どうぞ読んでやってください。
私は今、恐ろしいものを目にしています。
あの有名なフェアリーテイルに入ったと思ったら目の前に巨大な人が…… これがマスターなんですか…… 本当に。
「ムッ、新入りかね?」
うわっ! き、気づかれました!
「は、はい!」
命を守るため正直に私が答えるとマスターはどんどん小さくなって、てぇぇ!?
ついには私の腰よりも小さくなってしまいました。
それも見たところ結構な高齢のお爺さん。
これも魔法ですか……
「ワシの名はマカロフじゃ。本当ならば君の歓迎会でも開いてやりたいところじゃが、今はうちのバカタレ共に言わなきゃならねーことがある」
マスターはそう言うと、ピョンと二階にジャンプし、フェアリーテイルメンバーを見下ろす。
な、なんか皆さん先程までと違って重々しい感じが……
「お前らまーたやってくれたの」
マスターは懐から大量の用紙を出した。
「これは全部お前らに対しての苦情。おかげでワシは評議員の連中に怒られぱなっしじゃ」
マスターの言葉にギルドの皆さんが顔を伏せる。
まあ、流石に落ち込みますよね……
マスターが怒るのも無理はないですが……
しかしマスターは次の瞬間、大量にあった用紙を具現化した炎で燃やしつくし、そのままナツさんに投げつけた。
「マズッ!」
ナツさん、どうやら燃えた用紙を食べたようですが不味いみたいです。あ、今度料理を作ってあげましょう。
そんなことを私が考えテイルとマスターはニヤッと笑い、
「評議員などクソクラエじゃ!」
と言った。
その言葉に皆が笑う。
それを見たマスターはさらに、何か言おうとしたとき、
ヘックシュ! とクシャミをしたせいか口から入れ歯が取れてしまいた。
ってあの人入れ歯だったんですが!
「いひいひふえひにしてたら、れひゅくひにしたらまどのはふよくなりはしへん」
ってえええ!? 多分マスターは凄く良いこと言ってるんでしょうけど、何言ってるか全然わかりません!
入れ歯はめましょうよ! それとも全て無かったことにするつもりですか!?
「「「「「「「ウオオオォォォ!!!」」」」」」」
と思ったらギルドの皆さん、通じたのか歓喜の声を上げてるんですけど!
「これが私達のギルドよ」
といつの間にか元に戻ったミラさんが外れた入れ歯に噛まれた状態で言ってきた。
いや、基本私ボケ専門ですけどツッコンでいいですか!
◇
「なに? マカオが帰ってこない?」
「そうなんだよ! 父ちゃんを助けてよナツ兄!」
俺はフェアリーテイルによく遊びに来る小さな少年、ロメオから父マカオが仕事に行ったきり帰ってこないことを聞かされていた。
マカオか…… アイツ苦手なんだよな……
しかしロメオの今にも泣きそうな顔を見せられたらなぁ、あーなんであんなチンピラにこんな素直な息子が生まれたんだ?
「はらん! まはおもまほうしならさひふんではんとかする!」
ってジジィ、アンタまだ入れ歯入れてなかったんかい! ロメオのやつポカーンとしてるよ!
「要約して訳すとだな、マカオも魔導師、自分のケツぐらい自分でふく、だそうだ」
ハッピーの奴は唯一入れ歯なしのジーさんの言葉全てを理解できるものだ。
まあ、少しぐらいならば俺達もわかるが。
ハッピーの翻訳にロメオは体をプルプルと震わせる。
「バカァ!」
「ムゴォ!?」
我慢の限界にきたのかロメオはジジィに顔面パンチをくらわせ捨て台詞を残すと逃げていった。
殴られたジジィは顔を痛そうに抑えている。
たく…… 少しは素直になれよな。
俺はロメオの逃げた先へと向かう。
「どこへ行く気だ。ナツ」
知っているくせにハッピーが聞いてきた。
「決まってんだろ。散歩だよ」
俺の返事にハッピーは、そうかいと言うと同じく歩き出す。
「よーし、じゃあマカオさんとかいう人を助けましょう!」
ルーシーつきで。
ってせっかく表向き格好よく散歩だよって言ったのに意味ないじゃん!
◇
「気持ち悪い……」
俺達はマカオがいると思われる年中雪がふり続けるハコベ山に向かっていた。
のはいいんだが、ハコベ山に向かうまでの馬車がきつい。
かの揺れが俺の精神を大きく揺さぶってきやがる。
ウプ……
「ナツさん死なないでくださーい! はっ、今が既成事実を作るチャンスて……」
「くぉら…… ルーヒィー…… ひょんな時にまでボケる…… な…… ウプ」
ヤバイ…… 誰か馬車止めて。
俺の願いが通じたのか馬車は停車した。
「む、もう到着したのか?」
ハッピーが聞くと御者のオッサンが申し訳なさそうに言ってきた。
「す、すみません。これ以上は進めません」
全員降りてみるとそこには弾丸のような猛吹雪の光景。
「ちょっ、ナツさんどういうことですか! 今はまだ夏ですよね! まだ海の楽しい季節ですよね!」
ルーシーが驚くのも最もだ。
このハコベ山は年中雪が降り続ける雪山。
冬なんかはとてもじゃないが登山など不可能だ。
だがこれは……
「おかしいぞ、ナツ」
俺の疑問をハッピーが先に言った。
「ああ、確かにおかしい。いくらハコベ山でも夏にこんな猛吹雪はあり得ない。なにかあんのか?」
怪しすぎる。
だがそれでも俺達はそれでも進まなけれべならない。
仲間を…… 家族を救うために!
◇
あー、心地いい。
この冷たく柔らかい感触を持つ雪は私の心を癒してくれる。
暑苦しい炎とも違う。冷たすぎる氷とも違う。
この美しい雪が私の全てなのだ。
私が感傷に浸っていると美しいとはかけ離れた声が響く。
「グルオォ! 侵入者っす!」
侵入者?
そういえば…… この間も変な髭面の男が来ていたな。
「ならば始末しろ。早めにな」
「ウッス!」
ヤレヤレ、見た目は美しくないが言葉を理解し話すのは中々使える。
バルカンにはもう少し働いてもらおう。
私の野望の為にな……
はい。オリキャラ出ました。
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