私今回初めての作品は無謀にも原作再構築、性格改変物です。
どうか暖かい目で見てください! というか読んでください!
港町ハルジオンに向かう列車に俺は乗っていた。
列車の名前は…… 忘れたな。でもまぁとにかく人気のある列車だ。
名物の駅弁は旨いし、揺れも少なく、時おりスピーカから聞こえてくるこの列車特別のラジオが大変好評だ。
今日は確か、東洋の島国から伝わった、大喜利だかが流れていたな。
列車に乗る乗客はみな、外の景色を楽しんだり先程の言った大喜利を聴いて笑っている。
が、俺は全く楽しむことができなかった。
それは別に俺が気難しい頭の固い奴でも、感情のへったくれもない人形であるわけでもない。
俺は楽しまないのでなく、楽しめないのだ。
何故なら俺は今、
「うぷ…… じ、ぬ……」
現在進行形で吐きそうになっているのだ。
このままでは綺麗な列車が俺の嘔吐物によって地獄の掃き溜めとなるだろう。
俺が少しでも楽になれるように椅子に横になって寝ていると、前方に座っている狐の仮面をつけた喋る青色のネコが、ダンディーボイスで呆れたように言ってくる。
今更だがやっぱネコが喋るとかおかしいだろ…… 獣人族でもねえのに。
「全く、相変わらずだな君は…… やはりこんな仕事受けなければよかったのではないか?」
うるせーな…… こっちだって本当は行きたくねーよ。
でも、
「まあ、確かに君の気持ちはわかるよ」
思考読まれた、ネコに……
「むっ、どうやらハルジオンに到着したらしい」
「うぷ…… そう…… らしいな……」
ヤバイ…… 立つのがやっとだ。
目の前がクルクルと回っていやがる。
頭もまるでハンマーで殴られたようにガンガンと痛む。
そんな俺を心配するように俺の相棒、ネコのハッピーは名前とのギャップたっぷりのボイスで、
「では無理せず行くとしよう、ナツ」
自身の頬を仮面ごしに擦りながら言った。
◇
港町ハルジオンのマジカルショップで私は買い物をしています。
目的は勿論、星霊の鍵!
家出…… ゲフンゲフン、旅路の途中に偶然見つけたこのお店、欲しい鍵はあるんでしょうか?
「星霊の鍵か~、うーんウチにはあんま強力な物はないね」
店のオジサンはそういいますが、私は別に強力な鍵は必要ありません。
私が欲しいのは……
「ありました! 子犬座の鍵!」
喜びのあまり声を張り上げてしまいました。オジサンが目を見開いて驚いています。恥ずかしい……
まあ、いいでしょう。人目は気にしない、それが私です。
「子犬座の鍵、ください!」
「子犬座ね。えーと2万Jだよ」
2ま…… ! ちょっと高いかも……
でも欲しいしなぁ、よしここは!
「おじさま~、お・い・く・ら、かしら~」
と色仕掛けをと思いましたが、やっぱり恥ずかしいです……
結局私は2万J払いましたとさ。トホホ……
まあ、いいでしょう。子犬座の鍵は手に入りましたし!
私は店を出、ルンルンと効果音がでそうなスキップをしながら歩いていると「「「キャ~!!」」」と何やら黄色い声がしてきました。
見ると橋の下の向こう側で大勢の女性達に囲まれている人がいますね。
なんだろうと見ていると通りすがりの女の子達が、
「
「あの魔導士様が! 行きましょう!」
サラマンダーってあのサラマンダー!?
フェアリーテイルの魔導士!
これは行かなければ!
◇
あー、やっと気持ちわりーのが治った。
俺は目的達成の為町をさ迷っていた。
すると向こうのほうからサラマンダー様という黄色い声が聞こえてくる。
「あん? サラマンダー…… ってまさか!」
俺はハッピーの顔を見る。
「あぁ、早速見つけたな」
ハッピーも頷く。
たく…… なーにがサラマンダーだ…… いけしゃあしゃあと。
まあいいさっさと済まそう。
俺は女達を退けサラマンダーを名乗る男の元に行く。
するとそこには青髪でセンス0のマントを羽織った男がいた。
はあー、まあわかりきっていたことだが……
「おい、お前!」
俺はサラマンダーを名乗る男に怒声混じりの声を上げ睨みつける。
しかしその瞬間、なんとビックリ。俺はたくさんの女達にボコボコにされた。
「って、えぇ! なんで!?」
「アンタ、サラマンダー様に失礼よ!」
「謝りなさいよ!」
「死ねぃ!」
ちょっ! そこまでするかぁ!?
「ナ、ナツ! これはいくらなんでも危険だ! いったん退こう!」
ハッピーも俺に叫ぶが、同じくボコボコにされているため動けない。
無論、こんなのからはすぐに解放できる力はあるが、流石に女を痛め付けるのは……
てなことを考えている内に俺とハッピーは担がれ、というか大勢の女達の手のひらの上に乗せられた。
「え!? ちょっ何をーー」
すると俺に胴上げ受けた時のようなフワッとした感覚が、と思ったら、
ドッポーーン!!!!
という音と共に俺達は海へとぶちこまれた。
「ガボボ!!!」
お、俺は水が苦手なんだが……
ここハッピーに任せるしか……
「ゴボォ……」
って溺れとる! 仮面なんかつけってからだろ!
仕方ねえな、たく。
俺はハッピーを抱え水中から顔を出した。
するとそこには、
「大丈夫ですか?」
と心配そうな顔で見てくる金髪をサイドテールにした胸のデカイ女性がいた。
なんか目だつ女性だな。
「手を貸すので上がってください」
「あ、どうも」
俺は素直に彼女の手を取り水面から出た。
うわ…… ビショビショだよ……
「あ、ありがとな。助けてくれて」
俺が礼を言うと彼女はニッコリと笑い、
「いえ、私もアナタに助けられましたから!」
「え?」
助けられた? おかしいな…… 俺はこの人と会った覚えないんだけど。
「まあまあ、詳しい話は食事でもしながら!」
「えっ、ちょっ!」
俺、あの自称サラマンダーに用があるんすけど!
という暇もなく俺は彼女に手を引っ張られそのまま自称
サラマンダーから引き剥がされてしまった。
なんだこの子、無駄に力あんな。
「ナーツ! 私を置いていくなぁぁ!!」
走り去る俺の背後にハッピーの悲惨な声が響いてきた。
◇
こ、これはいったいどういうことでしょう……
今、私の胸はとても高鳴っています。
サラマンダーの噂は度々聞いたことはありますがとてもイメージと違います。
凛々しい顔立ちにイケメンボイス、見るもの全てを魅了するかのような人。
か、かっこいい…… !
まさか、これは、この気持ちは…… こ、
「おい、お前!」
え? あれ?
いきなり怒声混じりの声が聞こえ、見てみるとそこには桜色の髪をしたマフラーの男性と狐のお面をつけた、ネコ? がいつの間にかいました。それもサラマンダーを睨んで。
と思ったら他の女の子達にボコボコにされてそのまま水の中に落とされました。
て、えぇ!?
ちょっ、大変! ん?
桜髪の方のおかげで気づきましたが、あのサラマンダーの指には
それも
確か、販売中止になった違法の魔法のはず…… 欲しい、羨ましい、じゃない! そんなことに魔法を使うなんて最低です。
こんな男は無視して先程の桜髪の方を助けましょう!
私は水の中に沈んだ桜髪の方の様子を伺うため除きこむと泡がボコボコと浮かび上がってきました。
そこから桜髪の方が顔を出しました。
あ、よく見ると少しかっこいいかもしれません。
「手をかすので上がってください」
「あ、どうも」
桜髪の方は素直に私の手を取り上がってきました。
引き上げたあと私はお礼を言いましたが桜髪の方には意味がわからないようです。
まあ、それはそうでしょう。
でも、助けられたのは事実。
私はご飯を奢るにことにしました。
「まあまあ、詳しい話は食事でもしながら!」
私は桜髪の方の手をとり、というか引っ張りレストランへと向かった。
ついた先はレストランバラード。
なにがどうバラードなのか、というかバラードとはなんなのか解りませんがまあ、味が美味しければ別にいいです。
桜髪の方の名前はナツというようです。
狐のお面のネコさんはハッピーというらしいですが、全く声と名前が合ってませんね。
ハッピーというよりダンデイーかも。
「えーと、それでさっきのこっちも助けられたってのはどういう意味なんだ? 俺はアンタに会った覚えはないぞ」
「ああ、それは私も同感だ。ゼエゼエ……」
ナツさんが疑問に思っていることを聞いてきました。
ハッピーさんは息切れしていますが。
「えーと、ですね……」
私は魅了の魔法について説明しました。
サラマンダーが使っていた魅了の魔法に私はかかっていましたが突如として現れ一時の騒ぎを起こしたナツさんによって半魅了状態に陥っていた私は指輪のことに気づいたのです。
人の心を利用する精神系ホルダー魔法の弱点は理解です。
私は魅了の魔法のことを知っていたので指輪に気づいた時点で魔法にかからなくなったのです。
「はぁー、成る程ね。たく、あの話は本当だったのか」
「あの話?」
「いや、なんでもない」
ナツさんの代わりにハッピーさんが答えました。
なんでもないと言われると逆に気になるんですけど。
「まあ、とにかくお二人のおかげで助かりました。本当にありがとうございます」
「いや、別にいいさ。それよりもあのサラマンダー……」
「あぁサラマンダーですか? そういえば私が聞いた話と全然感じが違いましたね」
「実は俺…… え? き、聞いたってどんな話?」
「はい。私が聞いた話だと、サラマンダーは目つきが鋭く歯はギザギザ、体は鬼のように巨大で、好きな言葉は流血、傍若無人、残忍無比の正に人間を止めた人だと聞きました。
私があらかた説明するとナツさんは何故か涙目で、
「へ、へぇ~」
と言い、ハッピーさんはヤレヤレといった感じに肩をすくめています。
「では、私はこれからとある町に向かわなければならないので代金は置いていきます。お先に失礼!」
私はレストランを出てルンルン気分で向かいました。
魔導士ギルド、フェアリーテイルがあるフィオーレ王国へ!
◇
「いつまでそうしているつもりだ?」
テーブルに顔を俯せにしている俺にハッピーが呆れたように言ってくる。
だってしょうがねぇじゃん…… あんなこと言われたらさー。
つーかサラマンダーの噂ってあんな風に流れてんの?
「まあ、君の気持ちはちゃんと理解しているよ。けれどもこうしてウジウジしていても仕方がないだろう?」
なんで俺はネコから説教受けてんだろ。
でもハッピーの言う通りか。
「わかってるよ。じゃあ行くか」
俺達は代金を支払い再び目的達成の為、動きだした。
◇
完全に列車の発車時刻を過ぎてしまった。
仕形がないので時間潰しの為、私はベンチに座り週間ソーサラーを読むことにしました。
ソーサラーは魔法専門の情報誌、今日はホルダー系魔法の新商品やあのフェアリーテイルについて記事がかかれています。
「A級賞金首エルダム率いるファルコン盗賊団を潰すも、町半壊…… 流石にやりすぎで怖いですね」
でも……
「それがいいんですけどね!」
「君、フェアリーテイルに興味があるのかい?」
「ふわぁ!?」
驚きました。いきなりあのサラマンダーが私の顔を除きこんでいたのです。
近くで見ると本当いけすかない奴です。
「な、なんですか」
「いやねぇ、さっきからフェアリーテイルについての記事ばかり読んでいるからそうなのかなあと」
サラマンダーは変なポーズをとり言ってくる。
き、キモい……
「もし入りたいのなら、マスターに掛け合ってあげるよ」
「え!? 本当ですか!」
思わず私はサラマンダーの首を握りながら聞いてしまう。
「うが、苦じい……」
「あ、すいません!」
私はさっと手を離すと再びサラマンダーは変なポーズをとって言ってくる。
「掛け合ってもいいんだけど、それには条件がある」
「条件?」
「ああ、今夜船でおこなう船上パーティに来てほしいんだ」
え? それだけ……
そんなのって、
「お得ではないですか!」
「え!? あ、あぁ、そうだろう」
サラマンダーは私の反応に驚いた様子を見せると、紫色の炎を出しそれに乗り、
「じゃあ、船で待っているから! あ、あとチャームのことは内緒で。アデイォース!」
と飛んでいった。
本当に気持ち悪い…… でもフェアリーテイルに入れるのならば…… !
「行きましょう!」
◇
「いねぇ…… 全然見つからねぇ」
俺はあのサラマンダー(笑)を探していたが全く見つからず夜となってしまった。
きらめく星空が鬱陶しく思える。
俺がボーッと向こうの港を見ていると女の子達がキャーキャー黄色い声で騒いでるのが聞こえる。
「サラマンダー様があそこの船でパーティをしているそうよ!」
「サラマンダー?」
「知らないの? あのフェアリーテイルの魔導士よ」
フェアリーテイルの魔導士。
その言葉を聞いた俺は怒りを胸の内に滲ませた。
そんな俺の心を落ち着かせるようにハッピーが言ってくる。
「ナツ、今度こそ目的の仕事を終わらせて帰るとしよう」
「ああ、行こう……」
俺はハッピーと共に歩を進めた。
これでようやく帰れる……
どうでしたか? 続きは明日すぐに投稿できるようにします。
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