時系列としては、半終末に突入し終末に近くなった頃です。
「あっ、ああん♥ ……あらん、封印が解けたの?
それじゃ、皆に愛を届けに行かないとね♥」
始まりは些細なことであった。
いつものように起きた爆発の振動がたまたま電気系統に干渉し制御系がシステムチェックのために再起動したのが災いし、ドクトルの発明品の中でも危険なものを封じた倉庫の封印もその再起動で一瞬電源が落ちたことでその封印の中で放置プレイであえいでいた変異体天使【天使ハプシエル】が解き放たれてしまったのである。
『天使ハプシエル』。
それは『まじしゃんず・あかでみい』というライトノベルに登場した中級天使である。平和主義で博愛主義者でバイセクシャルで極度のマゾヒストの性格という難儀な性格で、原作の舞台の周囲の人々に強力なハグとディープキスによる祝福を授けまくって天使や悪魔もいる学園を崩壊に導きかけたというキャラクターであった。
2m近い長身のマッチョでオールバックの髪型と紫色のリップを塗った唇に両腕に“ラブ&ピース”と入れ墨をしたハードゲイなタイツ服とブーツという4枚羽の美形天使であるのだが、原作では彼は善意の塊であり全ての攻撃を快感に変える変態であり自らの愛を分かち合う為に誰彼構わず抱擁とディープキッスによる祝福与えるその行動であのサマエルにトラウマを刻んだという快挙を成し遂げていた。野放しにしたら美少年同士のBLが消え、筋肉の織りなすハードゲイが広がるという自身の趣味の崩壊というトラウマを。
ここにいるこの個体は、ドクトルと中の人が同じであるという理由で酒の席で持ち込まれたこれの情報を見て酔いとその場の勢いでドクトル達がメシア系の天使パワーを召喚して魔改造して作り上げたはいいが始末に困り封印していたものであった。破棄するのもなんかもったいないから時期を見て海外のメシア教の拠点に放流するつもりであったそれが、何故か解放され出会った相手を誰彼構わずキスして周っている惨状がある日の山梨支部の技術部が集う一角に出現していた。
「ドクトル、非常事態です! ハプシエルが封印から脱走し、被害者が続出しています!
メタルマン、ドクトルのシキガミのオプティマスがすでに沈黙!
巡回用の簡易シキガミと警備用に購入した地方支部の製品達も行動不能です!
今、デモニカの調整に来ていたヤンスキニキ達が迎撃に出ています!」
「いかん! 修羅勢のいる星祭に救援を要請してくれ!
奴を止めるにはそれしか無いぞ!
前は罠にはめて封印できたが、囮に使った悪魔はすでに精神が崩壊して消えて同じ罠は使えんぞ!」
『あらん♥ 特撮ヒーローとその仲間達がお出迎えなんて吾輩嬉しいわ♥
さっそく、カワイ子ちゃん達には愛を与えてあげないと、ね♥』
『抜かせ! ヤンデレが全ての俺たちの性癖が、お前を放置したら消えると俺の勘がそう言っている!
ここで倒させてもらうぞ、変態天使! 行くぞ、みんな!』
『『ええ!!』』『行きますわ、がお~っ!』
研究所のモニターの中では仮面ライダーデモニカのリュウガを使うヤンスキニキが仲魔達と、屍のように転がる被害者達をよそに戦っている様子が映し出されていた。しかしまもなく、全員がハプシエルに捕獲されディープキッスによるダメージにより戦闘不能となっていた。
『ラブ&ピース♥ あなたに幸あれ♥』
『『『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!』』』
「ヤンスキニキ達、沈黙! ハプシエル、侵攻再開!
……ドクトル! アレの侵攻する先に複数の黒札が!」
「ちょうどいい! あれらは例の“三馬鹿ラス”だ!
キスされても死にはしないからそのまま時間稼ぎの囮にしろ!」
「了解です! 逃げるように警告するのは止めておきます!」
モニターの中で、ハプシエルの移動先にちょうど話し込んでいる黒札が3人いた。3人は日課の女性シキガミ観察のために研究棟の近くにあるシキガミ開発センター近くの定位置へと移動中に、たまたま話題に上がった『ガンダムのパイロットスーツを着た女性キャラで一番エロいのは誰だ?』という内容でいつもの議論からの殴り合いを始めようとしている所であった。
『あら♥ 個性的な面立ちの男の子達、なんてクールなのかしら♥
吾輩、もうたまらないわ。ハグしてあげる♥』
『『『ひいっ! 逃げるぞ!!!』』』
『あら、判断が早いのね。でも、逃がしてあげない♥ 【ラブテンプテーション】♥』
流石にトラブルに慣れた3人だけあり、唐突に現れた変態天使の危険性に気が付き議論は即座に切り上げて逃げようとしたがそう簡単に逃げられるものではなかった。モストマスキュラーのポージングをしたハプシエルの胸筋の方から振動波が炸裂し彼らの動きを封じる。
『逃げちゃだめよ♥』
『『『ぎゃあああぁああっ!!!』』』
ハプシエルのスキル『ラブテンプテーション』は筋肉を微細振動させその振動波を聴覚から三半規管に流し込み動けなくさせる効果と自身の最大HPと同じ強度の防御力場を張り実質的にHPを倍にする攻防一体のスキルなのだ。これにより彼らは動けなくなり、ハプシエルに3人まとめてハグされ捕獲されるのだった。そして、ハグと頬ずりのため意識を失った彼らにハプシエルがキスをしようとしたところへ攻撃が撃ち込まれた。
『動きが止まりましたね! 今、喰らいなさい【KRSV】!』
『あはああぁあああぁん♥』
『やりましたか!?』
その場に到着したオールマインドネキのマシン【トランクスライバー】に搭載された最大火力を誇る巨大なビーム砲から撃ち出されたその一撃は、ハプシエルの近くの地面に当たり大きな爆発を起こした。視界の隅に見えた遠くへと吹き飛んでいく3人を無視し、オールマインドネキは煙に包まれたハプシエルにKRSVを向けながら着陸した。しかし、彼女の期待とは裏腹に煙が晴れた時そこにいたのは、防御力場に覆われ両手を頭の後ろに組んだアドミナブル・アンド・サイのポーズをしながら頬を赤らめ腰をくねらせるハプシエルの姿であった。
『なんて激しいアプローチ♥ 吾輩、軽くイッてしまったわ♥
そこのロボットに乗ったお嬢さん、あなたにも幸あれ♥』
『KRSVが効果なし!? 来るな来るな! 来るな~~!』
それへの嫌悪感からオールマインドネキは搭載した武器で攻撃を続けるが近づいてくるハプシエルをさらに頬を赤らめさせるだけの結果になり、そのままハグされカメラのモニターにハプシエルの紫のルージュの塗られた分厚い唇がどんどんと近づいて来て…………
ーーーーーーーーーー
「来るな~~~~!!!」
「あら起きたのね、めぐみ。朝ご飯は出来ているわ」
「…………ここは? ああ、良かった。おはよう、母さん」
「悪い夢でも見ていたの?」
「……ちょっとばかりですが」
「そういえばわたしもこの間、夢の中に模型店の店主を名乗る女性が出てきてこう言われたの。
“ようこそ、こちら側へ。夏には貴女の本がたくさん出ると思うわ”、って。
長い黒髪のスーツの女性もいたのだけど、何のことかしらね?」
「??? 私にも分かりません、母さん」
悪夢から飛び起きたオールマインドネキが見たものは見慣れた自室の内装で、そしてベッドの横には彼女の母である【尾間志依子(おましいこ)】が立っていた。実年齢は50代であるが若返りの水で20代まで肉体年齢を戻した結果、こけしのような地味で大人しい印象でオールマインドネキと同じ髪型の妹の様な容姿となった美女が彼女であった。
あの事件から数日が経っていた。
オールドンマ…マインドネキも被害にあって気を失った後に救援で駆けつけた修羅勢の黒札によってハプシエルはまた再封印され、彼女を含めた被害者達は回収され昨日まで病院で入院していた。今日はまだ休日なので、悪夢を見て出した汗をシャワーで流し志依子が用意した目玉焼きとトーストを一緒に居間で食べなからオールマインドネキは母に尋ねた。
「ほら、落ち着いて食べなさい。仕事の方はどう?」
「先日の事で休暇がしばらく出たからのんびりするつもり。母さんの方はどうだったの?」
「わたし?」
「この間だって、母さんもかなり大きな事件に参加していたじゃない。
外のからの依頼も扱う部署だけに心配だったのよ?」
「大丈夫よ、この通り元気でしょ?
あなたが黒札だとわかって、こっちに来てあの人と再会してから鍛え直していたのは知っているじゃない」
「知ってはいるけれど、ただの主婦だと思っていた母さんが名うてのデビルハンターだったとか普通は思いません」
山梨支部が建設され地元の市役所のある市街がそのまま支部の広がる範囲に飲み込まれる形で第2支部になる際に転生者だと判明しオールマインドネキこと尾間めぐみが合流するまで、彼女の知る限り母親の志依子はただのパート主婦であった。実際は初期から技術部に所属していた彼女の父であるドクトルが手を回して、念の為に苗字の関係で内縁のままだった母娘をメシア教の手の届きにくい山梨に住まわせていたというのが実際の理由であったのだが。
オールマインドネキの母である尾間志依子は約30年ほど前までは名うてのデビルハンターであった。それから敵との戦闘で大怪我を負い、当時の闇医者の病院に入院している際にその頃は家電リサイクル業者の技術者であったドクトルと出会い彼が発明していたワイヤーガンを気に入ったのが二人の馴れ初めであった。彼女はそれからそのワイヤーガンによる新戦法でそれまで以上に戦果を上げたが子どもを妊娠したことですっぱりと痕跡を消して、ドクトルに付いて山梨に移り住んで現在に至っていると言うのがオールマインドネキが両親から聞かされた話であった。
「それでどうだったの? 母さんが親玉を倒して終わらせたらしいじゃない」
「正面を黒札を始めとした人達が引き受けてくれたからよ。その隙にわたしが忍び込んでというわけ」
朝食を食べ終え食器も片付けて落ち着くと、お茶を飲んでくつろぎながらオールマインドネキは続きを促した。
「話せるだけでいいから話してくれる、母さん?」
「しょうがないわね、話せる範囲だけよ。あれは…………」
ーーーーーーーーーー
「……それで、わたしもあなた達と一緒に行けば良いのかしら?」
「そうですね、基本我々と共に正面を引き受けていただきます。
その隙に、増援としてここの一番の実力者の黒札の方をお呼びして裏から突入してもらいます」
志依子が話しかけた地元の支部の特撮巨大ヒーローを模したデモニカの男性は彼女の問いにそう答えた。
事の起こりは半終末のある日、メシア教穏健派から一つの通報がもたらされた事だった。
曰く、“過激派が国内で兵器を量産している”というものだった。
そのもたらされた通報の真偽を調査すると浮かび上がったのは、神奈川県藤沢市の境川沿いにあるとある電機メーカーの工場であった。そこは終戦後に帰国した満州で飛行機を作っていた技術者達が立ち上げたベアリング、モーターを中心とする電気部品メーカーの工場で、そこの製品は自衛隊で使われる機器に使用される有力な企業であった。しかし、半終末になって自社製品の6割を作っていた海外の工場が失われ、過去にアメリカの企業を買収していたのが災いしメシア教の息のかかった外資に乗っ取られたのが不運の始まりであった。
調査を続けると、そこに電気部品の工場とは思えない多数の大型車両や外国人の出入りが近所の人間には目撃され、その中にあったいかにも神父然とした剣を持った人物の目撃情報と占術での『放置すると終末時に災いとなる』という結果が出て周辺を不発弾の発見という口実で封鎖し強制査察に踏み切る決断が神奈川両支部から下されるに至った。
「参加するのは我々だけかしら? 依頼人の黒札の人はいないようだけれど」
「ここの支部長をされている方は今、こちらに向かっているそうですので彼女が来てくれれば解決できます」
「そうですか」
そのため、現地の戦力だけでは不安だと支部長を務める黒札の女性が他の支部へ増援を依頼した際に参加したのが志依子含め数名の他の支部の関係者であった。その依頼を出した黒札の女性は所用があり、こちらに来るまでは時間が掛かると言う話である。
「わたし達はどうすれば?」
「あなた方は動きがあるまで待機してください。まずは我々が踏み込みます」
「……分かったわ。お手並み拝見ね」
一般市民の目がないとは言え、彼らの格好は現代日本では奇抜であった。
何しろ男性の側は数人ほどいる特撮巨大ヒーローそっくりのデモニカスーツで、志依子は首から下がボディラインがはっきりと分かる黒のボディスーツの上に青いマント状の外套を羽織り両腕には青色の腕甲がある姿のデモニカスーツである。腰の両側には玩具に似た形状の連合製の拳銃型霊装に腰の後ろには刃渡り20cmはあるナイフを装備し、さらに今は片手に持っているヘルメットは青く塗装されたロボットアニメの量産型ロボットの頭部を模したデザインの形状をしているのだ。
また、青い外套の背には白抜きで、箒に乗った魔女の帽子と『And Death Shall No Dominion(そして死は覇者に非ず)』という警句が刻まれたエンブレムが施されていた。
彼女のようにデモニカをまとった者や黒札から与えられたらしい装備を身につけた数人の応援で来た者達は言われるままそこで待機していたが、警官を伴って中に入って行った者達がしばらく経って血相を変えた表情で全力で走って逃げて来るのが見えた。と同時に、彼らが逃げてきた方から連続した銃撃音が聞こえてきた。
「逃げろ! 機関銃を持ち出したぞ、あいつら!」
「物陰に隠れろ! 殺されるぞ!」
「……あれは!?」
叫びながら逃げてきた彼らが物陰に飛び込むように隠れると同時に、工場の入口から数体の奇怪な姿の人影が現れた。軍や警察の爆発物処理班が使用する対爆スーツの上に金属製の装甲が施され、両手に重機関銃を持ったまるでゲームから出てきた敵のような姿であった。その手に持つ機関銃は、彼らの上司をしている黒札の少女なら国内でライセンス生産され自衛隊に供給されている12.7mm重機関銃M2であると見抜いただろう。
その現れた装甲服兵達は周りが市街地であるのも関係なく、機関銃の弾丸を集まっていた彼らに向けて掃射し始めた。
「離れろ、離れろ! 対処できない者は早く逃げろ! 普通の車だと貫通するぞ!」
『ヒホーッ!』
「うわわわ! ジャックフロストが一撃で!」
「悪魔も人間も関係ない! お前も早く逃げろ!」
ばらまかれる銃弾の雨からその場にいた連合の関係者達は一様に思い思いに散開し、ある者は逃げある者は障害物の陰に転がり込みまたある者は反撃に転じていた。
この工場では秘密裏に来たるべき日に備えて、メシア教の過激派が尖兵としてこの装甲服兵【ジャガーノート】を生産していたのだった。これらが大量に量産され終末時に襲撃していたとしたら、神奈川のガイア連合の支部は致命傷となり得る大打撃を受けていただろう。
「俺達が何とかするぞ!」
「「「おう!!」」
「お先に。クスッ、久しぶりね。なかなかのプレッシャーじゃない」
この事態に対応するべく、この支部で一番の戦力である巨大特撮ヒーローデモニカの男達がそれらに向かって突撃して行く。それを見ていた志依子はというとヘルメットの中でニイッと笑みを浮かべると、青い外套をマントのようにたなびかせて彼らと並走するような形で突入し彼ら以上の俊敏さで装甲服兵達へと銃弾の雨を掻い潜るようにして接近して行った。
「何だ、あのスピードは!」
「お人形さん、あなた達では満足できないの!」
狙いを付けられずにブレる重機関銃の射線を避け、アンカーをそれらの一体に撃ち付け彼女は宙へと舞う。そしてワイヤーに引っ張られるように装甲服兵の一体の頭上に飛び降りつつ、腰の後ろから抜いた刃渡り20cmはあるヒートナイフを赤熱化させ頭部目掛けて振り下ろした。
その俊敏さの理由は、両腕の腕甲に付けられた長さ3mある金属のワイヤー付きのアンカー射出機能であった。かつて若い頃に彼女が“魔女”と呼ばれる異名を付けられた独特の戦い方にワイヤーガンを用いた高速戦闘技法があり、それを知るこのデモニカを作製し調整したドクトルが彼女の意見を取り入れつつ付けたのがこれになる。
「ガ、ア……」
「敵を踏み台に!? どこへ?!」
「敵の親玉の首を取りに行く! ここはまかせるわ!」
「ちょっと、待っ……! ああ、行っちまった」
志依子はヒートナイフを引き抜くと再びアンカーを撃ち建物の外壁に付けると、問いかける現地の彼らにそう答え倒れる装甲服兵を足場にして建物の上階へと窓を突き破って中に突入して行った。
「侵入者だ! 止めろ!」
「邪魔しないで、あなた達! ……こっちね」
後ろの喧騒を後に、眉間に火花のようなエフェクトを発生させて志依子はそのまま廊下を駆ける。時折、こちらに攻撃してくる警備員ぽい連中を片付けつつ、彼女は親玉がいるであろう奥へと走り込んで行った。
ーーーーーーーーーー
場面は変わって、工場の最奥にある装甲服兵“ジャガーノート”達の制御室に視点を移そう。
そこにはモニターとキーボードにしがみつく白衣の男達と、それらを睥睨するように立つ一人の白人男性がいた。その男は背後に緑の髪の少女の姿の天使を従え、中世の騎士のような鎧と腰には2本のサーベルを差しモニター内の不利な戦況にかなり苛立っているようであった。
「ええい、何だあの不甲斐なさは! 貴様らご自慢の人形共が負けそうではないか!」
「お言葉ですが、テンプルナイト殿。現地の人間にあれらに対抗できるような力があるのが非常識なのです」
「言い訳はいらん! たかだか東洋の黄色い猿どもに負けるなど我々には許せる訳が無いのだ!
主は自分の御姿に似せて人間を作ったと言うが、黒や黄色の肌をした主がいる訳がないだろうが!
貴様らは、あの猿どもを一刻も早く排除するように努力しろ!」
「はっ!」
『ジャガーノート』。
それは日本のデモニカを模してアメリカ軍で使用される耐爆スーツを改造したメシア製霊装防具で、物理耐性、火炎耐性、衝撃耐性が付与された防御力は高いが移動力の低い歩く装甲車のような霊装防具である。主な武装は、日本のライセンス生産横流しの自衛隊装備用の12.7mm重機関銃M2を両手で持つ。
これの難点としてパワーアシストが不完全な為、使用には自前の筋力が必要な点があり、それは専用に調整された「生体CPU」と呼ばれる拉致した覚醒者に洗脳と薬物と機械的処置を施したメシア製の改造人間が着用して戦う事で解決している。そして、その脳髄に埋め込まれた天使の羽を中心とする制御機械でここからコントロールしているのだ。
そうしているうちに、不愉快げに貧乏ゆすりをしていたテンプルナイトに背後にいた天使が告げた。
「ニムバス、敵が来た」
「なにっ!?」
テンプルナイトが振り返ったのと同時に蹴り壊された部屋のドアが飛び、奥の壁へと研究員達を巻き込んで炸裂した。飛んで来た破片を天使共々に避けたテンプルナイトは、2刀のサーベルを引き抜くと踏み込んできた人物に誰何した。
「誰だ!」
「案の定、ここにいたのは天使とメシアンだったのね。
ちょうどいいわ。レベル上げだけしたから戦いの勘が戻っていないの。
わたしの錆落としのために死んで、メシアン!」
「ほざけ、女! 私は主に選ばれし騎士、ニムバス・シュターゼン!
異端に寄り添う貴様らガイアのような黄色い猿などに負けるわけにいかないのだ!【回転斬り】!」
「こんな物を作っているなんて! 30年前から変わらないわね、メシアンは!」
「黙れ、女! うおおおっ!」
スキルを込めて2刀で斬りかかるテンプルナイトの攻撃を避けた志依子は、天井に打ち込んだワイヤーアンカーを使い背後から腰から抜いた玩具に似せたデザインのガイア拳銃を抜くと込められたドクトル謹製の特製属性弾を撃ち込んだ。それに気がついたテンプルナイトは、自身の術のザンを放って己の体を横跳びに移動させてそれを避けた。
「ああ、我らの研究成果が!」
「逃げてやり直せば良い! 幸い、あのモンスターは騎士様が相手をしてくれる!」
その避けた弾丸から解放された悪魔であるフレイミーズが床で炸裂し、室内の周囲が火炎に包まれる事になった。機器が損傷しまだ生きているモニターの中で玄関付近で戦闘していたジャガーノートの連携が崩れ、特撮ヒーローデモニカの彼らに次々と討ち取られ始めたのを見たまだ生き残っていた研究員達が這々の体で逃げ出す。
それを尻目にテンプルナイトと志依子の闘いは佳境に入ろうとしていた。
『EXAM SYSTEM STANDBY』
「全員、逃さない! 【連続技】【突撃】【空間殺法】!」
「【回転斬…、ぐはっ!」
『…………』
「「「ぎゃあああっ!!」」」
システム音声が鳴り志依子のデモニカ【ブルー】のヘルメットのカメラアイが赤く点灯すると、加速されスピードがそれまでの倍近くまで速くなりワイヤーアンカーを駆使して室内を縦横無尽に飛び回る彼女が振るうヒートナイフが室内のメシアンと天使に襲いかかる。切り刻まれ倒れ伏すメシアン達。
その中で全身血まみれで唯一生きていたテンプルナイトは、この動きを見て何かを思い出したかのようにヘルメットを外した彼女を見上げて呟いた。
「馬鹿な…この私が…極東のこんな…異邦の…地で…死ぬなど…ありえん。
ああ…思い出した!
この…動き、…かつて…同胞を…100…人以上…斬り…殺した…“魔女”!
昔…聞かされ…死ん…だと…思って…いた…のに…ガハッ!」
「嫌だわ。30年も前の事を思い出されるなんて。…そう思わない、天使さん?」
血まみれで倒れ事切れたテンプルナイトを冷たい目で見下ろしながら、自身も消えていく天使は志依子にそう聞かれるとこう答えて消えていった。
『どうでもいい。……ああ、これでやっとみんなの所に逝ける』
「何か理由はありそうだったけど、メシアンのやる事だから碌でも無い筈ね。
さ、表の人達と合流しましょうか」
手に持っていたヒートナイフを腰に収めると彼女はそう言って、スプリンクラーの作動し始めた廊下へと出ていくのだった。
ーーーーーーーーーー
「……と、そんなところね」
件の事件は幸いな事に、大きな被害や大勢の犠牲者を出す事なく未然に防がれることとなった。
事件の現場となった工場は接収され、中にあった厄物は山梨の技術部へと解析のために引き上げられていった。
かくして関係者は安堵を得られた。後始末に奔走する事となった支部長の黒札の少女の犠牲は別として。
「相変わらずのバーサーカーぶりね、母さん」
「人聞きの悪いことは言わないで。
ただ、選ばれたと言っている彼らに証明してあげたかっただけよ」
「……何を?」
「何かを手に入れるためには、何かを諦めないといけないなんて理不尽じゃない?
望むものを全て手に出来たとしたらどんなに幸せか。
神に選ばれたと自らを呼ぶ彼らはそれが神の加護で出来ると信じている。
わたしはそれが彼らには不可能だと証明してあげたいの。
こうしてもう一度戦える力を手に入れたなら、必ずってね」
そう言って彼女は、部屋の隅にあるハンガーラックに立てかけてある自分のデモニカ『ブルー』を見ながら微笑んだのだった。
後書きと設定解説
・主人公
名前:オールマインドネキ(尾間めぐみ・おまめぐみ)
性別:女性
識別:転生者(ガイア連合)・32歳
職業:ガイア連合山梨第2支部総務部事務員
ステータス:レベル30
耐性:破魔無効・呪殺無効(装備)
スキル:マシン・オペレーション
(種族がマシンの悪魔を召喚する)
マシン搭乗
(召喚したマシンに搭乗し操作できる)
アナライズ
(敵単体・名称、レベル、耐性が分かる)
マグネタイト・エディター
(スキル消費のMPをHPでも可能にできる)
コンピューター操作(ハッキング含む)
事務知識
図書館(書籍での有効な情報検索技術)
交渉術
装備:マシン用アームターミナル型COMP
ガイア拳銃(破魔・呪殺弾が撃てるモデルガン霊装)
オーダーメイド制服(連合製防具礼装)
体強のリング(毒・麻痺・病気・目眩耐性)
鋭敏のイヤリング(睡眠・混乱・魔封・魅了無効)
Gラダーズ(呪殺無効が付与された腕時計型霊装)
詳細:山梨第2支部で事務の受付を主にしている女性黒札
尾間志依子とドクトルニキの間の実の一人娘
黒髪のショートボブと緑色の瞳に黒いスーツの巨乳美女
黒札でも珍しいマシンオペレーターの素質がある
割と調子に乗りやすくポンコツになりヘマをする事が多い
前世は取り立てて言う事のないブラック過労死IT技術者の女性
現世では母子家庭に生まれ公務員を志望し地元の役所に就職していた
ガイア連合が山梨で大きくなりその過程で転生者と判明し合流した
「黒札支援システム」という支部で使用する基本プログラムの作成者
プログラム作成者としての名義は「ケイト・マークソン」
前職は山梨の市役所の事務員で係長とはその頃から部下
レベル上げは半終末後にマシンが完成してから始めた
係長の補佐役という関係から問題児の黒札を担当にする事が多い
実の父親がドクトルニキで昔はカミーユみたいだったのは黒歴史
容姿はAAスレでも使われるピクシブの絵師のデザインにそっくり
【黒札支援システム“オールマインド”】
前世で使用しこちらでまだ開発されていなかった事務プログラム類の総称
要するに支部の事務作業で使用する様々なプログラム群を統括するプログラム
90年代や2000年代で未開発の製品も含むので割と事務員には好評
依頼の取りまとめや文書記録の電子データ化にDDSネットにも役に立っている
全国に支部が建ち始めた頃に完成したので各支部で独自の変化を遂げている
山梨の技術部で盛んにアップデートが行われすでに彼女の手からは離れている
【マシン トランクスライバー】
レベル30 耐性:物理耐性・電撃弱点・状態異常無効
スキル:突撃(敵単体・小威力の物理攻撃)
44-143・HMMR
(敵全体・大威力の電撃属性攻撃。
1戦闘に1回まで使用可能)
44ー141・JVLNーA
(敵単体・大威力の火炎属性攻撃。
1戦闘に5回まで使用可能)
44-142・KRSV
(敵全体・特大威力の火炎、電撃属性攻撃。
発射までに1ターンが必要となる。
1戦闘に3回まで使用可能)
百発百中(攻撃命中率が10%上昇する)
寸分の見切り(攻撃回避率が20%上昇する)
火炎ブースタ(火炎属性攻撃の威力が上昇する)
飛行(背部の飛行ユニットによるジェット推進)
詳細:オールマインドがロボ部に発注して作成した専用マシン
全長10mほどの2足歩行人型ロボットの形をしている
アーマードコア系列のデザインで基本色はメタルグレー
カメラアイなどの発光部は緑でオリジナルエンブレム付き
胴体部に操縦席があり背部の大型バッテリー駆動で動く
基本フレームの名前は自分で「MIND ALPHA」と名付けている
基本武装は腰部の小型ナイフと格闘及び以下の追加武装
HMMRは先端に爆発物の付いた鎖分銅型の振り回す武装
JVLNはイカした銃剣付きの弾倉に5発あるバズーカ砲
KRSVは背部に折り畳んで装備した大型のロマンビーム砲
飛行はガル系の魔法を中心としたジェット推力による飛行
それぞれが作成できる技術的に可能になった半終末に完成した
レベルは固定のため変えるには専門家の調整が必要になる
・関係者
名前:尾間志依子(おましいこ)
性別:女性
識別:異能者・50代
職業:ガイア連合山梨所属金札/デビルバスター
ステータス:レベル26(成長限界)
耐性:破魔無効・呪殺無効(装備)
スキル:突撃(敵単体・小威力の物理攻撃)
空間殺法
(敵全体・中威力の物理攻撃)
連続技
(自身・使用したターン、
通常行動の代わりに2回格闘攻撃を行える。
スキルを使用した場合、コストはそれぞれ消費する。
1日に1回まで使用可能となる)
会心激化
(クリティカル時により大きなダメージを与える)
ニュータイプ(オリジナル)
(攻撃命中・回避率が20%上昇する。
自身の攻撃のクリティカル率が20%上昇する。
何かに気づく判定(運判定)に+修正で判定できる。
自身が悪魔を倒した際に次の連動効果が発動
「自身のMPが小回復し、1ターンの間、
物理回避率が40%上昇する」)
主婦知識(主婦としての色々な技術知識)
装備:呪殺無効の指輪
鋭敏のピアス(睡眠・混乱・魔封・魅了無効)
ガイア拳銃(玩具の拳銃に似せた特製の武器霊装)
予備弾倉(特製属性弾各種)
ブルー(専用デモニカ・レベル30)
詳細:
ドクトルニキの妻にしてオールマインドネキの実母
年齢にそぐわないこけし人形を彷彿とさせる若々しい容姿である
市井で“魔女”と呼ばれる娘以上の強さの悪魔退治屋を営んでいた
馴れ初めは怪我をして休養中に病院で出会い彼女が彼の腕に惚れたため
現在、ドクトルと別居しているのは研究施設に彼が住み込んでいるから
娘に父親の事で文句を言われたが苦笑いをして諭したとか
若い頃は金属製のワイヤーを使う戦法を得意としていた
山梨に来てから若返りの水を飲み錆びついた腕を戻そうとしている
苗字が違うのはメシア教への身元対策のための内縁婚のため
最初の相棒の女性をメシアンとの戦闘で失っている
【専用デモニカ:ブルー】
ドクトルが彼女専用にカスタムチューンした専用のデモニカスーツ
黒いボディスーツに青い外套が付きヘルメットの顔部分は展開できる
ヘルメットは青く塗装された陸戦型ジムの頭部と同じデザインのもの
両腕に全長3mのワイヤーで繋がったアンカー射出機能が付いている
腰部ベルトの両側には1対のガンホルダーが付いている
コアのあるバックパック下部に専用のヒートナイフ1本を装備している
「EXAMシステム」が内蔵されており使用時はヘルムの目が赤く発光する
基本胴体部デザインはDSJに登場するアレックスの着る未来デモニカ
【EXAMシステム】
このデモニカに搭載された戦闘補助のオペレーションシステム
使用時はオートで継続的にスクカジャが4段階自身に掛かる
使用時にはヘルムのカメラアイが赤く発光しシステム音声がする
使用者の意思の他に天使の存在と人の死と殺気に反応して自動的に発動
その暴力的なまでの能力の上昇に使用者への過度な負荷があるのが欠点
生命の危機には暴走モードが発動し使用者の意思を無視して活動する
戦闘行動のAIは使用者のデータパターンの蓄積により能力が上昇する
【特製属性弾】
弾丸に悪魔を封印し普通の属性弾以上の威力を持たせたドクトルニキの作品
原作のとあるサマナーの技をヒントに再現を試みてある程度成功した
炸裂した弾丸は内部の悪魔を消滅させその効果を発揮するようになっている
主に以下の各属性の精霊と悪魔を封じて消費している
フレイミーズ(火炎)、アクアンズ(氷結)、アーシーズ(電撃)、エアロス(衝撃)
アークエンジェル(破魔)、マカーブル(呪殺)
名前:ドクトルニキ(松戸展男)
性別:男性
識別:転生者(ガイア連合)・50代
職業:ガイア連合技術部科学者
詳細:
ガイア連合に所属するマッドサイエンティスト
尾間志依子の夫でオールマインドネキの実の父親
山梨支部の技術部内で研究チームを率いて活動している
前世も現世も前職は発明家を自称する電化製品の修理技師
ガイア連合を知り現世の全部をかなぐり捨てて突撃した
天才ではあるがエドニキも引くほど行動がエキセントリック
発明家を自称するだけあり時々突拍子もない閃きを得て暴走する
オリジナルデザインのデモニカをこよなく愛する懐古主義派の領袖
容姿は幼女戦記のマッド科学者によく似ている
・敵対者
【天使ハプシエル】
レベル40 耐性:物理に強い、魔法に強い、破魔吸収、呪殺無効
スキル:福音を告げてしまう者(オリジナル)
(敵味方単体・大威力の精神属性貫通攻撃。
対象の攻撃力、防御力、命中と回避率を1段階上昇させる。
上昇効果は半日の間、継続する。
このスキルによるダメージでは死亡しない)
ラブテンプテーション(オリジナル)
(自身・自ターン開始時に敵全体に中確率で緊縛を付与する。
敵ターン開始時に以下の連動効果が発生。
「1ターンの間、最大HPと同数の防壁の効果を得る)
(防壁:効果中、受けたダメージの全てを防壁が優先して受ける)
勝利の雄叫び
(戦闘終了後に、HPMPが完全回復する)
瞬間回復
(状態異常回復の必要ターンが自動的に1ターンになる)
強靭の権化(最大HPが20%増加し、
自身が受ける攻撃のクリティカル率を50%減少させる)
五分の活泉(HPの最大値を50%上昇させる)
真・全門耐性
(万能以外の属性攻撃を受けた際、ダメージを50%にする)
耐万能
(万能属性の攻撃を受けた際、ダメージを50%にする)
詳細:召喚したメシア系天使パワーを素材にドクトルが魔改造して作製した天使
「まじしゃんずあかでみぃ」という作品の同名キャラの再現が目的だった
全身甲冑姿がオールバックの髪型にマッチョハードゲイな姿に変貌している
紫の口紅がお気に入りで両腕に羽のあるハートとラブ&ピースのタトゥー付き
平和・博愛主義者でバイセクシャルで極度のマゾヒストな性格になっている
特化した防御力と全てのダメージを快感に変えるため非常に討たれ強い
変化の結果、メシア教に対しては非常に害悪で最悪な天使となっている
攻撃方法は近づいて相手を力強く抱擁しディープキスの祝福を与えるもの
一応、天使なので4枚羽もあり飛行も出来るので移動速度も意外と俊敏
作ったのは酔った勢いとその場の勢いとドクトルと同じ声のため
1人称は「吾輩」でオネエ系の話し方をする
【テンプルナイト】
レベル34 耐性:銃耐性、破魔無効、呪殺無効、神経無効、魔力無効
スキル:ザン(敵単体・小威力の衝撃属性攻撃)
マカジャマ(敵単体・中確率で封技を付与する)
突撃(敵単体・小威力の物理攻撃)
回転斬り(敵全体・小威力の物理攻撃)
物理ブースタ(物理攻撃の威力が上昇する)
大天使の加護
(物理以外の魔法攻撃への回避率が2倍になる)
詳細:
メシア教のテンプルナイトでも選抜された精強なエリート騎士
天使人間となり普通の人間を超越した力を手に入れている
主に選ばれた騎士を自称し独善的に行動する性格の持ち主
今回の計画のために在日米軍経由で密入国していた
本名はドイツ出身のニムバス・シュターゼン
【天使エンジェル】
レベル20 耐性:衝撃弱点、破魔無効、呪殺弱点
スキル:ハマ(敵単体・小威力の破魔属性攻撃。
弱点をついた時、確率で即死を付与する)
祝福(味方全体・HPを小回復する)
パトラ(味方単体・状態異常を回復する)
断罪の調べ
(アクティブにいる間、
味方全体は破魔属性で弱点をついた時にダメージが上昇する)
詳細:
上記のテンプルナイトに付き従う最下級の天使
容姿は緑の髪の少女の姿をしている
生前は人間であったらしいが記憶は失っている
【ジャガーノート部隊】
レベル17 耐性:物理耐性、火炎耐性、衝撃耐性、破魔無効
スキル:重機銃掃射(敵全体・ランダムに1~2回の中威力の銃撃属性攻撃)
突撃(敵単体・小威力の物理攻撃)
洗脳狂信(天使、大天使以外に精神状態異常無効)
詳細:
日本の非ガイア系兵器産業の一部がメシア教に開発協力していた特務部隊
アメリカ軍の耐爆スーツを使用したデモニカのデッドコピー品の実験部隊
使用者は拉致した覚醒者を改造した生体CPUと呼ばれる改造人間
生体CPUは薬と洗脳処置と機械手術で改造された完璧な兵士で神の使徒
来る日に量産しメシア教勝利の一翼となるべく国内で開発が進んでいた
現在の生産数は8体まで調整が完了している
【ジャガーノート】
デモニカを模してアメリカ軍で使用される耐爆スーツを改造したメシア製霊装
物理耐性、火炎耐性、衝撃耐性が付与された防御力は高いが移動力の低い防具
ライセンス生産横流しの自衛隊装備用の12.7mm重機関銃M2を両手で持つ
難点はパワーアシストが不完全な為、使用には自前の筋力が必要な点
使用は専用に調整された「生体CPU」と呼ばれるメシア製の改造人間が行う
生産拠点は神奈川県藤沢市のとある電気部品メーカーの工場
デザインは洋ゲーFPSの「コールオブデューティー」のそれと同じ
ED曲:ガンダム・ジークアクス挿入歌「欲しいものすべて」
読んでくださった方がいるならありがとうございます。