試投稿 シューティングクロスオーバー序章(仮)   作:北アフリカ大洋

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おそれられていた脅威、リドリーの凶爪の鋭さは賞金稼ぎたちを絶望させるには充分であった。
防衛にあたっていたショットホークをいとも簡単に捻り、どころか数機掛かりすら薙ぎ払うその力は圧倒的であり
存在するであろう対抗手段候補はただ一つ。
RX-8は決意を乗せて戦場へ翔んでいく…


激突する双新鋭 堕ちゆく思惑

「大丈夫、私たちに任せて。」

 

膝の上で体を縮める少女に、リィザは繰り返し言い聞かせる。

ただ、少女の不安を感じ取りそうしているかと言われれば‥

 

(安全を確保するためなら私たちを見送って彼女と一緒に助けを待てば良い筈…

でも、彼らは私に彼女を預けて送り出した。一体なぜ…)

 

そんな疑問が浮かんでは、言い知れぬ不安へと姿を変えて自らを蝕む気がしたからである。

 

それを紛らわせるためと言われれば、否定はできないだろう。

 

「お姉ちゃん、通信。」

 

言われて、通信機が受信を知らせていることに気付く。

 

ボツッ 「失礼しました、こちら試験機RX-8、どうぞ」

 

『奴が宇宙に飛び出し、ショットホークが迎撃に当たったが、

戦況はこちらの圧倒的不利だ。』

 

「対策は? フォースは有効?」

 

『無敵とまではいかないが、今のところ奴の火炎放射までは防げる見込みがある。

情報収集は彼らに任せるつもりだが、戦線の維持はあの機体では難しいだろうな』

 

「(”までは”、ね…)分かった。 聞いてたわね、ミナモトくん?」

 

顔を上げながら問いかけると、返ってくるグッドサイン。そして

 

「気を抜けないのは変わらないさ、出来ることをやるだけだ。」

 

そう返す。

無線の相手も彼の声が聞こえてたのだろう。

 

『頼もしい返事だ。では、行ってこい。後を頼むぞ…』

 

そう言って通信を切り上げた。

…が

 

(…"後を頼む"?)

 

その言葉がリィザの喉に引っ掛かる疑問をより一層深くする。

 

ともかく。

 

(初陣…アステロイドベルトのようにはいかないだろうが、さっき宣言した通りに!)

 

意気込むリョウの操作で、RX-8が前へと進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

加速する機体の翼を、炎の玉の群れが掠める。

 

(まだだ、まだ機首を逸らすな…!)

 

グレイは神経を研ぎ澄ませ、機体の微妙な傾きでリドリーの攻撃を避けながら応戦していた。

が、取れるのはチャージスピアによる一撃離脱戦法のみであり‥

 

今漸く掴んだ突撃の機会、逃すまいと集中し

 

「…ッそこだ!」

 

グレイの駆るショットホークが光槍を放つ。

 

「ギャオォォォッ」

 

辛うじてあてた一撃は激しいプラズマを纏いその装甲に穴を空けたものの

リドリー本体へ届いた様子は無く…

 

「!!」

 

同時に、鋭く尖った尾の先が自分を狙っていた。

それを目視した時には離脱が間に合うかも怪しく…

 

(ッ畜生ォ!) ガキィッ

 

引き裂かれる金属の音、無くなる抵抗に‥

 

「グギギギィッ」 「!?」

 

諦める暇もなく現実へ戻された意識は、

彼の網膜に状況を把握させる余裕を与えた。

 

(奴の爪が、ショットホークを握って…

俺は、さっきまであれに乗っていたのか?)

 

偶然放り出されたことで、どうやら辛うじて助かったらしい。

 

しかし、理解ができたところで何が出来るというわけでもなく。

 

先ほどまでの僚機の残骸達に囲まれながらグレイは余力を尽くし、

効果のほどはともかく、リドリーを睨みつける。

 

 

だが、その時である。

 

 

「グギャァァッ!?」

 

橙色の物体が怪物の横面を殴った。

そしてその隙を突きPOWアーマーが飛び込む。

 

『グレイ、回収開始、どうぞ』

『了解‥野郎、こっちに注意を向けやがったか!』

『波動砲は向けない方が目的のためよ』

 

そんな通信内容を漏らしつつ開く作業機体の収納部。

 

(精神に悪い賭けをこなしやがる‥が、)

 

お陰で助かった。

 

荷物の収納スペースに頑張って体をねじ込もうとしながらそんなことを考える。

 

 

 

 

 

 

 

そんな救助者の搭載を待つPOWアーマーが肝を冷やしている傍、

 

(こんな奴が、この惨状を…)

 

RX8の乗り手も握る操縦桿を湿らせていた。

後部座席の補佐役が息の乱れた彼の方に意識を向けると

 

「‥機体が揺れてるわよ、大丈夫?」

 

「状況だろうな。それに格上相手にドッグファイトを仕掛ける暇があったら逃げるしかない身分だった…

いや、止そう。」

 

彼はそう呟きながら、波動砲のチャージを解除する。

 

(アステロイドバスターの改良直後もそうだったが、発射可能状態の維持はおろかクールダウンすら安定しないシロモノだ。

それでいて通用の見込みすら果たして立てられるかどうか…)

 

そんな状況が、リョウの余裕を圧迫しつつあった。

再び波動砲の充填を始める。

 

(先ずは小手調べ、出力30%で!)

 

放たれた小さな光は打ち出した主に反動を与えず‥

青白い放電を生んでリドリーの”居た場所”を捉えた。

狙いは悪くない。奴の反応が勝った結果だった。

ただし…

 

「グギャァァ!?」

 

(装甲の穴と波動砲をプラズマが走った‥

奴が苦しんだのはその影響だろう。

通用しないという可能性は消えた。そして、)

 

「リィザ!」 「呼び寄せてる!」

 

武器はまだある。

 

いの一番にリドリーの横面を殴りつけた橙色の球体

-次元兵装フォースがRX8の前方に位置取る。

 

「フォース接続完了、対空レーザー連動可能‥」

「前景の透過も問題ない、彼らの借りだ!」

 

そう意気込むと、リョウは乗機にバルカン砲を撃たせた。

アステロイドバスターの要領で放たれた小さなエネルギーの塊が直進する赤と青の光線を引き連れ、フォースを飛び出す。

長距離ともあれば3発ごとに多少の準備時間を要するものの

(こいつはチャージスピアの技術が応用されていると聞く。

仕組みは違えど…)

放たれた3発の玉は

うち一つがリドリーに命中し、その跡を装甲に刻んだ。

 

対空レーザーと呼ばれる赤青2つの光線は

掠めすらされずに避けられてしまったものの

 

「渡り合えるか、なら!」

 

安心して戦えるだろう。しかし

 

「向こうの攻撃に対してこちらの防御手段が間に合うかは…!!」

 

それは敵の焦りか、それともプライドか…

 

「回避!?」 「ックショウ!」

 

急いで乗機を横に飛ばすと、プラズマを纏う炎の弾がRX8の装甲を撫でた。

 

前方に装備されていたフォースはその形から少しへこみが見受けられ…

つまり

 

「お互い、条件は同じみたいね…」

 

リィザ・ステファニーは後部座席で苦い顔をした。

 

が、その時…

 

ズゴォォォン 「おわぁッ!?」

 

睨み合う両者に届いた爆発音。

見れば派手に残骸を撒き散らし見るも無惨な様子の施設の一角。

巻き込まれたであろう半壊の宇宙船は

 

「スペースパイレーツのモノか!?」

 

「やっぱり、"アレ"を発動させる気だったんじゃ…」

 

リィザが感じていた、嫌な予感が現実味を帯びていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

とある部屋。

 

「セクター7の自爆装置、起動の痕跡あり!」

 

叫ぶ一人、それを尻目に

 

「あのリドリーという兵器…我々の自信作と…」

 

窓の外を見ながら呟く男。

 

「対応が遅れた、か…」

 

「我々の命運もここまで、ということですな。

奴らの技術を甘く見ていた」

 

応じるようにもう一人もそう言うと、キーボードを叩いてシステムに命令を下す。

そして…

 

『ムーンベースへのバックアップ送信を開始、

対情報最終防御、準備を始めます。』

 

コンピューターが告げる。

それを合図に、部屋にいた一同はそれぞれ目を瞑って覚悟を決めた。

 

「…家族への伝言、流すくらいの勝手は許されるよな?」

 

そんな呟きを誰が言ったかは本人以外は誰も知らない…

 




やりたい展開は決まっているけど
描写がイマイチ決まらない…
という理由につき時間がかかっております。
生存報告も兼ねてとりあえず書きあがった分を
載せさせていただきます…
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