自分のことを煉獄さんだと思い込んでいる精神異常者   作:いかのシオカラ

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第3話

 

煉獄杏寿郎が死したという一報を聞き、急遽葬儀を執り行うことになった縁者たち。

 

「いやあ、まさか杏寿郎の兄が本当に。オイラ未だに信じられねえや」

 

「私もです。殺しても死なぬものだと思いましたが、まさか自分で首を刎ねるとは」

 

「おそらく、煉獄殿にしかわからない何かしらの事情があったのでしょう。...では煉獄殿が残した句を読み上げるが、その前に卜部や碓井は?」

 

「二人とも死んだのが信じられねえらしい。...しばらくすりゃあ来るだろう」

 

「...そうか。では読み上げるぞ、」

 

『鬼倒し マジでやばタン いとうまし 散りたる命 ありよりのあり』

 

「「「???」」」

 

「綱の兄、ほんとにそんなん書いてあんのか?」

 

「俺も信じられん。が、間違いなくそう書いてあるな」

 

「...一体どういう意味なのでしょうか...」

 

「鬼との会話のほうがまだわかりやすいぞ、これ」

 

「鬼倒しの部分はおそらくそのままだろう。だがマジでやばタン...?」

 

「耶馬のことでしょうか?ではタンは?」

 

「なんでオイラたち、読まれた句でこんなに頭を悩まされてんだ?」

 

「諦めろ金時。煉獄殿の思考を理解するのは心が読めても不可能に近い」

 

「待たせたねえ、皆様方」

 

遅れて到着する黒髪の似合う小さなお方。名を清少納言

 

「なぎこさん、丁度よかった。あんたならこれ解読できるか?」

 

「これ、杏ちゃんの句?...なにこれ?」

 

「オイラたちもわかんねえ。文に精通してるアンタならいけるかもと思ったんだが」

 

「...ちょっと待ってね...うーん」

 

「この時間ほんと意味わかんねえな」

 

「やめろ金時、ここの全員が思ってることだ。今更言うな」

 

「多分だけど、上の句の部分は深い意味は特になくそのまま鬼を倒せて嬉しい、下の句は散りゆく命でもいいものが残せた...っていう意味...?」

 

「なんで解読できたんだ」

 

「いや、半分勘だよ。ていうか杏ちゃん、死んじゃったのに全然実感わかないね」

 

「それは...そうなのですが。事実遺体がありますし」

 

「刀だってここにあるしな」

 

「なんか急に悲しくなってきちゃった。せめて極楽で平和に過ごしてね」

 

「あの人なら極楽でも鬼のこと探してそうだな」

 

「言えてるー」

 

 

 

 

 

 

 

「...本当に亡くなってしまわれたのですね」

 

墓の前であきらめの声を漏らすのは藤原薫子

 

「正直最初はどうせ生きているんでしょうと思いましたが、まさかまさか」

 

「おや、これは薫子殿。貴方も彼の墓に手向けを?」

 

「道満様」

 

「彼には生前振り回されましたが、いざいなくなると悲しきものです」

 

「...具体的には」

 

「刀を握らされ『俺の継子にならないか?』と」

 

「あの方は一体何を目指していらしたのでしょうか」

 

「はてさて、おそらく我等の思いつかぬ場所でしょう」

 

「...」

 

え?終わり???

 

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