【カオ転三次】『俺たち』閑話集   作:塵塚怪翁

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今回は感想からネタが浮かんだ終末後のドクトルニキのお話

唐突に遊戯王ネタがありますが、わからない方はそう言うものだと流してください。

時系列としては、終末に突入してしばらくした頃です。


 とある終末後のマッド黒札の日常風景

 

「どこに行こうというのかね、カス子くぅん!?」

 

「げげっ、この声はドクトルって……デモニカ?」

 

 

 終末後、商用で山梨支部まで来ていた道南3人娘のカレンこと『魔人ネキ』と命子こと『カス子ネキ』の二人は、支部で留守番をしているもう一人の『邪視ネキ』のためにお土産を買うべく山梨支部内の購買部の店舗まで来ていた。店舗とは言ってもジュネスのようにショッピングモールの大きさの建物のため時間がかかり、安全に転移が出来る専用の広場への移動中に二人へ声を掛けてくる者がいた。

 

 二人が振り返るとそこには本来のデモニカを着たドクトルニキと、その助手である白衣を着た二人の男性である【研究員A&B】が荷物を持って彼の後ろに控えていた。ヘルメットのフェイスガードをパカっと開けていつもの目の逝っている顔を覗かせると、ドクトルは絡むようにしてカス子ネキに話しかけてきた。

 

 

「聞いたぞ!

 終末突入時にお世話になった相手にお礼を言って回っているそうじゃないか、カス子くん!

 私には一言のお礼もないのは少し不義理が過ぎるのではないかね、カス子くん!?」

 

「おう、マタギニキの件は忘れていないぞ? 不義理云々はドクトルに言われる筋合いは無いが!?

 それに、デモニカ配布の件はすでに手打ちが済んでいるじゃない!」

 

「手打ちが済んでいたとしても、早期にデモニカを手に入れて成長させる時間が得られた事には感謝の念が生まれてもいいとは思うのだがね!?

 そうした高レベルのデモニカ使用者が複数いた事で支部の防衛に影響が出なかったとは言わせないぞ、カス子くん!」

 

「確かにそう言う面はあるけれど、感情としてはそれとこれとは別!

 それに、感謝の強要をするとか大人気がないんじゃないドクトル?」

 

「ふん!

 私以上にやらかして周囲に迷惑をかけているカス子くんに道理を説かれるとは思わなかったぞ!?」

 

「はあ!? マッドサイエンティストに言われる筋合いは無いわよ!

 ドクトルだって、V1ロケット作ろうとして大爆発を起こして周囲を瓦礫に変えたそうじゃない!」

 

 

 終末突入時、彼女らのいた道南支部は高レベルの大天使率いるメシア教の襲撃を受けてデスマーチに陥る事態となっていた。そしてそれを切り抜けて終末後にその時にお世話になった人達にお礼を言って回ると、カス子ネキは掲示板で予告し魔界と化した後の陸路で青森から長野のKSJ研究所まで行くという暴挙を行なっていた。

 

 ドクトルの言うお礼参りとはその事であり、それとは別に言い争うドクトルとカス子ネキの横で魔人ネキと研究員A&Bはお互いに頭を下げていた。

 

 

「うちのドクトルがご迷惑をかけたそうで改めて謝罪しますね…えーと、魔人ネキさん?」

 

「いえいえ。

 うちの命子もいまでもマタギニキの件で文句を言っていますが、既に話はついているので頭を下げなくてもいいんですよ」

 

「代わりと言ってはなんですが、デモニカの事で何か困った事はありませんか?

 メーカー修理みたいな事なら、ライダー型や新世代型も含めてうちで安く請け合いますよ」

 

「ああ。それなら長い事使っていて不具合のある人や問題の出ている人がいて……」

 

 

 そこまで話が進んでいたところに、ドクトルとカス子ネキの大声が聞こえてきた。

 

 

「そこまで言うなら白黒つけようじゃない! 何か勝負をつける手段はある?」

 

「確かホビー部に出入りしてカードゲームにも手を出しているそうだな、カス子くん!?

 ならば、遊戯王でどうだね? 私もそれなりにデッキを組んでいるんだが?

 まあ、自信がなければ別のものでもいいのだがね!?」

 

「へえ、言うじゃない。それじゃ、それでケリを付けようじゃない!

 脳缶ニキやみんなといつも遊んでいるあたしよ? そっちこそ、吠え面かかないでよドクトル!?」

 

「はっ! そこまで言うのなら、もし私に勝てたら作品の一つでもただで譲ろうじゃないか!

 売るなり使うなり好きにするといい!

 代わりに負けたら、……そうだな。

 カス子くんのキャラ的にはありえないレベルで、萌え萌えに可愛らしく“ありがとう”と言ってもらおうかね?」

 

「うっわ、ムカつく条件を出してくるねドクトル! 

 いいわよ! どうせあたしが勝つんだしやってやろうじゃない!」

 

 

 その二人の様子を見て、研究員達と魔人ネキはお互いにこう言った。

 

 

「「重ね重ね、うちの者が申し訳ありません」」

 

 

 ーーーーーーーーーー             

 

 

「「決闘開始(デュエル)!」」

 

 

 そこから移動した転移用の広場でお互いに左腕に自分のデッキを納めたデュエルディスクを嵌めて、対峙するドクトルとカス子ネキの姿があった。そして、周囲で見物する人が多くいる中には研究員たちと魔人ネキの姿もあり、さらにはどこから聞きつけたのか勝敗の賭けの胴元を始める脳缶ニキや飲食物の売り子を始める購買部の連中なんかもいる有り様であった。

 

 すでに、まるで突発的に始まったイベントのようである。

 

 

「ハッハッハッ! コイントスは表で、私の勝ちだ! 当然、先行はもらうぞカス子くん!」

 

「……ちっ、じゃあどうぞ」

 

「では遠慮なくやるぞ! 私は手札から“王立魔法図書館”を召喚! …何かあるか?」

 

「妨害札引けてないからどうぞって言ってんだろ!」

 

「わはは、そうかそうか。なら、とどめを刺してやろう!

 一時休戦! 強欲で謙虚な壺! 強欲で金満な壺! 成金ゴブリン! チキンレース!

 無の煉獄! 手札断殺! 打ち出の小槌! 妖刀竹光! 黄金色の竹光だ!」  

 

「うげっ、まさか!?」

 

「……えーと、あれは何をしているんです?」 

 

 

 その様子を見て首を傾げる魔人ネキに研究員Bが解説する。

 

 

「あー、ドクトルのあれは古の1ターンキルデッキ“図書館エグゾ”ですね。

 とにかく手札を補充するドローカードを使って、特定の札を5枚手札に持ってくれば勝つという…ほらあれです」

 

「私の勝ちだ! エグゾートフレイム!」

 

「ああああっ! きったないぞ、ドクトル! 1キルデッキ使うなんて!」

 

「ぶうぶう! そーだそーだ! 賭けになんねえぞ、ドクトルニキ!」

 

 

 そう叫んで悔しがるカス子ネキと観客席で叫ぶ脳缶ニキをニヤニヤと笑ってドクトルは、カバンから別のデッキを取り出してこう提案する。

 

 

「それなら、先に2回勝った方が勝利する3本勝負にするかね?

 賭けをしていた観客も不満のようだしな!

 私も別のデッキにしようか。ほらほら、どうするかね? んん?」

 

「よーし、やってやろうじゃないの! あたしのデッキだって回れば勝てるのよ!」

 

「そうかそうか。それなら続けて始めようかね?」

 

「「決闘開始(デュエル)!」」

 

 

 こうして2本目が始まった。

 

 

「あたしの先行! フィールド魔法の“地獄人形の館”を発動!

 カードの効果でデッキから引いた“ギミック・パペット-リトル・ソルジャーズ”を召喚!」

 

「ほれ、そのモンスターに手札から“エフェクト・ヴェーラー”だ。効果を無効にするぞ」

 

「うぐぐぐ、あたしはターンを終了よ!」

 

「あれはどうなったんです?」

 

「展開しようとしてモンスターの効果を無効にされて出来なくなったんでしょうね。ほら、ドクトルの番ですよ」

 

「わははは、今回も私の勝ちだな!

 フィールド魔法の“ヌメロン・ネットワーク”を発動! ……何かあるかね?」

 

「無いわよ!」

 

「そうかそうか、ではトドメだ!

 カードの効果でデッキから“ヌメロン・ダイレクト”を墓地に送る。

 その効果でEXデッキから召喚だ!」

 

「あれは何ですか?」

 

「あれも1キルデッキですね。今から召喚するモンスター4体で殴り勝つという…あれです」

 

「ゲート・オブ・ヌメロンNo.1~4まで攻撃表示で特殊召喚!

 バトル! 速攻魔法“リミッター解除”発動! 攻撃して私の勝ちだ!」

 

「あああっ! また1キルされた! そんなデッキしか無いの、ドクトル!?」

 

「ない! 後は、“先行相剣赤霄バロネス”のように先行制圧するタイプだな!」

 

 

 ちなみに、先行制圧デッキとは先行で盤面を整えて相手に何もさせずに自分のターンにするデッキで、その展開の様子から“ソリティアデッキ”とも言われ多くのプレイヤーに嫌われている。

 

 さておき、勝負に負けて詰め寄るカス子ネキにフンと鼻を鳴らしてドクトルは答えた。

 

 

「……それはともかく、最新のだから知らないとでも思っているのかね、カス子くん!?

 君のそのデッキ、“ギミック・パペット”も1キルデッキだろう!?

 さっき止めなければ、どうなっていたか!」

 

「ヒュ~、ヒュ~♪」

 

 

 下手くそな口笛を吹きつつ明後日の方向を見て誤魔化すカス子ネキに、観客を指さして死刑宣告をするドクトル。

 

 

「さあ、約束だ。

 彼らと私に向かって萌え萌えなアピールをしながら、“ありがとう”と可愛く言ってもらおうかね?

 そこの脳缶ニキくん、プロデュースを頼むぞ!」

 

「OK! そういう事ならまかせてくれ!!」

 

「の、脳缶ニキの裏切り者!」

 

「ふっ、故あれば裏切るのさ!

 さっ、カス子ネキ。

 右手はこうで左手はこっちの向き、クルッと回って左の片足を上げながら小首を傾げてこちらを向いてニコッと笑って言ってみようか!!」

 

「~~~~~~!!! ……ありがとう❤」

 

「「「おおおおおっ!! 可愛い! 可愛いよ、すこだよネキ!!」」」

 

 

 脳缶ニキの指示どおりに某“船堀パロ”の如く羞恥で顔を赤くしながらポーズを決めるカス子ネキ、呆れて見ている魔人ネキ、観客や他のオーディエンスと共にパシャパシャと写真を取りまくる研究員AとB、いい仕事をしたと満足そうに握手するドクトルと脳缶ニキ。

 こうして、混乱の様を呈しつつ盛り上がった末に道南支部に帰るカス子ネキと魔人ネキであった。

 

 後にこの写真群は掲示板にも多数上げられ、カス子ネキはこの件でしばらく誂われることになったそうな。

 

 魔人ネキは帰る際にこの件のお礼と称したドクトルニキラボのデモニカ整備優待割引券と、北海道なら蟹だろうと仮面ライダーシザース型の特製デモニカをお土産に渡されたそうな。

 

 また、実は着ていたデモニカが原作再現の出来たオリジナル仕様のものでもあることの自慢と、エレニウム95式宝珠のテスター依頼をし忘れたのを彼女らが帰ってから気付いたドクトルがいたそうな。

 

 

 どっとはらい

 




後書きと設定解説


・主人公

名前:ドクトルニキ(松戸展男)
性別:男性
識別:転生者(ガイア連合)・50代
職業:ガイア連合技術部科学者
詳細:
 ガイア連合に所属するマッドサイエンティスト
 前世も現世も前職は発明家を自称する電化製品の修理技師
 ガイア連合を知り現世の全部をかなぐり捨てて突撃した
 天才ではあるがエドニキも引くほど行動がエキセントリック
 発明家を自称するだけあり時々突拍子もない閃きを得て暴走する
 オリジナルデザインのデモニカをこよなく愛する懐古主義派の領袖
 最近では好奇心に任せてデモニカ関連のものをいろいろと作っている
 勝負事では負けず嫌いでわりと大人げない真似もする畜生
 容姿と声は幼女戦記のマッド科学者(アニメ版)によく似ている
 なお、モデル元のように信仰しているわけでなくあれも研究材料と考えている

【オリジナルデモニカ】
終末後にようやく彼が完成させたドクトルの夢の産物であるデモニカ
ゲーム「ストレンジジャーニー」に登場した主人公も装備する戦闘用スーツ
正式名称「DEMOuntable Next Integrated Capability Armor(着脱拡張型次期能力総合兵装)」
これは純粋に科学技術だけで出来た原作と同じ仕様の進化するスーツのデモニカである
ガイアデモニカと違いあのコアはなくゲームとほぼ同じ機械のみの仕様の次世代戦闘用装備
OSやアプリに関しては外注先(フリスビーニキなど)を酷使して原作同様に完成させている
外注先曰く、報酬は十分だがそれに見合って注文が細かく難度が高いものでしばらく見たくない
現在はドクトル専用の一つしかなくそれに見合った費用(巨大ロボ2台分)が掛かっている
また、これには専用装備の「データドレインシステム」が搭載されている

【データドレインシステム】
元ネタはCC2のゲーム『.hack』シリーズを代表する特殊能力
能力は相手の構成データを強制的に書き換え、データを奪い弱体化させるというもの
原作では相手の物理・魔法に対する無敵効果をも貫通し、不死の特性ありのボスも強制弱体化
また、高レベルPCを初期化しリアルの使用者のパソコンと記憶をも書き換えるチートであった
ドクトルの開発したこれは名前に相応しく高レベルの悪魔を強制的に弱体化させる機能がある
要はデモニカにストックされたスライムと対象の悪魔をその場で強制悪魔合体させるものである
実際に召喚した天使ドミニオンをアークエンジェルまで弱体化させるのに成功している
完成品はこれ一つのため現在も実証データを集めている最中である
 
【エレニウム95式宝珠】
漫画「幼女戦記」でドクトルのモデルが作った新型宝珠
原作では主人公の切り札として使用されていたいわく付きの品
形状はペンダントで上に十字のついた直径10cmの丸い赤い珠が付いている
周りを金色の装飾がされた魔法金属で縁取りした頑丈に扱っても大丈夫な仕様
付与されたスキルは「三段の賢魔」と「虐殺者」、それに「神はそれを望まれる」
3つ目の原作仕様のスキルのためにガイア連合では使用者がいない状況である

【神はそれを望まれる】
エレニウム95式に付与されたオリジナルスキル
ドクトルが作成したがその仕様故、メシアン嫌いの多いここでは嫌悪される
特定の文言を詠唱する事で1度だけタルカジャ2段階とチャージ効果が得られる
このチャージ効果は物理と魔法に関係なく使用者の次の攻撃に作用する
特定の文言とは原作のように存在Xこと聖四文字を称える聖書の言葉
原作のような装備時に神を讃えたくなる精神汚染はこれにはない

【シザースデッキ】
仮面ライダー龍騎に登場した仮面ライダーシザースの持つデッキを再現したもの
リュウガを作成する際のプロトタイプとなる蟹をモチーフにしたライダーデモニカ
黒札用にカスタムチューンされているが現地民でも比較的使いやすいデモニカ
原作の変身シーン同様にデッキをかざし変身と叫ぶ事で展開される仕様
契約モンスターの「ボルキャンサー」相当の悪魔は星座のかに座になったギリシャ神話の蟹
この蟹はヘラクレスに踏み潰されて女神に哀れに思われて星座となった逸話の蟹
デモニカのベルトには当然「処刑用BGMシステム」が完備されている
スキルカードの亜種であるデッキ内の各カード構成は以下の通り
また使用したカードは再変身の際に使用者のMPで生成される仕組みになっている
アドベント:ボルキャンサー姿の聖獣カルキノスを召喚する
ストライクベント:カニのハサミを模した手甲を右手に装備する
ガードベント:蟹の背部を模した強靭な盾を装備する。両腕に装備可能
ファイナルベント:蟹の助力で空高く飛び上がり膝を抱えた縦回転で体当りする必殺技
         敵単体への大威力の物理攻撃相当のスキルとなる

・関係者

名前:研究員A&B
性別:男性
識別:転生者(ガイア連合)・両方とも30代
職業:ガイア連合山梨技術部研究員
詳細:
 二人ともにドクトルニキの研究室に所属しているドクトルの補佐もする技術者
 パンチパーマの白衣を着ていなければヤクザにしか見えない巨漢のA
 金髪に染めた白衣を着ていなければホストにしか見えない優男のB
 Aはアイドル好きで元は外資のM&Aで解散した音響機器メーカーの技術者
 BはB級映画好きで元はガイアに身売りし倒産した国産PCメーカーの技術者
 二人とも自分とそっくりなモデルに合わせてロボ部にも所属している
 彼らの作りたい制作中のロボはスパロボの「ヴァルシオーネR」
 二人とも嫁シキガミはメイド姿でメイド服の趣味の細かい差異でいつも口論している
 ちなみにA&Bの作るカードゲームデッキは美少女がたくさんいるテーマ中心
 二人の容姿はライトノベル「ARIEL」の同名キャラそっくり

カス子ネキ、魔人ネキ、道南支部:
バッパラさん著「【カオ転三次】今更転生ごちゃまぜサマナー」より出典

脳幹ニキ:
ポポァさん著「【カオ転三次】本霊デビルなの バ レ バ レ」より出典

作品内でネタに使った作品の作者様、すいませんでした。
ちなみに、作品内で上げた1キルデッキは作者がリアルで負けたものです。


もし、読んでくださった方がいるならありがとうございます。
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