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ほんとにこれでストック(ネタ)が切れた
八千流のボス戦が一息ついた、一方そのころ。
「すごいの見ちゃった!凄いもの見ちゃった!!
リスnっじゃなくてお茶菓子諸君!見た!?今の見た!?すごかったねぇ!凄かったよねぇ!?語彙力ッ!」
・命知らずにも程があるだろあいつ
・凄かったねぇ……(絶句)
・私わらび餅。いまフーシャで配信見てるよ。噴水広場にちょっとよってみる
・なんであんな動きできるんですかねぇ初心者風情が
・そんなことより走れ走れ
小さく叫ぶという地味ながら器用なことをしつつ、脱兎のごとく少女──配信者は走る。
「わらび餅の人!後でどんな人だったか教えてねっ!」
・ちゃっかり接点作ってて裏山
・あーっそ……俺いまエントーレだわ
・はいはーい。『森の蜜』で落ち合いましょ
・エントーレ……4番目か。遠いな
・合流場所がオサレなカフェとかデートかな?
甘露宮あずき。
TWO産の食材を使って(狩って)料理して食べる系配信者が、なにをトチ狂ったかスライムから水まんじゅうを作ろう企画を実行して【深草の海】にやってきていた。
そこそこ色々と手を出していた彼女はまぁ、ジャンルの幅広さの割に知名度が低めというかありふれていた配信者だったので、チャンネル登録者や同接が伸び悩み、どうせだったら好きなことをやろう、とTWOでグルメ配信をしていた。
そんなある日の配信者が偶然、バカが馬鹿やってる頭のおかしいサムライの現場に居合わせてしまったのだ。
しかも配信画面を開いている生放送中に。
・あずたそはやく逃げて〜(棒)
・で、結局このトチ狂った企画続けんの?
・スライム結構捕まえてたし続けるでしょ
・これは……言わなくていいのか
「トチ狂ってないよ!?だってちゃんと食べれるもん!スライムの素材はきちんと処理すれば寒天とかの代用品になるんだよ?」
おいちょっと待てこの練り切り脳ミソ配信者。
作者も想定してなかった知識どこから仕入れてきたコラ。
・スライムってそのまま食っても味しない……というか地味にグミグミ動くから食いにくいけど、その食感が意外とクセになるんよな
・えっ
「えっ……」
えっ
・え…
・ああ〜分からんでもない。
・うわぁ
・分かるぞ同士。個人的にはほれ、スタグレープって果実アイテムあるだろ?市場にある干しぶどう的な売られてるやつ。
そこら辺に生えてる無加工のアレをジュースにしてスライムに混ぜて食べてる
・あのトゲの生えたブドウか
・そこそこの味だけど美味いよな。棘掴んでパクっと食べれるし
「あの、普通スライムそのままは(食べ)ないです」
あっ良かった。配信者は案外まとものようだ。
ヨシッ(現場猫)
・嘘だッッ!
・残当
・いやまぁ普通でしょ
・スライム食は……まぁアリだが踊り食いはちょっとな
・せめて食品加工してくれ
「だ、だよねぇ!(こんな流れで茹でスライム刺身こんにゃく風が好きとか言えない)」
・おいなんか聞こえたぞ
・さ し み こ ん に ゃ く ス ラ イ ム
・お菓子にもツマミにも使える万能食材【スライム】
・(本来食い物じゃ)ないです
・そんなスライム居てたまるか
スライムはモンスターです。間違えないでください。
「あー刀の人かっこよかったなぁ!戦ってるのに踊ってるみたいでさ、ひゅんひゅんって。みんなはどう思う?」
・おい露骨に話題変えだしたぞ
・それはもしや恋煩いでは?
・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーー!!
・俺のあずにゃんに悪い虫がッ!
・刀はまぁ……えっと……
・コーン登場
「恋煩いとかじゃないし!ちがうし!」
「えぅっ!?」
ガサガサと背丈の高い草をかき分けながら、甘露宮あずきは口ごもる。
挙動不審に視線をあっちこっちしながら若干頬を桜色に染めている姿はまるで……
・は確k
・あ゙ーー!!!あ゙ーーーー!!!
・略すな
・はい確定演出ktkr
・略せ
・どっちだよ
・コーンうるさぃ
・それよりも大丈夫か?これ言った方がいいやつ?
・心配ニキはなにを不安がってるんだ……
「えっ、と……まぁ、その?ちょっといいなーとかは思いますけど私も配信者なわけで?スキャンダルとかそういうのは回避したいというかなんというか──」
・巨大狼と向き合ってた横顔に見とれてたのはノーカンですか。そっすか。
「ちがうし!!」
・言い訳乙
・俺のあずにゃんが……サムライ許すまじ
・名無しのサムライはブラックリスト入りか
・とんでもない風評被害で草
・サムライ?あぁ、良い奴だったよ
「というか刀って包丁と似てて普通に欲しいんですよね。調理器具のレパートリーももう少し増やしたいです」
・調理器具=武器かな?
・包丁(刀)
・あずにゃんが料理とかするわけないだろ!
「泣くよ!?」
そんな和気あいあいとしたコメント欄も、とある視聴者(心配ニキ)が放ったコメントによって若干凍りつく。
・あのー……つかぬ事をお聞きしますが、あずきさん……これちゃんと街に向かって進めれてます……?
周囲の草がどんどん高くなってるような気が……
・(あっ)
・()
・()
・「」
「えっ」
言われてみれば、と周囲を見渡す甘露宮。そこは確かに、小柄な自分の背丈より倍はある草の中で。
「あっ……あれ?私、方向間違った……?」
明らかに、スライム集めをしていた場所より草の丈が高い。
・おいおいおい嘘だろ……?
・初心者フィールドとはいえ深草の海で迷子はやべぇぞ
・最悪向こう岸まで突っ切れば何とか……?
・ならないっすね。下手したら第1と第2の街にいるモンスターが混成してひっきりなしに襲ってくる。最悪の場合は街から離れていく
・地獄か?
「あ、どうしよ……そうだコンパス…!」
甘露宮あずきは、こういう孤独な状態が特に苦手だ。
寂しいのが嫌いで配信者になったような彼女は、視聴者とプロレスしたり絡み合うのを良しとする一方、こういった場面では生来の弱さを見せてしまう。
・ちょちょちょっと待て!ここでパニクるのはやばい!おつちけ!
・お前が落ち着け。こういう時はあれだ。変なことしてテンションを下げればいいんだ
・お前も錯乱してんじゃねーか
・とりあえず来た道を反対方向に進め。日も暮れ始めてるけど深草の海でシャドウ系は出なかったはずだ。
・さっきのでかい狼が居たら諦めろとしか言えんが、気取られないためにも徹底隠れ身はしといた方が良さげ。By測量艦隊の一員
・指示厨かと思ったらくっそ信頼度高い奴いて草
・確かマップ製作とモンスター分類図作ってるとこだっけ……?
・だぞ。ちなメンバー全員クソ強
「あっ、測量艦隊の人なら信頼度高い!ありがとです……ちょっとずつ進みま」
「バウッ!」
「」
・
・
・
・
・……ここは無言が多いな
「ヒュッ…」
「ヴルルルル……」
「あああああああああ!!!!」
・落ち着けぇぇ!!?
・ちょっ!?そんな叫びながら全力疾走したら敵が!
・あーこれもうダメっすね……
・幸い今日は1乙もしてないからデスペ無しなのがほんと幸い
「あ゛っ!だ、だれか…ッ!たす──」
……言葉にするなら、そうだな。
もっふあぁ
だろうか。
恒温動物特有の高めの体温で暖められた毛皮。
包み込まれるような干し草の香り。
顔面からダイブして耳の後ろまで覆われる毛深さ。
とくん、とくん、と動く心臓の音。
「……ままぁ。わたしここにすみたい」
・だめです
・あー……
・完全に尾行されてましたね
・\(^o^)/owata
・でもちょっと羨ましい
・狼さんェ…
デスポーンするまであと14秒。
_(:3」 ∠ )_
続きを書く気力よりも面倒って気持ちが大きい……読んでくれる者には申し訳ないと思うが。