ナーロッパの武器屋さんは今日もゴキゲン。 作:なふい
早めの夕飯を食べ終えたカネツグは店舗に戻り、売り場にある武器の補充を行っていく。
カネツグの持つ《武器錬成》スキルは想像どおりの武具を作ることができるチートスキルであった。
「えーと、ミスリルピックが6つ、ダークスチールのエストックが2つ、ロックウッドのメイスが1つで数モノはおーわーりっと。寝るか。」
カネツグは午後6時、風呂や歯みがきを済ませ、早々に寝入ってしまった。
「んが?」
カネツグが目を覚ましたのは深夜3時。
朝と呼ぶにはまだ暗く、外を歩く人もいない。
カネツグは朝の一杯を飲むためケトルにお湯を沸かす。
その時、店舗の方で物音がした。
ピキッというガラスを割る音と3人くらいの足音。
おおよそ泥棒であろう。
今月は初めてか…一般男性が3人相手するのはきついのよねぇ…などと思いつつナオツグは眠い目をこすり、ポリポリと頬を搔く。
「うーん…今日はこれかな。《武器錬成》警棒発光タイプ2、フラッシュライト2、フラッシュバン1、刀型折りたたみ・回転式ダブル=ブレードライトセイバー(黒)2、黒いパーカー1、黒いズボン1防刃ベスト1。」
ナオツグは錬成したものを身に着けていく……人間の手は日本しかないので錬成したものを全て持ちきれるはずがない。アホである。
「あ、持ちきれんな…吊り下げベルト1ライトホルダー腕巻きタイプ1」
右手に警棒、左手にフラッシュライト。右腰にフラッシュバン。左腰に予備の警棒。両腰に折りたたみ式ライトセイバー。右腕に予備のフラッシュライトを装着。
フルアーマーカネツグ爆誕である。
「重い…。」
予備の警棒とライトセイバー1つは置いていかれた。
やはりこいつ、アホである。
カネツグが寝起きの回らない頭で武器を身に着けていたころ、泥棒達は店内の並べてある商品を物色していた。
「おお…このミスリルの大剣は値打ちがありそうだ…」
「こっちのダガーも装飾に宝石がつかわれてらぁ…」
2人の泥棒が店内を物色し、別のひとりが居住部との通路の扉を見張り外で待つ一人が馬車の世話と外の見張りをする。
彼らはこのやり方で数々の商店の品を盗んでおり今日もうまくいくだろうと考えていた。
「あ、お客さんですか?すみません、今は営業時間外なんですよね。」
店舗の玄関から細身の男が入ってくる。
手には赤く光る棒のようなものを持っているがその先端付近が赤い液体で汚れていた。
「ちっ…ジャックがやられたか」
「奴がやられたってことは馬をやられたか…」
「どうするんだジョニー!」
盗っ人たちは武器を手にカネツグから5メートルほど離れたところに集まる。
「ヨシ、ぽぃっとな。」
拍子抜けするような声を出しつつカネツグはフラッシュバンを転がして耳と目を塞ぐ。
フラッシュバン 。閃光手榴弾やスタングレネードとも呼ばれるそれは炸裂すると轟音と閃光を出し、室内にいる敵をしばらく無力化するものである。
コロコロと転がったそれは盗っ人たちの直ぐ側まで転がり…爆発した。
閃光と大きな音が店舗に響き渡り室内いる全員は目眩で戦闘が行える状態ではなくなっていた。
そう。
やはりこいつ、アホである。