常識人ナツによるFAIRY TAIL生活   作:龍拳

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第2話 滅竜魔法

今、私は豪華な船の中にいます。

それもあのサラマンダーの泊まっている個人部屋の一室に二人っきりです。

何度も言いますが気持ち悪いです、サラマンダー。

「よく来てくれたね。ほら君のために用意した高級ジュースだよ」

 

サラマンダーがコップに注がれたオレンジジュースを魔法で何粒かのシャボン玉みたいにして私の口元にまでゆっくりと飛ばしてくる。

でも、そのジュース……

 

「どういうつもりですか?」

 

私はオレンジジュースを手で振りはらう。

「これ、睡眠の魔法ですよね」

 

「気づいていたか……」

 

私は震えのるを我慢して睨むとサラマンダーはフッと笑って指にはめているマジカルリングを挑発気味に見せてくる。

その指輪は睡眠の魔法、スリープ。

これもチャームと同じように販売中止となった違法の魔法だ。

「そんな物を使って、い、いったいどうしようと言うんですか!」

 

「どうするって? 決まってる」

 

サラマンダーが指を鳴らすと、部屋を仕切っていたカーテンレールから次々といかにも悪い人ですというようや人達が眠っている女の子達を抱えて出てくる。

え? こ、この展開って……

 

「これから君は俺達の商品だ。これから行くボスコで

たっぷり可愛がってやるよ」

 

やっぱりぃぃぃ!!!

私、騙されたぁ!!

しかもボスコって治安の悪い国ランキング28位の超危ないとこじゃないですかぁ!

 

「ククク……」

 

「こいつぁ、いい女だ」

 

うわ、き、気持ちわるい。

なんていってる場合じゃない!

「そう簡単に私はやられません!」

 

私だっと魔導士を目指す者。

ホルダー系の魔法、星霊を呼び出す鍵でこの場を脱する。

しかし星霊を呼び出そうとした瞬間、サラマンダーの炎魔法によって弾かれてしまう。

 

「クっ!」

 

サラマンダーは私の手から離れた鍵をキャッチし、値踏みするように見る。

 

「星霊の鍵か…… コイツは所有者にしか使えねーし意味ねーな」

 

サラマンダーはそう言うと開いている窓へと投げ鍵は海へと落ちてしまった。

そ、そんな……

 

「これでもう抵抗手段はねえな」

 

違う……

 

「大人しくしてもらうぜ」

 

違う……

こんなのは私が憧れていた物とは全然違う!

私が憧れていたフェアリーテイルの魔導士はーーー

 

ドッコオオオオンンンンン!!!!!

 

「ウォォウ!? なんだぁ!?」

 

突船が大きく揺れ天井に穴が開いた。

その穴から桜色の髪をした男、

 

「よぉ、見つけたぜ」

 

ナツさんがいた。

 

 

あの船か…… サラマンダーがいるのは。

俺は体に翼を生やす魔法(エーラ)を使うハッピーに抱えてもらい船の様子を見ていた。

 

「ん? なんか女達が急に倒れだしたぞ」

 

「これは恐らくというか決定的に眠り薬だな。どうする?」

 

「どうするって決まってんだろ。助けにいくんだよ」

 

「だろうな。しかし君は乗り物が大の苦手だ。船なんかに突入すれば、まあ、戦闘不能になるだろうな」

 

「うぐ……」

た、確かに…… どうしよう。

「私にいい考えがある。君は船の、そうだなぁ、あのがらの悪い男達が入っていく部屋に突入したまえ」

 

「よし、わかった。なんて言うと思うか?」

 

俺が断るのは当然である。

そりゃあ、俺の魔法を使えば船の天井を壊すのなんて簡単だよ。

でも考えてみなさい。そんなことしたら中に連れ込まれた女達に被害が加わる可能性大だろうが!

 

「普通に降りりゃいいだろうが」

 

「無論、それがベストだ。しかしそれではーー」

 

パッ、

 

「面白くないだろ」

 

え?

俺の体は下に向かっていた。

「って、いきなり手離してんじゃねぇぇぇ!!!」

 

というわけで俺は部屋の天井を突き破っていた。

 

「な、なんだお前!?」

 

サラマンダー(笑)が動揺している。

さて、助けるかと言いたい所だか……

 

「ウプ…… 気持ち悪い……」

 

乗り物酔いだ。

 

「ナツさん!」

 

ん? ルーシーじゃねーか! なんでいんだよ。

 

「おい、ルーシー君!」

 

俺が酔っている所に穴の開いた天井からハッピーが顔を出している。

 

「ハッピーさん!」

 

「うわぁ、なんだこいつ! 狐?」

 

「いや、ネコだろ!」

 

「いや、ネコに翼っておかしくね!?」

 

うん。がらの悪い男達の意見に俺も同感。

「え、ちょっハッピーさん!?」

 

ハッピーはルーシーを有無を言わさずに捕まえ空中へと持っていく。

サラマンダー(笑)達はあまりの出来事に唖然としている。

あれ? 結局俺はどうすれば?

 

 

 

「さて、本題だ。ルーシー君」

 

「えと、なんですか?」

 

私は今、船を上空からネコ、ハッピーさんによって見ている。

それにしてもナツさんをおいていってよかったのかな?

いや、それよりもあの時現れたナツさんを見た胸の高鳴りはいったい……

 

「ルーシー君」

 

「あ、は、はい!」

 

「君は星霊魔導士だね」

 

「え? 確かにそうですけど、なんで知っているんですか?」

 

私は星霊魔導士だということをハッピーさんはおろかナツさんにも話していない。なのにどうして?

 

「いや、最初会った時から君、普通に腰にぶらさげてたし。それに実は窓から放り投げられた鍵をキャッチしていたんだ。ナツは君の鍵だと気づいていなかったがな」

ハッピーさんは私にとって大切な星霊の鍵を渡した。

よかった…… 私の星霊達!

私は鍵をぎゅっと握る。

 

「嬉しいのはわかるが、今はナツの手伝いをしてほしい。君の持っている鍵の内の金色の鍵を使ってくれ」

 

星霊の鍵はホルダー系の魔法。

基本は銀色の鍵を使い、星霊界に存在する星霊達を呼び出し契約者の代わりに戦ってくれる。

そして鍵には種類がある。

銀色の鍵とは別に、この世の中には世界どこ探しても十二本しかない金色の鍵が存在する。

金色の鍵によって呼び出される星霊達は銀色の星霊とは桁違いの強さだ。

というのは星霊魔導士の常識なのだけれど、なんでハッピーさんが知っているの?

星霊魔導士はかなるマイナーだし、あまり詳しくは知られてないんだけどな。

 

「私はその道には詳しい。それよりも今は一刻を争う。星霊の力であの船を沖まで戻せるか?」

 

「はい。やってみます! あの、ハッピーさんもう少し水面に近づいてもらえませんか?」

 

「む? わかった」

 

 

私は今持ちうる鍵の中から厳選し、この状況を打破する最高の金色の鍵を水面につける。

 

「開け! 宝瓶宮の扉 アクエリアス!」

 

契約者の命により今、星霊が召喚される! とか少しカッコつけてみたり。

ちなみにアクエリアスを呼び出すには水が必要。

だから水面に近づいたのです!

鍵によって開かれたゲートから人魚の姿をした青髪ロングの美女が現れる。

その手には水壺が抱えられている。

美女、アクエリアスは死んだ魚の目でこちらを睨み、

 

「なんの…… 用よ……」

 

とダルそうな声で聞いてくる。

 

「あの、船を沖にまで戻してほしいの! 貴女の力ならできるでしょ!」

 

「…… めんどい……」

 

「いや、やってくださいよ!」

 

「そんなのあの豚にでもやらせればいい……」

 

「無理に決まってるでしょ!?」

 

「…… 最近、足痛いから無理だわ……」

 

「貴女、足ないじゃないですか!」

 

「…… はぁ、わかった。やる……」

 

アクエリアスは大きくため息をつくと水壺を構えそこから水流を放つ。

するとあら不思議、遠くの船が巨大な波に襲われ、ついでに私達もどんどん沖まで流されていく。

「いや、なんで私達もぉ!?」

 

海水を飲み込みそうになるのをぐっとこらえた私は一気に沖に到着していた。

すると私は即座に起き上がりアクエリアスへ説教タイムを始める。

 

「アクエリアス! いつもいつもなんで加減が出来ないんですか!」

 

「…… めんどい…… から……」

 

「ふざけるなです!」

 

「もう…… 疲れた…… 多分これ…… 一週間は働けない…… ってことでサヨナラ」

 

アクエリアスはそれだけ言うと光に包まれ消えてしまった。

 

 

ここは…… どこだ?

船に乗っていたはずの俺は何故か陸地にいた。

見ると目の前には半壊状態の船が。

 

「もしかして、これがハッピーのいい考えってやつか?」

 

相変わらず無茶苦茶しやがる……

ん? 向こうににいるのはルーシーか? なんか人魚と騒いでんな…… って人魚!?

と思ったら消えた! なんだありゃ。

「ちくしょぉ、どうなってんだ!」

 

ん? あいつ生きてたのか。

 

「おい! お前フェアリーテイルの者らしいな」

 

俺はサラマンダー(笑)に叫ぶ。

 

「あん! それがどうしたよ!」

 

「いや、おかしいと思ってさ。俺、お前みたいな奴見たことねーぞ」

 

「は?」

 

俺は着ていたコートを脱ぎ捨てる。

するとそこから現れるのは紋章。

その者をギルトのメンバーだと表す紋章。

フェアリーテイルの妖精の尻尾の証。

 

「俺はフェアリーテイルの魔導士だ。でもお前なんて全然知らん」

その言葉を聞いたサラマンダー(笑)達は一瞬固まり、そして

 

「えええ!? ちょ本物!?」

 

「ヤバイっすよらボラさん!」

 

「バカぁ! 本名だすな!」

 

ボラ……? 確か問題を起こして巨人の鼻(タイタンノーズ)とかいうギルトから追放された魔導士だったな……

 

「おい、お前ボラとか言ったな」

 

「え!? は、はい!」

 

「テメェ、ここ最近勝手にフェアリーテイルの魔導士名乗って女さらって人身売買してるそうじゃねえか」

 

「「「「ドッキーンンンンンン!!!!!」」」」」

 

わ、わかりやすいなコイツら……

 

「いや、フェアリーテイルを名乗る所かテメェは……」

 

俺は無意識に肩を震わせる。

そして叫ぶ。

 

「勝手に人の二つ名サラマンダー使いやがってえええ!!」

 

「えええ!? ってことは本物!?」

 

そう。サラマンダーとは俺の二つ名。

その名を使って人身売買なんてされたら本物の俺はたまったものじゃねっつーの!

 

「今回の俺の目的は偽サラマンダーのボラ、お前を捕まえることだ。荒いことはしたくないんで、大人しく投降しろ」

とは言ったものの……

 

「誰がテメェのゆうことなんて聞くかよ! くらえプロミネンス!」

 

そりゃあそうだ。

ボラは紫の炎を俺に放った。

俺の体を炎が包み込む。

「ふん。返り討ちたぜ」

 

ボラの得意気な声が聞こえるが俺は全然大丈夫なんだよね。

何故ならば俺に炎はきかない。

俺にとって炎は、

 

「モグモグ、うぐ、不味い……」

「んな!? 炎を食ってるぅ!」

 

そう。俺にとって炎を受けることは食事に値する。

つまり俺に炎は無効だ。

 

「本当に人間か!」

 

「ありえねぇ!」

 

「あ、あんな魔法見たこともねえよ……」

 

「う、噂は本当だったのかぁ!」

噂ってのはこの俺の魔法のことだろう。

俺の魔法は失われし古代の魔法。竜の力を身に宿し竜を狩る力。それが滅竜魔法(ドラゴンスレイヤー)

竜の力を宿したその体は竜の肺のように炎を生み出す。

つまり、

 

「火竜の咆哮!」

 

「「「「いっ!?」」」」

 

口から炎のブレスを放つ。

ドゴオオオンンン!!!!

 

今度はボラの周りが炎に包まれる。

無論殺す気はない。逃げ場を封じるために炎で囲むだけだ。

「おのれ!」

しかしボラも炎魔法の使い手。そう簡単にはいかないらしい。

炎の中から飛び出てくる。

 

「たく…… 黙って捕まっとけよ」

 

「うるせぇ!」

 

ボラは突っ込んでくる。

ならば、炎を腕に纏い、

 

「火竜の鉄拳!」

 

「グフェ!?」

 

ボラを殴り飛ばした。

竜の爪は炎を纏うってな。

ボラは半壊状態の船に頭から突っ込む。

そのまま完全に伸びてしまった。

 

「これで終わりだ」

白目を向いたボラを確認し、俺は纏っていた炎を解除した。

すると向こうからハッピーに抱えられルーシーが飛んでくる。

 

「ナツさーん!!」

 

「ルーシー、お前なんでいんだよ?」

 

ルーシーが地面に降り立つと質問にも答えずキラキラした目でこちらを見つめてくる。

 

「な、なんすか?」

 

「見つけました」

 

「はい?」

 

「私ずっと探していたんです。フェアリーテイルの魔導士を。そして……」

 

「そ、そして?」

 

あれ? なんか嫌な予感が……

 

「私だけの王子様を!」

 

ルーシーはそう言うと俺に抱きついてきた。

あ、胸の感触が……

 

「じゃねぇ! なに言っちゃってんの君!」

 

「貴方は正しく王子様なのです! 私がピンチになると颯爽と駆け付けまるで太陽のような炎を使い悪党をふんさいするその姿こそ!」

 

あ、や、ヤバイこの子は……

 

「私の運命のお人、王子様です! さぁ今こそ誓いのキッスを!」

 

「頭、おかしいだろぉーー!!!」

 

普通会ったばかりの男にキス、迫るかぁ!?

「ハッピー!」

 

ハッピーはこちらを見るとグーサインを向け、

 

「ふっ」

 

と笑い声を出した。

 

「ふざけんなぁぁぁ!!!」

 

俺はルーシーの手を振り払い逃げたした。

 

「待ってくださーーーい!!!」

 

「来るなぁぁぁ!!!」

 

夜空に俺の叫び声が響いた。




次回、他のギルドメンバーが出ます!
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