好きで生まれたわけじゃあないっつーの!   作:DANI

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1話

 

 

 

この世は不平等だ。

生まれながらにしてすでに勝ち負けは決まっている。

 

もちろん、人によって違うのかもしれない。

 

 

俺はこの世界に産み落とされてからというもの幸せだと思った事は一度も無かった。

 

そりゃ小さい頃は幸だった事もあったかもしれない。

何も考えずに大人へ媚び売ってりゃいいんだから。

大人達は可愛い可愛いと勝手にちやほやしてくれる。

 

 

問題は小学校へと上がってからだ。

何が起きるのかというと…勉強だ。

今まで可愛い可愛いとちやほやしてきたくせに成績の事で怒りにきやがる。

100点を取りなさい!だあ?

自分の遺伝子に何期待してやがるんだっての。もちろん勉強なんてチンプンカンプンだ。一応これでも親から毎夜無理矢理に勉強させられたんだが、まあ、地頭からして出来がが悪すぎたんだろうなあ。この親にして、だ。おまけに運動も全くダメだ。

 

 

そして勉強以外にも大変な事が起こる。

 

人間関係も段々と複雑になっていき、落ちこぼれな俺はイジメの対象にされた。

それでも教師も親もろくな事はしてくれない。

勉強で見返せばいい。何か他の事でぎゃふんと言わせればいい。

 

 

無理だっつーの!

よくもそんな事が簡単に言えるよな。口に出すだけなら簡単だわな。

 

 

行きたくもない学校には行かされ、参加したくもない行事には参加させられる。

好きで生まれた訳ではないのに。好きで存在している訳でもないのに。

 

 

とまあ、こんな調子で俺はダメダメなまま暗い学生時代をを過ごし今は30歳だ。

自分でもでもよくここまで生きてこられたな、とは思う。

 

何とか仕事にはありついているが、もちろん全然出世なんてしていない。そんなのは俺とは全く無縁のものだ。底辺生活を満喫真っ只中だ。同級生達はきっと明るい家庭でも築いているんだろう。真面目に泣きそう。

歳を重ねていけば過去の事なんて忘れられると思っていたが全然そんな事はなかった。

むしろ学生時代の嫌な記憶は日に日に鮮明になってきている気がする。

 

 

昔から思っていたが、生まれてこなければこんな苦しみを味わうことなどなかった。

両親は何の意図があって、この俺を作ったのか。苦しませるためだけに生んだのか。

 

一度も冴えた事のなかった俺の人生。

生れてこなけりゃ良かった。なんてもう何度も考えている。

それでも死ぬのは怖い。自分で自分の命を絶つ事なんてそう簡単な事ではない。

 

ああ、タイムスリップかなんかして、俺を生み出す前の両親を消す事が出来たらな…

なんて。そこまで考えるのはさすがに野暮ったいか。

 

さすがにそんな事まで考えるだなんて。どうかしてる。

 

 

 

 

「できるよ!?」

 

 

 

………………………

………………

………

 

え?

何だ?この声。目の前から………

 

「キミが生まれる前にタイムスリップさせてあげるよ!!」

 

 

………………は?

 

 

「そこでキミのおもうとおりにすればいいんだよ!!」

 

 

えーと………

俺は幻覚でも見ているに違いない。

よくある魔法少女のアニメに出てくるような小動物なんだか妖精なんだかが混じったような変な生き物のようなものが俺にそう言ってくる。

 

何なんだ!?こいつは……?

これは本当に幻覚なのか……?

 

 

 

 

 

 

 





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