私のヒーロー葛藤物語   作:名もなき神経痛

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初投稿です。
かなり緊張しております。よければどうぞ


第1話

“個性”

 

ことの始まりはとある中国から発信された「発光する赤児」が生まれたというニュース。以後各地で「超常」が発見され、世間を賑わせた。しかし原因も判然としないまま時は流れる。

世界総人口の八割が何らかの特異体質である超人社会となった現在(いま)。生まれ持った超常的な力“個性”を悪用する犯罪者・(ヴィラン)が増加の一途をたどる中、同じく“個性”を持つ者たちが英雄(ヒーロー)として(ヴィラン)や災害、人々を救ける社会が確立されていた。

 

突如として現れた空想(ゆめ)。しかしそれも慣れてくれば現実となる。いつしか現実として受け入れた世界は順応する。個性により非日常が日常へと変わったこの世界である人間が生まれた。

 

その人間は他者とは違う感性を持ち、希少な個性を持っていた。しかし、その人間は他者とは違う感性からか自分の人生計画を立てていた。それはそんなお話……

 

 

〜〜主人公side・誕生〜〜

 

 

はい、おギャリました、誕生しましたよ。

信じられないかもしれないが私は自分が誕生したことを認知している。目の前に医者らしき人や看護師らしき人、そして母親らしき人もはっきりわかる。

これはあれか?俗に言う“転生”したことになるのか?しかし、自分という存在は理解できるが、自分が何者なのかは全くわからない。こういうのはいわゆる前世というのがあるのではないだろうか?

 

 

「あの……この子は大丈夫なのですか?全然泣かないのですが……」

「そうですね、少し検査した方がよろしかと……」

 

 

おっとまずい。このままでは精密検査などされてしまう。ならばやることは1つ……

 

 

「おぎゃああああああああ!おぎゃああああああああ!」

「あぁ、よかった!!元気な泣き声ですよ、お母さん!」

「はぁ……はぁ……うん、よかったわ、本当に」

 

 

まずは赤ん坊として徹しよう。恥を捨て、御乳を受け入れよう。まずはこの世界を知ることがやるべきことだろう。

 

 

〜〜5年後・幼稚園〜〜

 

 

はい、5歳児になりました。立派な幼稚園児です。

この私こと『全快(ぜんかい)超復(ちょうふく)』は結局、自分は何者なのがわからないまま幼稚園児になりました。しかし、この世界のことはかなり理解できました。

 

超人社会として世界が個性を受け入れた常識。ヴィランもヒーローも存在する夢物語。しかし、どちらも現実として存在する。特にヒーローなんかは所謂こどもがなりたい職業ランキング1位という憧れの職業に定着している。それは当然という他ない。生まれ持った才能と呼べる個性で世間からは名声を受けて国からは冨が貰える。そしてなにより“カッコいい”ことが重要なのだろう。

 

そんな憧れの職業に近づくには個性だけでは叶うことはない。というよりはこの超人社会を生き残るには個性を生かした立ち回りが要求される。しかし、すべての個性が受け入れわけではない。中には“異能(いのう)”と呼ばれ、人でなしとも見られる形で虐待を受けていた過去もある。それは少なからず痕跡は残っている。

けれども、今のご時世は超人社会である。個性を生かして社会に活躍するというのが定石。

しかし私は……

 

 

(めんどくさい……個性なしで社会に出たい)

 

 

今の社会にかなり否定的であった。

 

 

(というか個性ってなに?全然ピンときてないから多分前世にはなかったんだろうな。それでも、ヒーローとヴィランってなによ?漫画の世界なのこれ?)

 

 

この超人社会に恐怖を抱いている私の前世はきっと安全で平和な世界だったのだろう。故にこの世界の常識が非常識に思えてしまうのはかなりの痛手だ。いっそなにも知らない方がマシであった。

 

 

「なにしてんのちょうふく?」

「わたしがひーろーにならないじんせいけいかく」

「えー!!もったいないよ!きみならきっとすごいひーろーになるよ!!」

 

 

私の隣で腕をブンブン回している人物は『八木(やぎ)俊典(としのり)』。家が近所でもあったから赤ん坊時代から知っている仲となる。

そしてこの世界でも珍しいと言われるいわゆる“無個性”の子どもである。

 

 

「ちょうふくのこせいはきっとせかいをすくえるからぜったいになったほうがいいよ!!」

「わたしはあんぜんであんしんなあしたをすごせたらいいから」

「そのあしたをつくるのがきみのしめいさ!!」

 

 

いつにもまして私に絡んでくる俊典。去年に無個性と診断されてからはかなり落ち込んでいたが、私が励ました。そしたらより一層暑苦しくなって絡んできた。過去の私に説教したい。

 

 

「きみがいたからボクもひーろーをめざすんだぜ!だからいっしょにやろうよ!!」

「わたしはいい」

「つれないなー……でもしんじてるぜ!きみがひーろーになるみらいを!!」

 

 

ちなみに俊典は現在腕立て伏せをやりながら私に話かけている。ヒーローは身体が基本なのでは?と投げかけたところ毎日筋トレばっかりしてる。暑苦しいので離れて欲しい。

 

ともあれ俊典がヒーローになるのは大賛成だ。彼がヒーローになれば“無個性”のヒーローが誕生する。それは個性持ちよりも希少ともいえる。なのでその努力は惜しまない。そして私から離れてヒーローを目指せ。頼む。

 

 

〜〜10年後・中学校〜〜

 

 

「聞いてくれ超復!!私にも個性が芽生えた!!!」

「…………は??????」

 

 

私の計画が台無しになった瞬間である。

 

 

「いや待てお前」

「君の応援があっての個性だ!!本当にありがとう!!!」

「応援はしてねぇよ。というか個性の遅咲きにもほどがあんだろ!」

「HAHAHA!そこはご愛嬌だ超復!!!」

 

 

この筋肉バカは話を聞かないよ。日本語で話してるのに全然意思疎通が出来ないよ助けてください。

 

 

「いやこの際、どんな個性かはどうでもいい。俊典、お前は雄英高校に行くんだよな」

「ああ!!!無個性の時からA判定を貰っていたからね!!私はみんなのヒーローになると決めた!!」

「よし、それでいい。私は別の高校になるから離れ離れになる。少し悲しくなるが頑張れよ」

 

 

私は近くのヒーロー科がない高校を選んでいた。ヒーローになるには様々な資格が必要になる。それを取らなければ私はヒーローにならなくて済む。少しズレたが、このままいけば問題ない。

 

 

「なに、時間はまだあるさ。私は確信している!!君はヒーローになれる」

「いや、なりたくないんだよ」

「HAHAHA!!!」

 

 

ちなみにだが、俊典は50kgダンベルて筋トレをしながら私に話しかけている。そんなものを持ってくるな。そして私の近くで筋トレをするな。

 

 

〜〜その後・自宅〜〜

 

 

「すまん超復!!雄英に入ってくれないだろうか!!」

 

 

凄まじい勢いで土下座をかましてきた父。母はゆっくりと父の隣で土下座をする。状況が読めない。

 

 

「えと……どういう状況?」

「それはアタシが推薦したいからだよ」

 

 

私が困惑していると奥の部屋から小さなばあさんがこちらへと歩み寄ってきた。この人は……

 

 

「リカバリーガール!?」

「おや?流石にアタシを知ってるかい」

「いや、有名人ですよね?」

 

 

リカバリーガール。

個性“癒し”による怪我人などを回復するヒーロー。その活動は各地の病院や災害現場などで多大なる貢献をしており、彼女がいなければ失われた命が多数あったとも言われている。

そんなリカバリーガールだが、私個人としては絶対に会いたくない人物でもあった。

 

 

「多忙なリカバリーガールさんがこんな場所で油を売ってはいけないと思いますが……」

「いんや、その価値はあるさね全快超復‘。お前さんの個性だからアタシが来たとも言える」

「………………」

「お前さんの個性……“超快復(スーパーヒーリング)”。希少な治療系個性さね」

 

 

超快復……自身と触れた相手の怪我や病気などを短時間で完治することが出来る。また、24時間以内ならばどんな怪我でも完治することが可能。

ただし、自身が請け負ってからの治療のため、相手の怪我と病気に関しては自身の身体と精神の強さが要求される。

 

 

「災害、救助、そしてヴィランとの戦闘。この3つの請け負うヒーローは得意分野で分別出来る。けどね、その場で治療するというのがどれだけの

大切なことかわかるね?」

「……はい」

「もちろん、それで自分が死んじまっては元もこうもない。お前さん、それをわかってて隠してきたんだろ?」

 

 

言えない。めんどくさいから一般社会に行きたいという理由で隠していたなんて言えない。

よし、どうにか誤魔化してその場を乗り切ろう。

 

 

「それでも私は……ヒーローになる資格がありません。皆が切磋琢磨してヒーローを目指している中、私だけ優柔不断な行動をしていては世間が納得するわけがありません」

 

 

中々いい答えが出たんじゃないだろうか。諦めてくれリカバリーガール。

 

 

「まぁお前さんの考えも至極真っ当。どんなヒーローでも死という概念には恐怖してしまう。だけどね……」

 

 

そういうとリカバリーガールもまた静かに土下座をして、頭を床につける。

あれ?リカバリーガールを土下座させたってかなりやばくないですか?

そんな私を尻目にリカバリーガールは再び語る。

 

 

「お前さんの個性は多くの人を笑顔にすることが出来る。アタシに出来なかった事がお前さんには出来る。無様で不甲斐ない大人と思っても構わない。それでもアタシたちに協力してくれないだろうか?」

 

 

やばい、すんごく重い。こっちは恐怖というよりめんどくささが先に来てヒーローを避けてたなんて言える雰囲気ではない。

 

 

「実はな超復……父さんも母さんもリカバリーガールに命を救われた事があるんだ。1歩遅ければ父さんも母さんもいなかった。だから、恩返しとしてリカバリーガールのボランティアにも参加していた。母さんともそこで出会った。そしてお前が生まれたんだ」

 

 

すかさず爆弾発言まがいなこと言い出す父。

 

 

「父さんも母さんも強制するつもりはなかった。お前の人生を好きに生かそうと思った。それでも……超復ならリカバリーガールのように多くの命を救えると恩人が言ってくれた。だから、それに答えてくれないだろうか?」

 

 

父と母の誕生にリカバリーガールが関わっているとは思わなかった。けれど、それらしいこは言ってなかった。私の人生を尊重してくれているという愛は感じとっていた。きっとかなりの善人なのだろうな、父と母は。

……ならば、私も恩返しをしなけばなるまい。

 

 

「私にどれだけ出来るかわかりません。いまだに葛藤している人間です。それでも……ヒーローになれますか?」

「アタシが保証するよ……アンタはヒーローになれる」

 

 

リカバリーガールが力強く答えた。ならば、答えは1つ。

 

 

「全快超復……ヒーローの卵として雄英高校を目指します」

「……ありがたいよ」

 

 

 

こうして私のヒーローアカデミアが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜翌日・中学校〜〜

 

 

 

「やはり雄英に来ると思っていたぞ超復!!!これから共に雄英に向けて筋肉をつけなければな!これ、トレーニング表な!毎日頑張ろうぜ!!!」

 

 

リカバリーガールに連絡して。やっぱりやめますって




リカバリーガールは過去の姿がわからないのでそのままで行きます。
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