ディアボロス教団、フェンリル派アジト、下水道
フェンリル派アジトに侵入したウルは、下水道でアレクシア王女を見つけた。
だが、序に事の発端であるゼノンと対決する事になった。
両者が戦闘に入ろうとした時だった。
突然、漆黒のロングコートを纏った男が現れた。
「・・・・」
全身に纏った漆黒、フードを深く被り、顔は暗くて分からない。
男は間合いの一歩外で止まった。
ウル「何者だ?」
ウルは、いきなり現れた謎の男の頭上を知らず
ゼノン「漆黒を纏いし者・・・そうか、君が近ごろ教団に噛み付いてくる野良犬か!」
ゼノンの方は、男の頭上をしてるかの様に喋る。
ウル(近頃?・・・じゃさっきの爆発はこいつか!?)
ゼノンの言葉にウルは、さっきの騒動が全部シャドウの仕業と気づく。
シャドウ「我が名はシャドウ・・・陰に潜み、陰を狩る者・・・」
男はシャドウと名乗り、陰を狩る者だと言う。
アレクシア「シャドウ・・・」
ウル(シャドウ?・・・変な名前・・・)
ゼノン「小規模拠点を幾つか潰していい気になっている様だが・・・君達が潰した拠点に教団の主力は1人もいない・・・ただ雑魚を狙っているだけの卑怯者だ。」
シャドウ「どいつを狩ろうと何処で狩ろうと同じ事だ」
ウル(俺達と同じ御同業が他にも居たのか・・・てっか何で勝手な事をしているんだ・・こいつは?)
シャドウが御同業だと分かり、更に自分達より先に勝手な事をしている事に腹が立つが
ゼノン「残念だが同じにはならない・・・教団の主力は此処に居る・・・君は今日、私の手によって狩られる。」
ゼノンがシャドウに剣を向けた。
ウル(おいおい・・・俺と戦うんじゃなかったのか?)
ウルは完全に無視された。
ゼノン「次期ラウンズ第12席ゼノン・グリフィ・・・ゴーストの前に先ず君の命、ラウンズへの手柄とさせて貰おう!!」
そして、疾風の突きをシャドウに見舞う。
だが
アレクシア「はっ!?」
ウル「ん!?」
シャドウの姿がかき消え、刺突は虚空を切る。
ゼノン「なっ!?」
シャドウ「それで・・・教団の主力は何処に居るんだ?」
いつの間にか、アレクシアの横に立っていた。
ウル(こいつ・・・攻撃を瞬時に避けたのか・・・)
ウルは、シャドウがゼノンの一撃を瞬時に避けた事を見抜いていた。
王都、下町
その頃、王都の下町では暴走する化け物とそれを食い止めようとする警備兵と騎士団が戦闘していた。
警備兵「撃て!撃て!」
迫りくる化け物に警備兵はマスケット銃で応戦する。
だが、全く歯が立たず、逆に壊滅する。
騎士「魔剣騎士団!・・・攻撃!」
更に今度は騎士団が化け物の背後から攻撃し、化け物に致命傷を与えたが
騎士A「何だと!?」
騎士B「再生した?」
あっという間に再生してしまい、逆に攻撃をしてきた。
巧みに避ける騎士団。
だが、化け物の暴走は止まらない。
止めるにも逆に負傷者が増える一方。
そんな時
アイリス「はあ・・・!」
現場に到着したアイリスが化け物の巨体を一太刀で両断した。
アイリス「化け物が・・・」
騎士「アイリス様!?」
アイリス「負傷者は一旦後退・・・この区画も時期に無人になります・・・そしたら・・・はっ!?」
アイリスが騎士団に命令していると
一太刀で両断した筈の化け物が息を吹き返したごとく立ち上がる。
騎士A「再生した・・・」
騎士B「嘘だろ!?・・・アイリス様の一撃だぞ!」
アイリスに両断された部分もあっという間に再生してしまった。
化け物はアイリスへと向かってくる。
それに対して、アイリスは魔力を集中させ
アイリス「はあ・・・!!」
化け物の左腕を切り落し、
アイリス「てあ・・・!!」
更に弾き飛ばした。
化け物は倒れるも、瞬時に起き、腕も再生する
アイリス「これでも再生しますか?・・・それなら再生出来なくなるまで切り刻むだけです。」
アイリスは魔力を集中させ、再び化け物に挑もうとした。
その時
アオメ「葬る!」
アイリス「はっ!?」
突如上からアオメが現れ、再生した腕や両足を切り落とす。
化け物は動けなくなる。
アイリス「お、お前は・・・アオメ!?」
アイリスは、突然現れたアオメを見て、驚愕する。
だが、アオメは驚愕するアイリスに目を向けず、動けない化け物の方を向く。
アオメ「どんなに再生しようと、首さえ切り落とせば済むこと・・・今楽にしてやる。」
動けない化け物の首を切り落とそうと刀を構えるアオメ。
アイリス「待ちなさい!・・・これは私の役目・・・部外者は引っ込んでなさい!!」
しかし、アイリスが後ろから引っ込んでいろとアオメに言うが
アオメ「お前こそ、邪魔だ!弱者は大人しく見ていろ!」
アオメもアイリスを弱者と言って、引っ込めさせる。
アイリス「何!?」
弱者と言われ、切れるアイリス。
お互いが言い争っている間に化け物はアオメの攻撃を受けた場所を再生する。
アオメ「葬る・・・」
再生した化け物の首を切ろうとするアオメ。
だが
「それが、苦しめるだけだと何故わからない!」
アイリス「!?」
アオメ「!?」
突然、漆黒のボディスーツを身に纏った女性が現れ、アオメはふっと止まる。
アイリス「何者だ」
いきなり現れた謎の女性にアイリスが問う。
アルファ「アルファ!」
女性の名前はアルファとそれだけ言って、化け物の方を向く。
アオメ「・・・・」
アオメは、アルファに任せるかの様に刀を下ろす。
再生した化け物がアルファに向けて一撃を与えるが
瞬時に視界から消え
アイリス「奴は?」
アイリスが探すと
アオメ「上だ!」
アイリス「はっ!?」
すると、上から落下した状態で降下するアルファの姿が有った。
アルファ「可哀想に・・・痛いでしょう!・・・もう苦しむ事はない!」
化け物に語りながら、漆黒の剣を構える。
アルファ「もう苦しむ事はない!・・・悲しむ事はない!」
強大な魔力を集中した漆黒の剣で化け物を一刀両断し、強大な魔力の爆発が起きる。
アイリス「はっ・・・!?」
アオメ「・・・・」
強大な魔力の爆発に2人は唯見ている事しかできず
やがて、爆発の中で化け物は、段々元の少女へと姿を変え、その場に倒れる。
アルファは、その少女に近づく。
少女の手には、ペンダントが握られていた。
アルファは、少女のペンダントを回収する。
アイリス「貴様は・・・」
呆然と見ていたアイリスが問うが、アルファはその場を去ろうとする。
アイリス「ま、待て!」
それにアイリスが待ったをかけるが
アルファ「観客は観客らしく舞台を眺めているだけで満足していなさい・・・我ら・・・シャドウガーデンの邪魔をするな・・・」
と言って、煙の様に消えた。
アイリス「シャドウガーデン・・・」
シャドウガーデンの言葉を気にしていると
アイリス「!?」
アオメの事を思い出し、辺りを見回すが、既にアオメの姿も消えていた。
そんな中
ボーン!!
アイリス「はっ!?」
突然後ろからの爆発が起き
アイリス「其処かしこで・・・アレクシア!・・・一体何所に!」
妹アレクシアの安否が心配に成り、探すアイリスだった。
ディアボロス教団、フェンリル派アジト、下水道
一方、フェンリル派アジトの下水道では、シャドウとゼノンが死闘を繰り広げていた。
ゼノン「ふぅ!」
シャドウ「・・・・」
両者とも譲らず
ゼノン「成程、少し見くびっていた様だ・・・小規模とはいえ幾つもの拠点を壊滅させただけの事はある。」
シャドウの強さに感心しているゼノンは
ゼノン「見せてあげよう・・・これが、次期ラウンズの力だ!!」
そう言って、自身の強大な魔力を見せつける。
アレクシア「何て魔力!?」
ゼノンの魔力に驚愕するアレクシア。
ウル(確かに魔力だけは強い・・・だが・・・)
しかしウルは驚愕しない
何故なら
ゼノン「ハア・・・!!」
ゼノンが強大な魔力で、シャドウに挑む。
ゼノンの魔力にシャドウが押されているかの様に見えたが
ゼノン「はっ!?」
シャドウに容易く受け止められ、逆に肘で殴られ
ウル(それだけの事だ。)
その場に倒れる。
アレクシア「強い・・・」
シャドウの強さに驚愕するアレクシア。
ゼノン「くそ!」
シャドウに敗れた事に悔しがるゼノンだが
そんなゼノンにシャドウは剣を向け
シャドウ「来ないのか・・・次期ラウンズ?」
と言って、ゼノンを挑発する。
ゼノン「くぅぅぅ・・・!」
それに対して、ゼノンは怒り狂うが
ウル「止めておけ!お前じゃ、こいつに勝てない!」
それにウルが待ったを掛ける。
ゼノン「何!?」
ウル「確かにお前は強いが、所詮はその程度・・・時期ラウンズには遠く及ばない!」
ウルは、ゼノンの魔力と強さを見て、時期ラウンズには遠く及ばないと警告するが
ゼノン「だ、黙れ!!・・・私がラウンズには遠く及ばないだと?・・・ふざけるな!!・・・私は時期ラウンズだ!!」
ゼノンはウルの警告を聞かず、自分は時期ラウンズだと言い張りながらシャドウに再び挑む。
ウル「ああ・・・警告したのに・・・」
ウルがガッカリしながらも戦闘は激しさを増す。
アレクシア「卓越を超えて、超越した剣技・・・でも、その根本に有るのは・・・凡人の剣!」
両者の戦闘を見て、アレクシアは、ある事を思い出す。
アレクシア「幼い頃、私が夢見た・・・馬鹿げた理想の剣・・・姉様の様に剣の才能がなくたって、ひたすら努力すれば、姉様の様に強くなれると信じていた・・・でも、どれだけ努力しても天才には届かない・・・何時だって姉様と比べられて笑われるだけ・・・力も才能も無い、持たざる者の剣・・・凡人の剣と・・・でも捨てられなかった・・・基本を愚直に積み重ねるしかないこの剣を・・・私は・・・この剣が・・・「貴方の剣が好きよ!」・・・はっ!?」
それは、かつて自分が夢見た馬鹿げた理想の剣であり、一度は捨てようとしたが、捨てられず基本を愚直に積み重ねた剣の姿だった。
それを思い出すと、昔姉のアイリスに言われた言葉も思い出す。
そんな中
ゼノン「てはぁ・・・!?」
シャドウの一撃に勝負は決した。
ウル「勝負ありだな!」
シャドウの一撃を食らい、その場に膝をつくゼノン。
ゼノン「貴様、何者だ!・・・それだけの強さがありながら何故正体を隠す!」
ゼノンの言う通り、シャドウ程の強さがあれば、富も名誉も思うがまま
正体を隠さなければ、その強さも世界に知れ渡る。
ウル(確かに・・・こいつにはそれだけの強さが有る・・・)
ウルも同じ事を思っていたが
シャドウ「我らはシャドウガーデン・・・陰に潜み、陰を狩る者・・・我らはただ、それだけの為にある。」
ウル(だが、俺達と違って、大義も守る者も無い・・・唯・・・戦いを楽しんでいるだけ・・・)
ゴーストと違って、唯戦いを楽しんでいるだけだとシャドウの考えを。見抜く。
ゼノン「正気か貴様・・・!」
ゼノンとシャドウの視線がぶつかる。
アレクシア「シャドウガーデン・・・ゴースト・・・教団とか・・・一体何なの?」
アレクシアは、何故彼らが戦っているのか、その理由も目的も何も分からない。
血、魔人、教団、シャドウガーデン、ゴースト
キーワードはいくつもあるが
その意味がアレクシアには分からず、狂人の戯言だとしか思えなかった。
しかし、もし戯言ではなかったとしたら
世界の裏側でアレクシアの知らない重大な何かが起きているのだとしたら。
ゼノン「ふふ・・良いだろう・・・貴様が本気だと言うのなら、私もそれに応えようじゃないか!」
ゼノンはそう言って懐から赤い錠剤が入ったビンを取り出す。
ウル「今度はディアボロスの雫か?」
赤い錠剤を見て、ウルは何なのかを知っていた。
ゼノン「これによって、人は人を超えた覚醒者となる・・・しかし常人であれば、その圧倒的な力に耐え切れず、死に至るが・・・」
ゼノンは錠剤を一気に飲み込んだ。
次の瞬間
ゼノン「う、うう・・・うわぁ・・・!!・・・くわぁ・・・!!」
先の魔力より強大な魔力を放ちながら、超人へと体が変化した。
ゼノン「覚醒者3rd・・・この力を制御できる者こそ選ばれし者・・・ラウンズの資格を得るのだ!」
最強の力を手にしたゼノンは、その力を見せつけながら
ゼノン「最強の力を・・・見せてやろう!!」
シャドウに挑む。
最強になったゼノンに今度のシャドウも駄目かと思いきや
シャドウ「醜い・・・」
圧倒的なゼノンの一撃を容易く受け止めた。
『!?』
シャドウ「その程度で最強を騙るな・・・それは最強への冒涜だ!」
そう言いながら、ゼノンの剣を受け流して、素手で顔面に一撃を加え
ゼノン「くそ!・・・え!?」
更に2,3発加えながら追い詰めていく。
ゼノンは応戦するもまるで子供の喧嘩の様にやられる。
ウル「ガッカリだな・・・ディアボロスの雫を出してもその程度か・・・やはり所詮は弱者だな!」
追い詰められるゼノンを見て、ウルはディアボロスの雫を使ってもゼノンは所詮は弱者だと確信する。
そんな中
シャドウ「借り物の力で最強に至る道はない!」
突然、シャドウの周りが青く光る。
シャドウ「遊びは終わりだ!」
シャドウの周りに魔力が集中して行く。
ウル「嫌な予感がしてきた・・・」
魔力が集中するのを見て、ウルの頭に嫌な予感が走った。
シャドウ「何だ、これは・・・これが魔力なのか?・・・だが、こんな・・・個人の魔力でこんな?」
シャドウの圧倒的な魔力にゼノンは驚愕するも
シャドウ「かつて・・・核に挑んだ男がいた・・・男は肉体を鍛え、精神を鍛え、技を鍛えた・・・だが、それでも届かぬ高みが有った・・・しかし、僕は諦める訳にはいかなかった・・・だから修行を重ねた果て、一つ答えに辿り着いた・・・核に蒸発しない為にも・・・自分が核に成れば良い!」
シャドウは、自分が最強に辿り着いた経緯を言い張る。
ゼノン「この巨人が・・・!!」
それでもゼノンは、シャドウに立ち向かうが、シャドウの強大な魔力に自身の剣が粉々に粉砕されてしまう。
ゼノン「え・・・ええ・・・!?」
ゼノンはシャドウの魔力に恐れをなし
シャドウ「真の最強とは何か・・・その眼に刻め!」
シャドウは、剣を構え
シャドウ「これが我が最強・・・」
ウル「不味い!」
ウルは急いでその場から退避する。
シャドウ「アイ・アム・・・アトミック!」
シャドウの言葉に魔力が収束した途端、強烈な光を放ち
その光にゼノンは巻き込まれ
アレクシア「はぁ・・・!?」
後から来た衝撃波と爆風でアレクシアは吹き飛ばされる。
そして、その膨大な魔力の爆発は地上まで上がり、王都が青紫に染まった。
屋根の上
ユーリ「・・・・」
アオメ「ん・・・」
屋根から状況を見ていたユーリとアオメ。
とある塔、最上階
リュドミラ「な、何が起きてるの!?」
リーゼ「ウル・・・」
強大な爆発に何が起きているのか分からず、ウルの安否を気にかける。
やがて、爆発は収まり、後には強大なクレーターが出来ていた。
ディアボロス教団、フェンリル派アジト、下水道
アレクシアは一人立っていた。
彼女の前には、戦闘していたシャドウやゼノンの姿はなく
唯目の前に巨大なクレーター出来ていた。
しばらく立っていると
アレクシア「!?」
足元にボロボロの剣が落ちていて、アレクシアはそれを拾い。
シャドウの剣技をマネするかの様に剣を振るう。
その時
アイリス「アレクシア!」
アレクシア「はっ!?」
アレクシアを探していたアイリスが現れ
アイリス「アレクシア!」
見つけたアレクシアに抱き付く。
アイリス「無事で良かった!・・・ホントに!」
アレクシア「!!!!」
自分を探しに来てくれたアイリスに驚愕するも
アイリス「はっ!?・・・ご、御免なさい!!冷たいでしょう?」
突然抱き付いた事でアレクシアの体を心配するアイリス。
だが、アレクシアは気にせず、唯姉に抱き付きながら
アレクシア「ありがとう・・・アイリス姉様!」
自分を探しに来てくれたアイリスに感謝する。
その後、アイリスは救助したアレクシアを騎士団の元へと連れて行った。
2人がその場から居なくなった後
ウル「ふぅ・・・」
地面からウルが影の様に現れ
ウル「全く・・・派手にやりやがって・・・だが、面白い男だった・・・シャドウ・・・また会おう。」
そう言って、騎士団が来る前に再び影へと消える。