自分のことを煉獄さんだと思い込んでいる精神異常者   作:いかのシオカラ

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受け継がれたもの

冬木で行われた第5次聖杯戦争での記録。

 

-呼吸を継いだ間桐慎二-

 

借りた参考書を返しに衛宮邸へ来たが...。

槍を持った全身タイツの変態の急襲をうけ、蔵へと逃亡する衛宮。

話に聞いていたが、本当に聖杯戦争が開幕しているのか。

護身用にと一応刀を持ってきておいて正解だった。

タイツ男に友達を殺されるところを黙ってみているわけには行かない。

 

「炎の呼吸 壱ノ型 不知火!!」

 

踏み込み、一撃!

音と闘気で気付かれたのか、槍によってガードされる。

とあるサーヴァントから教えられた呼吸と剣術。あいつのように実際に炎を出すことはできないが、出ているように見える程度には修練した。

 

「なんだ、てめえ」

 

「...」

 

悪いがこちらは全身全霊。無駄な会話はできない。たった一瞬でも気を抜けば、それが僕の最期。

槍が振られ、体を掠める。あと数センチでも回避場所を誤れば、確実に死ねる。

相手を観察するためにも、一度距離を取ろう

 

「炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり!」

 

「ぬぅ!」

 

案の定、見たことがない剣技に驚き距離をとる男。

 

「本当に何もんだお前。剣から炎が出ているように見えたが、実際はそうじゃねえ。膂力も人間のモンとは思えねえな。だが、セイバー...てわけじゃなさそうだ。名乗れ」

 

「人に名前を尋ねるなら、まずは自分からって知らない?何も情報を寄こさない敵に情報を流すほど、バカじゃないよ」

 

「...ランサー。小僧、聖杯戦争は知ってるな?だったらピンと来るはずだ」

 

「どうもランサーさん。僕は...遠坂凛だ」

 

魔術を使ってこられたら困るので、偽の名前を教えておく。

時には小賢しく生きろって言うのもあいつからの言葉だ。

 

「で、お前の剣は」

 

と突風が吹き荒れる。蔵からは金髪で剣士風の女性。

 

「マスターのご友人殿、遅れました。私も参加いたします」

 

「...っと新しいサーヴァントか」

 

衛宮が召喚したらしい新しいサーヴァントが隣に立つ。

言い訳をうだうだ述べどこかに消えていったランサー。

人が願いを叶えるために殺しあう地獄の催し、聖杯戦争。ついに開幕。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-攻防-

 

 

 

 

 

 

時間は少し飛んで夜の公園。

セイバーとアーチャーが対峙する中、割って入る。

 

「間桐くん、何を」

 

「悪いけど、お前たちにこれ以上の殺し合いはさせないよ」

 

「慎二、悪いことは言わん。そこを退け」

 

「...断る。僕の剣は護るべきものを護るためにある。だから、退けない」

 

「護るべきものとは?」

 

セイバーからの声。

 

「弱い人々。お前たちが戦った余波で犠牲になる人たち。あとついでに...」

 

一度衛宮のほうに視線を向け、ちゃんと確認。

少し手が震えていたが、これで勇気が出た。

 

「馬鹿な友達...かな」

 

アーチャーの眉間にシワで川の字が刻まれる。

セイバーも苦い表情だ。

 

「私からの最期のお願いです。シンジ、貴方のような高潔な精神をお持ちの方を手にかけたくない。大人しく退いてはくれませんか?」

 

「こちらも同意見だ」

 

「私もよ。間桐くん、貴方はさっさと自分の生活に戻りなさい」

 

「俺も...そう思う」

 

全員から反対されるが、もう止まる気はない。

 

「師匠である煉獄の名前において、絶対に退かない。死んでもね!」

 

「...やはり、彼でしたか」

 

呼吸を整え、

 

「心を燃やし、限界を超えろ、炎の呼吸 伍ノ型 炎虎!!」

 

セイバーvsアーチャーvs僕

のとんでもないマッチの混戦。

しかし突如乱入したバーサーカーによってお開きになってしまった。

 

 

 

 

 

 

-家族-

 

とある日の夕食。いつものように2人で食卓を囲い、飯を口に放り込む。

そういえば煉獄からも礼儀作法で死ぬほど注意された。

 

「どうですか?味付けを変えてみたんですが」

 

妹の桜がこちらを覗き込み一言。

 

「全然気づかなかった。...どこ変えてあんの?」

 

口をキュッとすぼめ、眉間にシワを寄せられる。

 

「...兄さんって味音痴ですよね」

 

「お前、そんなストレートに言う?もうちょっと濁せよ」

 

「...美味しいですか?」

 

「美味しいです、ハイ」

 

「ならいいでーす」

 

少し機嫌が治った。

 

「...恋する乙女は繊細なんですよ?」

 

「それをなんで僕に言うんだよ」

 

「...なんででしょうかね?」

 

小悪魔っぽく笑う目の前の紫髪。

少し先の未来で、こいつがとんでもないことしでかしそうだ。

 

 




少しの番外編
好評ならもうちょっと書くかも
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