【完結】俺は綴命の錬金術師   作:発火雨

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人が足りないから代理で動く国家錬金術師

 俺の名前はショウ・タッカー。なんか原作がやばいことになってるから困ってる男である。

 

 うんうん、たぶん俺が生き残ってるせいで発生したバタフライエフェクトだと思うんだけど、なんかこれ、敵強くなりすぎてない!?

 

 俺の戦闘力なんかでは貢献できないから、原作知識を用いた対ホムンクルス用の作戦考えたけど、なんでこの段階でプライドが出てきちゃうかな。あなた最後の方にようやく正体がわかる人だよね。

 

 一応ロス少尉の国外逃亡は成功したし、バリーも原作と違い生存してこっちの味方になってくれそうだからいいんだけど、もうこれ原作とかあてにしないほうがよさそうかも、こうなったら何が何でも生き残るために頑張るしかない。

 

 とりあえず俺にできそうなことって戦闘以外の事だからバリーの体を作ることくらいしか今は出来ないんだけどね。っても無理かも。エド君とアル君に協力してもらって色々考えてるけど、ホムンクルスたちを相手にするならまだ足りない。と言っても俺の知識や技術ではこれが限界なんだよね。

 

「やっぱりマルコーさんの勧誘が間に合わなかったのが痛いな」

 

 エド君に頼んでロス少尉を逃がすため、リゼンブールを経由する時に声かけをお願いしたんだけど、すでに診療所はもぬけの殻。恐らく敵の本拠地に囚われたのだろう、原作よりも相手の仕事が早すぎる。

 

「次はスカーか、上手くいくかな、ランファンちゃんがいるし何とか無事に帰ってきてくれるといいんだけど」

 

 今エド君たちはホムンクルスたちをおびき寄せるために、スカーを使ったおとり作戦を決行している。本当はスカーも味方になってくれたらいいんだけど、今の段階だと第三勢力としてマスタング派とも、ホムンクルスたちとも敵対してるから、すごく微妙な立ち位置なんだよね。俺も多分標的のままだから会うことも出来ないし。

 

 そして困ったことがもう一個、この段階で東方司令部の仲間たちがみんな地方に飛ばされちゃったんだよね。ハボック君の半身不随は回避できたけど、フュリー君と一緒に南方司令部に飛ばされてアエルゴとの小競り合いに駆り出されている。

 

 だからスカーとエド君が遭遇した時の、軍の回線をジャックしてスカー増量作戦をするメンバーがいなくなっちゃったんだよね。

 

「こちら第三区憲兵隊、現在スカーと交戦中。至急応援頼む!うわぁ、貴様何をする!ぐわっ!」

「こちら第八区憲兵隊、少年が襲われている、至急応援を頼む!急いでくれ長くはもたなぁ、ぎゃあああ!」

「こちら第五区憲兵隊、国家錬金術師エドワード・エルリックが交戦中、銃は使うな、誤射する可能性がある!」

 

「あっらよっと、こんなもんでどうよ、先生。そろそろ第四区の奴らが合流してきてるだろうから、お次はそっちにスカーを出現させるか。相棒、もう少しマイクに近づいてもらっていいか?そうそう、そんくらいで十分。今度はスカー発見後、こっそり応援呼んだところを襲われたって感じでやるからよ」

 

 てなわけで手が空いてる俺とバリーと一匹の合成獣で作戦を引き継いでるんだけど、バリーがむちゃくちゃ頼りになる。俺はフュリー君が残してくれた通信機を弄るので手一杯だから、バリーに誤報を任せたけど、なんでこんなに上手いのかね。

 

 フュリー君と軍用合成獣を使った通信網構築の時に、使うかもって通信機の使い方は教わってたし、合成獣の首にぶら下げられたバリーは、声くらいしか出せないけど、持ち前の機転で上手いこと司令部を騙してくれてる。俺じゃこんな風に撹乱できなかったからね。

 

「こんなもんで良いだろう、そろそろ撤退だな。俺と相棒は空飛んでスカーのところを見てくるから、先生はあのノックスとかいう医者の所で待ってな、万が一怪我人が出たらすぐに呼びに行くからよ」

 

 窓から飛び出すバリーと合成獣。なんかいつの間にかバリーと一緒にいるほうが増えちゃったな。まぁ生き残ったもの同士仲良くやれてるんだけどさ。それに死ぬ運命だった奴が俺の横で今も生きてるって思うだけでなんか心強いし。

 

 さてと、ノックス先生のところでたぶん来るだろう怪我人の心配でもしますかね。実はこの段階でノックス先生も巻き込めた。ヒューズさんを応急処置した時後で、国外逃亡する前に一度本職に見てもらった方がいいと大佐に頼んだら紹介してもらえた。俺の医療錬成陣の効果も、応急処置としてみたらいい線いってるって言ってもらえた。

 

 ちなみにロス少尉の時も協力してもらって、俺が錬成した人もどきをマスタング大佐が黒こげにした偽物を、本物と診断してもらった。

 

「こっちには私よりも医療錬成に詳しい専門家がいるからな、私が作るよりはいいだろう。焼死体にしやすい構造を教えるから、頭に叩き込め」

 

 あの時も無茶ぶりされたけど、一応それっぽくできたから良しとしよう。あんなめんどくさいのを一人でこしらえた大佐も、俺とは比べ物にならない才能があるんだよね。一応俺の方が専門家で詳しい筈なのに、ほんの少し上手くできたくらいでしかなかったからな。

 

 ノックス先生の家についてドアを叩くとすごく嫌そうな顔をされた。

 

「あんたも不憫だな、マスタングの野郎に付き合ってたらいくつの危ない橋を渡らせられるんだ……大した事ねぇコーヒーくらいしか出せねぇぞ」

 

 なんだかんだ言って助けてくれるすごくいい人なんだよな。結局俺やマルコーさんみたいに医療錬成を出来る人がいたとしても、こういう人がいないと人の命は救えない。今だって憎まれ口をたたきながらも、奥の部屋で急患に対応するための道具を準備してくれてる。

 

「ほらよ、俺みたいな医者に仕事がないのが一番だ、コーヒー飲んで何事もないのを願うんだな」

 

 渡されたコーヒーを飲みながら時間が過ぎるのを待つ、日が暮れ始めた時、窓の外を見つめてると、こっちに合成獣とバリーが向かってくるのが見える。窓を開けて待ち構えてるとロケットみたいに部屋に飛び込んで、ソファに命中した。

 

「おい!もっと静かに着地できねぇのか、お前さんの作った合成獣はよぉ!」

 

「タッカー先生もノックスの旦那も大変だ。ランファンとかいう姉ちゃんが一人、路地裏で倒れてる!すげぇ出血してるし、腕も一本ねぇでやがるぜ!」

 

 あぁ、何事なく終わるように祈ってたのに、何事かあったよ、しかも腕がないだって、俺の力ではどうやったって無くなった腕を生やすことなんかできないし、このままだとオートメイルにするしかないじゃないか。フーさんに孫をよろしく頼むって言われてたのに、一体どうしよう……




原作との違い

スカー遭遇戦にランファン追加、フーはロス少佐の国外逃亡のため不在。、
ノックス先生もこの時点で巻き込んでる。ヒューズの時にいち早く味方に取り込んだ。

次回ランファン視点の予定。
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