをぶっ飛ばした子がいたけど……これを見てしまうと、可哀想だけど霞んでしまうわね」

 

モニタールーム内に居る全員が同意するに沈黙してしまった。

 

 

 

 

 

 

「っで! 彼らのクラス分けはどうするつもりだい?」

「校長、その話は少しだけ早いです」




理由は無いけど爆豪君の得点を少しだけ上げた(作者が計算をミスして直すのが面倒だったからとは言えない)
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