今日は、モアモアジャンプの皆でショッピング!
だけど…
「また、迷子だ…!」
わたし、海原ゆめは、すごーく広いショッピングモールで、
一人迷子に、またなっていた…
せっかく、5人でショッピングして、
お茶して、服を選んだり…とか、ウッキウキで、
もう昨日から、ずっと頭の中で、予行練習するくらい、
楽しみにしていたのに、迷子なんて…
ゆめのバカ…バカバカ!
「はぁ…他の子たちは、どうしているのかな…?」
ショーウィンドウに飾られている服を見る、
ぼや~と見る、ゆめ。
黄色いワンピース、茶色のトレンチコート。
白いパンプス。昔のゆめだったら、買えなかった物。
今のゆめだったら、買える物。
ゆめは、唯一無二のアイドルになれたけれども、
まだまだ、ユニットの中でも、未熟だと自覚しているの。
未熟だけど、必死に頑張っている。
でも、でも…頑張っているだけじゃ、何もなれない。
何者にもなれない。
アイドルというレッテルを貼られている、海原ゆめ。
ショーウィンドウに飾られた、海原ゆめは、
輝いているだろうか?
ステージの上で舞う、海原ゆめは、皆には、
輝いているだろうか?
なんて…
「早く、ゆめを見つけてよ…迷子に、
またなっちゃっているから…」
忘れ去られているとか。そんな、マイナスな表現が横切った。
ダメ、ダメ、ダメ、ダメ…!
「あー!」
聞きなれた声が後ろから聞こえた。
振り向くと、そこには、モアモアジャンプの皆がいた。
「もう、ゆめちゃん、探したんだよ!」
「えっ、あっ!」
びっくりしちゃって、声が上がってしまった。
思わず髪の毛を整えて、深呼吸。
「ご、ごめんなさいっ!迷子に、なっちゃって…」
「本当だよ。超・方向音痴の雫ですら、迷子になっていないのに」
愛莉ちゃんの、こつんと、と、グーで、
頭をポカンされる。イタタ。
「まぁ、ゆめちゃんが、見つかったから、
よしとしよう。ね?」
と、ひとまず、この場を収めようとする、遥ちゃん。
「さて!ゆめちゃんも、見つけたし、
第二ラウンド!行きますか!」
「第二ラウンド?」
「第二ラウンド!」
みのりちゃんは、天高くピースをする。
「第二ラウンドって、具体的に何をするのよ?」
「それは…ウィンドウショッピングでーす!」
みのりちゃんは、ゆめの手を急に掴んできて…
「さ~レッツゴー!ゆめちゃんを、目一杯、
可愛くするぞ~!」
五人仲良く、手を掴んで、ショッピングモールへと、
駆け出した。
きっと、周りは、ゆめたちが、アイドルだということを、
知らない。ただ、普通の女の子たちだと思っている。
そんな、五人の普通の女の子のショッピング。
普通に見えるショッピング。
仮面の裏側には、アイドルという、みんなが、
夢見る姿を持っている、可憐で儚い女の子。