ひとり「その…私の動画あげるチャンネルの名前…guitar heroにしようと思ってるんだけど…どう思う?」
ヤミキュウビ「ククク…敢えて言い表すならキサマのギターの響きはまさかしく暗黒に轟く雷さ。雷光は暗黒の世界を照らし、新たな世界へと導く。闇の世界を生きる者である私の心さえも動かした。それはまさしく
ひとり「…つまり良いってことだね!よーしチャンネル作成するぞ〜!」
先日、ドタバタしながらも初ライブを経験したひとり。
妖怪の力を借りたり、本人の決心もありなんとか乗り越えることができた。後日、虹夏よりバンド活動について話し合いたいと連絡があり、再び下北沢へ向かうことになったのだが…そんな中、ひとりは悩んでいた。というか少しパニクッていた。
『ひとりさん!人前での初ライブおめでとうございます!』
『おめでとうニャン!…成長したニャンね!』
『投稿見たでウィスよ〜このまま人と普通に話せるようになる日も近いでウィス!』
『またやる機会あったら教えてください!今度は生で見たいんで!感慨深いですね〜“あの”ひとりさんが人前で演奏したなんてまさしく
『ミーも行くダニ!』
「うーん…これは…」
「……話題になりすぎじゃない…?」
最初はほんの軽い気持ちだった。
“昨日初ライブをしました”
それを知り合いの妖怪にちょっと言っただけなのだ。
しかし、どういうことかその事実が拡散され今に至るのである。
通常ひとりは妖怪相手に話をしたり、前で演奏、注目されることにあまり抵抗はない。むしろ、注目されたいと考えている。
だが、今回の注目のされ方は少し予想外だった。最初はほんの軽い気持ちで、知り合いや妖怪に伝えたのにここまでの事態になってしまい、少し困っている。
(別にライブ自体は何度かやったことあるのにぃ〜)
ひとり本人は知らないが、人間相手のコミュ障ぶりは妖怪達には周知の事実だ。当然、今までの苦労も奇行もかなりの頻度で妖怪に目撃されており、つぶやかれ、ひとりの知らぬうちに暗黙の事実として広まっていった。
そんな状況下で、ひとりが人前で初ライブを行ったとなれば一気に妖魔界のトレンドとなり、親しい間柄であれば祝いの連絡が来るのは当然であった。
「いや…その…嬉しくはあるんだけど…はぁ…わすれん帽に頼んでどうにかなる状況はないよね…」
「調べたら大王様にも知られてみたいでござるな…手遅れだと思うでござる」
「自分がそんな人とマトモに話せないと思われてたなんて…」
「ヘヤノスミスからコラボのお誘いがよく来る時点でなにか怪しいと思ってたでござる」
ただ、想像以上に妖怪全体からそこまで自分がコミュ障だと思われていたことがショックなのである。
「…そんなことより!そういえば今後ライブの方針について話し合いたいってロインで連絡来てたから!そろそろ時間だし行かなきゃだよね!」
先程まで軽く混乱しかけていたが、約束の時間が少しずつ迫っていた。昨日はサイコウ蝶の取り憑きが切れてしまったためにすぐに帰宅してしまったが、バンドについて話し合いには出席しようと考えていた。
(それに…あの時“次は”って言ってくれてたから)
「ぺろーん。それならば私の出番でございますね」
ある意味、うんがい鏡はカイムの次に付き合いが長い妖怪だ。交通費を節約したり、遅刻しそうな時に送ってもらったり、その能力を活用させてもらう機会は多い。
「よし。それじゃあ下北沢まで!行こう、カイム」
「かしこまったでござる」
二人がうんがい鏡に飛び込むと、部屋は光に包まれる。こうして、ひとりとカイムは下北沢へ向かったのだった。
「ひとりちゃーん?あら?いつの間に出かけちゃったのかしら」
「昨日のライブハウス…STARRYはここでござるな」
「…やっぱ慣れないなぁ…この雰囲気…この感じ」
昨日も一瞬ムゲン地獄かと錯覚した地下ライブハウスの入り口。その恐怖心を一晩で和らげることなど、中々難しい話であった。
「ねぇカイム…私入って大丈夫かな…?」
「来てと誘われたなら入っても構わないと思うでござる」
「…でも私改めて見たらクマ出てるし猫背だし防虫剤臭いし…入ったら「なんだこいつ」とか思われるよ…ねぇカイム、ちょっと取り憑いてもらえない?」
「いやでも、あまり知らない相手が気づいたら入ってる方がより「なんだこいつ」と思われる気が…」
「そっそれじゃあ5分!5分待ってから入ろう!そうすれば大丈夫!」
「本当に大丈夫でござるか?」
「そろそろ5分経ったでござるが、覚悟は…」
「やっぱりもう10分待とう…」
「全然ダメでござる…」
「ひとりどのー?そろそろ15分でござる。このまま入るのはちょっと難しそうでござるから…友だち妖怪の力を借りた方がいいかと」
「何してるんだろう…」
「待って。もうちょっと見ていたい」
「いやそうなんだけど…そうだね、このまま待ってても始まらないし。私の友だち!出てk「ひとりどの!上見て上!来てるでござる!」ってうわぁぁぁぁ!えっ………その……い…いつからいました?」
そ
「ついさっきだけど…なんだか一人でブツブツ言ってたけど大丈夫?」
「だだだ大丈夫です!何でもないです!」
(今日も『私の友だち〜』って言ってたな…)
結局、入る入らないで色々しているうちに、到着した虹夏、リョウと一緒に入ることになった。
(散々悩んだけど…すんなり入れたな…)
「はい!それじゃあ第一回結束バンドメンバーミーティング開始します拍手!ぱちぱちぱちぱちぱち〜」
「ぱちぱち」
「それじゃあえーっと…思えば全然仲良くないから何話せばいいかわからないや」
(身も蓋もない!)
というわけで始まったバンドメンバーミーティング。虹夏のぶっちゃけた発言を聞き、ひとりにとっては早速先行き不安である。
「そんな時のために、こんなものを用意した」
「…バンジージャンプが入っているのは気にしない方がいいでござるか?」
リョウがどこからか取り出した巨大なサイコロ。表面を見ると色々選択肢があり…一部話し合いにしては物騒なものも混じっている。早速虹夏はそれを手に取り、転がしはじめた。
「なに〜がで〜るか〜な。なに〜がで〜るか〜な」
「でんでんでれでれでんでん」
((効果音も言うんだ…))
「出た!学校の話!略してガコバナ〜」
「はいどうぞ」
(いきなり⁉︎)
早速話を振られたものの、ひとりは学校のことについて何を話そうか中々出てこなかった。
「が…学校の話⁉︎いやでも…何かあったっけ…夜な夜な学校に入って妖怪探してるとは言えないし…」
「無難に相手の学校について尋ねるのがベストだと思うでござる」
「えぇ〜…えっと…そのぉ…お二人は同じ学校なんですか?」
「そう。下校」
「家が近いから選んだ」
「あぁ…下北沢にお住まいで…」
「あれ、ぼっちちゃんは秀華校でしょ。家ここらへんじゃないの?」
「いや…県外から来ていて…えっと…電車ならたしか片道2時間です」
「えっなんで?」
「いつもうんがい鏡だから麻痺してるでござるが、我々、かなり遠くから来てるでござるな」
確かにそうである。実際、ひとりの住む地域にも高校は存在する。2時間以外で行ける場所ならばその数はもっとあるだろう。時間をかけてまで、わざわざ下北沢まで来ていることを疑問に思うのも当然だ。
「…その…自分の過去を知らない人がいるところに行きたくて…」
「はいっガコバナ終了〜!」
話しているうちにひとりの闇がにじみ出そうになったため、虹夏が強制的に話を終了させる。臨機応変、迅速な判断であった。
「すみません…えっと…学校でも基本人とは話さないもので…その…楽しいお話提供できなくて…そっそうだ!今まで経験した怪現象の話とかなら…今のやっぱ無しで」
(いつも話をするのは妖怪だし…妖怪関連のことだったら面白い話も多分…いやいやっそんなこと言ったら絶対ヤバい奴だと思われるからダメ!)
妖怪関連ならばかなり数奇な運命をたどって来たために、話はそれなりにあるだろうが、ひとりは言おうとしてやっぱやめた。
「だ…大丈夫大丈夫。リョウもね、そんな友だちいないしね…」
「うん。虹夏だけ」
「トゥクン」
胸が、トキメく
まるで、同族を発見した喜びである。
(そうか…リョウさんは…私と同類なんだ!)
「だから廃墟探索したり〜古着屋さん回ったり〜」
(廃墟の探索!それ私もする!…いやでもそれは妖怪に会いに行ったり、退治するときであって…リョウさんは別に私みたいに妖怪が見える訳じゃないし…私は妖怪いなかったら一人で廃墟行かないし…)
その時ひとり、気づく
(…違う。リョウさんは一人でいるのかま好きな人だ…ぼっちは一人で服屋入らないし…ぼっちと一人好きには深すぎる溝があるんだ…)
(今ひとりどのの中で何がが割れる音がしたでござる…)
こうして、一時でも抱いた希望は無惨にも消えた。
あやうく罠(勘違い)にはまるところだったひとり。なんか絶望しかけてる。
「まぁまぁ。会話を楽しもうよ!」
虹夏は場を和ませようと言い出したが、ぼっちにとって一瞬でも仲間だと思い、似て非なるものだと理解した時の痛みは大きい。昇天こそしなかったが、少なくともひとりの心は大きなショックを受けた。
「それじゃあ次!好きな音楽の話〜略して〜」
「音バナ」
「とりあえず略すのでござるな」
「私はいわゆるジャパニーズパンクかな」
「私はテクノ歌謡とか、サウジアラビアのヒットパートを少々…」
「そこ嘘つかないー」
「ほんとだもん」
「ぼっちちゃんは?」
虹夏とリョウは軽く話しているが、ひとりの表情は暗いままだ。
「あっ…その…青春コンプレックスを刺激する歌以外なら…」
「青春コンプレックス?」
説明しよう〜!
久しぶり!ギタ男だよ!
青春コンプレックスというのは、祭り、青い海、学校生活とか一人の学校生活とは無縁のワードが多用されて、淡い恋コーティングされた爽やかな歌である!妖怪に関わって、孤独感は消えたけど、そういう曲を聞いて学校での思い出を振り返るたびにひとりは聞いて悶絶していたんだよ〜!そのせいで!青春時代の悩みだとかを叩きつけるバンドは大好物なんだ!
それじゃあまた!
「確かに、今まで友情、努力、勝利の漫画にあるような展開を数多く経験して方でござるが…やっぱ爽やか系の歌は苦手傾向にあるでござるな」
「うん…改めて自分、学校の中で孤独だな〜って自覚しちゃうから…けど…好きなバンドが学生時代から人気者〜だとか聞いちゃうと急に遠い存在に思えちゃったりして…」
「お…おーい。一人の世界に入らないで〜おーい」
(また誰もいないところに話しかけてる…)
「みんな結束してよー!」
「…結束バンドだけに」
「次はバンドの話ー!初ライブはインストだったけど、次回はボーカル入れたいんだ〜ほんとは逃げたギターの子が歌うはずだったんだけど…あの子どこ行ったんだろ」
(逃げたギターの子…私みたいなコミュ障だったのかな…違う!真のコミュ障は逃げることはできない!)
「ボーカルまた探すか〜私は歌ヘタだし…ぼっちちゃんは?」
「えっ…」
「あはは…だよね」
一応、ひとりは歌ったことがない訳ではない。妖魔界で歌ウナギ、ヒグラシ丸、シングコングの歌唱の伴奏を行った時である。彼らは皆歌が得意な妖怪なのだが、曲が進むにつれてだんだんヒートアップし、妖気がひとりを覆ってしまったのだ。
その時のひとりは自分から曲に合わせて歌い出し、前に出てマイクに加わり、完全にボーカルと化していた。結局演奏は大盛り上がりし、歌についても彼らからは太鼓判を押されたが…あくまで取り憑かれた場合である。
取り憑かれたら歌ったことは本人にとって少しトラウマとなっているため、そっとしておいてあげよう。
「…リョウさんは?」
「私がボーカルまでやったらこのバンドが眼前にワンマンになってしまう…」
(良いなぁ…この自信少しでも分けてもらいたいな…)
「そうだ!ボーカル見つけたら曲も作ってみようよ!リョウは曲作れるし、歌詞に禁句があるなら…ぼっちちゃんが書けばいいよ!」
(わっ私⁉︎)
「どう?名案じゃない?」
「小中9年間…休み時間を図書室で過ごしていたのはこのための布石だったのか…」
「でもそういう時に限って妖怪が出ることが多かったでござるな」
「虹夏は何するの?」
「…つぎはノルマのはなしー」
(堂々と流したでござる)
ノルマ
それはライブハウスでバンドがライブする上でまだ欠かせないものである。
バンドはライブハウス側から来客を保証するチケットノルマを課せられる。ノルマを超えた場合はライブハウス側とバンド側で売り上げを分け合うが、ノルマ未達成の場合は自腹で払わなければならないのだ。
リョウ曰く、つまり売れるまでめちゃくちゃお金がいる、ということらしい。
上記のようなチケットノルマについて、虹夏はひとりひ一通り説明したが、表情は浮かない。
「昨日のライブは私の友達来てくれたんだけど…あの出来じゃ二回目は期待できないし…リョウは友達いないし…ぼっちちゃんは…そうだ!その時計もらったお友達とかは…」
「あっ…ええええとそのっ…その人は今はちょっと…遠く!遠くに行ってて会えないんです!それ以外となると…」
「わかった!わかったから死んだ魚の目やめて⁉︎」
(妖怪の友だちならたくさんいるけど…言ったら絶対ヤバい奴だと思われるし…観客が妖怪なんて…魑魅魍魎跋扈する百鬼夜行になる…)
「ま…まあ!ノルマ代機材代色々かかるから、バイトしよ〜」
「はい…バイトォ⁉︎」
「今日一声出たね…」
バイト、働くこと。ひとりには禁句だ。
働くということは“人”と顔を合わせること。コミュニケーションをとり、外に出て、動く。ひとりはそう認識している。
まあ理由は色々あるが、つまりは働きたくないのである。
すると、ひとりは持ち物から色々取り出し始めた。
「…何これ。昨日のこけしと…なにこの糸とか骸骨とか⁉︎これキセル⁉︎」
「金色だ」
「これは…いつか使う日が来ると思って…今まで貯めてきた物の中で価値のありそうなやつです…これで…どうかバイトだけはなんとか…」
「いやいやいや!これ絶対売っちゃダメなタイプのやつでしょ⁉︎」
「ありがとう。早速あとで売ってみる」
「いただかないいただかない!こんな高そうなもの受け取れないし!」
「でも…」(働きたくない‼︎)
仮にバイトを…例えばコンビニのレジ打ちをするならば、働く中でろくに口も回らず、お客様相手に誤った対応をし、ネットで拡散、炎上、訴訟、死刑になるという想像をし、確信していた。
「ぼっちちゃん!ぼっちちゃん!ぼっちちゃん!」
「はいっ!え…ええと…」
「また昇天しかけるところだったでござる」
「えっ…じゃあ…」
「もーさっきの話聞いてなかったでしょ〜大丈夫だよ。私もリョウもいるし!」
「さみしくないよ」
「ほら、お二人とも励ましてくれて…ひとりどの?」
(働きたくない働きたくない働きたくない働きたくない)
ひとりの思考の中で働きたくないという言葉がぐるぐる回っている。
断れ、断れと自分に言い聞かせてている。
しかし、思考な混濁し、目の前からかけられる言葉全てに恐怖を感じてしまい…
「が…がんばりましゅ…」
「本当に大丈夫でござるか…?」
「よかったー!」
(断る勇気があったらコミュ障してない…)
こうして、ひとりはバイトをすることが決まった。
泣きたいけれど、人前で泣くことはできない。ひとり寂しく、心の中で泣くのだ。
「それとバンドのお金はあたしが管理するね」
「えっリョウさんに預けたほうが…」
「どういう意味じゃ」
虹夏曰く、リョウはそれなりに裕福な家庭で、お小遣いも多くもらっているのにも関わらず、その殆どを楽器につぎ込むため常に金欠らしい。
そう言われてリョウはなぜか照れていた。
「それじゃあバイトは来週からだから。学校終わったらライブハウス直行ね」
「はい…」
「それじゃあ帰るでござ…ひとりどのー?生きてるでござるかー?」
このようにして、バンドミーティングは無事?終了した…したのだが…
したのだが…
「止めないでカイム!ここでやらなきゃ…私には後が無いの!」
「何言ってるでござるか⁉︎バイト明日でござるよ⁉︎」
「だから!風邪引いて休むしかないよ!虹夏ちゃんには申し訳ないけど私はバイト以外でがんばる!」
「それでカゼカモ、イガイガクリ、ズルズルづるを呼び出そうと…」
「それで無理だったらアッチィソウルブラザーズとふぶき姫の寒暖差で風邪引く!」
「いやでもそれはさすがに…っと誰でござるか?」
バイトに行かないためになんとしても風邪を引きたいひとりVSさすがにどうかと思うしいい加減受け入れさせたいカイムの攻防()が繰り広げられる中、何者かがうんがい鏡を通って部屋に現れた。
「おひさしぶりであります。カイム隊員。ひとり隊員」
「…あれ?ナメクジ軍曹?どうしてここに?」
「ブリー隊長からの伝言と確認に来たでありますが…これはどういう状況でありますか?」
彼の名はナメクジ軍曹。強力な妖怪“ビッグボス”から平和を守るバスターズに関わる妖怪であり、崖っぷちチームをやがて“ビッグボスの王”を倒すまでに成長させたブリー隊長の右腕のような存在である。
「それが…かくかくしかじかで…」
「ひとりどのがこんな感じで全く譲らないのでござる…
「なるほど…ひとり隊員は相変わらずでありますな…」
ナメクジ軍曹はカイム、ひとりの双方の事情を聞き、目を閉じねしばらく考え込んだ。すると、何かを思い出したようで、目を開き、ひとりに言い始めた。
「…しかしひとり隊員、風邪を引きたいなら一つ忘れてることがあるであります!」
「えっ⁉︎なに⁉︎教えて‼︎」
「普段に無いぐらい必死でござるな…」
「われわれのバスターズチームは数多くのビッグボスと対峙してきたでありますが、その中でも白古魔ゴールドと交戦したことは覚えているでありますな?」
白古魔ゴールド
バスターズの一大グループ、白犬隊の守り神であり、あらゆる邪気を祓うとされる妖怪“白古魔”の強化された姿だ。彼らはかつて、ブリー隊長の指揮の下何度も戦闘していた。
「うん。忘れるはずないよ!あいつのお手に何回踏まれたことか…」
「拙者は出撃しなかったでござるが…散々な目に遭ったと聞いてるでござる」
「…その白古魔ゴールドでありますが、多くの妖怪から神のように崇められているであります。それもそのはず。奴の放つ光を浴びるだけでさまざまなご利益がじゃんじゃん舞い降りてくるとされているからでありますが…」
「…まさか」
「その効能は悪霊退散、無病息災。ひとり隊員がそのような相手と何度も直接戦ったならば…」
当然。ご利益受けているはずである。認めたくなかったが、思い返してみればひとりはそこそこ健康体である。前に風邪を引いた、体調を崩したのがいつか記憶を遡ると…ちょうど討伐をする前であった。
…ひとりにとって、この現実は受け入れ難かった。
「……いやあああああああああ‼︎」
「「ひとりどの/隊員⁉︎」」
頑張れひとり、夢のバンド活動のために
人物しょーかい
後藤ひとり
無事、バイトが確定した。抗えなかった。風邪は引けないことが分かったのでこうなったら仮病でも…と思ったが、虹夏からのロインを見て色々罪悪感が湧いてしまい、本人曰く自らの愚かさを再認識してしまったらしい。
ちなみに、こけしやビッグボスの素材など売れば金になるものは結構持っているが、親に無断でいきなり大金を取り出したら絶対怪しまれるし、売りに行けば絶対店側に顔を覚えられると思っているため、その金は基本妖怪関連に使うと決めているのだ。
カイム
人がいない時なら特に気にする事柄も無いのだが、今回色々刺激されたひとりの奇行を見て、改めてコミュ障だなと自覚した。色々な相談に乗りつつ、ひとり夢のバンド活動を陰ながら支えるつもりである。
虹夏
ぼっちが思った以上にコミュ障であり、闇を掘り起こしそうになったら即カバーしてくれる天使。あなたの発言が結構ひとりのバンドへのモチベになるんです。頑張れ。お前がひとりを癒すんだ。
リョウ
金使いは荒いものの、ムダヅカイは取り憑いていていない。自分に必要なものにつぎ込んでしまうだけで、無駄使いでは無いのだ。ひとりがよくブツブツ言ってるのが気になってる。
ナメクジ軍曹
バスターズでも出てきたブリー隊長の副官的存在。伝言ならば連絡しても良かったが、なんとなく顔を見たかったためわざわざ顔を出しに来た。彼はひとりはバスターズに参加したことがあると言うが、曲がりなりにも人間であるひとりがどうして参加していたのだろうか?
ヘヤノスミス
ヒキコウモリ、ジミー、トホホギス、じめりんぼうのユニット。ひとりの普段の人に対する耐性の無さやそのコミュ障具合を知り、雰囲気が合いそうだったため、よくコラボの誘いをしていた。実際ひとひはジメジメした場所が好き、押し入れに引きこもりギターを弾く、人と話さないがため存在感が地味、自らのやったことに悲観的にとらえやすい。雰囲気が合うのは当然なのかもしれない。
ひとりが差し出したもの
こけし各種、カブキロイドのキセル、あやとりさまの金糸、ギヤマンの頭蓋骨。出そうと思えば他にもたくさんある。
ズルズルづる、カゼカモ、イガイガクリ
風邪症状妖怪三人衆。ひとりが呼び出そうとしたが結果として阻止された。
連絡してくれた者たち
ひとりとそこそこ親交の深い妖怪、及び人間。今年の夏休みに会いに行くかもしれない。
うんがい鏡
ひとりの主な移動手段。学校の通学、ライブハウスへ行く時によく利用される。他人に怪しまれないため、通学の時は玄関の外から移動するが、部屋から直接移動することも多い。実はひとりがいない間に部屋を整理していたりする。
シングコング、ヒグラシ丸、歌ウナギ
歌好きな妖怪たち。ユニットは組んでいないが、簡単な路上ライブで一緒に歌うこともしばしば。ある時伴奏のギターがいなかったためひとりに頼んだが、取り憑きの影響とはいえひとりの歌がかなり良かったので、本人が良ければもう一度聴いてみたいと思っている。また、ヒグラシ丸、歌ウナギ、ババァーン、りもこんかくしのカラオケ同好会にひとりを誘おうと計画している。