【完結】俺は綴命の錬金術師   作:発火雨

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休日なので連続投稿成功!


同盟設立、軍人によそ者に合成獣の専門家

 俺の名前はショウ・タッカー。なぜかマスタング大佐の秘密基地で作戦会議に参加してる男である。

 

 うん、アームストロング少佐が淹れてくれるミルクティー美味しいね。あんな筋肉もりもりで顔も厳ついのに、紅茶淹れるの上手いってどういうことよ? どちらかと言ったらお姉さんの方が似合うような……いや、むしろ似合わないな、飲んでる姿は目に浮かぶけど、優雅に紅茶を淹れてる所は想像つかないや、誰かに淹れさせる光景しか浮かばない。

 

「ちょっと待ってくれよ!国丸ごと包み込む錬成陣だって、こんな大規模な錬成陣が完成したら国中の人間が賢者の石にされちまう!」

 

「それに、軍上層部も全部敵で、この国が出来た時から仕組まれてたってこと!?」

 

 エルリック兄弟がマスタング大佐の説明を聞いて声を荒げる。そりゃそうだ、賢者の石が生きた人間を使うことを知っただけで、あれほど他人のために怒れる子だ。国全体で人々を巻き込み、地獄をこの世に作ろうとしているこの計画を、許せるわけがない。

 

「そうだ、この情報をいち早くつかんだヒューズは殺されかけた。幸いタッカーの医療錬成で何とか生きながらえたが、完全に軍にマークされ身動きが取れなくなりそうだったからな、いち早く家族を連れて国外に逃げてもらい、外の情報や協力者を集めてもらってる。表向きは一家全員で行方不明ということになっている」

 

「私の家族も連れて行ってもらったよ、まぁ、おかげで、マスタング大佐に私が捕まってしまったけどね」

 

「つれないこと言うなタッカー、君も元々上層部には疎まれてたんだ、ヒューズに関わった以上私たちに逃げ道など残されていない」

 

 大佐の言うことはもっともなんだけど、もう完全に対お父様同盟に俺組み込まれてるよね!これって今から家族の下に帰りますとか言えないよね。うん、家族が安全地帯に逃げ延びたのは嬉しいんだけど、今度は俺が危険地帯ど真ん中にいるんだよね。はぁ、なんとかここで生き延びるしかないのか。俺の技術って役に立つのかな、戦闘用の錬金術なんて使える自信ないよ……

 

「つまリ、この国のトップハ、国民を犠牲にしテ、不老不死になろうとしているのだナ」

 

「不老不死が目的なのかはわかりませんが、国民を犠牲にし、大量の賢者の石を作ろうとしているのは事実です」

 

 リン君も、拳を握り締めている。いつの間にかこの場所も突き止めたみたいだけど、他国の協力者が欲しいのは事実だから、マスタング大佐を説得して、護衛二人と一緒に話を聞いてもらっている。

 

「わかっタ、ヤオ家は全面的にそちらに協力しよウ。その代わリ」

 

「えぇ、わかりました、不老不死に繋がる手がかりなど、我々が手に入れた情報はすべてそちらにお渡しします」

 

 不老不死の手がかりが欲しいのも事実だけど、王を目指すものとして、国民を守ることを考える若き王子からすると、大総統のやろうとしてることを許せないんだろう。まさかこんな早くから三人が味方になってくれるなんて。

 

「こちらとしてもシン国との同盟は心強い、まさかヒューズが亡命した先の王子とこうして巡り会えるとは」

 

 そうなんだよね、実はヒューズさんが行ったのはシン国。これは俺がお願いしたのもあるんだけど、もし行けるならシンへ、向こうの国の錬丹術の資料を送って欲しいと頼んだのである。この国では錬丹術の資料が驚くほど少なく、のちにメイ・チャンが持ち込んでくれるのだけど、基礎でもいいからその仕組みや基礎を覚えておきたかったのである。

 

 きっと俺は後方支援しか出来ないだろうから、医療に明るい技術って喉から手が出るほど欲しかったんだよね。合成獣って原作でも合成獣人間が活躍したくらいで、他には全然出てこなかったし、俺の技術が生かされる場面って少なそうなんだよね。

 

「敵の戦力は恐らく、目に見えるもの以外にも多いだろう。ヒューズを襲った変身能力がある謎の男に、爪を伸ばす女のホムンクルス。鋼のが出会ったという合成獣人間、タッカー、専門家から見て合成獣人間をどのように分析できる?」

 

 えぇ!?早速俺に話を振るのか、そうだよな、原作では合成獣に明るい人なんて味方に居なかったもんな。

 

「人間を合成獣にしたからってすぐに結果が出るわけじゃない、かなりの数が実験台になったんだと思う。アームストロング少佐の情報だとイシュヴァールの内乱に参加してたって話だから、今ではもっと研究が進んで手ごわい存在になってるはずだよ。恐らく私の技術よりも、もっともっと先を行ってるだろう」

 

 マスタング大佐とアームストロング少佐は険しい顔をする、きっと敵の戦力が手ごわいことよりも、軍の違法な実験で、国を守る同志たちが犠牲になったことを考えているんだろう。あぁ、当たり前だけど、みんないい人ばかりなんだよな。エルリック兄弟の周りの大人たちって。

 

「私たちがすべきことは敵の全体像把握、そして来るべき日に備えてこちら側の戦力を増やすことだ。幸い、国土錬成陣はまだ北のブリッグズが残っている。我々は大総統にマークされ身動きがとりにくくなっている。が、完全にこちらの動きを読まれたわけではあるまい」

 

「ってもどうするんだよ大佐、軍が頼れないんじゃこれ以上安易に戦力は増やせねぇ。それにマークされてる大佐たちは派手に動けないだろう」

 

 そうだ、原作以上に敵の動きの締め付けが強くなってるはずだ。表向きはまだ何もないが恐らく何か仕掛けてくるだろう。

 

「大佐、これ見てください!」

 

「どうした!?ブレダ、なにか掴めたか」

 

「それがこれ見てください、軍の号外です」

 

 見ると一面にデカデカとマリア・ロス少尉逮捕の文字が、くそう、早速仕掛けてきたか。

 

「なんだこれは!ロス少尉がヒューズ中佐行方不明事件の重要参考人として逮捕だと!」

 

 アームストロング少佐が号外を握りつぶす勢いで叫ぶ。

 

「なるほど、マスタング大佐やエド君と、ここ最近行動を共にしていたマリア・ロス少尉に対して踏み絵をさせ、私たちに釘を刺すつもりですね」

 

 こっちだって犯人じゃないのは百も承知、それでもここで仕掛けてくるってことは、大佐の立場をはっきりさせ、俺たちに釘を刺し、味方になりそうな人間を集めさせないようにするためだろう。

 

「だろうな、だが、これはチャンスでもある。これを利用して奴らの戦力を確認し、出来るなら排除していこう」

 

「吾輩も協力しよう!部下を冤罪から守るのも上官の務めである!」

 

 アームストロング少佐がいつの間にか上半身裸になりポージングを決めている。相変わらずの筋肉だなぁ。

 

「いや少佐と鋼の、それにシン国の方々に少尉を助け出した後のことをお願いしたい。私たちは少尉を助け出し、そのまま敵戦力を削りにかかる」

 

 実は俺もこの隠れ家だけじゃなくて、もう一つの隠れ家にちょこちょこ通ってるんだよね。そこで実は色々実物を見ながら研究させてもらってる。話してみると気さくだし、今まで周りにいなかったタイプのユーモアを持ってて、楽しいんだよね。俺も結構気に入られてるみたいでさ。この前なんて。

 

「先生の肉は切らねぇでおいてやるよ、あんた中々面白そうだし、そうだ、今度合成獣を切らせてくれよ!俺まだ切ったことねぇんだよ」

 

 うん、俺の合成獣を解体目的で可愛がってくれる協力者。合成獣を彼の前に連れて行っていいものか、うーん。どうしよう……




この段階で顔合わせが済み、対アメストリス軍上層部同盟が生まれました。

なぉこの段階で大総統の正体はばれていない模様。
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