どうすれば読みやすいか今だに試行錯誤中です。
そしてみなさんの暖かいお言葉に甘えて新連載初めてみました。そっちでも色々試してます。
そっちもまた数日のうちに連続更新したので、その揺り返しでこっちも書いてます。いい影響が出てますよと言い訳してみる。
俺の名前はショウ・タッカー。病院で治療の手伝いをしてる錬金術師である。
といっても俺が診るのは合成獣部隊のみんなだけなんだけどね。一応合成獣の専門家って肩書で通ってるから、俺がみんなを診断する空気になってるし、まぁみんなの体は今までに何度も見てきたから手慣れたもんかな。
「タッカー先生助かったぜ、やっぱり専門家が診てくれると話が早くて助かるよ。俺たち普通の人間と違うから一般の医者だと判断に困ることも多いんだとよ」
「任せてくれ。戦闘はからっきしだけど、こういう時こそ私の出番だからね」
それにしてもみんな強いな。襲ってきた合成獣人形たちもかなり強いと思ったし、錬金術が封じられてしばらく経つから一時はどうなることかと思ったけど。スカーの方は大丈夫だろうか。もう原作の細部が吹っ飛んじゃったし、この後残るは大総統とお父様。大総統は一応味方サイドにいるから下手な動きはしないだろうし、このまま行けば街を包み込む賢者の石の錬成陣は完成しなさそうだ。
「よっしゃ、針の補充完了。これでまだまだ戦えるぜ」
「俺の唾液腺もすっかり元通りだ。タッカー先生がいると打ち止めの心配がないからな。ガンガン使いまくれるぜ」
ザンパノとジェルソの二人の治療も終えて、俺は一息つく。
「しかしまたキンブリーの下で戦うことになるなんて」
「まぁ、こちら側に付いたほうが面白そうですしね。軍属で大義名分の中楽しく仕事ができるのは願ったり叶ったりです」
複雑そうな顔をするダリウスさんをしり目に、キンブリーは通常運転だ。尤も今は錬金術も使えないし、戦力にならないって意味じゃ俺と一緒なのにこの落ち着きは見習わないとな。俺なんかみんなと合流できてようやく安心できたよ。
「おぉ、向こうにアルフォンスが見えるぞ。誰か背負ってるみたいだが怪我人かもしれん。ノックス先生呼んでくるか?」
「いや、よく見ろ、ありゃマーゴットさんだな。彼女助けてご帰還とはやるねぇあいつ」
みんなが軽口に出し柔らかい空気が流れていく。あれだけの激戦の後だって言うのに誰も死人が出なかったのは奇跡に近いと思う。ここで体を張ってたみんなと、病院で必死に戦ってたマルコーさんとノックス先生には頭が上がらないな。
さてさて、バリーの治療なら俺の担当だろう。結構無理させちゃったし、飛び降りた衝撃で足に負担が掛かってるって言ったのに、吹き飛ばされたアル君を目視した瞬間走り出しちゃったからな。たぶん今も自分の足で立てないから背負ってもらってるんだろう。頑丈にしてるとはいえホムンクルスみたいに自己再生機能を再現出来なかったからな。
「とりあえずヨキさんに頼んで周囲の警戒を維持してもらおう。その間にマーゴットの治療に専念するよ」
キンブリーもいるし、取りあえずは安心かな。さっき通信で聞いた感じだと各地の戦況もかなり優位に進んでるらしい、こんな混戦とした中でしっかり部隊を運用できるヒューズさんも十分内政系ビックリ人間だと思うんだよね。あと俺と違って素で結構戦闘力高めだよ。
帰還したアル君とバリーはそれはもう暖かい言葉で迎えられた。さて早速バリーの治療をしようと病院の個室を借り受けて治療しようとすると。
「タッカーさん、僕も横で見ていてもいいですか?」
「いいけど、どうしたんだい?君なら外の警護に残ってると思ったけど」
「それが、キンブリーが賢者の石を返す代わりに周囲の警戒を担当するって持ちかけられましてね。休める時に休んでなさいって言われちゃいました」
「先生、こいつ俺の治療にも参加してみたいんだとさ。たぶんキンブリーの旦那はその辺も御見通しだったと思うぜ」
なるほど。アル君にもいくら肉体的疲労がないとはいえ休憩は必要だろうし、だったら興味がある生体錬成の勉強にかこつけて無理やり休ませたってとこかな。本当に常識人なんだよなキンブリー……。
「それじゃ早速診ていこうか。バリーは合成獣の中でも特殊でね、僕やマルコーさん以外にも治療やメンテナンスが出来る錬金術師が欲しかったんだよ」
「そうそう先生、しっかりアルフォンスに俺の体のこと叩き込んでくれよ。全部終わったら新婚旅行でシン国まで行く予定なんだから」
「ははっ、そいつは責任重大だな。体を取り戻したアル君の護衛は必要だろうし、これが終わったら大佐に長期休暇をもらって二人で行っておいでよ」
どっちみちアル君の旅には護衛が必要だし、ちょうどいいんじゃないかな。たぶん国に居ないほうがホークアイ中尉に何かと小言言われることも少なくなるだろうし、マスタング大佐の胃も安心だね。
「はいはい、バリーの無駄口はほっといて、早いとこ治療しましょう。実は大柄で素早いホムンクルスと戦って、かなり力を込めて攻撃してくれたんです。なので腕がちょっとおかしいみたいで」
「ついでに足もな。時計台からキンブリーの旦那抱えて飛び降りてから調子が悪いんだよ」
「えぇ、そんなことしてたの!?」
「愛しのアル君のピンチに颯爽と駆けつけるために全力疾走したからな。どうだお姉さんかっこいいだろ」
「それで年下の僕に背負われてちゃねぇ」
「だからお姫様抱っこしろって言ったろ。そうしたらおめぇさん、ヒーロー感が増すじゃねぇか」
二人とも相当打ち解けたね、この分なら心配なさそうだ。実はかなり女性陣の好感度も高いんだけどバリーの存在でアル君彼女持ち説が確定になりつつあるんだけど、黙っておこう。たぶんアル君はエド君と話す感じで悪友に話しかけてるつもりなんだろうけど、傍から見るともう仲のいいカップルっぽいんだよね。いや、バリーは絶対わかってて誘導してるけどさ。
頑張れメイちゃん、あとエド君も。いつの間にか兄のエド君から弟のアル君が彼女を奪った略奪愛だって噂になり始めてるぞ。俺は面倒くさそうだからツッコミも訂正もしないけど、あとちょっと面白そうだし……。
「この背中に錬成陣があるだろ、これが体全体と魂を定着させた破片を中継させてるんだ。一見ほくろに見える点も、実は腕や足みたいに素肌になっても合成獣だとわからないように擬態した錬成陣の一部なんだ」
「なるほどだから背中や胸の本来露出しない部位にはたくさんの錬成陣が詰め込まれてるんですね」
「あのよぉ、一応ホークアイの姉さんの体なんだからもっと恥ずかしがったりしねぇのか?」
「僕は今、医療行為としてここに立ち会って教えを受けてるからね。病院でもお医者さんが異性を診察する時、いちいちそんなこと言ってられないでしょ?」
「けっ、つまんねぇの。またからかってやろうと思ったのに。彼女の体に初めて興奮するアルフォンス君の面白エピソードにならねぇんだ」
「残念でした、僕はきちんと公私を分けれるタイプなんですぅ。ほら、治療される側なんだからおとなしくしてて」
「はいよぉ、先生早いとこ直してくれ。こいつすっかり擦れちまってつまんねぇよ」
そりゃ、散々そのネタで弄ってたからね。アル君、ついに勝ったって顔してるけど、バリーもホークアイ中尉の顔でしちゃいけない悪い顔してるよ。たぶんまだからかいは終わらないと思うな。
「仲いいことはいいことだ。各地の戦闘も落ち着いてきたみたいだから、たぶん、ここから正念場に入っていくと思うよ。二人とも最後まで駆け抜けようね」
「はい!」
「おうよ!」
相手方の残った戦力のリソースはかなり削れてると思うけど、ここからいったいどうなってくだろう。最後に残ったのが大総統とお父様だから油断は出来ないな。たぶん二人相手だと本格的に俺が出来ることって何もないだろうし。
『合成獣部隊』
タッカーさんが専属の医療班、なので連続戦闘後のケアも原作より手厚い。特に恩恵を受けてるのはザンパノとジェルソで、棘と唾を補充できるようになった。
『キンブリー』
気が利く爆発魔、自分から周囲の警戒を買って出たのは賢者の石が欲しかったのもあるし、アルフォンスに気を利かせても真実。きちんと人間関係を円滑に進めれる爆発魔。決して武器を利用しての爆発よりも自分の錬金術での爆破をしたくなったからではない。
『アルフォンス』
覚悟が決まってる医学生みたい、女の人の裸なら緊張もするけど、医療目的だし、中身がバリーだとわかってるので、自分の中では踏ん切りがついた。
でも自分の中でだけ納得が出来てるだけで、周りの目にはそうは映らない。これからも弄りの対象だろうけど強く生きろ。
『バリー』
可愛い後輩が最近からかいに耐性を付けて来た。でも耐性が出来たからって辞めないし諦めない。やっぱり人生楽しんでる。
『タッカーさん』
合成獣たち専門のお医者さん。合成獣人間に対してはマルコーさんやノックス先生よりも上手に治療できるため、合成獣部隊の生命線。アル君に関してはメイと付き合うものと思ってるから、別にバリーを止めたりしないし、放置で行こうと思ってる。
『尾ひれがついた噂』
主にブリックス兵の負傷者から広がって来た。
美人秘書マーゴットは最初はエドと付き合っていたが、後から弟のアルが略奪し、今では相思相愛のラブラブカップルである。父親も関係を認めており、親公認だとか。新婚旅行の予定も立ててるようなので、戦いが終わったら結婚するらしい。
この噂のせいでアルフォンスに好意を持っていた女の子も実はたくさんいたが全員とのフラグが折れた。アル君は泣いていい。
なおメイは心に火がついて諦めないと思う。たくましい子。