「待ってくださいよ、大前田四席」
「うるせぇ!さっさと任務終わらせて帰るぞ!」
とある流魂街にて二人の死神一人は二番隊四席大前田希千代、もう一人は入隊したばかりの新人、立花時雨。二人は最近流魂街にて起きている、失踪事件を調べていた。流魂街は全部で八十の地区に分かられる。数字が増えるほど治安が悪くなる。二人は流魂街の中で不幸にも一番治安が悪い地区、『更木』の調査を任された。
「なにビビってるんですか?」
「ビ、ビビってねーよ!俺はお前の心配をしてんだよ!」
「はいはい」
相変わらず大前田四席は頼りない。しかしここに長居したくないのは時雨も同じだ。更木に来てからなんだか冷汗が止まらない。そういえば最近草履の鼻緒が切れたり、黒猫に目の前を横切られたり、突然斬り殺される夢を見たり………嫌な予感しかしない。
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「手掛かり一つ出てきませんね」
「な?ここは失踪事件とは関係ねぇんだよ、帰るぞ!」
大前田四席が踵を返し隊舎へ戻ろうとする。その時声をかけられた。
「ねぇ、おじさんたち死神?」
「え?」
声をかけてきたのは桃色の髪の女の子だ。時雨にとって見覚えのある人物だ、もしこの子が時雨の予想通りなら嫌な予感は十中八九当たる。いやもしかしたら人違いかもしれない。
「そうだよ。ところで君は?」
「よかった〜剣ちゃん!この人たち死神だって!」
「ほぉ、でかしたやちる」
廃屋の物陰から女の子に剣ちゃんと呼ばれる背中に斬魄刀を背負った男が出てきた。身長は二メートルはあるだろうか。男は時雨たちの前に出てきて品定めをするかのように二人を観る。
「……何か用ですか?」
「……そっちのデブはともかく、お前は出来そうだな」
「な!?俺はデブじゃねぇ!見窄らしい
どっちでもいいんだよと男は吐き捨てる。そして斬魄刀にてをかける。あ、これ夢で見たことある、確かこの後……
「斬り合いを楽しめりゃあな!!」
「っ!?」
夢で見た通りだ、いきなり切りかかってきた。時雨は時極で相手の斬魄刀を受け止める。
「お、おい!?時雨!?」
「重い……っ!!」
「オラオラァッ!どうしたぁっ!!」
最初の一撃を防いだら男は不敵な笑みを浮かべ次から次へと切り掛かる。一撃一撃が重い、気を抜けば一瞬で命を持っていかれそうだ。
「ば、縛道の二十一『赤煙遁』!!」
「大前田四席!?」
「あぁっ!?なんだこの煙!?」
「今だぁっ!!」
二人の斬り合いを横から見ていた大前田四席が縛道の二十一『赤煙遁』で煙幕を作り出す。男の視界を奪った後大前田四席は時雨を連れて逃げる。
「何してるんですか!?」
「バカッ!!お前あいつの霊圧感じねぇのか!?」
もちろんわかっている。相手が馬鹿みたいな霊圧を持っていることそして今の時雨たちでは勝てないことを。
「わかってますでも!「おい、そいつを何処に連れてく気だ?」ー相手が逃がしてくれると思いますか?」
既に男は二人の前に回り込んでいた。
「マジかよ……」
この男は時雨を逃がしてはくれないだったらーー
「大前田四席、逃げてください」
「はぁ!?」
「早くいけデブッ!!」
「……お前後で覚えとけよ!」
大前田四席だけでも逃す。
「………ようやく邪魔な奴が消えたな」
「一応聞いておくけど、あなた名前は?」
「剣八、更木の剣八だぁ!」
最近はとことんついてない。目の前にいるの
「なにボーッとしてんだぁ!」
「してねぇよ!」
お互いの斬魄刀が鈍い音を立ててぶつかり合う。しかし剣八の圧倒的な霊圧に時雨の斬魄刀は跳ね返される。
「うぁ!?」
「もらったっ!!ーー」
「卍解っ!時極羅刹終末時計!」
危なかった。卍解して時を止めなければ確実に死んでいただろう。
「こんのっ!!」
時間が止まっている間に剣八を斬る。恐らく時雨がまともにダメージを与えられるのは止まっている時間の中だけだろう。
「ーーッ!?」
「倒しきれるわけないか……」
時間が動き始め剣八に一気にダメージを与える。
「テメェ……何しやがった……!?」
「さぁ?なんでしょう」
時間が止まっている間に逃げようとも考えたがこいつは絶対に逃してくれない。
「おもしれぇ!!」
斬られたというのに剣八はお構いなしに時雨に斬り掛かる。
「オラァ!!」
「また霊圧が!?」
剣八の霊圧がさらに上がる。死神の戦いは霊圧の戦いだこのままでは霊圧に差が広がり時雨は剣八に傷を負わせることすら出来なくなる。
「くそぉ!卍解っ!!」
再び時間を止め剣八を斬る。
「ーーーーっ!?うぉらぁ!!」
時間が動き始めると剣八は時雨が目の前から消えたのを認識した瞬間に斬魄刀を振り回す。
「まただ!また消えやがった!面白れぇ!!」
こんな状況でも剣八は戦いを楽しんでいる。
「イカレ野郎……っ!」
「うぉあっ!!」
「卍か…!あ……」
三度卍解を発動しようとする時雨、しかし卍解が発動することはなかった。
「もらったぁっ!!」
「が!?」
斬られた、一瞬だった。剣八は時雨を袈裟斬りで斬った。痛い、血はドクドク出てくる、思考がまとまらない。
「五秒…たってなかった……」
「ハァ…ハァ…やるなお前……そこそこ楽しかったぜ……」
剣八は斬魄刀と背中の鞘に納刀し帰ろうとする。その時やちるが時雨に近寄ってきた。
「……?」
「剣ちゃんとっても楽しそうだったよ!ありがとねっ!」
おい、行くぞやちる。と剣八は言う、それに対しやちる元気良く返事をして二人は何処かへと去っていった。
「く……そぉ………」
意識が遠のく一度死んだのにまた死ぬことになるとは思わなかったなぁ。あと、やっぱりーーー
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「おい!しっかりせぇ!」
あゝ……お迎えが来た……
「なにアホなこと抜かしとんねん!現実や!」
バシンッ!と勢いよく叩かれる。痛い死にそう。
「あ、ヤバ……」
あ、ヤバ、じゃないよ。
「というか、誰…?」
「うちや!猿柿ひよ里!この前会ったやろ!」
言われてみれば低身長、そばかす、関西弁、お迎えにきた天使にしてはかなり個性的だ。
「なんでここに……?」
「大前田とか言うやつが更木でお前がバケモンと戦ってて、このままじゃ死ぬって大騒ぎしとったんや」
大前田四席……ただ逃げただけじゃなかったんだ……
「ほら、とっとと四番隊に行くで」
「すいません……後日お礼……します……」
「あとにせぇやそんな事」
あとひよ里さん、身長小さいからって引きずらないでください……。
《護廷十三隊業務日記》
『後日談』
時雨「大分怪我も治ったな。今日は夜一隊長は新しい隊長就任の式典があるって言ってたから今日はお見舞いに来ないだろうし暇だな」
???「よぉ」
時雨「へ?」
剣八「久しぶりだなぁ」
時雨「ざ、更木剣八っ!?なんでここに!?」
更木「なんでってこの羽織みりゃあ分かんだろ」
時雨「隊長羽織!?まさか新しく就任した隊長って!?」
更木「かったりぃ式典に向かう途中だったが、手前ぇの事見つけちまったからにはやるしかねぇよなあ!」
時雨「ちょっと待って俺まだ怪我治りきってーーー」
更木「知るかぁ!!」
その後剣八は式典に遅刻、時雨は傷口が開き怒られた。