ドンキーコングに転生したら、ポケモン認定されるのか簡潔に述べよ   作:生牡蠣

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番外編なんだけど書きたいこと詰め込んだら1万字超えたので分割しますた

実は1回データ吹っ飛んでお蔵にしようとしたけど、意外と気分が乗ったので投稿してみる

今回の番外編、キャラ崩壊とか独自設定のオンパレードだから好き嫌い大きく分かれると思うの

それでも良い方はお進みください


保存記録Ⅲ ザ・ゴーホーム  上

~パルデア地方 ハッコウシティ AM 8:04~

 

パルデア地方で一番の大都市とは、どこであろうか?

きっとパルデアの地に住む大半の人は、ここハッコウシティだと答えるだろう。

ハッコウシティ。歴史ある建物が並ぶパルデア地方では珍しい近未来的な街。

元々は鉱山からとれた資源を運ぶための港町であったが、それも昔の話で今は高層ビルが立ち並び、町中にはニャオハがジュースを飲んで幸せそうにしている広告などが映る電光掲示板が待ちゆく人々の目を楽しませている。

最近は、某配信者系ジムリーダーの本拠地として若者を中心に人気の町である(最近スパチャのやりすぎで破産した者もいるとか…無理のない程度でやってほしいものだ)

そんなハッコウシティにとあるテレビ局があった。

今は早朝、そのためテレビ局のスタジオではニュース番組の生放送をやっていた。

 

「このことに対して、新チャンピオンのユウリ氏は『私がチャンピオン…正直実感ないですね。そんなことよりカレー食べていいですか?』とのコメントを残しています」

 

「いやー、このマイペースさは逆に大物感ありますねぇ~!しかしダンデさんはもちろん、他のジムリーダーや挑戦者たちもチャンピオンの座を狙ってますからねぇ~。新チャンピオンの防衛戦にも目が離せませんな!」

 

ニュースキャスターが最新のニュースを読み、それらにゲストやコメンテーターが薄っぺらい感想を述べている。

本当はもっと実のあることを言いあって討論したいところだが、今の世の中すぐに炎上につながるため当たり障りのないコメントをならべるしかない。公共電波を利用する仕事も大変である。

 

「ガラル地方の新チャンピオンには頑張ってほしいですね!……それでは、続いてのニュースです。『テラスタル化したリザードン、野生で発見か!?』という話題です」

 

テラスタル。

パルデア地方でのみ見られる不思議な現象で、ポケモンが全身を結晶化させて、そのポケモンが持つタイプを『テラスタイプ』に変化させるという現象。

ポケモンたちはテラスタイプになることでテラスタルジュエルという王冠のような宝石を被り、元々の力をさらに強化したり、まったく別のタイプとなり新しい可能性を生み出すことができる。

また、優秀なポケモントレーナーはテラスタルオーブという道具を使い、自身のポケモンに好きなタイミングでテラスタルさせることができ、ポケモンバトルの奥深さをさらに追及している。

 

「……という目撃情報が相次いでいるようです。では、本日はゲストとして専門家の先生にきていただいておりますので、話を聞いてみたいと思います」

 

そう言いながら番組の司会者はスタジオのゲスト席に目をやる。

そこには、白衣を着て少しワイルドな印象を持った女性が座っていた。

 

 

 

「ご紹介しましょう。テラスタル研究の第一人者、オーリム博士です」

 

 

名前を呼ばれた女性――オーリムは自信にあふれた笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は遡り、エリアゼロから話は始まる。

エリアゼロから地上に近い場所は緑が生い茂り、きれいな水も流れているポケモンにとっては住みやすい土地だ。

しかし、エリアゼロの地下深くに進むと、そんな景色は一転し大きな結晶にまみれた洞窟へと姿を変える。

その洞窟は、巨大な結晶の影響か内部は明るさを保っており、その神秘的な光景には感動と不気味さを覚えてしまう。

さらに奥へ進み、洞窟の最深部にはビルのように巨大な結晶がいくつも並んでいる光景が目に入る。

その宝石のような輝きはとても綺麗で、目を眩ませてしまいそうになる。

そんな巨大結晶が並んでいる中に、扉がついている結晶があるのがわかる。

否、結晶に扉が付いているのではない。建物が結晶に飲み込まれ、辛うじて扉だけが無事なのだ。

 

ここはエリアゼロの最深部にあるゼロラボ。

とあるマシンへの入り口となる建物である。

 

ゼロラボの内部は、研究室のようになっていた。

何に使うかよくわからない機械の光が周りを照らしている

様々な考察が書かれたホワイトボードは、何度も書き直したのかところどこら汚れている

いくつもあるパソコンには、エリアゼロの様子を監視しているモニターや数式が書かれているものなど全て24時間体制で稼働しているようだ

 

そんなゼロラボ内部の机に座っている女性が一人。

その女性は白衣を羽織っているが、その下に着ている服は原始時代の人間の様であり、割れている腹筋がさらに力強い女性という印象を高めている。

日焼けしている肌と、口から少しだけ見える八重歯もまた、原始時代っぽさに磨きをかけているのだろう。

彼女の名はオーリム。パルデア地方のポケモン研究者であり、テラスタル現象についての第一人者である。

 

「……フゥー、少し休憩をはさむか…」

 

机の前でパソコン作業をしていた彼女はそうつぶやくと席を立つ。

体中から疲労という悲鳴が上がる…パソコンの前に座ってからどれくらいの時間が経ったのであろうか?

そう思い時計を見る……いつの間にかまた日を跨いでしまっていたようだ。

昔から熱中したら周りが見えなくなる傾向があったが、これはいけないな…次からは気を付けなくては。

そう何度も思ってはいるが、同じことを何度も繰り返してしまっているのだが……

疲れ切った体をほぐすべく、オーリムはストレッチを始める。

 

オーリムがここ、ゼロラボにいる理由を説明するには、彼女の過去を語る必要がある。

オーリムは昔から古代のポケモンに情熱を注いでいた。

いつか、古代のポケモンたちに会ってみたい。そんな思いを胸に研究者の道を歩んだ。

そんな彼女の熱意に胸を打たれ。何時しか彼女の意見に賛同する者や、研究に手を貸す者達が集い始めた(その中に、ミライの夫がいるとは思いもよらなかった)

その結果、テラスタルを発見し称賛を得た。

やがて彼女は結婚し、子どもも生まれ、幸せな家庭を築くこともできた。

しかし、彼女の古代に対する思いは日に日に強くなる一方であった。

 

そして、彼女の探求心は、ついに禁忌の領域へと踏み込んだ。

オーリムは、タイムマシンの開発に成功したのだ。

 

タイムマシン。

文字道理、過去や未来へ時間を行き来することができる夢の機械。

その機械を使い、彼女は古代のポケモンたちを現代に呼び寄せることに成功したのだ。

これで、古代のポケモンたちの研究ができる。彼女をはじめとした研究者たちはその事実に歓喜した。

 

しかし、現実は甘くはなかった。

 

古代の環境は現代よりも遥かに過酷である。そんな環境で生きていくために古代のポケモンたちはより強く、凶暴になっており、エリアゼロに生息するポケモンたちを敵とみなし襲い掛かってきたのだ。

エリアゼロのポケモンたちも対抗したが、力ではかなわず、対話を試みようとしても現代のポケモンの言葉がわかるはずもなく効果はなかったようだ。

研究者たちはようやく気が付いた。自分たちは、とんでもないパンドラの箱を開けてしまったのだと――彼女以外は

オーリムはそんな状況でも興奮が抑えきれなかった。昔からの夢の世界が目の前に広がっているのだ。興奮しないわけがない!!

 

そんな中で、ついに研究チームが古代ポケモンに襲われてしまい、怪我人が出てしまった。

「もう研究はやめるべきだ」

研究者たちは口々に言った。しかし、彼女はそれらの意見に聞く耳を持たなかった。せっかく夢にまで見た光景が目の前にあるのに、何を言っているのかと…

その日から、彼女は他の研究者たちと対立することが多くなり、その結果研究者たちは次々に彼女の元を離れて行った。

 

彼女の熱意に惚れ込んだ者も

彼女の研究に賛同した者も

自分と未来を誓い合った者でさえ、彼女のもとを去って行った

 

しかし、彼女は諦めなかった。

なんとかしてコライ種と現代の生命の共存ができないか、そう考えた彼女は自分の研究所で古代のポケモンと生活してヒントを得ようとコライドンを連れて行き、そこで生活を始めた。たった一人自分に残された息子とともに。

 

研究所での生活は楽しかった。

息子が、息子の親友であるオラチフが、そしてコライドンが一緒に生活し笑い合う。

そんな光景を見て、共存は実現できるとオーリムは確信していた。

だが、そんな生活も長くは続かなかった。

コライドンが興奮して、野生のポケモンに怪我を負わせてしまったのだ。

目の前を突然横切ったハネッコに驚いてしまったのだ。

怪我を負わされたポケモンたちの周りでパニックになる仲間のポケモンたち。その騒ぎを聞きつけて、近隣に住む住民たちが集まってきたのである。

その時はなんとか誤魔化せたが、これ以上ここで生活してコライドンのことがバレたら、古来のポケモンは凶暴だというレッテルが張られてしまう。それだけは何としても避けなければならない…!!

悩んだ結果、オーリムはコライドンとともにエリアゼロに戻り、そこで共存の道を考えることにした……本当は息子も連れて行きたかったが、危険な場所に連れて行くわけにもいかないため断腸の思いで置いていくことを決めた。

大丈夫、すぐに帰ってこれるさ。そう息子に言い聞かせオーリムは再びエリアゼロへ向かった。

 

今にも泣き出しそうな息子とその隣で息子を慰めるように寄り添うポケモンを背にして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んぅ、大分体がなまっているようだな…」

 

ストレッチを終えたオーリムは独り言をつぶやく。まぁ、ずっと研究室にこもりきりだったのである程度なまっているのは仕方がないが…

あれからどれくらいの時間が流れたであろうか、もう日付を数えなくなって久しい気がする。

しかし、古来のポケモンとの共存方法については何の手掛かりもつかめていない。

……いっそのこと、コライ種たちを外に放ってしまった方がいいではなかろうか?

そうすれば、外の生物たちも対抗するために色々な形で共存方法を考えるだろう。その結果生態系が崩れたとしても、それは自然に対応できない生物が悪い。そうだ、そうに違いない。

そんな自暴自棄な考えが頭の中を支配した時、パソコンのモニターに張り付けられた写真が目についた。

その写真には、満面の笑みを浮かべている少年と、同じように笑みを浮かべているポケモンがじゃれ合っている様子が写っていた。

オーリムはその写真を手に取り、優しい笑みを浮かべる。

……思えば息子には寂しい思いをさせてしまっているな…もし研究が終わり、息子のもとへ帰れたら思いっきり甘やかしてやるつもりだ。今までひどい扱いをしてしまったんだ、これくらい許されるはずだ。

自分はいい母親とは言えないだろう。しかし、私は目の前の夢をあきらめたくはない、どうか母にもう少しだけ時間をくれ。そう心の中で思いながら、写真をモニターに貼りなおそうとしたとき、モニターに映る映像に目を奪われた。

そのモニターには、エリアゼロの第2観測地点の周辺の映像を映し出しているものであった。

映像の中には茶色の体毛で覆われた謎のポケモンと、そのポケモンに組み伏せられているコライドンの姿が映っていた。

あの顔つきは…2号個体か。2号個体のコライドンはもう1体の個体より凶暴で力強く、このエリアゼロの中では1番強いポケモンだと確信している。

そんな2号個体が、苦しそうな表情を浮かべながら地に伏している。

一方の謎のポケモンは、涼しい顔をしてコライドンを抑えている。余裕があるようで鼻をほじくり始める様子も見られた。

 

あの凶暴な2号個体がまるで赤子のように無力化されている。

その事実をオーリムはしばらく理解ができなかった。

よく見ると、2体の周りにはイダイナキバやトドロクツキが倒れている。殴られたような跡がある事から、謎のポケモンにやられたのだと推察できた。

 

鼻をほじくり、拘束が緩んだところを2号個体はなんとか脱出し、謎のポケモンから距離を取る。ある程度距離を取ったあと、謎のポケモンに向かってギガインパクトを繰り出した。

ギガインパクト。そのポケモンの全身全霊の力をこめて突進する技。この技の強力な反動でしばらく動くことができなくなってしまうが、それに見合う破壊力を出すことができる。その技を放っているのはあのコライドンだ。並大抵のポケモンでは耐えることはできないだろう。

対して。謎のポケモンはその場で右腕をぐるぐると回し始めた。

“ブォン!!”“ブォン!!”

腕を回すたびに、轟音が鳴り響く。いったいどれほどに力を込めているのだろうか…!?

コライドンの攻撃が謎のポケモンに当たる寸前、謎のポケモンは腕を回すのをやめて拳を突き出す。

 

コライドンのギガインパクトと謎のポケモンのパンチが激突する。

その瞬間、コライドンはぶっ飛ばされ、壁に激突した。そのまま気を失い、壁にもたれ掛かる2号個体。

それに対して謎のポケモンはその場から動くことなく、拳を前に突き出したままであった。

一瞬で起こったあまりの出来事に、オーリムは言葉を発することができなかった。

 

謎のポケモンは2号個体を一瞥した後、その方向とは逆の方向に歩みを進めた。

「今度は何をするつもりだ?」そう思い、カメラを謎のポケモンの進行方向に合わせる。

すると、そこにもまたコライドンがいた。

あの顔つきは、1号個体だ……まずい!!

1号個体は2号個体と違って、温厚な性格で争いを好まない性格だ。そんな1号個体に、他の古代ポケモンを簡単に倒してしまえるような未知の力を持つ謎のポケモンが迫る。

 

「逃げろ!!!」

 

自分の声は届かないとわかってはいるが、思わず叫んでしまう。

あの子は、共に研究所で生活をしたこともある個体だ。特別な情も沸いてしまう。

謎のポケモンは1号個体にその剛腕を伸ばしー――頭を撫でた。

 

「…………え」

 

予想外の行動に、間抜けな声が出てしまう。

謎のポケモンはそのまま飼いワンパチを可愛がるようにコライドンを愛で始め、コライドンも嬉しそうに頭を擦り、顔を舐め始める。

一体何が起こっているんだ…?

オーリムはその映像を見て、しばらく立ち尽くしていた。

その胸の奥で、何かがざわつき始めているのにはこの時気が付かなかった。

 




多くは語らぬ

続きは早くて明日


ここまでご拝読ありがとうございました
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