時系列としては、全国の港湾や空港に結界施設を作って自衛隊と協力し始めている頃です。
『金ならあるぞ! おら、出すぞっ! 出すぞっ!』
『今日は安全な日だから全部なかに出してーーっ!』
「おうおう、あの爺さん。
非覚醒者なのによくやるなぁ、相手にしてるのは夜魔だぞ」
誰もいないラブホテルの一室で、俺は最近また高くなったマイルド7を吸いながら独り言ちた。
モニターに映った他人の痴態を眺め続けるのは仕事柄慣れたとはいえ、既にホテルに入っておっ始めてから2時間腰を振り続けているのは暇を持て余して来て苦痛になりかけている。
とても元気な爺さんの行為を眺めつつ、ぼんやりと昔の事を思い出していた。
ーーーーーーーーーー
俺の名前は【菅優(すがすぐる)】。
仲間内には、とあるロボアニメの小悪党キャラによく似ているとかで【カンユーニキ】と呼ばれている。
今年で30になったばかりだというのに、『小悪党のおっさん』は失礼だと思う。
それはともかく俺が覚醒しこっちの業界に首を突っ込む羽目になったのは、今画面の中で抱かれている夜魔に襲われたからである。
子どもの頃からぼんやりと前世の事は思い出していて、高校を出て就職のために家から独立してからは昔取った杵柄ならぬ前世の経験を活かして興信所で働いていた。そこへ、『趣味(援交)の仲間が何人も消えて気味が悪いから調べてくれ』と変な依頼があり調べていく内にあいつに出くわしたのだ。
結論から言うと、ホテル街で生まれたそいつは生存の為のMAG目当てで援交少女の真似事をし、殺さないように加減していたとはいえ何人も病院送りにしていたのだった。
当然、当時は未覚醒だった俺も、そいつらの仲間入りをする所をこの件を調査していたガイア連合のメンバーにより助け出されたのが、連合に転生者だと判り合流する切っ掛けになったのだ。そして、その時にぶち倒されたこいつも、命乞いの末に憐れに思ってしまい契約し今までズルズルと続いているのだ
あれから、もう5年経つのか。思い出すと、合流してからも色々とあったなぁ。
最初に目覚めたスキルが【宝探し】で、覚えやすいと言われた【アギ】と【ムド】を覚えるのにもう思い出したくもない地獄の訓練に何度も挑み、唯一の手駒だった夜魔を使い倒しつつ異界でレベル上げをしたり、地方の依頼を受ける内に異界の攻略より事前調査やその他の細々とした依頼の解決に向いていると言われてそれ系の仕事を回されるようになり、気がつけばガイア連合で他のメンバーが立てた調査会社の職員として日本のあちこちを飛び回るようになっていた。
そして、今回の依頼である。
こんな悪魔も反社の方々も相手にするような組織の仕事である。
所謂、異界の攻略のような派手な仕事ばかりでなく、細かい調査や監視に裏での交渉や工作などそういう重要で地味な仕事もたくさんある。
しかし、一般人の出身がほとんどの未成年も居るメンバーにそんな仕事は割り振れない。
そういう時に、俺のようなグレーな業界出身のメンバーに仕事が回ってくるのだ。
で、今俺が眺めている画面に映っている爺さん。
今いる地方都市の県議連の重鎮で頑なにオカルトを信じず毛嫌いしていて、うちの施設の設立と空港への結界の設置に圧力をかけて妨害している困った爺さんである。それで、この状態を何とかするために罠に嵌めて黙らせる事になったのだが、還暦を迎えているのに孫ほどの年齢の娘に腰を振る様には同情はいらないだろう。
『姿勢を変えてもう一度だぞ?』
『こんな姿勢で、……ああん♡』
「あいつ、今は中学生になるかならないかの姿だろうに難儀な性癖だなぁ。この爺さん。
やっぱり相手にするなら、手に余るくらいの大きさのおっぱいがないと駄目だろうに」
さらに、1時間後。
ようやく行為が終わり相手の爺さんが眠ると、あいつは手早く服を着て仕掛けてあった隠しカメラを入手し部屋を音も立てずに素早く出た。
しばらくすると、俺のいる部屋の扉が開きあいつが入って来た。
「終わりましたー。ああ、疲れた。これ、カメラです」
「おう、お疲れ。首尾はどうだ?」
「流石、年の功でしたねぇ。
触り方もねちっこくて的確で、久々に楽しめましたぁ」
「まあ、こういう仕事はなかなか無いからなぁ。
山梨に帰る前に何か食っていくか?」
「そうですねぇ。
あのお爺さんのは堪能しましたから、口直しに甘いのがいいです」
「じゃあ、出るか」
機材を片付けてカバンに詰めて部屋を出る俺の左腕を取って、上機嫌で歩き出すこいつの名は【すずか】。
黒髪を背中まで伸ばし、お嬢様然としたJCに成り立ての頃の美少女の姿をした【夜魔リリム】である。
こいつは俺が助けられた時に、かの四国の銀髪の彼が遭遇したという全裸土下座をして全力で命乞いをしてきたのだ。
それで気勢が削がれたこちらはこいつを捕らえて山梨まで護送し、神主立ち会いのもと俺の従業員として雇用する事になった。
命名は、その場に居合わせた連中の熱い推しにより決定された。
元ネタの彼女には風評被害で訴えられるんじゃないか?
とにかく、俺はその映像を持ち帰り依頼主である山梨支部に提出した。
数日後、あの議員の爺さんは突然の入院で表舞台から姿を消して、空港の方は無事済むことが出来たようだ。
それを俺が掲示板で知れたのは、ちょうど手に入れられなかった例の自衛隊ニキネキのAVを友人からプレミア価格で買った時のことだった。
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それからしばらく経ったある日、俺は山梨の居酒屋で友人と飲んでいた。
彼の名は、【ドクオヤジニキ】こと『穴熊剛三』。
俺を以前助けてくれた恩人でもあり、それ以来友人として付き合っている。
逆に彼が汚嫁に托卵不倫されていた時は、恩返しの意味もあり俺が証拠を集めてガイア連合専属の弁護士も紹介した。
確かに容姿は頭も禿げた典型的なエロオヤジだが、状態異常を広範囲に撒きシキガミの鎧武者『ビシャモン』が斬り込んで膾にして相手を倒すやり方は地方の遠征によく行く事もあり熟練の戦い方をしている。
その彼が地方から戻って来たので、久々に飲みに行くことになった。
なお、すずかの奴はいまだにあの時の事がトラウマになっていて、彼がいると時々バイトをしている新田さんの娼館の方へ逃げている。
「注文いいかい?
ビール中ジョッキとごまだれ肉味噌もやしに塩キャベツで」
「そんじゃ、儂は日本酒と唐揚げに焼き鳥の盛り合わせだな」
「相変わらず、味の濃いもの好きだなぁ。健康診断大丈夫か?」
「カンユーこそ、そんな味気ないものばかりだと力が湧いて来んぞ」
「これで良いんすよ。それで、地方の様子は?」
「最近は強いのが多くなったぞ。
前みたいに、正面から殴り合ったら体が持たん」
「最近は自衛隊とも協力してやっとという場所もあるみたいだしなぁ。
霊地の活性化もどんどん上がっているんかなぁ」
「お待ちどうさまで~す」
「お、来た来た。それじゃ乾杯で」
「おう、乾杯」
お互いに注文した料理が来て飲み食べてから、近況なんかを語り合った。
「そういや、ビシャモンはどこでしょ?」
「酒はいらないが斬り足りないとかでここの異界に潜っているぞ」
「うわ、相変わらずだなぁ」
「おう、儂も変わってないぞ。地方で喰いまくりだぞ?」
「他の人だと嫌だって聞くけど、地方の名家の女性とか大丈夫か?」
そう聞くとニヤリと笑って答える剛三さん。
「出されたんだから、料理は楽しめばいいんだよ。
後の事なんか、知らねぇよ。子どもなんぞ知るか」
「そう言えば、あの汚嫁ですけど相手に捨てられたらしくて。
剛三さん探しているみたいなんで気をつけて下さい。
連絡先は知らないから、弁護士の先生の所に連絡が来まくっているみたいなんで」
「あの尻軽がか? 冗談じゃないぞ、あの女。
地方に行った時にすり寄ってきたら、異界で行方不明にしてやる」
不愉快げにお酒のお代わりを頼む剛三さん。
そりゃ、サラリーマンと異能者の二つを懸命に熟して家族のシェルター確保の為に頑張っていたのに、子どもは浮気相手の托卵で結婚前から続いていたとかこうもなる。
おまけに、田舎の大きい家だった両親の勧めでした見合いが切っ掛けなもんだから、実家とも絶縁したとかで離婚の時に仕事も何もかも捨てて山梨へ来たんだからなぁ。地方の異界で暴れて現地の組織なんか気にもしないのは、まあしょうがないだろうと思える。
そんな事を考えていると、剛三さんがジロっとこっちを睨んできた。
「そういや、カンユー。
アレ、まだ飼っているのか。さっさと捨てたらどうだ?
今ならあの娼館に売っぱらえばいいだろ?」
「あれで重宝しているんだ。
いざという時に、あいつ、魅了や眠らしたり電撃撃てるんで。
ほら俺、攻撃とか苦手だし」
「シキガミにさっさとしちまえよ。その方が後腐れもないぞ?」
「そっちはこの間ガチャで爆死して、ローンでも無理っす」
「それじゃ、今は金が無いのか?」
「生活費はともかく、それ以外は余裕がないかな?」
視線をそらして俺がそう言うと、剛三さんはカバンから書類を取り出し見せてきた。
「なら、この地方の依頼やってみるか?
探偵の看板を出してるカンユー向けの調査が主なやつだぞ。
それと、依頼主はうちで仕事先は【メシア教会】だ」
実際に貯金にも余裕がないし、仕事先を聞いて少し引いたが興味が湧いた俺はその依頼を引き受けた。
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その教会は、ある地方都市に古くから存在していた。
その始まりは、文明開化の溢れる頃に欧州の修道会が移って来たのが始まりだった。
そして、戦後すぐの頃に経営難からメシア教にその経営の主体が変わってもそのままだった。
家々がまばらに建ち並ぶ中に思い出したように田んぼや畑がある長閑な田舎町のそこは、喧騒の渦巻く都会と違い少々不便ではあるが外国人が暮らすにはちょうど良かった。
無論、外国人が日本で暮らすのだから注目され大変なのだろうが、100年以上も掛けて地域に溶け込み得た信用によってそれを彼女たちは成し得たのだった。
まあ、覚醒者が多いとなれば別の意味で彼女らは目立っていた。
覚醒すると、生き物として大きく強化されるので美貌も強化されるらしいからな。
それはさておき、その孤児院も併設された修道院はそこにあって当たり前であるかのように、その地の信仰の中心地であり町の寄り合い所で町の名士となっていた。
しかし、その地に長く根ざしたメシア教会となれば例え穏健派であっても、時に情報を収集して本部へ送り、時に追われた同胞を匿い、時に戦力として戦士を送り出してきた裏の顔があるのは間違いない。
そうした内情の調査を、向こうから出された依頼を通して中に入り込むのが今回の目的だったのだが、頼まれた事が想像の斜め上を行っていた。
「はあ、変態の痴漢を捕まえて欲しいと?」
「正確には、裸で敷地内に侵入し、風呂場の覗きや下着の窃盗などの痴漢行為を繰り返す変態です」
応接室で、俺の発言を女子校の厳しい寮監のような容姿のここの院長であるシスター・ロッテンマイヤーは、頭痛でもあるかのような表情で繰り返した。
彼女によると事の起こりは先月、町に変質者が出るようになったと町内会の回覧板に記された事だった。
それから町のあちこちで盗撮や覗きに露出する男が出現し、警察も動いてはいたが犯人が悪魔か覚醒者のようで警察の手では対応し切れなくなっていた。
そのため、ここの霊能組織でもある修道院のシスター達が自警団となって巡回を始めたが、逆に格好の標的となってしまった。中には【天使エンジェル】と契約し扱える娘もいたが、飛行する天使からすら逃げ延びる逃げっぷりにお手上げとなっていたらしい。
そして、最後の手段としてガイア連合に連絡をし、こんな依頼を引き受ける奇特な俺がいたようだ。
「こういう場所なら、結界とか侵入者除けの仕掛けとかあるでしょう?
それはどうなんです?」
「はい。結界に引っかからない所から、悪魔ではなく人だという事は分かっています。
しかし、監視カメラや警報装置、魔法的な警報も全て避けて行動する恐るべき相手です」
「何か捕まえるヒントになりそうな事はありませんか?」
「そういう事でしたら、格好の者がおります。シスター・ラビアン!」
「はい」
ロッテンマイヤー女史が名前を呼ぶと、黒髪を2本のおさげで束ねた大人しそうで幸が薄そうな容貌の美少女のシスターが入って来た。乳と尻もデカくて清純そうな容姿といい、俺の好みのど真ん中である。
思わず決め顔で見る俺に、彼女はこちらに一礼して話し始めた。
「ここの修道院に所属していますシスターラビアンです。
初めまして、カンユーさま」
「この娘がここで一番被害にあっています。
彼女に詳しい話を聞いて対処をお願い致します。
それでは、シスターラビアン。
彼の案内をしなさい」
「はい、院長。こちらです、カンユーさま」
歩く度に胸を弾ませる彼女の案内に従い、俺は寄宿舎の談話室らしき場所に着いた。
そこには彼女と同じシスターたちがいて、テーブルに周辺の地図を広げ怒りを抑えた表情で議論していた。
全員、何かしらの武装もしていてとても怖い。
そして彼女はそこに案内すると、俺の紹介を始めた。
「聞いて、皆さん!
院長がガイア連合さんに連絡して専門家に来て頂きました!
探偵のカンユーさんです!」
「「わぁあ! これであの変態を捕まえられる!」」
「いや、ナニコレ?」
「被害者の会です!
いい加減、ウンザリしているんです!
私は!
あんな変態にあげるために!
大金払ってオーダーメイドの下着を!
買っているんじゃないんです!!
ここにいる皆、胸が大きくて下着を盗まれると財布もすごく痛くなるんです!
どうか、あいつを捕まえて下さい!」
「「お願いします!!」」
「仕事だからやるけど、なんぞこれ?」
かなり引きつつも俺は、彼女たちに細かい経緯と奴の動きを聞いて町の地図を見ながら作戦を組み立てていった。
ーーーーーーーーーー
数日後の夕方、中庭の洗濯干しに掛けておいた下着の発信器の反応が動き出した。
下着の提供は、被害者の娘の一人が涙をのんで提供してくれた赤のレースの勝負下着だった。
それを見て、俺たちも動き出した。
「作戦開始。
シスターさんたちは予定通り、奴に追い込みをかけて」
「「了解」」
殺気すら漂わせたシスター達が、手に手に自分の武器を取り外に出て行く。
皆さん、剣とか弓とかあまつさえ銃を持ち出している娘もいた。
隣りにいるシスターラビアンも、腰に本物の剣を差し手には機械弓を持っている。
「銃刀法は?」と彼女に聞くと、にっこりと笑って「今は私達が法律です」と答えてくれた。
その辺の事情は横に置く事にして、俺は彼女と一緒に町中を目的地まで走り出す。
遠くからは、若い女性の怒声と破壊音が響いて来る。
「死んじゃえ! この変態!」
「うわっ、キモッ! 追われて喜んでる!」
「あっ、コートを脱ぎ捨てて裸になった!」
「股間の変なものを見せ付けるな! 汚い!」
「ひょっとこの仮面とか、馬鹿にしてぇ!」
その音と発信機の動きから、変態は目的地まで上手く誘導出来ているようである。
先回りするべく、その場所へと移動する。
走りながら、彼女が聞いてきた。
「これで上手く行くでしょうか?」
「地図であいつの行動箇所から判断すると、町のホテルに泊まっているのは確かだ。
でも、あのホテル、宿泊客がやけに男が多くてしかも警察が調査済みだった。
それなら、こうして誘き出した方が早い」
「あっ、いました!」
顔の赤い彼女が指差す先には、ひょっとこの仮面を付けた全裸のマッチョが屋根を飛び回り宙を舞っていた。
股間の汚いものを大きくゆらゆらとさせながら、頭のみならず全身の毛を剃り上げたマッチョが股間のものを誇示したポーズをつけて宙を舞っている。それは、地獄ような光景だった。
そして、その変態は思惑通り、ホテルの近くの公園に着いたようだった。
そいつを追うようにして公園内に俺たちは踏み込んだ。
ーーーーーーーーーー
その変態、【石川真二郎】は大変に満足していた。
若い頃、同じ趣味を持つ叔父と親交のあった彼は、コートをはだけて自分の愚息を女性に見せ付ける行為で興奮するようになり、ある町で女性の姿をした人ではないものに遭遇して覚醒した。
以来、40年。
その手のアングラな雑誌に盗撮写真や盗んだ下着を売ったり地方の霊能組織の手伝いをしながら、警察の手から逃げるように彼は日本を放浪していた。
そして、彼は見つけたのだ。自分の好みの娘が多くいる修道院という宝物箱を。
盗んだ赤い下着の匂いをかぎながら追われるのもなかなか興奮すると思いつつ、いつものように“変装”を解いてホテルに戻るべく近くの公園の公衆トイレへと降り立った。
ふと気がつくと、公園のブランコに白いワンピースを着た清楚そうな美少女が座っていた。
彼は不意にムラっと来て、彼女にワオキツネザルの尻尾のようにビンビンな己の愚息を見せ付けるようにして近付いた。
「やあ、お嬢さん。ぐふふ、君は運がいい。
ワシのこの立派な【ジョンソン】と謁見できてどうだい?」
「あのね、ただ大きいだけで女性が悦ぶなんて幻想は童貞の妄想だよ?
それじゃあね、【ドルミナー】♡」
「ワシ……は……」
そうして、この変態の意識は途切れ倒れ伏したのだった。
ーーーーーーーーーー
俺たちが公園に踏み込んだときには、罠として公園に待機させていたすずかの手によってあの変態は眠らされていた。
前に遭遇したシスターの一人が変態のアナライズに成功し、そこから油断した所を眠らせれば捕まえられるのではと立てた作戦が嵌ったようだ。
天使臭い教会には絶対に近寄らないと言っていたすずかがいて功を奏した形になった。
眠らされたそのマッチョの変態は、しばらくすると体格が縮み別人のようなガリガリの姿に変わった。
どうも何かのスキルでバンプアップして、別人のような姿になっていたらしい。
そして、そのままその変態は怒ったシスター達の手によって何処かへと連れて行かれてしまった。
あと肝心のこの教会の調査だが、事件解決後に院長に礼を言われここに泊まる事で簡単に判明した。
宿泊場所が礼拝堂の地下にある高級ホテルのような一室で、眼の前にいる裸のシスターラビアンに俺がブラックカードを示す事で全部教えてもらえた。
ここの裏の顔は【売春の斡旋】であった。
一部の権力者や有能な能力者に彼女たちを抱かせる事で、次代の戦力となる子どもの誕生と権力者からの庇護を受けられるという一挙両得の策なのだと院長には説明されたと彼女は言った。
「基本的に私たちは、あなた方の基準でレベル10を越えた容姿の優れたシスターが志願してここに来ます。
それだけ次代の子どもにも期待が寄せられているのでしょう。
相手はまあ、地方議員の狒々爺ぃとか地方の名士のドラ息子とかですが、運がいいと功績を上げたテンプルナイトが来る時もあります。
そもそも私達異能者の女性は、男性より強いと忌避されて結婚し辛いんですよね。
さらに、メシア教のシスターですから余計に相手がいません。
特に私達みたいな孤児院上がりは、いつまでも上の導きは待っていられないんです。
だから、あのガイア連合の方と出会えるなんて、私、一生分の幸運を使い果たしたんじゃないかと」
「え? 年齢が一回り違うから遠慮する?
40代や50代の男性の相手をする娘もたくさんいますよ、ここ。
避妊は考えなくていいので楽しんでいって下さい。
あ、出来れば他のガイア連合の方にも秘密で紹介してくださいね?
それじゃ、ここに横に……なって……あれ?」
とても好みの女の子で盛大に後ろ髪が引かれる思いだったが、用意しておいたデビルスリープで彼女を寝かせ毛布を掛けると俺は、地下の受付にあったパンフレットを何枚か手に入れると一目散に【マグダレン修道院】から逃げ出した。
ーーーーーーーーーー
あれから、数週間後。
山梨へ逃げ帰った俺はこの事を報告し依頼を完了すると、2、3件簡単な調査を終えて久しぶりに秋田の実家へとお盆の里帰りをしていた。すずかは連れて来る訳にはいかないので、新田さんの娼館に放り込んでから来た。
あれ以来、あの修道院の事は聞いていないが気にはなっている。
あのあと、彼女は大丈夫だろうか?
そんな事をぼんやりと考えながら掃除の終わった自室でタバコを吸っていると、玄関のチャイムが鳴り1階にいるおふくろから声が掛かった。
「優、いまちょっと料理中で手が離せないから、あんた出て頂戴!」
「分かったよー。たく、もう日暮れだってのに誰だ?」
「ここがカンユーいえ、菅優さまのご実家ですね。
ちゃんとご両親にも挨拶が出来るようにしないと。
あ! お久しぶりです、ラビアンです! カンユーさま!」
後書きと設定解説
・主人公
名前:カンユーニキ(菅優・すがすぐる)
性別:男性
識別:転生者(ガイア連合)・30歳
職業:ガイア連合地方派遣調査員
ステータス:レベル17・スピード型(速・体)
耐性:破魔無効・呪殺無効(装備)
スキル:精密射撃(敵単体・小威力の銃属性攻撃。クリティカル率高)
アギ(敵単体・小威力の火炎属性攻撃)
ムド(敵単体・低確率で死亡付与)
宝探し(アイテム捜索の成功率が上昇する)
サバイバル(野外生活で効率よく生き抜ける技術)
隠密行動(姿を隠して情報収集する技術)
装備:呪殺無効の指輪
封魔管(ミナミィネキ製)
54式トカレフ(ヤクザから拾得した中国製品)
詳細:
某むせるロボットアニメの小悪党にそっくりな転生者
悪魔事件遭遇時にガイア連合員に助けられ合流した元探偵
前世も興信所の職員で浮気調査の仕事中に相手に刺されて死亡
経歴から何でも屋染みた色々な依頼を多く引き受けている
戦闘センスはあるが霊能の才は斥候系に偏向している
誘惑して来て倒されたリリムの命乞いに絆されて契約した
シキガミは資金と仲魔との兼ね合いで未所得
・仲魔
名前:すずか
性別:女性
識別:夜魔リリム
ステータス:レベル10
耐性:氷結弱点・電撃耐性・魅了耐性
スキル:マリンカリン(敵単体・中確率で魅了付与)
ドルミナー(敵単体・中確率で睡眠付与)
ジオ(敵単体・小威力の電撃属性攻撃)
吸魔(敵単体・小威力の万能属性MP吸収攻撃)
詳細:
カンユーニキと契約して雇用されている悪魔
元々彼を襲って倒される時に命乞いをして拾われた
雇用主とは契約で肉体関係が無いのを不満に思っている
容姿はやる夫スレでは淫魔扱いされる某リリカルキャラ
・関係者
名前:ドクオヤジニキ(穴熊剛三)
性別:男性
識別:転生者(ガイア連合)・46歳
職業:ガイア連合地方異界遠征組
ステータス:レベル23・アタック型
耐性:破魔無効・呪殺無効(装備)
スキル:突撃(敵単体・小威力の物理攻撃)
催眠術(敵単体・中確率で睡眠付与)
臭い息(敵単体・中確率で毒付与)
パニックボイス(敵全体・低確率で混乱付与)
バインドボイス(敵全体・低確率で緊縛付与)
装備:ドルフィンヘルム(呪殺無効と精神無効付与)
霊木の棘付きバット
ケブラージャケット(霊装防具)
詳細:
主に地方の異界に遠征する遠征組のオッサン転生者
デバフをばら撒いて味方を支援するタイプの戦闘スタイル
元サラリーマンで嫁の托卵不倫で離婚しその足で山梨へ来た
地方遠征で無双して蹂躙するのがストレス解消法
専用式神は物理型で鎧武者の姿の「ビシャモン」
名前:シスター・ロッテンマイヤー
性別:女性
識別:異能者・54歳
職業:メシア教穏健派修道院院長
ステータス:レベル8
耐性:破魔無効・呪殺耐性(装備)
スキル:ディア(味方単体・HP小回復)
ハマ(敵単体・低確率で即死付与)
ジオ(敵単体・小威力の電撃属性攻撃)
交渉術・執り成し
装備:銀のロザリオ(呪殺耐性。メシア製)
詳細:
メシア教穏健派の修道院院長のシスター
金髪碧眼の生真面目な容姿だが、常に疲れた雰囲気をしている
最近は信仰より帳簿の黒字が日々の生活の癒やし
名前:シスター・ラビアン
性別:女性
識別:異能者・16歳
職業:メシア教穏健派修道院のシスター
ステータス:Lv12
耐性:破魔無効・呪殺耐性(装備)
スキル:ハマ(敵単体・低確率で即死付与)
スラッシュ(敵単体・小威力の物理攻撃)
エンジェルアロー(敵単体・小威力の銃属性攻撃。
低確率で魅了付与)
装備:無銘の聖剣(装備時、パトラ使用可能)
銀のロザリオ(呪殺耐性。メシア製)
詳細:
ロッテンマイヤーの修道院で働く薄幸体質のシスター
修道服越しでも判るスタイルで、後ろ髪は三つ編みを2束下げている。
おっぱいが大きく、安産型の尻の為か一番被害を受けていた
・敵対者
名前:石川真二郎(いしかわしんじろう)
性別:男性
識別:異能者・62歳
職業:ダークサマナー
ステータス:レベル14・スピード型
耐性:破魔無効・魅了と緊縛無効
スキル:体当たり(敵単体・小威力の物理攻撃)
目眩まし(敵単体・命中率を2段階低下させる)
ドーピング(自身・最大HPが上昇する)
神速の寄せ(素早さと先制率が大きく上昇する)
逃走加速(逃走の確率が上昇する)
鋭い勘(その場にある何かに気づき易くなる)
詳細:
盗撮や下着の窃盗に露出などの性犯罪をしながら日本を渡り歩く変態
容姿は剃り上げた頭でマッチョな男の恵比須顔のおっさん
その手のアングラな界隈との取引で生計を立てている
ビッグな愚息を見せ付ける事で満足するため、生涯現役な童貞
ダークサマナーみたいな仕事を請け負う転生者がいるとすれば、こんな感じかなという想定でした。
もし、読んでくださった方がいるならありがとうございます。