なお、ライバルリー・バトルについては少し時間をください。
まだチームメイトすら決めれてないです
試合の翌日に絵心から告げられたのはフィジカル強化トレーニングをこなしてもらうだった。期間は未定。ただし、トレーニング期間中に一切ボールを使用してはならない。違反もしくはトレーニングについてこれない奴も退場させるというものだった。その上で最底辺・伍号棟で勝ち上がったくらいで思い上がるな。自分たちが底辺であることを自覚しろと告げると絵心を表示していたモニターが切られた。
その日から地獄のフィジカルトレーニングが始まった。異常なまでの体幹、フィジカル、そしてスプリント走と耐久ラントレーニングをそれぞれの選手に合わせて組み立てられ、超回復も考慮された特別メニューだった。
あまりの過酷さにフィジカル弱者であるイガグリや潔などは初日から食事することが辛く、寝つきが悪かったという。(支給されたプロテイン等だけで過ごしたらしい)
そんなトレーニングが三日も続けば全員が寝ても疲れが抜けきらず、フィジカル弱者たちが食事もまともに取れず、遂には吐き出す有様だった。
五日立つ頃にはフィジカル強者たちも食事がまともに取れず、早めに就寝しようとしても寝つけず、寝ても身体の内側に疲労がたまっているのを感じるようになる。
そこから先はほぼ精神力で何とかトレーニングメニューをこなし、無理やりプロテイン等を流し込み、シャワーを浴びて、寝るだけの生活だった。
そして十日目、唐突にトレーニング期間は終わりを告げるアナウンスが館内に放送された。疲れ果てた表情を浮かべた俺たちはアナウンスに導かれるままに地下中央エリアに向かう。地下中央エリアから出た先は他棟の選手たちが揃う開けた場所だった。
他棟の選手たちの様子を見て疑問点が浮かんでくる。明らかに自分たちのようにへとへとの状態なのだ。そしてランキングと所属を確認して驚愕する。どれもこれもランキング下位で、所属がV~Zの人間しか見当たらないのだ。
「やぁやぁ、才能の原石共よ。フィジカル強化トレーニングおつかれ」
その言葉と共にモニターに絵心の姿が映し出される。そして語られる事実。
ブルーロックには壱、弐、参、肆号棟が存在せず、伍号棟しか存在しないこと。
全ては世界一になるためのハングリー精神を育むために仕組まれた嘘だったこと。
世界一になるためのゴールへのハングリー精神を手に入れるために行われたこと。
この十日間で育まれたハングリーこそが世界を変えるエゴとなること。
「さぁ、二次
二次
そしてざわめきと様子見の雰囲気が流れる中で一人の男が衝撃のパフォーマンスを披露し、1stステージの扉の向こう側に消えていく。男の名前が表示されるとイガグリがひどく動揺した様子を見せるが、潔の言葉を中心に自然と円陣を組んでいた。
お互いの健闘を祈りつつ、潔が真っ先に扉の向こう側に消えていく。残された俺たちは1stステージに向かう順番を決めると各自ウォーミングアップをしていく。
うん。確かに疲労はあるけど、状態は悪すぎるほどじゃない。これなら集中すれば普段通りのパフォーマンスを発揮できる。そうやって自分のコンディションを確認してからボールを使って身体をほぐしていく。
「吉良。次、お前の番だぞ」
「わかった。ありがとう」
ボールを片付けて順番待ちの列に並び、順番が来たら1stステージの扉の向こう側へと進んでいく。そして出た先は高画質パネルに四方を囲まれた部屋だった。ブルーロックのマーカーがある場所に立つとボールが壁側から射出されてきた。
とりあえずそのボールをトラップすると人型のホログラム…ブルーロックマンが表示され、背後のパネルにゴールゾーンが表示される。そして一定時間ごとにライトアップされているエリアが縮小していく。
なるほどつまり時間内にシュートを決めろってことね。そこまで判断すると利き足でゴール右上隅を狙って新しい最速のシュートしてみる。ブルーロックマンは想像を超える俊敏とダイナミックでシュートをセーブしようとするが、ボールに手は届かずにゴールエリアにシュートが着弾する。すると高画質パネルにゴールの演出が表示され、上部のパネルに残り時間とクリアまであと99ゴールという文字が表示される。
そこからは前後左右に表示されるブルーロックマンの位置を確認して、壁から射出されるボールの落下点を予測して移動して、ダイレクトシュートを撃つ。これを機械的に繰り返していく。
変化があったのは30ゴールを決めた後だった。ホログラムの数が増えたのだ。劇的に何かが変わったわけじゃない。落ち着いてプロセスを組み立てなおす。
射出されるボールの落下点を予想して、ホログラムの位置を確認しながらこれまで通りのダイレクトシュートとワントラップで位置をずらしての最速のシュートを組み合わせて行く。
最速のシュートは狙いが甘いからたまにミスするようになった。ブルーロックマンにセーブされたり、枠内を狙えなかったりだ。原因は…おそらくインパクトだな。それを改善するためにインパクトの瞬間まで脱力してミートに集中する。よし!狙い通りのコース!ゴール演出よりもコースをしっかりと狙えたゴールということにほっとする。少し強引だが最速のシュート感覚を身体に覚えこませるために、ワントラップからのシュートを繰り返す。
60ゴールを決めた後に、最後の変化が訪れる。LvMaxの表示とともに、DF代わりのホログラムがランダムに動き出し、供給されるボールの質が実戦さながらの回転とスピードになったのだ。
ここからペースがガクッと落ちることになる。コースを狙おうとするとランダムな動きをするDF代わりのホログラムにボールをぶつけるようになったのだ。
原因はわかりやすい。最速のシュートは相手のDFを反応させないことが前提なんだ。それなのにランダムで動いてるからどうしてもホログラムにぶつかるケースが増えてくる。どうするダイレクトシュートと普段のシュートなら問題なくゴールを奪える自信はあるが…いや、それは逃げの思考だな。逆に普段通りのシュート感覚を最速のシュートでもできるようになればいい。
そうと決めたら原点回帰だ。もう一度射出されるボールの落下点を予想して、ホログラムの位置を確認しながらワントラップで打ちやすい位置にボールを配置。そして最速のシュートに回転をかけていく。今度は曲がりすぎたけど、これを新しくインプットして再チャレンジしていく。
全員の1stステージの状況をリアルタイムで観察していた絵心とアンリはこの様子をしっかりと見ていた。
「上達する子は如実に上手くなってますけど、吉良くんの場合は何かを試行錯誤しながらのミスが増えてきましたね。彼のシュート技術ならあっさりとクリアできそうだったのに…」
「吉良の場合、チームV戦で身に着けた新しいシュート感覚を試している感じがするね。まあ、根本の理由はそれだけじゃないだろうけどね。彼の場合、ゴールを奪うまでのプロセスを描くのが秀逸すぎたんだよ」
そして絵心は吉良がゴールを奪う場合に行っていただろうプロセスを推測交じりでアンリに解説する。そして、この1stステージをクリアすれば彼がより純度の高いストライカーに変貌していると最後に付け加えた。
映像の中で吉良が何かを掴んだのだろう。また爆発的なスピードでゴールを量産し始め、最後にドライブシュートで100ゴール目を奪う姿が映し出されていた。
ライバルリーバトルの最後の相棒
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蟻生十兵衛
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時光青志
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黒名蘭世
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剣城斬鉄
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氷織羊
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西岡初
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二子一揮
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その他(活動報告へ)