【カオ転三次】『俺たち』閑話集   作:塵塚怪翁

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今回は、とある転生者に付き従うの半シキガミの女性異能者のお話。

時系列としては、アメリカのクトゥルー召喚の少し前の頃です。


 とある半シキガミの女性異能者の日誌

 

『君を玩具にしていたこの愚か者はもうどうする事も出来ないぞ。

 君はどうしたいのかな?

 復讐をしたいのなら、このナイフを使いなさい』 

 

『ひ、ひぃ。や、やめてくれ。

 捕まえて玩具にしたのは謝る。さんざん犯したのも謝る。

 だから、殺すのだけはしないでくれ!』

 

『そう言っていた相手を、嘲笑いながら飼っていた悪魔に喰わせたのは誰だ?

 そう言って泣き叫ぶ女性を、嘲笑いながら犯していたのは誰だ?

 そう言っていたであろう彼女にお前は何をした?』

 

 

 彼に手渡された鋭いナイフを彼女は……、そこで目が覚めた。

 

 周囲を見渡すとそこはあの廃ビルの薄汚い地下ではなく、全国にいくつかあるセーフハウスの一つである神戸の拠点にある彼女の部屋であった。

 いつも見る見慣れた悪夢から目覚めると簡単に身支度をし、彼女はセーフハウス内にある事務室へと出勤する。

 

 彼女の名前は【高野美代子】。

 彼女をあの地獄から救い出してくれた彼が作り上げたPMC「国境なき復讐者」の副代表をしている。

 

 

 

 ーーーーーーーーーー             

 

 

 

 PMCとは民間軍事会社の事であるが当然その名を公的には使えないために、日本の登記上ではここは「ガイア警備」という警備会社となっている。

 この団体は大切だった者を殺した人喰い悪魔を根絶やしにするのが目的の復讐者が、同じ目的を持っている彼によって性別年齢は関係なく集められた集団である。

 要は依頼と報酬があれば、対象の悪魔を殺しに行く傭兵の集団であると言える。

 彼女の役目は代表の彼がいない間の組織の維持と他との折衝に、医療担当としての仕事が役目となる。

 

 今は次の依頼に関する確認をするため、今ここにいるメンバーが集まっている。

 現在、未覚醒の新人やレベルの低いメンバーは【ブーストニキ】と呼ばれる特異なスキルを持ったガイア連合の幹部の元で特別に依頼した訓練を受けており、ここにはレベルが高い主力メンバーが揃っていた。

 会議の進行は彼女の担当であるため、資料を読みつつ今回の依頼に関しての説明を始めた。

 

 

「今回の標的は、【生贄を求める神ないしは怪異】と推測されます。

 これは地元の支部に持ち込まれた相談から発生したものです。

 依頼主は少女の叔父に当たる人物で、場所は兵庫県の山中にある山村である【日栄田野村】です。

 村に住む少女である『岡倉優美』の家の軒先に『白羽の矢』が刺さっていたのが事の発端です」

 

『すまねえが、矢が刺さっていただけでどうしてサクリファイスだと分かるんだ?

 オレにも分かるように説明してくれ』

 

 

 そう言って英語で聞いてきたのは、【ジョン・スティクス牧師】。

 2m近い体格の白人男性で、アメリカ西海岸で一神教新教の牧師していた。

 反メシア教の集会に参加中にメシア教に追われ、日本に逃げて来た後に彼女と同じようにスカウトされた古参のメンバーである。今の彼はその体躯を活かして、【ジャガーノート】と我々が呼んでいる耐爆装甲服を改造した専用のデモニカで前線に立っている。

 今だに彼は日本語が苦手で、聞き取りは出来るが漢字と敬語が難しいようで話すのと書くのは苦労している。

 

 

「古来、日本では『白羽の矢が立つ』とは、『多くのものの中から犠牲者として選び出される』という意味として使われます。

 神が生贄となる子女の家の屋根に、白い尾羽根の矢を目印として立てるという伝承が日本の各地にあるのが元になっています」

 

『ちっ。要するに、日本のデビルがお前を食いに行くぞと宣言しているのか。

 虫酸が走る行為だな、ただのモンスターのくせに』

 

「そういう事だ。

 予告して人を喰いに来るような害獣は駆除しないといけない」

 

 

 そう言って皆に声を掛けたのは、ここのリーダーである【大佐】だ。

 本名は別にあるが、ここで唯一のガイア連合の幹部クラスの証明である『ブラックカード』を所持している。

 どんな悪魔でも燃やし尽くす炎の使い手で、彼女の身体が負った後遺症を治療するために埋め込まれたシキガミと呼ばれる人工義肢を提供してもらった救い主でもある。

 彼は立ち上がると、行動するべく皆に指示を出した。 

 

 

「訓練に行っている第3と第4は訓練終了次第、ここで待機だ。

 デモニカチームの第2班は装備の点検後にここで待機してくれ。

 ジョンはここの指揮を、第1班10名は俺と出るぞ。

 高野くんは車と物資の準備ができたら一緒に出るぞ。行動開始!」

 

「「「了解」」」

 

 

 全員が立ち上がり動き出した所で、彼女は大佐に声を掛けた。

 

 

「大佐」

 

「何かね?」

 

「念のために、『犬』は用意しておきますか?」

 

 

 彼は彼女の問に、少し考え込むとこう答えた。

 彼女が言っているのは、長野県のハヤタロウや静岡県のしっぺい太郎の伝承があるからである。

 

 

「そうだな、伝承を考えるなら用意しておこう。シェパード種がいたな?」

 

「はい。今はコタロウが」

 

「じゃあ、車に乗せておいてくれ」

 

「了解です」

 

 

 彼女が答えると頷いて彼も準備をするべく部屋を出ていった。

 彼女も待機組や方々に指示を出し終えると、用意してあった大型トレーラーに搭乗し出発した。

 

 

 

 ーーーーーーーーーー             

 

 

 

 狭い山道を大型トレーラーで慎重に通り着いた、兵庫県にある山村【日栄田野村(ひえだのむら)】。

 そこは何の変哲もない普通の田舎の村であった。

 そう、日々GP上がり続けて地方のの山林では野生動物ではなく悪魔が出現するようになっているのにも関わらず、彼女にはここはあまりにも普通過ぎるように感じた。

 

 事前に調べたガイア連合の資料では、ここの村は『日下部神社』を中心とした村で山の神である蛇神を祀る神社の一族が守っているとなっていた。ここの組織はガイア連合への参加や協力には消極的で、代表を務める宮司の娘姉妹が体調を崩し伏せ気味の父に代わり周囲の調伏をこなし、戦後のメシア教に荒らされた後に今の宮司の代で迎えたとされる新しい山の神を祀っていると記されていた。

 

 彼女たちはまず、その白羽の矢を屋根に立てられた岡倉優美という少女の家に向かう事にした。

 その家は普通の民家であり様子を見に来た依頼主の男性は、家の側に横付けにされた大型トレーラーに驚き降りてきたメンバーの姿にも驚いていた。

 普通こういうオカルト的な相談だと、それらしい格好の霊能者が来るのだろうが揃いの軍服を着た集団が現れたのだから無理もないだろう。

 車から降りた彼女が戸惑うその依頼主の男性に声を掛けた。

 

 

「岡倉次郎さんですか? ご連絡を受けてガイアグループから参りました」

 

「いや、あの、どうも来て頂いてありがとうございます。

 仕事先の方に紹介して頂いたんですが、あなたたちは?」

 

「ガイアグループの警備会社『ガイア警備』の者です。

 私は折衝担当の高村といいます。お話を伺ってもよろしいでしょうか?」

 

「助かります。中へどうぞ。

 姪の話なのに兄貴が話にならないんで」

 

 

 心から安堵した顔で彼女を案内する依頼主に先導されて中に入った彼女が見たのは、居間に件の少女とその話を聞く巫女姿の少女だった。

 高村たちが中に入ると、少女の父親が依頼主に向かって不機嫌そうに問いかけた。

 

 

「おい、次郎。何で外の人間なんかを呼んだ?

 この件は日下部神社の巫女様方にお任せすればいいと言っただろう!」

 

「兄貴はこの村から出ないから知らないだろうけどな。

 この人達に頼むとこういうトラブルをすぐに解決してくれるんだ。

 俺の会社みたいな不動産屋関係だと頼りにしているんだぞ」

 

「村を出て行ったお前に何が分かる?

 霊験あらたかな神社の方々の守護があれば大丈夫だ」

 

「じゃあ言うがな、兄貴は……」

 

「お待ちなさい、お二人とも!

 外から手助けに来た方々をそのままにして喧嘩をするとは何事ですか!」

 

 

 言い争いを始めた男性二人に巫女が一括し黙らせると、巫女の彼女は高村に声を掛けた。

 

 

「こちらにお座り下さい。

 時々こちらに様子を見に来られているガイア連合の方ですね?

 手伝っていただくかはともかく、詳しいお話を致しましょう」

 

「折衝担当の高倉と申します。あなたは?」

 

「日下部神社の巫女で『日下部千尋』と申します」

 

 

 彼女から聞いた話は依頼主が話とだいたい同じだった。

 

 今から4日ほど前に家の軒先に白い尾羽根の矢が刺さっているのを少女の母親が発見し、父親がそれを抜こうとしたら砂のように溶けて消えてしまったという事があったそうだ。両親はこういう時は神社の方に相談するものと村の取り決めもあり身を守る御札を貰って家に貼っていたが、たまたま帰省していた依頼主の男性がそれだけでは不安だと取引先のガイアグループ系の企業に相談し高村たちの所に話が回って来たとの事だった。

 ただ昨日から、深夜に家の周りに人の者でない影が彷徨くようになり少女は恐怖に震えながら家に閉じこもっていたらしい。

 そして、彼女を宥め話を聞くために巫女の日下部千尋が来訪している所に高村たちが来たためにこのような騒ぎになっているようだ。

 

 話が終わると、巫女の彼女はこう言い出した。

 

 

「私は一度、神社に戻って宮司である父に報告し妹と合流しますが、そちらはどうされるのですか?」

 

「こちらはこれから件の相手を探し出す用意をします。後ほど合流されますか?」

 

「いえ、たぶんこちらはこちらで行動しますので。あと、我が家の敷地には立ち入らぬようにお願いします」

 

「了解しました。それでは」

 

 

 それを聞くと一家に一礼し、巫女の少女は家を出て行った。

 高村も家を出ようとした所で、依頼主に声を掛けられた。

 

 

「どうかよろしくお願いします。

 うちの姪っ子を助けてやって下さい」

 

「はい、必ず」

 

「親不孝者め、だいたいお前はなぁ……」

 

「そもそも『犬は飼うな』とかおかしい村の取り決めが……」

 

 

 言い争いをまたし始めた彼らを放って高村は家を出ると、大型トレーラーに戻った。

 トレーラー内で中で話した事を高村が報告すると、大佐ニキは少し考えて指示を出した。

 

 

「その巫女の方も怪しいが、まずは目的の方を片付けよう」

 

「巫女が怪しいですか?」

 

「トレーラーの横をその少女が通った時にコタロウが激しく吠えていた。

 何かを嗅ぎつけたんだろうが、この件はその巫女の家も場合によっては調査した方がいいかもしれん」

 

「それでは皆にはそのように伝えます」

 

「ああ。面倒な事にならなければいいが」

 

 

 そう呟くと、彼も高村と共に行動を開始した。

 

 

 

 ーーーーーーーーーー             

 

 

 

 一方、神社内の屋敷へと戻った日下部千尋は、ちょうど戻っていた妹の日下部千歳と合流していた。

 真剣な顔で戻ってきた姉に、不可思議そうに千歳は聞いた。 

 

 

「どうしたの、お姉ちゃん?」

 

「村にガイアの人たちが来ているの」

 

「それって宮司様が気をつけろって言っていた人たちだよね?」

 

「そう。報告しないといけないのだけど、宮司様は?」

 

「いつもの土蔵だよ。お母さんに会いに行ったんじゃないかな?」

 

「じゃあ、私達もいこうか」

 

「うん」

 

 

 そう言うと、姉妹は揃って屋敷の奥にある土蔵へと赴いて扉を開けた。

 扉を通り抜け奥の祭壇をどかすと地下への階段があり、そこの異界と化した地下にある座敷牢では一人の男が裸の女を組み伏せて激しく腰を振っていた。

 やがて達したのか両方が荒い息をしながら崩れ落ちると、男の体から身長が2mになろうかという全身が白い毛で覆われた日本猿が姿を現して近くに座ると彼女たちの方に振り向いた。

 

 

「宮司様、千尋と千歳です。報告に参りました」

 

「やっほー、お母さん。元気にしてた?」

 

『おう、お前らか。今日はどうした?』

 

「あ、あなたたち…」

 

 

 荒い息をしながら彼女たちに顔を向ける母親らしき女性を他所に、彼女らは『宮司様』に報告を始めた。

 

 

「まず、あたしからね。村にいると思われる他所から来た奴は発見できなかったよ。

 代わりに湧いていた悪霊なんかを倒しておいたから、このマッカは献上しますね宮司様」

 

『おう、よくやった。

 ここの霊地は俺が抑えているからな、よそ者には力はそう出せないはずだ。

 あの娘はいずれ村祭りで俺が楽しむもんだから、くれぐれも手を出させるなよ』

 

「…や、止めなさい、あなた達。それを渡し続けるのがどういう意味か分かっているの?」

 

 

 そう言う母親に妹の方はきょとんとして答えた。

 

 

「ん~? それの何が問題なの?

 化け物を退治してお供えをして神様に力を蓄えて頂く。

 何も問題はないよね?」

 

「ええ、それが『お勤め』ですもの。問題はありませんよね、宮司様?」

 

『ぐふっぐふっ、そうだな』

 

 

 姉が答え、猿が笑う。それに声を荒げる女性。

 

 

「貴様ぁ、夫の体を勝手に使って! 返せ夫を、娘をっ! ……ぐっ」

 

「駄目だよ、お母さん。そんな事を言ったら」

 

 

 叫ぶ母親を蹴り、見下すような目で見る妹と姉。

 

 

「宮司様は神と一つになられた尊い存在なんだよ。失礼じゃない」

 

「父様は、宮司としての務めをしっかり果たされているですよ、お母様。

 それにそろそろ次の村祭りで【旦那様】にもなるんですもの」

 

『ぐふっぐふっ』

 

「あ、あなたたち! 何を!?」

 

 

 猿の笑い声が響く中、母親の問かけににっこりと笑って答える姉妹。

 

 

「あたし達、新しいお務めをする事が出来るんだよ?

 どれだけこれを待った事か」

 

「そうです。

 新しい御子を孕めないお母様に代わって私達が神様の御子を産むんです。

 とても名誉な事なんですよ?」

 

『ぐふっ、村祭りの日、そうすれば霊地の異界も完全に俺のものになる。

 こいつらが俺の子を孕むことで、血筋は上書きされて俺が祭神に成れるんだ。

 その時はお前にも新しい子どもを仕込めるようにしてやろう』

 

「き、きさまぁ……」

 

 

 睨みつける母親を無視し、思いついたように姉妹に声を掛ける猿。

 

 

『そうだ。今からお前らも参加しろ。

 村祭りの日の練習をしないとな。ぐふっぐふっ』

 

「え? お母様のお手伝いをしていいんですか?」

 

「やったー。神様とたくさんお話ができるーっ!」

 

「【トリスアギオン】!」

 

 

 そう言って姉妹が服を脱いで父親の身体に戻った猿にしなだれかかったその時、一階の土蔵の扉が吹き飛ぶ音がした。慌てて服を着た3人が地上に上がると、そこには銃を構える装甲服の一団とそれを従えた土蔵に手を向ける大佐ニキと高村がいた。

 

 

「な、何だ? 何があった?」

 

「え、え? 何?」

 

「嘘っ、何でここにいるの!?」

 

 

 混乱している3人に向けて、デジカメを向けていた高村が声を上げる。

 その声を聞き、部下に指示を出す大佐ニキ。

 

 

「エネミーソナーに反応。あの男がここで一番レベルが高い悪魔です」

 

「女性たちにデビルスリープとデビルパライズを投擲。

 他のものはあの男に集中攻撃!」

 

「「はっ」」

 

 

 【G3マイルド】と呼ばれるオリーブドラブとつや消しブラックで塗装された量産型デモニカを着た大佐ニキの部下たちは、一斉に攻撃を開始した。

 投擲されたアイテムによる眠りと麻痺で倒れ動けなくなる姉妹を避けるように、彼らの持つボウガンにつがえられた金属製の破魔矢が一斉に宮司の男へと殺到する。ハリネズミのようになった男の体から間一髪、【妖獣サルガミ】は抜け出しその白い毛の巨体を怒りで震わせた。

 

 

『き、貴様らーっ! よくも長年の悲願をっ! 殺してやる!!』

 

「コタロウ!」

 

「ワンっ! ワンワンワンッ!」

 

「ひいっ、犬がっ! どうしてここにいるっ!」

 

 

 高村の呼びかけに答え、サルガミに目がけて吠える連れてきた犬のコタロウ。

 犬の存在に怯え、サルガミが動けなくなっていた間にリロードの終わったボウガンと大佐ニキの猛火が一斉に放たれた。

 

 

「今です、撃って!」

 

「燃えつきろっ! 【火炎ギガプレロマ】【コンセントレイト】【トリスアギオン】!」

 

『ギィヤァァァ!! 俺は…まだ…死にたく……』

 

 

 矢衾となり全身が燃えたまま倒れ、それでも這いずって逃げようとするサルガミの頭に高村の持つ猟銃から放たれた弾丸が突き刺さった。

 

 

「【ヘッドショット】。お前のような悪魔は死になさい。

 どう? 【武器商人ニキ】から分けて貰った特別製の呪殺弾の味は?」

 

『ゲボっ!!』

 

 

 彼女の放った弾丸に頭を射抜かれた長年ここに潜みこの村を喰い物にしていたサルガミは、断末魔の声を上げてマグネタイトの塵へと変わり消えて行った。

 

 

 

 ーーーーーーーーーー             

 

 

 

 それでは後日談を語ろう。

 

 その後の調査で、あのサルガミは姉妹の妹が生まれしばらくした頃からあの家に入り込んでいたのが判った。

 どこからか逃れて来たあのサルガミは祭神を喰い殺し、宮司だった男性を殺して憑依すると自分の子を産ませここを支配するべく宮司の妻だった母親をあの異界のあった土蔵で犯し続けていた。だが、いっこうに生まれないことに苛立ち娘たちに目をつけるようになった。

 そして、娘たちが月の物を迎えるようになると、自分の子を孕みやすい身体になるように母親を交えて何度も関係を持ったようだが、あと一歩という所で他所から流れてきた別の【妖獣ヒヒ】が白羽の矢を射った事で全ては瓦解することとなったというのが今回の顛末であった。

  

 長年犯された母親と娘たちはガイア系列の病院で長期療養となり復帰の見込みが立たないために、彼女らが復帰後に嫁入りする事を条件に近隣の地方組織がガイア連合の支援付きでこの村を見ることとなった。

 

 最初に事件の発端となった狒々の方は、高村たちが持ち込んだ多数のエネミーソナーのお陰で容易に発見され処理されている。サルガミの潜伏場所も、そのエネミーソナーとコタロウの鼻のお陰で発見できたのだ。

 こうして、この事件は結末を迎える事となった。

 

 

 

 ーーーーーーーーーー             

 

 

 

『君を玩具にしていたこの愚か者はもうどうする事も出来ないぞ。

 君はどうしたいのかな?

 復讐をしたいのなら、このナイフを使いなさい』 

 

 

 彼女はあれから数日後の夜、またあの悪夢を見ていた。

 現実では意識のなかった彼女に聞かれる事はなく、件の男は大佐ニキによって消し炭にされていた。

 夢の中でそのナイフを受け取った彼女は、躊躇なく目の前の男の胸に突き刺した。

 そしてまた彼女はその瞬間に目覚める事となり、いつものように身支度をすると大佐ニキの元へと出勤して行った。

 

 それが、彼女の日常なのだ。

 

 後年スティクス牧師の強い希望により、大佐ニキがチームを率いて『狩人ニキ』が築いたアメリカ西海岸の拠点の防衛に参加するべく海を渡り終末を迎える時まで、その夢を見続けたのだと彼女の個人的な日誌にはそう記されていた。




後書きと設定解説


・主人公

名前:高野美代子(たかのみよこ)
性別:女性
識別:異能者(半シキガミ)・28歳
職業:デビルバスター
ステータス:レベル20・スピード型(速・魔)
耐性:火炎耐性・破魔無効・呪殺無効(装備)
スキル:魅惑噛みつき(敵単体・小威力の物理攻撃。
           低確率で魅了付与)
    ヘッドショット(敵単体・小威力の銃属性攻撃。
            低確率で即死付与) 
    精密射撃(敵単体・小威力の銃属性攻撃。クリティカル率高)
    薬草師(傷薬やディス~系薬品の作製技術)
    アイテム作成(専門とする霊装道具の作製技術)
    交渉術(対人相手の交渉技術)
    シキガミ契約のため主人以外からの精神状態異常無効
装備:シキガミ義肢(全ての歯及び上下顎と腰部、両足)
   猟銃(レミントン)
   呪殺無効のアミュレット
   ケブラーアーマー付きオリジナル軍服(ガイア連合製霊装)
   猟銃用の弾丸各種
詳細:
 大佐ニキの作ったPMC「国境なき復讐者」の副代表
 元はダークサマナーの性玩具にされていたのを救出された女医
 シキガミの部位は後遺症を治療したもので移植時に覚醒した
 チーム内の技術者担当の副官として行動している
 覚醒時に目覚めた物理スキルはとても嫌悪している

・関係者

名前:大佐ニキ(藤岡眞一郎)
性別:男性
識別:転生者(ガイア連合)・30歳
職業:ガイア連合山梨支部地方派遣PMC代表
ステータス:レベル30・マジック型(魔・速)
耐性:火炎耐性・破魔無効・呪殺無効(装備)・精神無効(装備)
スキル:トリスアギオン(敵単体・大威力の火炎属性攻撃。相性を無視して貫通)
    マハラギオン(敵全体・中威力の火炎属性攻撃)
    コンセントレイト(使用後の次の魔法攻撃の威力が一度だけ2倍になる)
    掃射(敵全体・少威力の銃属性攻撃)
    火炎ギガプレロマ(火炎属性攻撃のダメージが大きく上昇)
    指揮・カリスマ
装備:ケブラーアーマー付きオリジナル軍服(ガイア連合製霊装)
   銀の懐中時計(呪殺無効と精神無効を付与した特注品)
   “炎の誓願”(火炎属性の威力を増加させる紋章つきの手袋のセット)
   ベレッタM93R(破魔弾の入ったフルオート可能な霊装モデルガン)
詳細:
 某錬金術師の漫画に出てくる火炎使いの人物にそっくりな転生者
 大切だった家族や友人を殺した人を喰う悪魔を根絶やしにするのが目的の復讐者
 同じ様な目的の仲間を集めてサバゲーマニアだった知識で傭兵部隊を設立した
 性別出身を問わない傭兵チームの名前は、PMC「国境なき復讐者」
 現在、主標的の天使潰しの為の海外遠征をするための計画中
 チームメンバーの主力は20レベル前後で、国内ではボウガンや改造モデルガンを使う

名前:ジョン・スティクス牧師
性別:男性
識別:異能者・36歳
職業:一神教新教牧師/デビルバスター
ステータス:レベル17・フィジカル型(体・力)
耐性:破魔無効
スキル:ディア(味方単体・HP小回復)
    ハマ(敵単体・低確率で即時付与)
    挑発(自身・暫くの間、敵から狙われやすくなる)
    食いしばり(HPが0になった時、1度だけHP1で復活する)
装備:ケブラーアーマー付きオリジナル軍服(ガイア連合製霊装)
   ロザリオ(唯一残った先祖の遺品である普通の品)
   ジャガーノート・マーク2
   (デモニカ開発前、アメリカ軍で使用される耐爆スーツを改造した霊装防具
    物理耐性、火炎耐性、衝撃無効が付与された防御力は高いが移動力の低い防具
    両手で大型の金属製バリスティックシールドを持つ
    難点はパワーアシストが不完全な為、使用には自前の筋力が必要な点
    現在はデモニカ化されて欠点もある程度克服されている)
詳細:
 アメリカ出身の一神教新教牧師でメシア教過激派に追われアメリカから逃げて来た
 先祖から代々受け継いだ教会を奪われメシア教を異端とする宗派の集まりにいた
 そこに天使と過激派の襲撃を受けて生き残り逃げた日本で大佐ニキにスカウトされた
 学生時代は典型的なジョックだったので体格は2m近い大きさを誇る白人男性
 酒好きで、口癖は「主ではなく天使を崇めるメシアの連中は【放送禁止用語】だ」

・敵対者

【妖獣サルガミ】
レベル26 耐性:物理耐性・電撃弱点・衝撃弱点・破魔耐性・呪殺耐性
スキル:ポイズンクロー(敵単体・中威力の物理攻撃。低確率で毒付与)
    ブレインウォッシュ(敵全体・低確率で洗脳付与)
    ポズムディ(味方単体・毒消去)
    物理見切り(物理属性全体に対する回避率が上昇する)
    人化(憑依するために人間の男の遺体が必要だが隠蔽率は高い)
詳細:
 長い年月を経て妖力を得た日本猿が妖怪化した猿の妖怪
 兵庫県の山村である「日栄田野村」の霊地を支配している
 十数年前にこの地の霊能組織の長である宮司を洗脳して入れ替わった
 封印されていた祭神の山の神は既に食い殺し封印されているように見せかけていた
 それ以降、宮司の妻を土蔵の異界の中で犯し続けている
 現在、宮司の妻の娘である「千尋」と「千歳」を洗脳し執務を代行させ潜んでいる
 犬がその場にいると恐怖で竦んで動きが鈍るようになる
 ※ボス補正が付きつつあり、破魔・呪殺・状態異常に耐性がある

【半魔の少女たち】
レベル13 耐性:破魔無効・呪殺耐性
スキル:三日月斬り(敵単体・小威力の物理攻撃)
    セクシーアイ(敵単体・中確率で魅了付与)
    みかわし(物理攻撃を躱しやすくなる)
詳細:
 名前は「日下部千尋」と「日下部千歳」という双子の美少女
 普段は薙刀と巫女服で武装し村の周囲の山々の悪魔を倒している
 色気のある容姿と魅了のスキルに二人の連携を武器としている
 父親である猿神に洗脳教育されてとても従順に従っている

【妖獣ヒヒ】
レベル10 耐性:物理耐性・火炎耐性・衝撃弱点
スキル:引っかき(敵単体・小威力の物理攻撃)
    九十九針(敵単体・小威力の銃属性攻撃)
    アギ(敵単体・小威力の火炎攻撃)
詳細:
 別の地域で倒されかけて逃げて来た別の群れの狒々の生き残り
 ここの異界を奪うために「白羽の矢」を放った騒動の発端


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