自分のことを煉獄さんだと思い込んでいる精神異常者 作:いかのシオカラ
煉獄杏寿郎が死したという一報を聞き、急遽葬儀を執り行うことになった縁者たち。
「いやあ、まさか杏寿郎の兄が本当に。オイラ未だに信じられねえや」
「私もです。殺しても死なぬものだと思いましたが、まさか自分で首を刎ねるとは」
「おそらく、煉獄殿にしかわからない何かしらの事情があったのでしょう。...では煉獄殿が残した句を読み上げるが、その前に卜部や碓井は?」
「二人とも死んだのが信じられねえらしい。...しばらくすりゃあ来るだろう」
「...そうか。では読み上げるぞ、」
『鬼倒し マジでやばタン いとうまし 散りたる命 ありよりのあり』
「「「???」」」
「綱の兄、ほんとにそんなん書いてあんのか?」
「俺も信じられん。が、間違いなくそう書いてあるな」
「...一体どういう意味なのでしょうか...」
「鬼との会話のほうがまだわかりやすいぞ、これ」
「鬼倒しの部分はおそらくそのままだろう。だがマジでやばタン...?」
「耶馬のことでしょうか?ではタンは?」
「なんでオイラたち、読まれた句でこんなに頭を悩まされてんだ?」
「諦めろ金時。煉獄殿の思考を理解するのは心が読めても不可能に近い」
「待たせたねえ、皆様方」
遅れて到着する黒髪の似合う小さなお方。名を清少納言
「なぎこさん、丁度よかった。あんたならこれ解読できるか?」
「これ、杏ちゃんの句?...なにこれ?」
「オイラたちもわかんねえ。文に精通してるアンタならいけるかもと思ったんだが」
「...ちょっと待ってね...うーん」
「この時間ほんと意味わかんねえな」
「やめろ金時、ここの全員が思ってることだ。今更言うな」
「多分だけど、上の句の部分は深い意味は特になくそのまま鬼を倒せて嬉しい、下の句は散りゆく命でもいいものが残せた...っていう意味...?」
「なんで解読できたんだ」
「いや、半分勘だよ。ていうか杏ちゃん、死んじゃったのに全然実感わかないね」
「それは...そうなのですが。事実遺体がありますし」
「刀だってここにあるしな」
「なんか急に悲しくなってきちゃった。せめて極楽で平和に過ごしてね」
「あの人なら極楽でも鬼のこと探してそうだな」
「言えてるー」
「...本当に亡くなってしまわれたのですね」
墓の前であきらめの声を漏らすのは藤原薫子
「正直最初はどうせ生きているんでしょうと思いましたが、まさかまさか」
「おや、これは薫子殿。貴方も彼の墓に手向けを?」
「道満様」
「彼には生前振り回されましたが、いざいなくなると悲しきものです」
「...具体的には」
「刀を握らされ『俺の継子にならないか?』と」
「あの方は一体何を目指していらしたのでしょうか」
「はてさて、おそらく我等の思いつかぬ場所でしょう」
「...」
え?終わり???