この世界には人の手によって作り出された生き物が存在するとかしないとか。
僕には妹が四人います。
血は繋がっていませんが、みんな僕の大切な家族です。
でも彼女達はちょっとだけ他の人間の女の子とは違います。
彼女達はカイ博士によって人工的に作られたキメラです。
博士曰く近年は遺伝子工学の発展が目まぐるしいようで、クローンを作る事が容易になっているそうです。
博士はその遺伝子工学の知識と博士自信が持つ特殊な細胞を活用して、僕の妹達を生み出したそうです。
そうして世界で初めて生み出されたキメラこそが、僕の妹のエミーです。
カイ博士の人間としての細胞を原型として、魔界と呼ばれる地域に住む触手を持った種族から採取した遺伝子情報と、博士が極秘で管理しているというとある生物の魔力を組み合わせることで誕生したエミー。
カイ博士はエミーを『我が子』と呼んで可愛がっていますが、姉であるゴトウ博士はキメラ実験が今後違法になる可能性もあると不安視していました。
キメラと聞くと少し不気味に聞こえるかもしれませんが、実際に触れ合ってみると彼女達も普通の女の子だと言うことはすぐに分かるはずです。
実際、街を歩いていれば彼女達と同じような姿をした魔物系種族や亜人系種族が大勢暮らしていることが分かります。
『人の手によって作られた』命でも『他の人々と同じ』命だと、僕はそう考えています。
人の手によって……作ら
れた命……誰
かを元に……作られ
た……キメラ……クロー
ン技術…………僕は……
「お兄ちゃん大丈夫?」
「ふぇ?」
「お兄ちゃん今ヒーローのポスター見ながら泣いてたよ?」
「あ、あれ?ほんとだ。おかしいなぁ何でだろう。」
「ホントに大丈夫?ほっぺ触る?」
「……うん。」
きっと僕は幸せ者です。
僕が落ち込んだりしていると、妹達はいつも僕に寄り添ってくれます。
エミーの頬には頬袋と呼ばれる少しピンク色になっている部分があって、その部分を触ると幸福感を得られる成分が分泌されるそうです。
あ、危険な薬物とかでは無いので人体に害はないですよ?安全な物質です。
とにかく皆とても優しい子です。
きっと母親であるカイ博士に似たんでしょうね。
…………僕の本当の親は誰なんだろう……と考えた事も何回か有りました。
僕は何故人気のない路地裏にいたのだろうか……何故昔のことを殆ど覚えていないのだろうか……考えても答えは分かりません。
でもきっとそれは、そんなに重要な事では無いんだと思います。
どこで誰が僕を作ったかなんて、今のこの幸せな暮らしに比べれば大したことでは無い。
そう思えるんです。
ミズキ「僕って幸せ者だなぁ!」
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