吉良涼介のブルーロック(仮)   作:たかみね

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更新が遅くなってしまい申し訳ありません。


「「No.1は俺だ!!!!」」

1stステージを突破した俺はガイドが示すとおりに進んでいくと小さな部屋でもうすでにクリアしていたと思われる人間が待っており、三人一組でチームを組んで先に進めと液晶で表示されていた。

 

(なるほど。次は3VS3のシチュエーションが濃厚ってわけね)

 

そこまで推測したところで声をかけられる。

 

「お前が日本の宝とか言われてる吉良涼介か?」

「名前ぐらい名乗ったらどう?」

 

俺はそう言いつつも声をかけてきた人物に見覚えがあった。1stステージに真っ先にチャレンジした男。確か名前は…

 

「ちっ…糸師凛だ」

 

律儀に名乗りつつも友好的ではない雰囲気。むしろ若干の敵意を感じる。

 

「それで糸師くんは何で俺に声をかけてきたの?チームを組もうという雰囲気じゃないよね?」

「俺と一対一で勝負しろ」

 

そう言いつつ真っすぐと見つめてくる糸師くんには、強者だけが持つオーラのようなものがあった。それにあの1stステージの前で見せたキックセンス。どこか俺を見通すような瞳。

 

間違いなくブルーロックで出会った中でも上位クラスの人間だ。

 

そこまで他人事のように考えながらも、俺の選択はNOだった。

 

「…俺に何もメリットがない勝負は、悪いけど時間の無駄だから受ける気はないよ」

「万が一、俺がお前に負けたら、お前とチームを組んでやる」

 

自分は誰にも負けないという自負。そして自分の実力に対する自信がその言葉には込められていた。

 

「そこまで言うのならやろう。ただし俺が納得するレベルじゃなければチームは組まない」

 

その言葉に糸師くんは怒りを感じたようだけど、俺にしてみたらチームV戦で開眼したネオ・ヴィジョンを様々なシチュエーションで使えるようにするために、少しでも実戦経験を積みたいのが本音だ。

 

「ついてこい」

 

それだけ言うと糸師くんは背を向けて歩き出したので、ネオ・ヴィジョンをどう一対一に応用するのかを考えながら、おとなしくついていく。

 


 

案内された先にあったのは、1stステージのような部屋だった。

 

俺たちが入室したことがキーなのか、GKのホログラムが表示される。

 

サイズ的におそらくペナルティエリア内と同サイズ。この条件なら単純に一対一の強さや駆け引きが求められる。

 

「…ルールは?」

「キックオフシュートは無し。先に3点を取ったほうが勝ちだ」

「OK。それでいいよ」

「先行はくれてやる」

 

そういって俺に向かってボールを放って渡されたので、いつもの感覚でトラップするのと同時に糸師くんが距離を詰めてくる。

 

「あー、そういう感じね」

「戦場に試合開始のホイッスルはない」

 

軽口を叩きながらもドリブルとシュートに対応できる絶妙な距離感。俺は大人しくバックロールからの方向転換と見せかけて逆方向にボールを押し出すけど、簡単についてくる。

ネオ・ヴィジョンで糸師くんのことを観察しながら目線やボディーフェイントを織り交ぜながらタッチ数をあげていく。

 

「ちっ」

 

少しずつ糸師くんの動きに綻びが生じてくる。それに合わせるように一つ大きなフェイントを入れて急速に方向転換をしながら斜めに切り込んでいく。

これにも糸師くんはついてくるけど、俺のストップ&ゴーからの切り返しには流石に重心がずれる。この機を逃さずに身体をねじ込みながら最速のシュートでゴールを狙う。

 

「なに!?」

 

糸師くんがシュートブロックを狙うけど、最速のシュートはネオ・ヴィジョンで取得した未来に相手を介在させないシュートだ。

シュートブロックされる前に、俺が放ったシュートがゴールに突き刺さる。

 

GOAL!

 

「まずは1点だね」

「…思ったより食い応えがありそうだ」

「消化不良起こさないでくれよ?」

「ほざけ。No.1は俺だ」

 

ReSTART!

 

今度は糸師くんがその技巧を見せつけてくる。どこか合理的でありながら、自分の方が上だと見せつけるように緩急を生かしたドリブル突破を図ってくる。

俺はどちらかというとシュートブロックを念頭に入れた距離を保ちながら糸師くんにプレスをかける。

あのデモンストレーションを考えるとすでに糸師くんの射程距離内だからこその対応だった。

 

糸師くんのキックフェイントからのバックロールに反応すると、逆足でボールを押し出しながら急加速してくる。

これには流石に反応が遅れてしまった。だからこそ糸師くんのシュートをブロックすることができず、最後の悪あがきにチャージするが、体幹の強さで跳ね返されてしまった。

 

GOAL!

 

「これで同点だ」

「まだ同点の間違いでしょう?」

 

ReSTART!

 

先までの攻防ではっきりしたのは実力はほぼ同等。

 

 総合的なスピードは俺の方が上

 総合的なフィジカルは糸師くんの方が上

 テクニックはほぼ互角

 

それは糸師くんも感じたのか、先ほどより若干距離をおいてくる。

だからこそ俺は細かくタッチ数をあげながらフェイントをかけていく。

 

そして大きなフェイントにわずかに反応してしまったことをネオ・ヴィジョンで捉えた俺は、糸師くんにダブルエラシコからの急加速で仕掛けて得意シュートエリアに侵入すると、迷わず右足を振りぬいていた。

 

GOAL!

 

「悪いけどNo.1は俺のものだよ」

「…調子に乗るな」

 

ReSTART!

 

俺は半身になって、腰を落とし、糸師くんのシュートコースを限定しながら的確な距離を保ちつつプレッシャーをかけていく。

一対一でのネオ・ヴィジョンは相手の予兆を逃さず捉えることができるけど、相手のスペックや癖、思考を冷静にインプットしないとフェイントにも反応してしまう。

 

だからこそ糸師くんの思考や癖をキャッチしろ!

頭をフル回転させながら今までの糸師くんの言動やプレイを元にプレイを予測していく。

糸師くんのテクニックは極上だが、プレイスタイルは合理的だ。

だが、その欠点は負けず嫌いで、自分の方が上だと考えてる部分だ。

 

(つまり糸師くんは、今回の勝負だと合理的に考えながらもテクニックは、自分が上だと見せつけるプレイが多い)

 

ならば俺がするべきことはどんどん単純になっていく。

 

糸師くんの合理的かつ見せつけるようなフェイントにだんだん俺は反応しなくなる。

むしろフェイントを誘導しながら、プレッシャーを強めていく。

そして…シュートエリアを誘導していく。

 

誘導されていることに気が付いたのか、糸師くんがフィジカルとテクニックを生かした強引な突破を試みるけど、俺の予測の範囲内だ!

 

俺は乱暴になったボールコントロールの一瞬をついて身体を糸師くんとボールの間に滑り込ませてボールをカットする。

 

「どうやらこのターンは俺の勝ちみたいだね」

「ちっ…次はお前の攻撃だ」

 

ReSTART!

 

ネオ・ヴィジョンの一対一での使い方がわかってきた。

 

周辺視で多くの情報を入手するネオ・ヴィジョンは、わずかな動作も見逃さない代わりにフェイントにも反応してしまう。そのためにフェイントと実際の突破やパスなどを切り分けるためには、相手の思考や癖を中心に考えないとダメなんだ。

 

そこまで考えて初めてネオ・ヴィジョンは一対一でも有益なスキルになる。

守備ではネオ・ヴィジョンの有益性を実証できた。なら次は攻撃での実験だ。

 

俺のプレイスタイルの変化に糸師くんは戸惑っている。今までの緩急とテクニックを中心にしたドリブルから、テクニックと閃きを中心とした技巧ドリブルに糸師くんの合理的思考は戸惑いを覚えている。

 

さあ、糸師くんの合理的思考を俺のファンタジーが上回れるか勝負だ!

 

俺はあえて糸師くんに向かって突っ込む!

そして俺がヒールリフトの体勢に入ったことで、糸師くんは距離をおいてのDFに切り替える。

確かに普通のヒールリフトは、スペースがなければ死にスキルだよ。

 

だからこそ俺はボールを腰ぐらいの高さに浮かせるぐらいに留める。そして一気に加速しながらもうもう一度踵でボールを浮かせる!!

 

糸師くんには、タイミングがずらされて急にボールが現れたように見えたのだろう。反応が若干遅れる。俺はボールの落下地点に移動しながらダイレクトシュートの体勢に入るが、糸師くんも遅れながらシュートブロックの体勢に入る。普通のダイレクトシュートなら確実にシュートコースを限定し、GKが止められる可能性のあるプレイ。

 

その中で俺が選択したのは…トラップだった。これは完全に糸師くんの思考を上回っていたのか目を見開いている。そして俺の最速の振りからのグラウンダーシュートがゴールに吸い込まれていった。

 

 




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