【完結】俺は綴命の錬金術師   作:発火雨

34 / 52
締めに向かってきてますので今後更新速度も緩やかになるかもです。
あんまり書いても説得力ないですけどね


ヒューズから見た後方支援組

「どうします、敵も味方も大混乱ですよ。大総統の演説でぶち込まれた、軍上層部によるクーデター宣言」

 

 ハボック少尉が頭を抱えながらも銃を構え窓の外を覗く。

 俺たち三人は部屋を移動し、これからのことを考えなくちゃならねぇ。大総統が宣言した軍上層部による非道な人体実験の真実、そして奴らの狙いは国民を材料に合成獣を錬成し、自分たちだけに都合のいい兵力としてこの国を起点によその国を攻めること。

 そのために、合成獣と人の錬成に反対派筆頭の大総統キング・ブラッドレイが邪魔になり、クーデターを決行。大総統はこの状況を打破するために、前々から計画していた軍の上層部の摘発を準備していて、その極秘の打ち合わせのために合同演習に参加する途中で列車爆破に巻き込まれる。

 夫人と息子のセリムにも軍の魔の手が迫りくるが、前者はマスタング大佐の部下たちが保護、後者は大総統直下の部下が救出に向かってる最中らしい。

 

「これって一体何がどうなってるんですかね?」

 

「そうだな、簡単にまとめると、俺たちが敵としていた軍上層部のなかでも大総統はこちら側になったってことだな」

 

「それって……あぁ不味い、まさかこんな手を打ってくるなんて」

 

 タッカーさんは気づいたみたいだが、これはえらいことになったぞ。俺たちが想定していたのは軍の上層部とセントラルにいる中央軍との対立だったのに、この宣言のせいで、俺たちとセントラル中央軍対軍の上層部の構図が作られる。

 おかげで続々と指揮下に入ってくる中央軍、このせいで敵として処理することを封じられちまった。恐らく多くの軍人は敵の目的も何も知らされてない奴らなんだろうが、どこまで敵の内通者が紛れ込んでるかわからねぇのに、そいつらを取り込まなけりゃいけねぇようにされちまった。

 

「こりゃ指揮系統がこのままだとパンクしちまう、急いで再構築しねぇと間に合わねぇぞ」

 

「このまま敵が味方になっちまえば、敵戦力も目減りする……ってわけにもいかないんですよね」

 

「それも期待できん、前線からの連絡で、異形の合成獣たちが突如現れて攻撃を始めたとの連絡が入ってきてる。そいつが敵さんが用意した今回のための兵力だろう。はなっからセントラルの軍人を戦力として数えてなかったんだ。この日を超えたら国民全員が賢者の石にされちまうからこそのむちゃくちゃな作戦だぜ」

 

「見てください、ヒューズさんの勘が当たってますよ」

 

 俺が現状を再整理していると、少し前にセントラル周辺を探ってもらった合成獣たちが帰って来た。地図の上に置かれた白と黒のチェスの駒ではなく、ガラスでできた駒を器用に口に咥えるとすでに地図上に置かれた駒を取り囲むように並べていく。

 

「白は味方、黒は敵、そして透明は予定していない敵の戦力……」

 

「当初の予定では内側からアームストロング少将率いるブリッグス部隊、外側からロイ率いる東司令部の部隊で挟み撃ちにするつもりが、まんまと俺たちが敵に挟み撃ちにされちまった」

 

 俺たちも敵の動向には目を光らせていたつもりだったが、あくまで軍に焦点を当ててたのを逆手に取られた。恐らく外から攻めてくる連中は青の団みたいな反ブラッドレイ政権の過激派、あの野郎自分の敵に情報を都合のいいようにリーク、俺たちを味方に巻き込んで自分の反対派とぶつけやがったな!恐らく列車爆破も青の団を上手いことコントロールして動かしたな。

 

 総力戦を予定してたはずが、乱戦になっちまいそうだぜ、オマケにセントラル周辺からテロリストどもが中央へ向かってきてるから、市民を外に逃がすわけにもいかねぇ。かといって、今から外に人員を割いたら中央が手薄になっちまう。

 

「外からくるテロリストは私の方で押さえてみます。恐らくセントラルを制圧するのに対空の装備なんて用意してないでしょうから、うちの合成獣部隊で空からの時間稼ぎを試みましょう」

 

「んじゃ、俺もタッカーさんの護衛としてテロリストの鎮圧に向かいますわ、軍人だって敵味方わからんくなってくるんなら、信用できる護衛は必要でしょう」

 

 俺たちの行動を利用して妨害してくるなんてな……。こうなった以上、こっちは俺たちだけでどうにかしなくちゃいけないようだ。俺たちは顔を見合わせると、二人とも覚悟を決めた表情をしていた。

 

「よし、俺たちみたいな一般人はデタラメ人間の万国ビックリショーには付き合えないからな、人間や合成獣の相手は俺たちが一手に引き受けるぞ、仕事だ仕事だ!」

 

 俺は気合いを入れるためにわざとらしく声を上げてみる。それにつられてハボック少尉とタッカーさんも笑いながら拳を上げた。

 さぁ、俺たちの戦争を始めよう。




原作との相違点
大総統の宣言により、腐敗した軍事上層部対この国を思う軍人に分けられてしまう。敵はまともな軍人を捨てた代わりに、この日のためかなりの数の非人道的な合成獣を用意して戦力としている。ついでに現ブラッドレイ政権にたいして過激な行動をとるテロリストにも情報を一部リークし、セントラルの乱戦に巻き込む算段。

この作戦は計画が終われば国民のほとんどがいなくなるからこそできる手段。軍上層部にすべての汚名を被せているが、彼らにとってもすべて得るかすべてを失うかの瀬戸際で無理やり納得させた。

お父様も許可を出してる。軍上層部や他の人間がどうなろうと知ったことではない、なるべく雑魚は戦わせ、強者たる人柱たちを中央へ向かわせるためには、テロリストを使うのも、合成獣たちを使うのも都合がいい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。