「武器を持て
試合後、ロッカールームに戻った俺たちに絵心はチームV VS チームYの結果を告げるとともに、"0"からサッカーをやれという言葉の真意と"1"を生み出す方法を演説した。
サッカーにおいて、得点を奪うということは相手組織を"破壊する"という行為
つまりストライカーとは"破壊者"
そして、"ゴール"とは、敵の秩序と組織を破壊するピッチ上の"革命"
「一流のストライカーという生き物は皆、何者にもない
「見極め、思考しろ!!その肉体と脳で自身で何ができるのかを!!」
「"ゴール"という革命を起こすのは、いつだって己の武器だ!!」
そして最後に他者に依存することによる偶発的なゴールに先はないと言い残して絵心を表示していたモニターの電源は切られた。
絵心の言葉にみんなは改めて自分の武器について考えてる様子だった。
でも、こればかりは難しい問題だと思う。何せ試合のさなかでは一秒一秒で状況は変化する。
そんな状況では、思考してる時間すら惜しい。そう考えると絵心の言葉は自分がボールを持った瞬間に迷わずにゴールを陥れる手段なのかもしれない。
そこまで考えたところで一旦深く思考しそうになるのをやめる。
「みんな。とりあえず、ここで自分の武器について改めて考えるのはやめよう。汗を流したほうがいいし、次の試合のことも考えないといけない」
そう言うと確かに今回は勝ち点3を得た以上は深く考えこんで思考停止するよりは、次の試合の準備をしたほうがいいと言うことになり、一度解散することになった。
何者にもない
翌日、俺たちはメンバーやポジションを入れ替えながらのミニゲームをこなしながら、全員でそれぞれの
「…つまり俺の武器は華麗なるテクニックじゃなくて、スタミナとスピードの両立だというんだな」
「うん。昨日の試合で唯一最後まで一番運動量が多い中盤で運動量が落ちていなかったのは、雷市だけだよ。これは間違いなく雷市の
若干不機嫌そうだけど、俺の言葉に雷市は悪く受け止めてるわけではない様子だった。
まあ、客観的に見て、これはここにいる10人以上です!と褒められてるわけだから悪く受け止める人間はいないだろう。
そんな感じで武器がわからない千切以外には、これが武器じゃないかというのを全員で確認しあっていた。
例えば蜂楽はドリブルとイマジネーション。雷市はスタミナ。我牙丸はバネと積極性。伊右衛門は愚直にトライできる部分など。
大体、それぞれの武器とは何かを全員で褒めあっていると、武器が分らないという困ったことになったのが潔と…俺。
イガグリですら、馬狼相手に披露した粘り強いDFは武器だということで一致したのに、潔と俺については一致した意見が出ないのである。
潔の場合、パス(雷市)。ポジショニング(俺)。空間把握能力(千切)。分からん(その他)。
俺の場合、シュートバリエーション(潔)。テクニック(雷市)。オフザボールの動き等々(その他)。
潔について出た意見をまとめてみると空間把握能力が高いために、ポジショニングが良く、直感的にゴールを逆算してパスができたのでは?となる。
それに対して、俺である。まとめると総合的な攻撃に関する数値は高いけど、抜きんでたものがないと言われたのである。
…つまり、この辺がランキングが低い理由なのかもしれないと納得してしまった。
「次の試合に向けてフォーメーションとポジションを決めなきゃいけないのに…俺と潔のポジションはどうしよう?」
「…勝ったのにポジションとかを変えるのか?」
「ランキング上は馬狼以上のストライカーという評価の選手が少なくともチームVとチームWにいるはずだよ?これからそいつらを抑える必要がある以上、DFは固定するべきだし、全勝を狙うのなら連携は高めないと…」
久遠がフォーメーションとポジションを変えることに疑問を呈したけど、俺の言葉に全員絶句した。
「あの馬狼以上が、まだいるってことかよ!?」
「…一芸評価の選手もいるだろうから、明言はできないけど、いないとランキングがおかしい」
「…確かに正論だな。俺は吉良の意見に同意するよ」
伊右衛門が同意すると、全員がフォーメーションとポジションを変えることに不満はあれど同意してくれた。そして、全員で話し合った結果の基本フォーメーションは4-2-3-1。ポジションは以下のとおりである。
GK | 我牙丸 |
DF | 千切(LSB)、伊右衛門(CB)、久遠(CB)、イガグリ(RSB) |
MF | 國神(DH)、雷市(DH)、潔(LSH)、蜂楽(OH)、今村(RSH) |
FW | 吉良 |
守備のキーマンは雷市。攻撃のキーマンは俺と蜂楽。
戦術的にはカウンター要員の俺と蜂楽を前線に残しての全員守備。攻撃は蜂楽のドリブル突破やパスに俺が連動してゴールを狙うという戦術になった。ただし、俺がボールキープできる相手なら、ほかの選手も積極的にゴールを狙うことになった。
そして、俺たちは次の試合に向けて連携を深めていくのだった。
ライバルリーバトルの最後の相棒
-
蟻生十兵衛
-
時光青志
-
黒名蘭世
-
剣城斬鉄
-
氷織羊
-
西岡初
-
二子一揮
-
その他(活動報告へ)