時系列としては、終末に突入してしばらくした頃です。
「ああ、久しぶりだね星杖ニキ。……東京以来かな?」
「無事に戻られたようで何より。そうですな、東京の空で姿を見かけて以来ですな」
終末後のある日、星霊神社の最奥にあるここの主であるショタオジの私室にて星杖ニキは久しぶりに戻って来たショタおじと面会していた。お土産に持ってきたまどかが作ったクッキーをお茶請けにして、近況を確かめるように彼らは歓談していた。
「そちらは上手くやったみたいだね。
現地の支部で活動していた彼らも相手をする悪魔や敵の数が減って助かった者もいたみたいだよ」
「靖国神社の英霊たちに助力を頼むのは当時のヤタガラスの残した遺産でもありましたからな。
これでメシア教への掣肘と人々が助けられたのなら、生み出した者達も本望でしょう」
「そうだね。
……それはそれとして、この頃はどうだい?」
「どう、とは?」
「もともと山梨の修行異界に籠もるのを止めて、足りない何かを見つけると言ってあちこちに出歩いていたのは君が言った事じゃないか?」
「はっは。そうでしたな。
終末になるまでの旅はその目的を忘れるくらい楽しいものでしたからな」
「そうか、楽しかったのか。
それじゃそれについて話してくれないかい?」
「ええ。それでは、まずは新潟の……」
ーーーーーーーーーー
「……と、そんな事がありましてね」
「結構、色々としていたんだね。
それで、件のライドウはどこにいるんだい?」
「彼は今、自宅で私の端末の前に座って掲示板を見ていましたな」
2時間ほど掛けて終末に至るまでの物事を語り終え、のどが渇いた星杖ニキはお茶を飲んだ。そして、その彼のここを出てからの事を話す楽しげな様子に興味深い顔をしてショタオジは聞いていた。ちなみに現在ライドウは、すでにガイア連合に染まり星杖ニキの自宅のDDS端末で【自身の推し悪魔を称えよ】スレでモーショボーとアリスの良さを熱論しスレ住民(含む赤黒おじさん)と激論を戦わせている。
「それであちこちの俺たちと手合わせしていたようだけど、最近は誰としていたんだい?」
「……最近ですか? まあ、色々といましたな。
例えば、破魔ネキと呼ばれた彼女は術者としてなかなかの使い手でした。
逆に、黒死ネキと呼ばれた彼女とは相性が少々悪かったですな」
「相性が悪い?」
「彼女は本質的に殺し合いをする事に傾倒しています。
能力的には人魚ネキ殿のようなそこにいるだけで周囲の脅威となる異能者ですが、技量の比べ合いの末の死合を求める私のような武術家とは相性や肌が合わないというか“畑が違う”とでも言うべき精神性ですな。
二人とも、手合わせする事自体は楽しかったですよ」
彼女らとの一戦は、破魔ネキとは半終末時に土産を持ちこちらから出向いて手合わせを願ってであり、黒死ネキとは終末後に山梨にいる時に向こうから「噂を聞いたぞ」と戦いを求められたという経緯があった。
なお、黒死ネキとは東京で手に入れ霊刀ととして打ち直された所持者と周囲の敵味方関係なく【状態異常完全無効】を付与する逸話持ちの天下五剣が一振り『大典太光世(おおでんたみつよ)』を携えての一戦となり、彼女から「メタを張るとは!」と笑いながら戦闘を続行され本気を出した戦いとなったと記しておく。また、破魔ネキとしては『スパロボで高レベルのショウ・ザマが乗ったフル改造で最大射程が長いサーバインと対峙したみたいだ』という判る人にしか分からない謎のコメントを戦った後にそれを見た関係者がスレで語っていた。
「他にはいるかい?」
「……そうですね。
鑑定ニキ殿は変わった鎧を身にまとっておられましたな。
その鎧を纏っての一戦は、その眼による先読みに近い能力もありなかなか楽しめました。
フリスビーニキ殿は一風変わった術の使い手でしたな。
あのような術は彼以外にはいないでしょうな。
道南の魔人ネキ殿は強かったですな。
彼女の大地も割る一撃は躱すのも一苦労でした。
キノネキ殿は中層で一度戦い、終末後にライドウと共に追いかけっこをしましたよ。
あの銃と二輪車の腕前はなかなかのものでした。
あとは……」
ちなみに、今の話題に出た人物達とはこちらから赴き高価な対価を払って手合わせを願っている。ただ唯一、噂に聞いたKSJ研究所の面々とは遭遇できておらず、彼らが裏で対メシア教への裏での非情な手段と行動をしているのが関係しているのだろう。星杖ニキとしては前世での連れ合いとの思い出の地である善光寺を爆破した事への文句を口実に、なかなかの使い手であると聞くカズフサニキやセフィロスニキと心ゆくまで死合を楽しみたいだけであるのだが。
それはさておき、何かを思い出すように言い淀む彼にショタオジは続きを促した。
「後は?」
「あとは……、そうそうヨロイニキ殿でしたか。
事務の女性達から聞きましたが、なんでも経津主神を使役したライドウと戦ったサマナーを尊敬しているとかで。
私にも縁のある事ですので、直接話を聞きに行った際には至極慌てていた様子でしたな。
友人らしい二人と何か言い合いを小声でしていたようでしたが、せっかくなので三人まとめて稽古をつけて差し上げました。
その尊敬してたサマナーに負けずに強くなって欲しいものです」
「そう…ぷっ。いやいや…くふっ…強くなれるといいね、彼ら。くはっ」
「……何か?」
「いや、何でも無い何でもね。くくっ」
不思議そうにしている星杖ニキを見ながらあの三人組の事を事情まで知るショタオジは、今聞いた話でどういう事が起きたのかが想像が付いて笑いで引きつりそうな腹筋と表情筋を必死で抑えていた。あと、この後で予定している星祭組とのゲーム大会で皆に話そうと心に決めていた。ちなみに彼らのもとに星杖ニキを誘導したのは、彼ら三人に迷惑を被った山南恋と事務の女性受付達の共同の策謀である。
『あなた方は理想のシキガミを求めるべく努力をしていると聞きます。
しかし、未だ手に入れて満足した様子が見えない。
つまり、注ぎ込んだものは成功すれば返ってくるのだからまだ何も失っていないと思い込む事も可能で。
そして期限を決めないという事はすなわち、失われる時間の重みに目を瞑るということ。
物も時間も失った事を認識できない場合、現実的な反省や改善は望むべくもありません。
故に、これを“足踏み”と言います。
……このセリフをあなた方に言えと身内に言われましたが、何をしたのです?』
なおその際に山南恋にこう言って欲しいと言われそのまま彼らに伝えた星杖ニキに、三人組は「人の心とか無いんか?!」と涙ながらに叫び返したという。
ひとしきり笑った後にふと思い出したようにショタオジは星杖ニキに尋ねた。
「フツヌシといえば例の書物、あの神の依頼で奈良に赴いた際に手に入れたんだよね?」
「ええ。
あの14代目の残した雑記帳は京都のとある屋敷の蔵の地下に隠されていましたが、その在処が分かったのは奈良に赴いた時でした」
「そういえば、その際の詳しい経緯を聞いていなかったけど教えてくれないか?」
「構いませんよ。確かあれは……」
ーーーーーーーーーー
「……さて、ここが話に聞いていた鬼の居場所ですか」
遡ること半終末期のまどかから告白を受けたすぐ後の頃、近畿地方へと赴いた星杖ニキの視線の先には異界と化している山が見えていた。
その場所は三重県伊賀市高雄にある青山地区、その山の中腹に目的の場所である『千方窟』はあった。その場所を中心に一帯が大規模な異界へと化し鬼が山から降りてくるという異常事態が起きており、その解決に乗り出したのが近隣の奈良の名家の一群であった。
何故、そのような経緯に至ったかをまずは奈良の霊能組織の状況を説明させて欲しい。
奈良県の霊能組織は京都に並ぶ歴史のある寺社がある地域で東大寺、法隆寺、興福寺、延暦寺、熊野神宮、春日大社など錚々たる由緒の組織がある仏教、神道、密教、修験道が複雑に入り交じる歴史と宗教の集まる地である。戦後のメシア教の根切りには京都ほどの過酷さはないが他の地方と同じく根切りにされたのだが、その歴史のある経緯から親戚を頼った更地と化した京都から逃げ出した名家の連中の逃げ場所にもなっていた。
ちなみに、この時逃げ込んだ名家達が奈良から京に帰ってあの「京都ヤタガラス」を作ったその中心が明治に華族に列された“奈良華族”と呼ばれる興福寺の関係者の26名家であった。
京都ヤタガラスは後にガイア連合に潰されるがその時の残党は奈良に逃げ帰っており、逃げ帰った者達が色々と吹き込んだ事から連合の助力で復興できたにも関わらず連合とは各名家は距離を置いている有り様で現在では勢力としては歴史ある名家としての無駄に高い矜持から多神連合の仏教系列に所属していた。
祭神の降臨や術の復興にシェルターなど連合の支援で出来たにも関わらず名家特有の横柄さがあり、奈良出身の黒札もいることはいたがこういう経緯で一部を除き早々に別の地に移っている。
ただ、石神神宮などの一部の寺社は黒札との知己もありそれらの家々とは距離を置き違う路線で活動中でもある。
その均衡が崩れたのは、半終末期に復活した藤原千方率いる鬼の集団との抗争に突入したためである。
【藤原千方(ふじわらのちかた)】。
その人物は太平記に記される飛鳥時代に金鬼・水鬼・風鬼・隠形鬼の四鬼を従えて朝廷に反旗を翻したという豪族で、伊賀の地に伝わる怪人物で陰陽師とも最初の伊賀忍者ともされている伝承の人物である。書の記録では土蜘蛛や平将門と並ぶ朝敵であると記されている。後に田村麻呂伝説に加えられ浄瑠璃や歌舞伎や能の題材ともなり、さらに平安時代の俵藤太こと藤原秀郷の息子と同名で混同される事になった。これが原因で後世の伝承が混じった結果、“俵藤太の息子で朝敵となった伝説の陰陽師”が生まれる事となった。
では何故、伊賀の鬼達と奈良の名家達が争う事になったのかと言えば、奈良の名家達がその矜持を爆発させたからである。
奈良の地に残った覚醒していても低レベルの者や未覚醒の黒札転生者や周囲の地域の関係者から伝え聞くガイア連合の活躍を聞くにつけ、前述の経緯もあり何故我々ではああも行かないのだとばかりに不満に憤っていた。
それは、日本神開放の時期からしばらくしてほぼ復興が終わるとその上から目線の横柄さが滲み出るようになってほぼガイアとは手切れになり、残った数少ない連合には登録しているだけや未登録の転生者達を婚姻で身内に取り込んで子どもを作るもまだ幼い上に、手切れとなってそれ以降の霊能技術や地域の発展も頭打ちになって他の地域との隔絶が露わになるなどの事情が千年を超える歴史ある名家の彼らにある故だった。
そこへ伊賀で鬼の跋扈する騒乱が起き現地の家々が助けを求めたのだが、そこに連合より前に手を上げ横入りしたのが奈良の名家の人々であった。伊賀での騒乱を自分達の手で解決しその実力をガイア連合に見せつけるためであった。無論、祭神である日本神や仏神達も知ってはいたが名家の連中を信用しておらず、失敗してガイア連合の庇護下になった方が都合が良いので最低限の加護以外は見て見ぬ振りをしていた。
ただ、名家連中の自信の源となった存在がいたのが誤算であった。それは熊野三山の修験者のある名家が過去に天狗と結んだ古い契約を復活させてニ体の大天狗を使役したのである。
その2体の大天狗は【山本五郎左衛門(やまんもとごろうざえもん)】と【神野悪五郎(しんのあくごろう)】という。
それらは広島県三次市に実在した稲生正令が子供の頃に遭遇した怪異で、江戸時代に広島で描かれた絵巻物『稲生物怪録』に登場する魔王である。その書の中で山本は同じ魔王の神野と争っており、どちらが妖怪の総大将に相応しいか賭けの対象に彼が選ばれたのがその書のあらすじである。
「うしおととら」や「ぬらりひょんの孫」では妖怪のリーダーとして描かれている彼らは、この世界では双方とも魔王に相応しい30レベルを超える実力の持ち主で『魔王尊』と称される鞍馬寺の祭神に付き従う魔王の種族となった大天狗達でもある。ただ、使役していると名家が豪語しているその実は“過去の恩義を返すためにその家の者に助力する”という昔の盟約を口実にどこまでもどちらが優れているかを示すためだけに双方共に藤原千方達に戦いを挑んでいるだけでもあった。
周囲の被害を些事として顧みないその争いにこちらまで飛び火するのを嫌悪した石神神宮(いそのかみしんぐう)の祭神『布都御霊(ふつのみたま)』は、経津主神の伝手を辿って自身の知る一番強い連合の黒札である星杖ニキに自身の分け身である一振りを報酬に解決の依頼をしたのが今回、星杖ニキが奈良まで来た理由である。
自身のシキガミであるオルガノの転移で石神神宮まで移動し後は山々をオルガノを伴いながら走って移動した星杖ニキは躊躇なくその異界となった山へと分け入った。走り、山道を行く彼の前に争い合う悪魔達の姿が見えてきていた。
『おのれ、鬼風情が! 邪魔をするな!』
『黙れ、天狗! この金鬼が千方様のもとに行かせると思うてか!』
『そうよ! 水鬼様もいるのだ、貴様らは死ね! 【氷龍撃】!』
『山本だけではないわっ! 喰らえ、【ザンマ】!』
『その程度、効かぬわ!』
山の中腹にある広場にてニ体の鬼とニ体の天狗が相争っているのが見える。互いに攻撃を出し合っているが、空を飛び機敏に躱す天狗達と攻撃を全て引き受けながら揺るがない金鬼のタフさにより膠着状態になっている様子であった。その姿を確認すると星杖ニキは立ち止まり抜いた七星村正を突きの態勢に構えると、渦状に刃の周りに気流を集め刀を突き出すように螺旋状となった剣撃を金鬼に向けて放った。
「【一の太刀】が派生、【渦旋斬】」
『なんだ、ニンゲン!? グファッ!!』
『キンキ!? グフォッ!!』
『なんという威力だ。我らが手こずった鬼どもが一撃で!?』
ドリルのようになったその剣撃は、天狗達には圧倒的な防御力とタフさを示していた金鬼とその陰にいた水鬼諸共に貫き一撃で消滅させていた。その実、30レベル台の鬼達には80レベルの貫通効果付きの星杖ニキの一撃には耐えられなかったというだけの話ではある。
『助太刀には感謝する。恐ろしい強さだがお主、ガイア連合の者か?』
「ええ。星杖ニキ、とお呼びください。
……それでお二方は布都御霊様から聞いた奈良側に味方する天狗の方々で?」
『如何にも。儂が山本、其奴が神野よ』
『布都御霊という事は、我らが何度も攻めては攻めきれぬあの砦に一人で攻め入るつもりか?』
「そうなります。……あの山頂に見えるのがそうですか?」
『ああ。四鬼共が集い、それを使役する【鬼神フジワラノチカタ】の住まう砦よ』
空から降りてきた天狗達の問いに答え、視線を異界の山頂の戦国時代風の山城に向ける星杖ニキ。
話を聞くと、先程倒した30レベル台の四鬼と50レベル台と思われる鬼神に10レベル台の複数のオニやモムノフが集っているとの事で彼らと奈良側の術者達だけでは攻めきれず戦線は膠着していると彼らは語った。この場に人の姿がいないのはとうに実力的に着いて来れないので追い返したらしい。
「……ふむ。そういう事でしたらここで終わらせましょう。お二方は下がっていてください」
『……お主、何をするつもりだ?』
「なに、少々派手な一撃を披露するだけですよ」
詳しい状況を聞き思案した星杖ニキは早々に決着を付けることにした。天狗達が後ろに下がるのを確認すると、右手に村正を左手には懐から取り出したメギドラストーンを持ち構えた。そしてメギドラストーンを発動させるのと同時に、右手に持つ村正を両手で持ち上から下に振り下ろした。
「【気合】【雲耀の太刀】が派生、【核撃斬】」
『うおっ!?』
『これはなんと!』
【核撃斬】。
原作の漫画版ウィザードリィ外伝においては“「禁じ手」の一つで特定の技ではなく攻撃呪文と複合させた剣技”であり、「核撃斬」とは主人公が放った作中最強の呪文であるティルトウェイトと組み合わせた攻め寄せた5千の敵兵を一撃で葬る威力を見せる剣技であった。
星杖ニキが放ったこの一撃もその名に恥じない一撃で、メギドラストーンのメギドラと雲耀の太刀の力依存による万能属性の攻撃に加え彼の権能により3倍の威力となったその敵全体を目標とした万能属性の一撃は轟音と供にそのまま砦に炸裂した。
そしてしばらく経ち煙が晴れると山頂にあったはずの砦は消失し、異界が崩壊を始めていたのだった。
「終わったようですね」
『『…………………』』
「私はここを去りますが、おかしな考えは持たないようにしてくださいお二方。
酒呑童子と茨木童子は私の仲間が大嶽丸は私が討ち、白面九尾は我々に従順しています。
メシア教の大天使達も続々と我々に討たれその分霊達は消失しています。
その意味をお忘れなきように。オルガノ」
『…………!』
『…………ガイア連合は、われわれ妖怪以上に化け物の巣窟のようだな。
それに、盟約への義理は十分に果たせたと思わないか神野?』
『…………ああ。鞍馬様にも奏上し大人しくしているとしよう、山本』
異界の崩壊が始まり村正を鞘に納めると振り返った星杖ニキはその一撃を見て黙り込んだ天狗達にそう言い残すと、彼の傍に姿を現したオルガノの転移呪文でこの場から姿を消した。関係者によると、しばらく黙ったままでいた彼らはこうつぶやきこの場を後にし、その後は鞍馬寺にて大人しくしているそうである。
ーーーーーーーーーー
「……と、そのような事が起きて戻ってから数日後に奈良の名家から連絡がありまして。
『京都に隠しておいた書物や宝物の在処を教えるのでこちらに剣を向けないで欲しい』との事でした。
そこで京都支部の方々と検めた所、見つけたというのが経緯になりますね」
「なるほどね。そんな事があったのか」
「……おや、もう行かれますか?」
長い話が終わり最後までお茶を飲んで一息つく星杖ニキを見ながら、頷いて席を立つショタオジ。
「ああ、そろそろ星祭の彼らとゲーム大会があるんだ。参加するかい?」
「いえ、私もそろそろ家に帰るつもりです。宮城にいつ行くかも決めなくてはいけませんし」
「……そうか。彼女がどんな顔をするのか見てみたい気もするね。それじゃ」
「ええ、また後日に。神主殿」
そう挨拶してショタおじとは別れた星杖ニキは自宅へと帰るために星霊神社を後にした。そして、夕暮れ時の玄関の前でライドウと相対する女性の人影に気がついた。まどかは星杖ニキとの初夜のためにミナミィネキの房中術講座を受けるために居ない筈である。
星杖ニキがその場に近づくとその女性と言うか少女、長い緑がかった黒髪の無言のライドウに困惑していた彼女は彼に気がつくとこう言った。
「星杖ニキだっちゃ? タケミカヅチが本霊であるのを誼に助けて欲しいっちゃ!」
後書きと設定解説
・主人公
名前:星杖ニキ(星丈・ほしたける)
性別:男性
識別:超人・55(65)歳
職業:ガイア連合山梨支部所属退魔剣士
ステータス:レベル80・アタック型(力・速)
耐性:破魔無効・呪殺無効(装備)
スキル:一の太刀
(敵複数・1~3回の大威力の物理攻撃。
低確率で即死を付与する)
雲耀の太刀
(敵全体・力依存による大威力の万能属性攻撃。
このスキルによるダメージは反撃効果を無視する)
神技一閃
(敵単体・特大威力の物理攻撃。
高確率で即死を付与する。
このスキルによる死亡時、踏み留まる効果を無視する)
気合(チャージ)
(自身の次の物理攻撃のダメージを2倍にする)
無拍子・流刃返し
(自身が受ける攻撃のクリティカル率を100%減少させる。
自身が物理や魔法で攻撃された時、確率で回避し反撃する。
反撃はクリティカル率の高い通常攻撃を行なう。
反撃成功時、敵単体の攻撃力・防御力を1段階低下させる)
物理ギガプレロマ(物理攻撃の威力が大きく上昇する)
剣鬼の反応(敵の先制攻撃率が低下し、
自身の命中率と回避率が大きく上昇する)
剣神の武芸
(物理貫通を得る。
クリティカル率が大きく上昇し、
クリティカル時に与えるダメージが大きく増加する)
剣心一如(奈落のマスク)
(状態異常になる、即死する確率を大きく減少させる)
縮地法・改(夢幻の具足+アリ・ダンス)
(戦闘時、あらゆる障害物を無視した移動が出来る。
また攻撃を受ける際、敵の命中率が半減する)
不屈の闘志
(HPが0になった時、1度だけHP全回復で復活する)
武道の心得(物理スキル使用時のHP消費量が半分になる)
鋭い勘(何かに気づく判定(運判定)に+修正で判定できる)
剣技:鳳龍の剣
(上記3種の物理剣技から派生して発揮された効果としての物理攻撃。
その効果は発揮した派生技それぞれにより効果はさまざま)
権能:経津主命
(剣の神であるので認識できたものを物質・概念関係なく切断できる。
チャージによる効果が2倍でなく3倍相当になる。
指導した味方の物理スキルの適性を一時的に自身と同等まで上昇させる)
装備:杖刀・七星妙法村正(友人から贈られた刀を仕込んだ仕込み杖)
斬鉄剣・流星(白木の鞘と柄の新調した霊装刀)
禍除けのケープマント(魔法回避率が上昇するマント)
貴力の鎧(新調した本気仕様の霊装防具)
大和手甲(呪殺無効が付与された手甲)
生命の根付(最大HPが20%上昇する)
アイテム各種の入った腰のベルトポーチ
COMP(ガラケー型・仲間:妖魔シャイターン)
詳細:
このデータは64話後から終末になる前のデータ
前世と現世の両方の殆どを剣術に捧げてきた修羅勢の転生者
普段、他の人には「星杖(せいじょう)ニキ」と名乗っている
穏やかな笑みを浮かべた紳士的な振る舞いの好々爺の老人
戦後すぐの頃に京都で生まれた転生者の初期世代の一人
葛葉家の分家の傍流が市井に降りて剣術道場を開いていた家の出身
前世は関東の新富流の道場で老齢で死ぬまで剣術のみに打ち込んでいた
現世でも家に伝わる退魔も含めた新陰流に偽装した葛葉流を修めている
己を磨く事と未知の相手との戦闘が一番の趣味である剣術家
メガテンの基礎知識はあるが興味はなく、家の再興より剣術優先
現世の家では独身のまま師範代として剣術に打ち込んでいた
家の修練の過程で覚醒し自衛隊と協力し始めた頃に合流した
現在は日本全国津々浦々を強者を求めて行脚の旅を続けている
奈良の石上神宮にて自身の原点の経津主神に出会い新たに開眼した
最近の趣味の黒札巡りの傍ら、山梨の異界の深層に潜るべく準備を進めている
まどかの手作り料理を食べて10歳ほど若返った
容姿は「ワールドトリガー」の「ヴィザ翁」にそっくり
【斬鉄剣・流星】
星杖ニキが村正に代わり昔の愛刀の“斬鋼”を加工し直して新調した新しい霊刀
加工にあたって隕鉄を使用して再現したところから「流星」の銘がついている
ぶっちゃけアニメ「ルパン三世」の「石川五エ門」が持つ刀の再現品
もちろんビルや氷山も両断できるし五エ門のような芸当も彼なら出来てしまう
こんにゃくなど切れないとされる物も星杖ニキが使えば関係なく切断できる
【貴力の鎧】
星杖ニキが自身の弱点である耐久性と体力の不足を補うべく調達した霊装防具
陣羽織と日本の鎧を現代アニメ風にしたデザインの黒と茶色が基本色の鎧
深層に潜る際に使用する為、防具型高級シキガミ用の作製に使う高級資材を使用した
作製者も技術部でも携帯性で不遇をかこっていた甲冑技術者達が気合を入れて作成した
緋々色金なども使用し現存する連合製の霊装防具でも最高級の防御力を誇っている
彼の持ち味である動きの俊敏性を損なわないように細かい調整を受けている仕様
物理耐性と呪殺無効を付与し「神・魔」と名の付く種族の悪魔からのダメージを軽減する
また、緋々色金の仕様により物理相性への貫通系と防御無視系のスキル無効化も付与されている
さらに、吸精系スキルを完全無効化し状態異常と万能属性への耐性も付与されている
自然エネルギーの貴力を元にするため行動順の度に徐々にHPMPが回復する効果がある
形状は「鎧伝サムライトルーパー」の「鬼魔将の鎧(兜なし)」
ただし、アニメのような一瞬での装着は出来ずアンダースーツの着用から始める必要がある
【COMP仲魔:妖魔シャイターン】
レベル30 耐性:火炎吸収・氷結弱点・衝撃反射・破魔耐性・呪殺無効
スキル:ラスタソウル
(味方全体・攻撃力、防御力、命中率、回避率を4段階上昇する)
ラスタキャンディ
(味方全体・攻撃力、防御力、命中率、回避率を1段階上昇する)
食いしばり
(死亡時に1回だけHP1で復活する)
詳細:
星杖ニキがバフ要員としてミナミィネキに相談し召喚したCOMP用の仲魔
仕事は戦闘の手助けで合図をしたらバフ2種類を使用するか敵を防ぐ壁になること
シャイターンはアラビア語で悪魔を意味する言葉で中東の悪性の精霊
サタンとも同一視されるが統率者はイブリースの名を持っている
事前の打ち合わせによりデビルサマナーではなくDSJ仕様スキルの構成で召喚された
今回の取引は彼としては周囲の神話連中にマウントを取り煽るために全力で媚びている
分霊の容姿も黒札の噂に合わせ金髪ツインテつり目巨乳メイドと属性を盛りまくった
姿のモデルは「モンスト」の「切り裂きメイド・シャイターン」
容姿に関しては星杖ニキは頓着せず周囲の女性陣には敵視されあてが外れる結果になった
・関係者
名前:オルガノ
性別:女性
識別:シキガミ
職業:星丈ニキの専用シキガミ
ステータス:レベル93
耐性:物理耐性・破魔無効・呪殺無効
スキル:トラポート(長距離の転移ができる)
トラエスト(瞬時に異界から脱出する事ができる)
デクンダ(味方全体・能力低下効果を消去する)
デカジャ(敵全体・能力上昇効果を消去する)
千烈突き(敵全体・ランダムに2〜7回の小威力の物理攻撃。
速の値が対象より高いほど回数が増加する)
カバー
(味方単体・味方のダメージを代わりに受ける)
エネミーソナー(周囲の敵体反応を感知する)
神速の寄せ(戦闘での素早さと先制攻撃率が大幅に上昇する)
三段の猛速(ステータスの速に+15される)
シキガミ契約のため主人以外からの精神状態異常無効
スキル(汎):念話・飛行・虚偽感知・隠蔽化
詳細:
このデータは終末後に帰還した時のもの
星丈が補助のために購入した浮遊する剣型の専用シキガミ
白い刀身と女性を象った意匠のある白色の柄が付いたブロードソード
かなり素早い速度で飛び回り、人間一人なら乗せて飛行が可能である
剣なのは彼が姿を指定しなかったので原作を知る製造班が気を利かせた
彼が連合に来てしばらくしてからの仲で忠実な従士のように接している
他人とは話そうとしないが主人にはかなり饒舌である
成長し戦闘脱出のトラフーリが長距離転移のトラポートに進化した
星杖ニキのアカラナ回廊突破に付き従い半壊しながらも生還した
【山本五郎左衛門】
広島県三次市に実在した稲生正令が子供の頃に遭遇した怪異
江戸時代に広島で描かれた絵巻物『稲生物怪録』に登場する魔王である
名は「やまんもと」とも「さんもと」とも読まれる
その書の中で同じ魔王の「神野悪五郎(しんのあくごろう)」と争っている
どちらが妖怪の総大将に相応しいか賭けの対象に彼が選ばれたのが始まりである
「うしおととら」や「ぬらりひょんの孫」では妖怪のリーダーとして描かれている
この世界では双方とも魔王に相応しい30レベルを超える実力の持ち主
魔王尊と呼ばれる鞍馬寺の祭神に付き従う魔王の種族となった大天狗達でもある
どちらが優れているかを示すために神野と共に藤原千方に戦いを挑んでいる
【奈良県の霊能組織】
京都に並ぶ歴史のある寺社がある地域で現在は連合の支援で復興しつつある
東大寺、法隆寺、興福寺、延暦寺、熊野神宮、春日大社など錚々たる由緒の組織がある
仏教、神道、密教、修験道が複雑に入り交じる歴史と宗教の集まる地である
戦後のメシア教の根切りには京都ほどの過酷さはないが他の地方と同じく根切りにされた
親戚を頼った更地と化した京都から逃げ出した名家の連中の逃げ場所にもなっていた
この時逃げ込んだ名家達が奈良から京に帰ってあの「京都ヤタガラス」を作った
その中心が明治に華族に列された「奈良華族」と呼ばれる興福寺の関係者の26名家
京都ヤタガラスは後にガイア連合に潰されるがその時の残党は奈良に逃げ帰っている
その経緯から連合の助力で復興できたにも関わらず連合とは各名家は距離を置いている
勢力としては歴史ある名家としての矜持から多神連合の仏教系統に所属している
祭神の降臨や術の復興にシェルターなどは連合の支援で自前で用意している
奈良出身の黒札もいることはいたが一部を除きで早々に別の地に移っている
石神神宮などの一部の寺社は黒札との知己もありそれらの家々とは違う路線で活動中
半終末期に藤原千方率いる鬼の集団との抗争に突入した
・敵対者
【鬼神フジワラノチカタ】
レベル58 耐性:魔法に強い・破魔無効・呪殺無効
詳細:
太平記に記される飛鳥時代に四鬼を従えて朝廷に反旗を翻した豪族、藤原千方
伊賀の地に伝わる伝承の人物で陰陽師とも最初の忍者ともされている
後に田村麻呂伝説に加えられ浄瑠璃や歌舞伎や能の題材ともなった
さらに平安時代の俵藤太こと藤原秀郷の息子と同名で混同される事になった
後世の伝承が混じった結果、俵藤太の息子で朝敵となった伝説の陰陽師が生まれた
蘇った現在ではかつてのように地域一帯を支配下に置こうとしている
四鬼は33レベルでスキルは真5のデータと同等
なお、星杖ニキの一撃で逃げる暇もなく他の鬼達と一緒に消し飛んだ
話題で出した黒札キャラの著者様、お名前をお借りしました。
ありがとうございます。
月の出勤の半分が夜勤になるとひたすら昼間は眠るため書ける時間がなく遅くなりました。
もし、読んでくださった方がいるならありがとうございます。