お話を整理するためには、こういう話も必要ということで勘弁してください。
毎日投稿出来たらしたいけど、文字数が少なくなりそう。
それでもいいよっていう人は教えてくれると嬉しいです。
入寮テストの"オニごっこ"を終えたばかりの俺は若干意識を飛ばしかけていた。
まあ、近距離からダイレクトシュートを顔面で受けた状態から、無理やりヘディングシュートをしたのだからしょうがないことだろう。
沈黙がまだ部屋を支配している。
そんな重苦しい沈黙は、わざとらしい拍手と共に絵心甚八がモニターに表示されたことで霧散した。
「お疲れ、才能の原石共よ。ここでは結果が全てだ」
「敗れたものは出ていけ! 成早朝日、失格!!」
この言葉で今更ながら成早くんは"オニごっこ"の敗者が自分だということを認識したが、受け入れることはできない様子だった。
「ちょ、ちょっと待ってよ。確かに最後にボールに当たったのは俺だけど、吉良くんがボールを打ち返したとき、間違いなくタイマーは"ゼロ"だった」
俺は間違っていないという様子で周りを見渡しながら絵心に言い返していた。
「それにオニごっこは単なる遊びじゃないか!?これでフォワードの何がわかるっていうんだよ!!?」
「ブルーロックにサッカーと関係ないことなんか一つもねぇよ。周りをよく見ろ凡人」
「え?」
「その部屋の広さは16.5×40.32m。PAと同じサイズだ。そしてサッカーには、アディショナルタイムが存在する」
妙な既視感の正体はそれか!!
驚いた様子で未だに周りを見渡していた俺たちのことを無視した様子で絵心は更に追撃となる言葉を続けた。
「言わば後半アディショナルタイム、主審が笛を口元に咥えた状態の中で、吉良はラストワンプレーとして身体を投げ出してヘディングシュートを放った状態だ。主審によって判断は異なる可能性があるが…ブルーロックでは、俺がルールだ」
その言葉に何を言い返そうとしたが言葉が見つからなかったのだろう…敗者である成早くんが項垂れた様子で部屋を退出していく。
改めて最後の状況を言われた俺は、明らかに冷や汗を流していることを感じていた。
「ストライカーとは、全責任を背負い、最後の一秒…いや、試合終了の笛が鳴るまで戦う人間のことですよ。そういう意味で倒れたイガグリではなく、自分よりランキングが上の奴を倒そうとした潔世一。そこからボールを奪い、一番強い敵を倒そうとした蜂楽廻。そして、最後のチャンスをつかみ取ろうと足掻いた吉良涼介。常識にとらわれず、自分が考える勝利のために足掻く執念。それこそが俺の求めるストライカーのエゴイズムだ」
それは確かにまぎれもない絵心の賛辞だった。
そして改めて生き残ったということを認識した俺は成早くんを蹴落としたという罪悪感と…抑えきれない昂りを感じていた。
「これがブルーロック…こんな理不尽がこの先も続くのか…」
誰に聞かせるわけでもない独り言のつもりだったが、絵心には聞こえたようだ。
「理不尽…?
「まさに人生をかけたデッドオアライブということかよ…」
「そうですよ。どうですか?生まれて初めて人生を賭けて戦った気分は?ビビったろう?シビれたろう?これがブルーロックの常識だ」
確かに俺たちがやってるサッカーは勝敗がはっきりさせるためにPK戦まであるスポーツだ。
だが、自分のサッカー選手としての人生をかけてやるかと言われたら覚悟ができていなかったのかもしれない。
俺が所属する青森星蘭は去年三冠を達成した最強のチームだった。
それがどれだけの選手のサッカー人生を終わらせた結果なのかを俺は確かに認識した。
絵心は特徴的な笑みを浮かべて、これが勝利だと告げた。
敗者は去り、勝者のみが生き残るサバイバルゲーム。
俺たちに絵心は時に協力し、時に裏切り、夢を削り合うライバルとなる
緊張が途切れたのだろう気が付いたら座り込んだ俺に潔くんが話しかけてきた。
「…吉良くん、ごめんね。急にボールが来たから…気が付いたら…」
「…気にしないでいいよ。潔くん。これがブルーロックだということがよく分かった」
驚いた様子の潔くんが蜂楽くんにも何か言ってるけど、俺は自分の中に存在する呪詛の正体がわかった気がしてそれどころではなかった。
だって、俺の中の呪詛は歓喜の声を挙げているのだから。
もっとだ。もっとよこせ。我こそが世界一のストライカーになるのだ。
数々のモニターが壁一面に取り付けられた部屋に絵心甚八はいた。
そこで本日の入寮テストの結果を再度確認し、特別目についた
糸師凛、士道龍聖…凪誠士郎、潔世一、蜂楽廻、吉良涼介。
失格した選手たちの出発までを見送った帝襟アンリは、そんな彼に失格者たちが出発したことを報告にやってきた。
「絵心さん、失格者を送り出しました。…どうですかめぼしい選手はいましたか?」
「おかえり。そうだね…ランキング上位者は基本的にいい動きをしてくれたし、下位の選手でも面白い選手が何人かいたよ」
基本的に物事を客観視して評価する絵心をして面白いという評価を得た選手はそれなり長い時間をサポートしてきたアンリをしても意外だった。
「その面白い選手というのはどんな選手なんですか?」
「見たほうがわかりやすいだろう。モニターに映すから見ててご覧」
そう言って表示されたのは、倒れた五十嵐を無視した潔、ボールを奪い部屋の中で一番ランキングが高い吉良を狙った蜂楽、そして最後まで足掻いた吉良の姿だった。
「なるほど。確かに常識に捉われないで自分の中の基準で動いた二人と最後まで諦めないで足掻いた彼は目を引きますね」
「だろう。前者二人は良いエゴイストに育ちそうだし、最後の彼は招集した甲斐があったというものだ」
「?…あ、彼は青森星蘭の選手ですか!県大会の成績も特別目を引くものではなかったから、実績に比べてランキングが低くなったんですよね」
吉良の成績は3試合全試合に出場したが、リードが広がると相棒の10番と一緒にベンチに下がることが多かった。
「ストライカーは結果が全てだよ。直近の成績を見たら低くなるのは必然だし、裏ルールで全チームに
「総当たり成績が悪くても、個人成績で1次選考を上がれるからでしたよね」
「ブルーロックは結果が全て。チャンスは与えたのに上がれないのなら、しょせんそこまでの器だったということだ」
成早くんのファンの人ごめんなさい。
ライバルリーバトルの最後の相棒
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蟻生十兵衛
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時光青志
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黒名蘭世
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剣城斬鉄
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氷織羊
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西岡初
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二子一揮
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