目を覚ますと部屋は大分明るくなっていた。もう日が登っているらしい。不味い、今日は大学が2限からある。早く支度をしなければ。時間を確認するためにスマホを探そうとして、違和感に気づく。布団の上で寝ている。目線も妙だ、随分低い。着ている服も、、なんだ、これは。着物か。なんでこんな格好してる。そもそも何処だここは。俺の部屋じゃないぞ。何が起きたの理解出来ず呆然としていると誰かが部屋に入ってきた。
「まあ、恭吾!目が覚めたのかい!」
「お袋」
初めて見る筈の女性なのに、何故かこの人が自分の母親だと確信してそう呼んだ。何が何だか分からない。混乱して固まっている俺をみて何か勘違いしたのか、心配そうな顔で女性が話し始めた。
「大丈夫かい?昨日のこと覚えてる?近所の子達と遊びに行って、あんた崖から落ちたんだよ。頭を打ったのか意識が戻らなくて、心配してんたんだ。あんたが丸一日も寝込むなんて、初めてだからね」
話を聞いていてなんとなく思い出して来た。昨日俺はいつものように近所のガキを引き連れて、山へ遊びに行った。走り回って遊んでいるとき、足を踏み外して崖から落ちた…いやいやいやおかしいだろ。俺は大学生で昨日も普通に大学に…
「まあ目立つ怪我もないし、目も覚めたから大丈夫かね。あんた異常に頑丈だから。お腹空いてるだろ、直ぐなにか用意してくるから」
そう言ってお袋は部屋を出ていった。いまだ混乱したままだが、ここで一つの仮説が浮かんだ。非現実だ。あり得ない。あれは創作だろう。しかしこの状況を説明出来るのは、やはりあれしか考えられない。
「異世界憑依転生...」
運ばれてきた食事をたいらげ少し落ち着いてくるとこの身体の元の持ち主のものであろう記憶が戻ってきた。名前は不死川恭吾。年齢10歳。父親と母親と3人で暮らしている。ここは日本で今は明治18年。ここまで思い出し、聞き覚えのある今の自分の名前にとてつもない不安を覚える。どうか間違いであってくれと思いながら桶に水を張り顔を写した。
「嘘だろ...」
そこに写っていたのは三白眼の少年。左のこめかみから左目の下にかけてついた傷が目立つ。間違いない、あの不死川実弥の父親のクソ野郎である。
「どうすりゃいいんだ」
先ず、この世界は生き抜くことが非常に難しい。夜になれば素人には討伐不可能の化け物が徘徊してるというクソゲー仕様。その化け物を倒す手段を持っていても死ぬかもしれない。ふざけた話にも程がある。
(原作でコイツは実弥に『俺の息子だってことに感謝しろ。特別頑丈な体だ』と言ってた。つまり、コイツの体も相当頑強だと考えていいはず)
この世界では呼吸によって身体能力を大きく上げることができる。しかし当然生来の肉体の強さは変わらない。つまり、元から体の強い人間が呼吸によって身体能力を引き上げれば、相当な強さを手に入れることが出来る。
「この先何が起きるのか知ってる分有利に立ち回れるんだ。それに給料もいいらしいし...なるか鬼狩りに」
思い立ったが吉日、その日以降は全て凶日。この世界の母親と父親に一言「どうしてもやりたいことが出来た」と言い残して、不死川恭吾は家を出た。目指す先は狭霧山。
他の書きかけはまあ、頑張ります。はい