ようこそ実力至上主義の生徒会へ   作:まぐまれむ

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それぞれの価値観

合宿2日目。

朝6時過ぎ、部屋に設置されたスピーカーから音楽が鳴り響く。どうやらこの時間に起床しろ、ということらしい。

 

「んだよ、うっせえな……」

 

石崎のぼやきが聞こえてくる。

グループごとに2段ベットある部屋を割り当てられ、授業や食事以外の時間は基本的にここで過ごすこととなる。

 

「今日からこの時間に起きる日が続くんだろうな……」

 

オレの上のベットを使っている橋本がため息交じりにつぶやく。

 

周りはあまり歓迎していないようだが無人島での生活では釣りのためにもっと早い時間から起きていたため個人的には気にならなかった。

 

「全員早く起きた方が良い。集合時間に遅れたら減点されるかもしれない」

 

布団から出ようとしない数名の様子をみて啓誠がそう呼びかける。

こういった慣れない環境でも真面目に試験の事を考えて行動できる人材は貴重だ。

 

「責任者差し置いて、勝手に仕切んなよ、メガネ」

 

「幸村だ。悪いがそういうセリフは責任者らしい振る舞いをしてから言ってくれ」

 

「別に俺もやりたくてやってるわけじゃねえよ」

 

「なら幸村が仕切っても文句は言えないな。その方が石崎も助かるだろ。まだ2日目だぜ、気楽にいこうや」

 

少し険悪なムードになりかけたところで橋本が間に入った。

普段から坂柳に振り回されているだけあって、これぐらいのいざこざの仲裁はお手のモノなのだろう。

 

「お前らそんなことより高円寺がいないんだが……」

 

弥彦の発言に全員が高円寺のベットをみる。

指摘通りそこにはいるはずの高円寺がいない。

 

 

連絡手段を奪われ山林の奥地の古めかしい校舎に閉じ込められたオレたち。

一人、また一人と姿を消していく生徒。

前代未聞の学園サバイバルホラーが今、はじま――――。

 

「グッモーニン!いい朝だねえ、諸君」

 

はじまるわけがないか。そりゃそうだ。

高円寺なら最初の犠牲者も似合うし、最後の最後で実は死を偽装し生きていた黒幕といった展開もありだと思ったのだが。

 

「おい、どこ行ってたんだよ、高円寺」

 

「気持ちよく目が覚めたんでね、日課のトレーニングで汗を流してきたところさ」

 

「勝手な行動は控えてくれ。何が減点対象になるかわからないんだ」

 

「心配ナッシングさ。現にこうして集合時間前には戻ってきているじゃないか」

 

啓誠の忠告に耳を貸すような男じゃない。

だが、グループ行動が問われるこの試験では高円寺の行動が予想外の事態を招く可能性は十分考えられる。

 

「調子に乗るなよ高円寺。お前のせいで俺が退学になるじゃねえか」

 

当然、責任者の石崎も気が気ではない。

 

「ハッハッハ、いくら私が自由に過ごしたところで君の成績を下回ることはないから安心したまえ」

 

「てめえ喧嘩売ってんのか」

 

笑いながら石崎の肩をポンポン叩く高円寺。

石崎の怒りボルテージが上がってゆく。

 

「やめとけ石崎、それこそ退学になる。高円寺も無駄に煽るのはよしてくれ。お互い何のメリットもないだろ」

 

拳を振り上げようとしたところで、再び橋本が仲裁に入る。

頼もしいな。このまま橋本に任せておけばこの試験、案外楽に過ごせそうだ。

 

「私は事実を言っただけなのだがね。いずれにせよ、日課をやめるつもりはないよ。私の美しい肉体が錆びつくのと、あるかどうかもわからない減点。どちらが大事かは語るまでもないねえ」

 

「みんな悪い。こいつは俺の手には負えそうにない。後は頼んだ、綾小路」

 

前言撤回。

説得を即断念した上にこちらにパスを回す橋本。

高円寺をどうにかできる人間がこの世に存在するわけがない。

橋本としてもこちらがこの問題児にどう対応するのか、観察するのが目的か。

 

「ひとつ事実を開示させてもらうが、高円寺は筋トレの際にそれはそれは愉快な鼻歌を奏でる。下手に外出禁止にすると当然日課はここで行うだろう。朝6時にスピーカーの音楽で起こされるのと、それより早い時間に高円寺の鼻歌で起こされるのとどっちがマシだ?」

 

「「「……」」」

 

6時の起床であれだけ不満があったのに、さらに早い時間に高円寺目覚ましによって起こされる。

それを想像したのか、高円寺以外の全員が渋い顔をしている。

 

「否定意見はないようだね。明日からも朝の時間は自由に過ごさせてもらうよ。キミたちも集合時間には気を付けた方が良い。アデュー」

 

そう言ってささっと準備を整え高円寺は再び1人で部屋を出る。

 

「あれは放置しておくしかないのか……」

 

「いや、最低限の対策はできる。戸塚、すまないがお願いがある」

 

弥彦に言伝を頼むと喜んで引き受けてくれた。

 

「思うところはあるだろうが急いだ方が良い。集合時間まであと5分しかない」

 

啓誠の言葉に時計を見て慌てて準備をする石崎。

結局、こういう構図に落ち着いていくんだろうな。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

慌てて向かった集合場所の教室では、担当の教員から毎朝の掃除などルールが簡単に伝えられ、すぐに掃除に向かうように指示が出る。

 

「責任者に掃除用具をしまってある倉庫の鍵を渡す。各自取りに来るように」

 

「チッ、面倒だな」

 

口では悪態をつくものの、教員の下へ素直に鍵を受け取りに行く石崎。

 

石崎が責任者をしているのは、クラスポイントが低いDクラスだから。

バスで行ったひよりとのチャットで、自分たちに責任者を任せて欲しいと相談を持ち掛けられた。

退学のリスクを重く見る一之瀬はその提案に反対することはなく、こちらとしてもここで無理に責任者になる必要はなかったため、共闘の見返りという形で承諾した経緯がある。クラスポイントの差が大きいためにできる相談、ひよりもそのことはわかってのことだろう。

 

「石崎はひよりの指示にも素直に従うんだな」

 

鍵を貰って戻ってきた石崎に話しかける。

リーダー交代の一件、直々に席を譲った龍園はともかく、石崎たちのような末端は納得していないのではないかと考えていたため、特に反感を抱いていないことに少し驚きを感じていた。

 

「そんなの当たり前だろ。龍園さんからの命令だし、ひより姐さんにはみんな助けられてっからよ」

 

「助けられてる?」

 

「これまで俺らみたいな連中がテストで赤点を取らずに済んだのは、ひより姐さんが勉強会を開いてくれてたおかげだからよ。文句はねえ」

 

「なるほど……」

 

ひよりとはあまりクラスの話をしてこなかったため、クラスの勉強会を開催していたというのは初耳。

ただ、これまでひよりのクラスからテストで退学者が出なかった理由がはっきりした。

ひよりも案外クラスメイトのことを気にかけていたんだな。

 

「それよりよ、綾小路。この前のアレどうやんだよ。あとで教えろよな」

 

「アレ?」

 

「屋上のやつだよ。マジで何されたかわかんなかったわ。な、アルベルトも気になるだろ」

 

石崎から話を振られたアルベルトがニッコリ笑いサムズアップしている。

 

以前橘から借りた漫画に出てきたヤンキーたちが、殴り合いの末、なぜか最終的に仲良くなる描写があった。

その理屈が理解できず、そんなことがあるものなのかと橘に聞いたところ『漢の友情は拳で語り合うことから始まるんですよ』と物騒な答えが返ってきた。

その時は、入学当初オレに友人ができなかったのは、拳を使って対話していなかったからだったのか……と思ったものだが、その理屈で言うと平田なんかは人を片っ端から殴りまくっていることになる。

そんな姿は想像できず、これはフィクションなんだろうなと最近考えを改めたところだったのだが……。

 

なぜか屋上での一件で石崎からは少なからず好感を持たれてしまっている。

思えば龍園もクラスメイトと殴り合った結果、リーダーになったとか。

拳で語らうことも相手によっては必要なのかもしれない。

今度、試しに南雲を殴って……も仲良くはならないだろうな。

 

掃除後は道場のような畳の広がる空間に案内された。

いくつか他グループの姿もあることからこの課題は数グループ合同で行われるようだ。

 

「今日からここで朝夕の2回、座禅を行ってもらう」

 

「座禅でござるか、ひと昔前の漫画の修行パートみたいでござるなぁ」

 

博士が何気なくそんなことを言うと、それを聞いていた課題の担当男性が近づいてきた。

 

無言のまま威圧的な視線を博士に向ける。

 

「な、なんでござろうか?」

 

「お前のその口調は生まれついてのモノか?それとも故郷の方言のようなモノだったり、家の事情でもあるのか?」

 

「いや、そんなことはござらんが……」

 

「江戸時代からやってきた武士というわけでもないんだな」

 

「あえて言うのでござれば、明治あたりの流浪人でござろうか……」

 

「……どんなつもりで使ってるかは知らんが、ここではそれも減点対象だ。ふざけた口調は矯正してもらう」

 

「おろろ?」

 

「初対面の相手におまえのような口調で話しかけられたらどう思う。社会に出て通用するか?」

 

「それは……」

 

「他のものもよく聞くように。個性を出すのは自由だが社会に出るからには相手を思いやる気持ちが必要だ。ここではそう言ったことを学ぶ。その一つが座禅だ。座禅は――」

 

担当者からこの課題の趣旨や座禅の心構えが語られる。

 

「――――以上だ。お前も分かったな」

 

「教官殿のおっしゃることは理解できたでござる。……しかし、その上で口調を変えるつもりはないと申告いたす。なぜなら憧れは止められないのでござる」

 

「なんだと?」

 

外村が何を思ったのか、担当者に立ち向かう。

 

「好きこそものの上手なれ、拙者はこの道を究めていく所存」

 

「お前良い度胸をしているな」

 

「なるほど、教官殿の言う通り社会に出て周りに溶け込むのは大事でござろう。しかし、溶け込んだ結果、自己を失う人生に何の喜びがござるのか?そもそも自身を押し殺した拙者には何も残らぬ、きっとその他モブとして存在が消えてゆく。それはある意味で死と同義ではござらんか。人から忘れられた時、本当の意味で人は死ぬ……それならば逆説的に生きていても忘れられれば死ぬことになるのでござらんか。教官殿は拙者に自害せよと申されるのか」

 

早口でそう主張する外村を担当は、遮るわけでもなく、ただただじっと見つめて聞いていた。

 

「わかった。座禅の後は朝食の予定だがお前は残れ。他のものは朝食会場に向かうように」

 

折れない外村に説教が必要だと判断したのだろう。座禅の授業ののち、外村を残して全員が解散となる。

 

「外村のやつ、何があったんだ。これまでのアイツならすぐに怖気づいてそうなもんだが……」

 

啓誠の疑問はごもっとも。

もし以前と比べ何か変わるきっかけがあったとすればコウィケぐらいか。

あの時の外村は、これまでの学校生活では見せたことがないほど輝きに満ちていた表情をしていた。コウィケの成功体験が良くも悪くも外村に影響を与えたのかもしれない。

 

「外村もそうだが、同じグループのやつらもご愁傷様って感じだな。早速減点が確定した」

 

「……明人のグループじゃないか。退学者が出ても、外村が指名されるだろうが……そうなったらクラスにもダメージが出ることになる。外村のやつ、何考えてるんだ」

 

「割と冗談じゃ済まされないかもしれないな。都度、明人に様子を聞いておくか」

 

今オレたちにできることはそのぐらいだろう。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

朝食は一汁三菜を基本としたシンプルなもの。

 

「今回は学校側で用意したが、明日からの6日間は各大グループ内で作ってもらう。人数や役割分担は各自で話し合って決めるように」

 

「マジかよ、飯とか作ったことねえぞ」

 

石崎がそうこぼす。

オレも作ってもらうばかりで作ったことはなかった。

作る料理の指示とレシピはあるようなので、いい機会かもしれない。

 

「平等にやるなら各学年が1回ごとに交代するということでどうだ?」

 

3年Bクラスの石倉が南雲に話しかける。石倉はオレたちの大グループの3年の責任者だ。

 

「こっちは異存ありませんよ。一年生からってことでお願いします」

 

「一年もそれでいいか?」

 

「大丈夫っす」

 

3年生からの提案を断れるはずもなく、責任者の石崎が了承する。

この学校も実力主義といいつつ、年功序列の文化は一応あるようで、多くの場合、先輩の言うことに後輩は逆らえないようだ。そういうものと知らなかったとはいえ、知っていても今と変わらなかっただろうなと思う。

 

「飯作るってことは何時に起きりゃいいんだ?」

 

「……30人分以上作るんだ。2時間は見ておいた方が良いな」

 

啓誠の予想を聞いて石崎が「無理だろ」と否定する。この合宿中2回は4時起きになる。

高円寺の筋トレタイムよりも早いかもしれない。

 

「とはいってもやるしかないだろ。朝食がなかった場合、先輩方から何といわれるか……」

 

「この試験、ホントくそだな」

 

「気持ちはわからないでもないが、まだ試験の部分はほぼ始まってないぞ」

 

「うげー」

 

石崎は悲観しているが、早起きも掃除も朝食作りもこの合宿での作業。

減点対象ではあっても試験の根幹ではない。

 

そんな試験についての説明は朝食後の午前の授業で行われた。

この一週間で学んでいくのは『社会性』とのこと。

座禅をはじめそれにちなんだ授業を行う。そこから最終日のテスト内容も想定できそうだ。

 

午後からは基礎体力作りとしてグラウンドを走ることに。

最終日には駅伝が実施されるとのことで、テストのひとつと見てよさそうだ。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

夕食を終え、一足先に部屋に戻ろうとした時だった。

何かあったのか、廊下で数人の男女が集まっているのが見える。

 

「悪い、大丈夫か?」

 

「ええ、心配いりません」

 

近づいてみれば山内が申し訳なさそうに手を差し出している先に、転んだ坂柳がいた。

坂柳は山内の手は取らず自力で起き上がろうとする。転がった杖をとりそれを支えに壁に背を預けゆっくりと立ち上がる。

 

「無理すんなよ、なんなら俺が肩車してやるからさ」

 

そんな様子をみてバツが悪くなったのか山内は無謀にも話しかける。いや、山内の場合、ただの下心かもしれない。

 

「どうぞお気になさらず」

 

坂柳はちょっとだけ笑みを浮かべ、すぐに山内から視線を外す。

 

「じゃ、お互い無事だったってことで行くな」

 

周りで事の様子をみていた生徒も何事もなかったことに安心し去っていく。

 

「坂柳ちゃんって可愛いけど、どんくさいとこあんだな」

 

廊下を歩いていく山内は自分に非があった可能性は少しも考えていない。

 

「大丈夫か?」

 

坂柳と目が合ってしまったため近づいて話しかける。

 

「わざわざご心配ありがとうございます。最近はマイカー通学ばかりでしたので、少し足腰が弱っていたのかもしれません。葛城くんに乗ることの数少ない弊害でしょうね」

 

もっと威厳とかが失われている方が弊害な気もするが……。

改めて葛城に乗って自由に移動できることが、坂柳にとってどれだけ喜ばしいことかわかるな。

 

「山内にはあとで少し言っておく」

 

「彼も意図的ではなかったわけですし、たかが一回転ばされただけ」

 

そう言って笑う坂柳だったが目は全く笑っていない。

 

「ただ、不敬にもマイカーの代わりを申し出た時は、分をわきまえよとは思いましたが、彼なりの気遣いとして流すことにいたしました」

 

「そうだな、アイツには荷が重いだろう」

 

「重い?」

 

「いや、坂柳は軽いが、山内はへなちょこだからな」

 

「ええ。そうでしょう、そうでしょう。では、私もこれで。今回の特別試験でも勝負ができずに残念でしたが、お話しできて嬉しかったですよ」

 

一瞬殺気がとんでもないことになりかけたが、最終的には上機嫌で去っていった坂柳。

以前、葛城から貰ったアドバイスがなければ危なかった。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

消灯時間の夜10時まであと1時間。

オレたちの部屋は、特に誰か会話するわけでもなく静まり返っていた。

他クラスはともかく自クラスのメンバーとも会話がないことから、試験初日ということもあり疲れが出ているのかもしれない。

オレもこういう時どういう話をしたらいいのかわからないため、大人しく過ごしていた。

 

そんな時、部屋のドアがノックされる。

 

「こんな時間に誰だ?」

 

突然の来客に全員覚えがないらしく疑問を浮かべる。

 

「センコーの見回りとかか?」

 

「その可能性も考えるとスルーはマズいな。――空いてます、どうぞ」

 

石崎の言葉を聞き、啓誠が扉に向かう。

 

そこから出てきたのは意外な人物……でもないか。南雲と桐山。そして3年Bクラスの津野田、石倉だった。

 

「まだ起きてたか?」

 

「南雲生徒会長、何か用でしょうか?」

 

「よせ、啓誠。面倒ごとなのは目に見えている。丁重にお帰りいただくんだ」

 

「綾小路、せめてそういうのは本人に聞こえないようにこっそり話せ」

 

「あ、南雲会長いらっしゃったんですね。おやすみなさい」

 

ここまで比較的おとなしかった南雲が、わざわざ1年の部屋までやってきたんだ、ロクでもない企みがあるに決まっている。しかも3年のオマケつきだ。

 

「ハハッ、噂の一年副会長さんは中々愉快じゃないか南雲」

 

「こいつは生意気なだけですよ。だがそこまで警戒する必要はないぜ、綾小路」

 

警戒ではなく、ただの拒否だったのだが……。

 

「せっかくの機会なんだ。大グループの仲間で親睦を深めようぜ」

 

「南雲会長抜きなら歓迎しますよ」

 

「悪いがそれは叶わねえな。なぜなら、親睦会でトランプをやる予定だが、これは俺の私物だからな」

 

ならトランプだけ置いて去って欲しいのだが、これ以上の問答に意味はないとお互いに理解している。

 

「ま、いいじゃないか。綾小路、お前は南雲と親しいようだが、他の一年にとってはそうじゃない。俺たちも一年とは交流したいと思っていたしな」

 

石倉がそんな風に諭してくる。そう言われてしまうと一年は受け入れるしかない。

 

「時間が惜しい、早速始めようぜ。一年も代表で2人選んでくれ。あ、初手の綾小路はなしな。コイツとの交流は後回しでいいだろ」

 

「その意見には賛成ですね」

 

トランプは橘や堀北兄と散々やったからな、どんなゲームでも負ける気はしなかったが、それでは場が白けてしまうだろう。

ここは他の一年生に任せ、様子見をさせてもらうことにする。

 

そうして夜中にトランプ大会が始まろうとしていた。

 

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