【完結】俺は綴命の錬金術師   作:発火雨

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コツコツ書いていきます。
実は違う作品も書いてみたいんですけどこれが終わってからの方がいいですかね?許可取るものじゃないけど、自分で勝手にこの作品終わるまで他は書かないって自分ルールに縛られるのも変な話だなと思いまして。
ロックマンも熱が再燃焼してて、短くサクッとお試してみようかと思ってみたり。


最速のホムンクルスと鷹の眼

「うおっ、なんださっきの爆発は!?」

 

 ザンパノさんが突然の爆発に驚いた。立派だった時計台は派手に吹き飛んでいるけどなんだか悪い流れじゃない気がする。

 

「あっちはあれだな、きっと味方の戦果だな。俺の野生の勘がそう叫んでるぜ」

 

 ダリウスさんも数が少なくなってきた合成獣人形を相手にしながらそんなことを言った。みんなが僕をチームでフォローしてくれるおかげで、最初はあんなに多かった合成獣人形の大軍も、気づけば数えるほどに減って来た。これならもう大丈夫そうだね。

 

「アルフォンス、お疲れさん。お前さんの錬金術のおかげでかなりこっちも楽させてもらったよ」

 

 ハインケルさんが拘束した合成獣人形の手足を切り裂いて完全に無力化する。

 

「後は俺に任せな、おりゃよっと」

 

 ジェルソさんが涎で最後の合成獣人形を拘束して動けなくすると、そのまま首を切り落とした。これで全部かな? 僕は辺りを見回して確認をする。うん、どうやら本当に終わりみたいだ。

 

 それじゃあちょっと休憩しようかな……と思ったその時、僕の視界の端にあるものが映った。クラウチングスタートの準備をしてこちらを見つめる。大柄な男が建物の隙間から少し遠くに見えた。

 

「あれ?何だろう……」

 

 次の瞬間男は走り出し、あっという間に加速していくと猛烈な勢いで僕たちに向かって突っ込んできた!速い!! これは避けられないぞ。咄嗟に地面を錬成して僕たちがいる場所を高台みたいに盛り上げる。すると男はそのままその壁のような地面に激突し、すさまじい音を響かせる。

 

「おいおい、何だってんだ今のは」

「静かに……、おい、まだ動いてるぞ、こいつ地面を掘り進めてるのか」

 

 次の瞬間地面から男の上半身が現れた。そして何かを探すようにキョロキョロしている。

 

「居た……、人柱……」

「今のうちに叩き込め!」

 

 ハインケルさんの号令を合図に全員が一斉に攻撃を開始する。男は這いずりながら腕を振り回す。すると両腕に繋がった鎖が鞭のように伸びて、全員の攻撃が全て弾かれてしまう。穴から這い出したら今度は男が両手を広げて回転し始めた。まるで竜巻のように凄まじい速度で回転すると攻撃のために接近したみんなを弾き飛ばしてしまう。

 

「そうだった……、鎖外してもいいんだった……、忘れてた」

 

 そう言って両腕に付いていた鎖を外し地面に投げ捨て、落ちた音で相当の重量を想像させる。

 

「軽くなった……」

 

 次の瞬間には僕の体が浮かび上がったかと思うとすごい速さで空中へと放り出されていた。今度は全然動きが見えなかったぞ!なんとかしないと! 僕は必死に手を伸ばすけど空しく宙を掴むばかり、空中では錬金に使える素材も何もない、そのまま離れた建物の中に大柄な男に体を掴まれながらぶつかった。

 

「痛っ!!」

 

 くそっ、このままじゃまずいぞ……。何とか脱出しないと考えろ考えろ。何とか錬成をしようと試みるも、体を持ち上げられ壁はおろか床にも手が触れられないようにされてしまった。

 

「手をどこにも付けさせない……、面倒くせぇけど、これが面倒くない方法だってラースが言ってた……」

 

 まずいまずいまずい!この男、相当強いぞ。それにこんな状況じゃ錬金術も使えない。一体どうすればいいんだよ!? 僕が焦っていると、突然僕の体は地面に落とされた。見ると大柄な男の肘と腕が切断されている。倒れる僕の隣には見覚えのある姿があった。

 

「おうよ、アルフォンス、助けに来てやったぞ。このバリー様に感謝しろよ」

「バリー、気を付けてそいつ速度に特化したホムンクルスだ!」

「このバリー様に任せときな、ただ早いだけのデカ物なんてラストの姉ちゃんに比べたらただの的みたいなもんよ」

 

 腕が突然切り落とされたことに対応できていないのか、不思議そうに再生する腕を見つめるホムンクルス。その隙を逃さないバリーの強化された肉体から繰り出される巨大な包丁さばきで次々と四肢を切り落としていく。それでもなお抵抗を続けるホムンクルスは再生した片足でその場を離れ、建物の外へと消えていった。

 

「はん、切り足りねぇぜ」

 

 バリーはそんなことを言いながらも、巨大な包丁を肩に構え、いつでも追撃できるように準備をしていた。

 

「助かったよバリー、危うく何もできないまま連れ去られちゃうとこだった」

「ひゃひゃひゃ、まぁ気にすんなって。ラストみたいに技の技量ってのか、そういうのがないただの喧嘩殺法相手に『鷹の眼』を持つ俺様が負けるわけねぇんだよ。一時撤退するのはいいがその後のことをきちんと考えちゃいねぇ」

 

 そう言うとホムンクルスが逃げた先をずっと見つめて視線を放さない。

 

「よし、アルフォンス。合図したら俺の目の前に外に向けて飛び切り頑丈なでっかい棘を作りな、…………今だ!」

 

 僕は言われた通り目の前に高さ3メートルくらいの大きな棘を創る。同時に物凄い衝撃で腹に大きな穴をあけて棘がめり込んでいるホムンクルス相手にバリーが体を切り刻む。

 

「ひゃひゃひゃ、いくら速かろうが動き出しが全部見えてちゃどこにどのタイミングで突っ込んでくるか御見通しなんだよ!」

 

 しばらく再生するたびに手足を切り裂いてを繰り返していると、ついに限界が来たのかその場に動かなくなり、徐々に体が崩れ落ちてきた。

 

「何が起こったかわかんねぇけど……、あぁ、やる気出すのってやっぱり面倒くせぇな……」

「人生楽しんだもん勝ちよ、俺様だって右往左往したし作られた体だけどよ、最高に楽しい人生真っただ中だぜ」

 

 消えゆくホムンクルスにバリーが声を掛ける。その姿はなんだかとても格好よく見えた。

 

「どうよ、惚れ直したか?」

「確かに、これは中身を知らなきゃ惚れちゃいそうだね」

「中身すっからかんのくせによく言うぜ、ひゃひゃひゃ」

 

 僕とバリーはお互いの勝利を喜んだ。ガサツで調子のいい奴だけど、この前向きさは見習わなきゃいけないな。惚れることはないけれど、大切な友人くらいには思ってるかな。

 

「ひゃひゃひゃ……っとちょいと頼んで悪いんだけどよぉ」

 

 突然倒れるバリーを慌てて支える。

 

「ちょいと連戦で無茶しすぎたわ。あのデカ物は筋が多いし筋肉質で力込めなきゃ解体できなくてよ。体の所々で筋肉が切れちまったみたいでよぉ、悪いけど先生のところまで連れてってくれや」

「た、大変だ、タッカーさんは今どこに!?」

「病院の方に向かってるはずだ、さっきちらっと見た感じだと戦闘はもう終わってたみたいだし無事合流出来たはずだろ」

「それなら安心だ、マルコー先生もいるからすぐに体も治るよ。僕も生体錬成に詳しかったら治してあげられるんだけど」

 

 バリーを背負いながら建物を出て病院を目指す。

 

「おめぇさんはどうよ、人生楽しんでるか?」

「僕はこれから先の未来が楽しいことで盛りだくさんだよ、元の体に戻れたら旅に出て生体錬成を勉強し直す予定だしね」

「おぉ、もう先の事考えてんのか、しかも勉強の旅ねぇ……俺には縁がねぇ旅行だな」

「そんなことないよ、案外勉強って楽しいんだよ、なんだったら一緒に行く?僕の体が生身になったら護衛も必要だし、もしかしたらバリーだって元の体に戻せるようになるかも」

 

 僕と違って元に戻る肉体があったバリー。確かにボロボロだったけど賢者の石があればきっと元の体に戻れたはずなのに、僕たちの旅のために体を改造してくれたんだ、僕の旅路、みんなを幸せにする旅に付き合ってもらいたいな。

 

「おいおい、勉強旅行改め新婚旅行ってか、言うようになったなアルフォンス。それなら背負うんじゃなくてお姫様抱っこ位しろってんだ」

「もう、茶化さないの。足だけ持って引きずってもいいんだよ」

「うおっ、そいつは勘弁だ。あんまりこの体でみっともねぇ真似したらホークアイの姉さんにどやされちまうぜ」

 

 軽口を叩きあいながらも僕はバリーの体を背負って歩く。早く他の人たちに合流して僕たちが出来ることをしないとね、明るい未来のためにも。




『スロウス』

鎖を外したら速度を制御できないが、目標を定めて直進するだけなら出来るようになる。しかしどんなに早く動けてもすべてを見つめる『鷹の眼』にはかなわなかった。

『バリー』

主人公を単身で救う相棒っぷりを見せつける。正直戦闘がこなせるからタッカーさんよりも戦闘では出番多し。でも時計台から飛び降りたりあのデカいスロウスを力任せに切り刻んだせいで強化した体もボロボロ。お忘れの方がいるかもしれませんが見た目はホークアイなので、傍から見るとすっかりアルフォンスのヒロインである。

『アルフォンス』

実はかなりピンチだった主人公。錬金術に両手を使わせない戦法を使われるとなすすべがない、自慢の力強さもより力強いスロウス相手では振りほどけず。
本人的にはバリーは歳の離れた悪友みたいな感じに思ってる。わがままで調子乗りの相手として兄さんと同じ対応し始めた。でもそれって身内認定みたいだし、傍から見たら美女と仲良くしてるように映る。
バリーの中身も知ってるし、自分も外見と中身は違うと考える思考が付いてるけど、第三者からみてどう思われるかまで気が回っていないあたりが擦れてない素直ないい子の証。
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