アニメ2期のオープニングをご存じだと話が分かりやすい内容になっています。
※本編とは一切関係のない勢いで書いた偏見に満ちたネタ回ですのでご注意ください。
クリスマス、3年含め生徒会役員全員でカラオケに来ていた。
堀北兄が演歌を、橘がアニソンを、一之瀬が流行りのアイドルソングを熱唱し、盛り上がりを見せていた。
南雲が急にバラードを歌い出した時は、カラオケボックスが何とも言えない空気になったが、これもまたこの生徒会らしいな。
そんな風に考えていると、ふと聞きなれない声が聞こえてきた。
「南雲おやびん!俺っちも歌いたいであります」
……ん?
今、誰がしゃべった?こんな奴この生徒会にいたか?
「もちろんだぜ、殿河。遠慮なく歌えよ」
殿河だと……初めてしゃべったと思ったが、お前そんなキャラだったのか?
原作でも南雲を支えてきた相棒として紹介された割に、原作のこの時期に一回名前が出て以来、全く登場しないまま最新刊ですでに引退していたことが発覚した、あの殿河がついにしゃべったのか。
「殿河はいやしかやつばい。おいば差し置いて先に歌うなんてこすかー」
なんだって?
「そう言うなよ、溝脇。一緒に歌えばいいじゃねーか」
「さすが南雲さんばい。良かこと言う」
溝脇、お前もキャラ濃かったんだな。
もはやしゃべったことがないキャラがこんなキャラ付けされたら、ほぼほぼオリキャラと同じなんじゃないか?
だが、確かにこの2人が南雲と一緒に登場してしゃべってしまったら、南雲が霞むというか……南雲と愉快すぎる仲間たちになってしまいかねないので、これまで黙っていたのは正解だったな。
というより、冷静に周りを見るとオレ以外、誰も何も違和感を覚えていなさそうなんだが……
「殿河先輩たちは何歌われるんですかー」
「俺っちたちの十八番を歌うであります」
「おいたちの歌でクリスマスば盛り上げっけん、楽しみにしときんしゃい」
一之瀬が普通に話しかけている。
もしかして、オレ以外はこの2人がしゃべっているとことに出くわしていたのか。
それとも一之瀬のコミュ力の高さが成している技なのか。
既にカオスな状況だったが、真のカオスはここから始まる。
2人が入れた曲は『Dance In The Game』――アニメ2期のオープニングじゃないか。
曲が始まる。
♪歪んだ憂いが飛び交う中で
失い 失い 膝をつく道化
先ほどのキャラクターからは想像できないほどの美声で歌い始める2人。
「わあ、綾小路くん、学校の色んな所が映ってるよ」
一之瀬が言うように、カラオケ画面には教室や図書館などの映像が映っている。
♪あの蝶は自由になれたかな
情熱は孤独と燃える
「わ、私が出てきたよ!堀北さんからスタートしてヒロインが振り向く演出おしゃれだね」
堀北→波瑠加→愛里→ひより→坂柳→一之瀬→軽井沢→軽井沢のアップの順番でそれぞれの女子生徒が出てくる。
……なんだ、この順番、オレへの好感度順?
というか、佐藤さんが入っていないじゃないか、どういうことだ。
♪昨日の自分に興味なんかない
白 黒 返す言葉 裏表
「綾小路くんが出てきたよー。なんか裏表あるような演出されちゃってるね」
♪常識とかいう偏見を編み込み
明暗を分かつマジョリティ
「見てください、堀北君!堀北君が出てきましたよ。なんか、式神みたいなものを連れて歩いてますよ……い、一瞬で胴着に着替えて真剣を振りはじめました!さすが堀北君、式神使いで剣術の心得もあるんですね」
「さすが堀北先輩だ」
「いや、そんな事実はない」
♪天才を演じてる馬鹿はお前か
ないし馬鹿をやりつづけてる天才かい?
「わわっ、小さい綾小路くんだ!」
「ショタの小路君、かわいいですね……着ぐるみクマさんイジメちゃだめですよ」
「なんで囲碁なんだ?せめてチェスじゃないのか?」
♪最後に笑うのはどちらの女神だろう
「次は櫛田さんかー、さすが人気者は違うね……って、え、急になんか怖いよ」
♪曖昧な狂気が僕の喉を乾かす
「これは誰の尻だ?なかなかいいじゃねえか」
「龍園くん、メッチャ笑ってるね」
♪輪郭が定義される前に ロジックを覆せ
「綾小路くん、FXで全財産とかしちゃったんですか?」
「え!そうなの?またポイントが必要ならいつでも言ってね?」
♪ああ 机上の空論を夢と呼ぶ
無謀の中に光は宿った
「スマホが飛んでますっ!」
「いや橘、俺たちが落下しているのかもしれない」
「出てきた画面のポイント0だったね……やっぱり綾小路くん、ポイント貸そうか?」
「あれがオレの携帯だとは限らないぞ、一之瀬」
♪鬱陶しい風 振り払って
「ま、待って、あれれ、おかしいよ。今の部分、最初のヒロインズの使い回しだよね?」
「まあ見た感じそうだな」
「なんで、私だけ、いないの?いや、曲のリズムに合わせた結果、1人抜かないといけなくなったんだよね?振り向く演出上、途中の人を抜くことはできなかったんだよね?うん、わかるよ。だったら。二回登場する最後の軽井沢さん抜けばいいと思うんだ。なんで私を……振り払われた鬱陶しい風って私だった!?」
♪力を今示そう
「坂柳理事長と綾小路……屋上で何を?」
「あ、この前、廊下であったおじさんだね」
♪嘘も真実も明かせ
「最後の締めも綾小路かよー。なんかそれっぽい仮面かぶって目立ちやがってよ。俺の出番はどうしたんだ?」
「まあまあ南雲先輩、2番できっと私たち登場しますよ」
「だよな!出番はカットされまくったが、一応演説シーンもあったし、カラオケのPVで出てきてもおかしくねえ」
「そうですよ。私も出番を散々カットされちゃいましたけど、船上試験では活躍しましたし……まあそれ以降、一言もしゃべることなく2期終わったんですけどね、にゃははは……」
「わ、私だって、報告します!っていいましたから、出てますよね」
「俺と綾小路の絡みもカットされたからな……オレは映るだろうか」
各々、カラオケの映像に出てくることを楽しみにしているようだったが……。
「か、軽井沢さんばっかり。なんなら私、真鍋さんより尺なかったよ?」
「オレは最後の挨拶部分が採用されていたな」
「……私は出てきませんでした、ぐすん」
「俺の最高にカッコいい演説シーン……」
各々微妙な出番に不満な様子。
ドンッ!とテーブルを叩く、桐山。これまで黙っていた男がここで急にはじけた。
「お前たちは良いよな!まだ登場できたんだから。俺なんて、俺なんて存在を消されたんだぞ!」
「落ち着け桐山」
「堀北先輩がちゃんと綾小路と南雲降ろしの話をしないから、俺を紹介しないからこんなことになったんですよ」
「それに関してはすまない……」
「まてよ、桐山。俺たちは3期で活躍できるって」
「お前は良いよな南雲。一応制作決定のPVに出てきたから、出演は確実だ!だがな、3期に本当に俺が出る保証があるとでも?」
「だって、桐山先輩、合宿にもいたし、私の噂の時は掲示板に書き込んでくれるじゃないですか?」
「合宿では高円寺に説教して返り討ちに合うだけだ!掲示板の書き込みなんて、誰だってできるだろ……絶対に消される。俺はいなかったことにされるんだ……」
「おいおい、流石にお前がいないと2年生編も困るしよ、大丈夫だって、な」
「俺は原作でもなぜか堀北先輩の卒業場面に登場しないような男だ。きっと罰が当たったに違いない」
「お前の気持ちは分かった、桐山。俺たちもお前が出ることができるように祈っている」
「そうですよ、桐山君。きっとイケボのCVがつきますって」
「俺だってアニメに出たいんだー」
桐山の悲痛な叫びがカラオケボックスに響き渡る――
携帯のアラームが鳴る。
なんだか奇妙な夢を見ていたような気がするな。
アニメがなんやら……桐山も暴れていたような……ま、気にすることではないな。
そうしてオレは、生徒会役員としての一日を今日もまた歩み始める。
3期楽しみですね。桐山くんが出てきてくれるのかどうか、気になっています。
存在がカットされても話がどうにかできそうなので、ちょっと不安ですね……。