吉良涼介のブルーロック(仮)   作:たかみね

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チームX戦の結末

チームZは後半開始と共に、予定されていたポジション修正を行った。しかし、チームXも同じようにポジションを修正してきた。チームXの狙いは明白だった。5-4-1のフォーメーション。

絶対に自分のエリアは守り、馬狼にボールを集める。馬狼がカウンター要因かつ攻撃のスイッチャーとなり、二列目がサポートに動くという作戦。

 

それに対してチームZの後半の戦術は久遠、我牙丸が高さを生かしたポストプレーをして、こぼれ球を味方が回収。そこからは、それぞれの武器を生かして攻めるという単純なパワープレーだ。

後半戦のキーマンは雷市だった。豊富な運動量でどこにでも顔を出す彼がボールを持つことで、攻撃のスイッチャーとなり、前線が動き出すという作戦。

 

馬狼対策はイガグリが馬狼を完全にマンマークし、俺のコーチングで潔や周りのメンバーが、相手のパスコースを限定することで単純な縦パスなどを入れさせないというものだった。

馬狼へのロングパスは、俺とイガグリが馬狼を挟み込み良い体勢でジャンプさせないこと。正直、180cmを優に超える身長の持ち主である馬狼を181cmの俺と172cmのイガグリが完全に抑え込むのは難しい。

ハーフタイムに話し合いをしたが、失点するようなことがあれば我牙丸がCBに入り、蜂楽が前線に入ることになってる。

 

そんな両者の思惑が入り混じった試合は、馬狼の単独突破から幕を上げることになった。

 


 

後半開始の馬狼を中心としたチームXの攻撃は馬狼の単独突破とそれをサポートする数人のアタックだった。

最初にプレスに行った前線組はまた抜きと直角フェイントであっさりと突破してきた。

雷市のプレスをそのフィジカルで突破してくる。

「潔、プレスに行かなくていい!ディレイだ!!右足警戒!!」

「わ、わかった」

「雑魚が策を凝らそうと一緒だ」

 

距離をとった潔をみて、馬狼はゆっくりとボールキープしながら前進してくる。

味方の攻め上がりを待っているのだろうけど、こっちの味方が戻るのとどっちが早いかの勝負だな…

 

相手の人数は三人だった。二人が馬狼のパスを受けられる位置に移動し、近いサイドの選手が大きくワイドに開いて攻めあがってくる。

それに対して、こちらは抜かれた雷市が猛然とプレスバック。

 

相手のほうが若干早かった。馬狼が近くの選手にパスを出すと猛然と前方のスペースにダッシュし、パスをもらった選手から素早くリターンパスをもらう。

パスカットは無理。そして進路の先には…俺。

「イガグリは俺のカバー。伊右衛門、シュート警戒」

 

俺は半身になって、腰を落とす。前半の感じからフィジカルでごり押しされるかもしれないけど、シュートコースを限定しながら的確な距離を保つ。

シュートコースを限定されたのが嫌だったのか、そのままフェイントをかけてくるが動かない。

「ちぃ」

 

先に動いたのは馬狼。一つ大きなフェイントを入れて、進路変更した馬狼に同じ距離を保ちながらついていく。

キックフェイント等のフェイントを入れてくるが俺は距離を保ちながら動かない。

痺れを切らした馬狼がフィジカルを生かしてドリブル突破をしようとするが…前半とは状況が違うんだよ!

 

馬狼がボールを若干蹴りだしたタイミングで、こちら側が一気に加速。ボールを奪取。

奪ったボールを雷市にパスすると馬狼は返せと言いながら猛然とプレスバックしていくが、雷市はワンタッチで今村に展開し、前線に走り出す。

 

イガグリが馬狼を止めたことを褒めてくるけど、実際には紙一重の展開だった。

これを後半45分間続けるのは、勘弁してほしいのが本音であるが、弱みは見せれないと指示を出す。

「ライン上げよう!イガグリ、馬狼がこっちに来たらマンマーク頼む」

 

こちらの攻撃は…今村がスピードを生かしたドリブルで攻め上がり、久遠にロングボールを入れたところだった。

久遠が落としたボールを近くにいた國神が回収。そして迷わずミドルシュート。

これは相手DFに当たって、ゴールにはならなかったが、こぼれ球を我牙丸がダイレクトシュートする。

コースが若干甘かったのと、これ以上はやばいと思ったGKが渾身のセーブ。

こちらのコーナーキックになり、キッカーの蜂楽があげたボールを我牙丸がヘディングでゴール。

 

あとは試合終了までこちらが完全に試合を支配。國神のミドルで追加点を挙げることにも成功。

馬狼に渾身のロングシュートを決められたりしたが、チームZが5-2で勝利したのである。

 


 

雷市はコートを走り回りながら、自分がやりたいサッカーができない状況に苛立っていた。

何せ相手がべた引きでスペースがない上、前線の武器が高さやミドルである。

こうなると雷市のやることは限られてくる。縦パスやアーリークロスの供給と前線の走り込みである。

 

相手の散発的な攻撃はハーフタイム中に弱音を吐いていた吉良とイガグリがうまく抑えている。

何回か危ない機会もあったが、吉良が粘り強くそして強かにDFしている。

 

まあ、ポゼッションは完全にこちら側だから、相手の攻撃が馬狼の単独突破に限定されつつあるというのが大きいだろう。正直、吉良は雷市が大嫌いなサッカーエリートだ。

だが、前半に吉良を中心とした攻撃陣が見せたプレイは、まぎれもなく自分が掲げるセクシーフットボールのそれだったし、後半に入ってからの守備は攻撃にある程度集中できる程度には優秀だ。

それに悔しいが…前半最後の得点シーンの時に、なんでそこに俺がいないのかと思ってしまったのだ。潔やイガグリのポジションでプレーする姿を想像すると、胸が熱くなる。

 

次の試合は絶対にFWでプレイする。セクシーフットボールを表現するために。

 

ライバルリーバトルの最後の相棒

  • 蟻生十兵衛
  • 時光青志
  • 黒名蘭世
  • 剣城斬鉄
  • 氷織羊
  • 西岡初
  • 二子一揮
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