戦神一刀 “唯1つ、刀を極めた侍が往く”   作:夕陽に影落ち

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様式美
見切り発車ゆえ更新せんでも許しておくれ
ストックがないんじゃ


主人公くんの前身はガチな方の斬り狂いです。
ボス?動く素材アイテム
この考えが罷り通る強さよ




ハリセンと鬼ごっことチュートリアル3

 

 

 

さて、βテストのおさらいをしようか。

 

チュートリアルさん……いや、今はイザナミ様と呼んだ方がいいか。彼女から刀を受け取って軽く振るう。

 

「では、始めましょう」

 

そう、さらりと言ってのけた瞬間、和室だった空間が軋みを上げ、俺のアバターに薄い斬線が走った。

…………いつ斬った?まさかとは思うが、動揺した一瞬に目で捉えられないほどの攻撃を?

それはありえない……と思いたい。そも、これはチュートリアルのはず。そんな対応不可の速度で攻撃されるのは敗北確定のイベントくら

 

「待て、そもそも武器は何処だ?」

 

ふと過ぎった疑問に思わずそう口をこぼす。

彼女は武器を所持していないはず。というより刃の付いたものを持っていそうでもない。

体のラインに沿った和服であるし、懐に小刀でも仕込んでいるとしたら話は別だが、それでも自分との間合いは2メートルほどもある。

 

スキルを使われたというのならばまた話は変わるが、腕の長さを加味して武器を振るっても届かないだろう。

投げ物であれば「斬られた」とはならない。

 

「何を言いますか。元から持っているでしょう?」

 

渦を巻く思考を他所に、当たり前のようにそう言ってかちゃり、と腰にすいた刀の柄頭を揺らすイザナミ様。

いや、それはハリセンを収納した──

 

「──ジョークグッズ、だとでも思いました?」

 

鯉口を切り、刀身が抜き放たれる。風を切る銀の刀身が顔の横に添えられ、鏡のように目元を映される鋭さに息を飲みこむ。

 

「先程までは確かにそうですね。ジョークグッズのハリセンでしたよ」

「先程まで、と言うか。ならば『戦』のチュートリアルが始まった今では違うと?」

「ええ。それでは続けましょう。まずステータスウィンドウの確認をどうぞ」

 

言われるがままにウィンドウを開いて、全て表示の状態にして確認してみる。

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 

種族:人間

 

職業:蛮族

 

ステータス【▲】

 

HP 22/60

 

MP 20/20

 

ST 50/50

 

EP 15/15

 

食糧値

■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■

 

 

STR

【 6 】

 

VIT

【 1 】

 

AGI

【 6 】

 

INT

【 1 】

 

ENE

【 1 】

 

DEX

【 1 】

 

装備【▲】

 

武装

・心得の刀

 

・なし

 

胴体

・初心の布服上

 

・なし

 

・なし

 

・初心の布服下

 

・なし

 

アクセサリ

・お守り

 

所持【▲】

 

携行食糧×5 蜜団子×3 回復薬×10

 

 

インベントリ【▲】

 

旅の靴

古びた地図

コンパス

 

 

スキル一覧【▲】

 

SP:0

 

◆スキル

【気魄】【削撃】

【初級付与術】

 

◆パッシヴスキル

【剣の心得】

【ST消費軽減】

 

◆パークスキル

【歩み】

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

いや体力ほぼ3分の2削られてますが?

 

「あの、イザナミ殿?これ本当にチュートリアルであっておられるか?手加減……とか」

「何を言いますか。死ななければ安いものですし、死んでも大丈夫。ゲームですから」

「あっこれ大丈夫じゃないやつでござ──」

 

言うが早いか、踏み込まれたままに腹に蹴りをくらわせて来る。

斬られた後、また来るだろうなと予め身構えていたのもあってなんとか隙間に刀を滑り込ませるのは間に合ったが、それでも10メートル以上は吹き飛ばされる。

 

「──ん゛ッ……ふぅぅ……」

 

宙に舞う身のままふすまを2つ突き破り、刀を叩き付けた反動で地に足をつけ、ズザザザザザー、と畳を抉りながら止まる。

 

「スタミナは今のように耐えること、もしくは動き続けることで消耗しますが、停止すれば回復します。

長時間の行動ではバッドステータスの疲労が付き、最大値が減少していくので注意してください」

 

いつの間にか横に来ているイザナミ様。己のアバターとそもそもの能力値が違いすぎる。

確かにβでも戦の道の最後は戦闘で締めくくったが……!

 

「体力回復してくださいね?」

「…………手加減してはくれぬか?」

「嫌です♪」

 

こンのクソ女。

 

「レゴブロック味のクソ苦回復薬は嫌でござる……!」

「味についてはお上様……運営に文句を言ってください」

 

最もな返し文句されたら反論が出来ないのであるが。

そして回復薬の野草味。

不味い?不味い。

 

「では、次は鬼ごっこでもしましょうか」

 

なんて?

 

 

 

■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪

 

 

 

「あかん、これ死ぬ」

 

荒い呼吸を無理やり抑え、切れかけた集中力に噛み締めたブロック状の回復薬の苦味で気付けを行いつつ、体力回復につとめる。

 

『鬼ごっこでもしましょうか』

 

その言葉に何かも言えるはずも無く、付き合った結果死にそうになっていた。都度4度、蹴られ斬られて投げ飛ばされ、回復しては逃げ回っている最中だ。

回復薬も今ので底を突いた。

初級付与術で水の【鎮静】、効果としてはスタミナ回復上昇にあたる付与をしつつ走り回って、減った食糧値もMP回復できる蜜団子で腹ごなし。

初級付与は各属性の性質のみしか付与出来ぬが今はこれで十分。というかこれ以上を求めれば蜜団子のMP回復が釣り合わなくなる。

 

 

無限迷路、マヨヒガの屋敷と例えるのがいいだろうこの屋敷は、どこまでふすまを開いても延々と同じ部屋が続いている。その中で神出鬼没に『鬼』が襲って来るのだ。

気を抜けば───

 

「ど〜です──ぁ〜」

「ッ!?」

 

声がした瞬間、恐らく隣の部屋のふすまが切り裂かれて破られる音が響いた。息を殺して距離を置き、反対の部屋へとふすまを手にかける。

いつの間にかリアル鬼ごっこかDeadbyDaylightでも始まった気分だ。

 

「そこ」

「!?」

 

たまたま近くに響いた声に、身体の芯から悪寒が走る。直感を頼りに咄嗟に後ろに飛び上がって部屋の一角より距離を取った刹那、先程まで己のいた横にあったふすまが斬り破られる。

衝撃で某も思った以上に距離を取れ──

 

「ぐッ!」

「やっと見つけました。これで鬼ごっこも終わりますね」

 

飛び上がり、足を着く前に一足飛びに距離を詰められ、首を打ち据えられて強制的に着地。すらりとうなじに刀を突きつけられた。

……やっと鬼ごっこが終わる、その意味はおそらく鬼ごっこの終了条件がプレイヤーのHP全損、そして復活だからか。

逃げ道は、無かった。

 

「終い、か」

 

もはや絶体絶命。力の差は隔絶。

たとえ防御したとしても体力の3分の1は確実に削られる。今の体力は3分の1もあるかどうか。それでもし受けきれたとて余波で死ぬだろう。

 

罪人のごとく項垂れ、受け入れる他は無い。

 

 

脱力して灯火を掻き消されるのを待つのみ。

 

 

 

冷えた刃の重みが首に乗り──

 

 

 

 

 

「と、いうて」

【初級付与術・風『加速』】

 

 

 

 

 

──その下をくぐり抜けるように超前傾姿勢の踏み込みを決める。鯉口はとうに切り、鞘を走りて銀月をひるがえし全霊を込めた居合を放つ。

 

「諦めきれるほどに、こざっぱりとした性分であれば良かったがな」

 

それこそが己の進む武士(もののふ)の道たれば。

どれほど無力だろうと、せめて一矢報いてやるまでは負けるつもりなぞ在りはせん。勝ちを拾える目がなかろうと、如何に力の差があろうとも、傷のひとつくらい負わせてやらねば腹の虫が収まらんよ。

 

某の放った居合の一閃は、虚を突かれ反応の遅れた彼女の脇を掠め、腰帯を断ち切る。

だが、

 

「……お見事」

 

ああ、やはり。

 

「届かぬか」

 

防がれた。そう確信した。

分厚い腰帯を切り裂いたはいいが、その奥……身体の部分までは刃が届かなかった。刀を振るった某だからこそ分かる。あの渾身の居合は届かなかった。しかし、一矢であれど報えた満足感を胸に刀を収め、目を閉じる。

 

 

システム上勝てないように設計された負けイベにしてはよく戦っただろうと己を満足させ、戯れが終わるのを待つ。

 

 

彼女の刀捌き、理不尽なまでの疾さ、威力、範囲。どれをとってもいずれ目指したくなるものだった。

理不尽を振り返り、「あーやっぱTWOだな〜」と思い返しつつ、次があるならばどう出るかと策を練る。

……うむ、やはり某、戦うことは好む質にあるらしい。

 

 

 

「…………………」

 

 

……というか、一思いに散れるであろうそれを待てども、一向に斬られる気配がないのが気になるのだが。

そして殺気すらも感じなくなっているのはどういうことか。

 

気になってちらりと薄目を開け、振り返る。

うん、居るな。イザナミ様。

しかし……

 

 

 

‌ ‌ ‌ ‌( ◉ω◉ )

 

( ㆆ_ㆆ)

 

 

帯を断たれた和服をはだけ、艶めかしいおみ足と胸元が見えそうなちょっとあられもない姿で身をかがめてジト目で睨んでおられるが。

 

 

 

白い肌が眩しい。

あと胸を抱くように着物を抑えているので、谷間が強調されて視線が吸い寄せられそうなのは許して欲しい。

某とて男子ゆえな。抗えぬサガよ。

 

「……さすが変態の国と名高い日本国出身ですね。その下心には感心すら覚えます。

運営に通報しておきましょうか?

(あっこれやってしまったやつであるな?)

 

全霊を込めた居合よりも疾く土下座出来たのは初めてだと思う。

 

 

っぱスレ民の言う通り意外と大きいわこの人。

 

 

 

 

 

 






後書き思いつかないんで多分触れないだろう主人公のイメージをば

何となくのイメージとしては身長165ギリ越えたfate / stay nightに登場するアサシン『佐々木 小次郎』の黒髪に毛先メッシュ紫な感じ。瞳の色は紫だがアメジストというよりもパール系の濃い紫

こんな感じの人がサムライするお話し


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