夏、ぼっちな私は奇妙なものに出会った   作:伊笹身

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虹夏「どーした?いつもより元気ないけど」
喜多「先輩!何かあったんですか⁈」
リョウ「…この前鬼に追いかけまわされる悪夢をみて…」
喜多「そんな…お怪我はありませんか⁈」
虹夏「夢だから怪我することはないよ喜多ちゃん…リョウも冗談言ってないで…」
リョウ「ほんとだってば…」
虹夏(なんかマジな反応だな…)




ひとり「どうして…?本当になんで…??なんで私ここに…???」
月影入道「うおお…うぉ…」
カイム「どうやら月影入道は夜更かししている子供を連れ去る妖怪らしいでござる。それで今ムゲン地獄に」
ひとり「私一生懸命歌詞書いてただけなのに…」





八話 初ライブへの第一歩

 

 

 

 

「…歌詞…できたんですけど…」

 

特に変化のないライブハウスである。

メンバーが各々に過ごす中、階段からそろり、そろりと降りる影があった。

ひとりである。しかし、その顔には深い寝不足の跡があった。

 

「後藤さん…目のクマ大丈夫?」

 

「あ…はい…書くのに夢中になって…寝るの忘れたりして…」

 

「連れ去られてバトルしたも追加で」

 

その声はいつも以上に元気がない。若干掠れている気もする。

 

「おぉ。どれどれ、ぼっちちゃんの力作拝見しましょ〜」

 

差し出されたノートを虹夏が受け取り、開いた歌詞を両側から喜多とリョウが覗く。

 

「あ…あの…ど…どうでしょうか…暗すぎるかも…」

 

「とにかく自分の気持ちそのままで書いてたでござるからな」

 

前回、リョウの言葉を受け、改めて歌詞を書き直した。他人への受けだとかを気にせず、自分本来の気持ちである。しかしそれ故、暗さを全面に押し出してしまった感覚があった。

すると、リョウは一通り読み終えたのか、口を開いた。

 

「確かに暗いね」

 

「リョウ先輩…」

 

(やっぱり…)

 

「でも」

 

予想通りキッパリとした返答に、ひとりの心情は少し沈んだ。しかし、リョウは続ける。

 

「ぼっちらしい。少ないけど、誰かに刺さるんじゃないかな」

 

「え…うへ…」

 

「ふふ」

 

「へへへ…」

 

「なんか2人仲良くなってませんか〜⁉︎」

 

「本当に良いよぼっちちゃん!ほら、ここのフレーズとか好き!」

 

「私も好きです!」

 

「なんとか…」

 

「なったでござるな、ひとりどの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう、これが例の…ふむ.暗いな。明るさとは無縁じゃ。人前でのひとりが強気になったらという感じじゃな」

 

「だが、不快には感じない。演奏が完成したら、すぐにわらわに聴かせるんじゃぞ」

 

 

 

 

 

「おお…すごい…共感できますこの歌詞…もしよかったら今年の妖怪紅白歌合戦の歌詞もお願いしたいぐらいです…」

 

「うん…その…ひとりさんらしさが出てると思うよ」

 

「確かに…これ…いいと思うよ」

 

「でも僕たちまだすぐには聞けないんだよね…トホホ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、前はちょっと迷走していたクマ。今改めて、それらしい歌詞に仕上げられてよかったクマ」

 

「でも、またモノマネについて知りたくなったら教えてください。マネッ」

 

 

 

 

 

(とにかく。歌詞は形になった)

 

 

その後、知り合いの妖怪たちに見せてみたところ反応は悪くない。

何か一つのことをやり遂げたという実感が生まれ、普段だったら大変なバンド活動も、できそうな気がしてきた。

 

 

(これからもがんばろう…それで…バンドがずっと続いて…)

 

「みんなと色んな写真撮る!」

 

「ひとりさん。なんでそんなに写真を印刷してるんですか」

 

「え?せっかくだから壁と天井にいっぱい貼り付けようかな〜って」

 

「ここをストーカーの部屋みたいにするのやめてもらっていいでござるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だいぶ上達してきましたね」

 

「まぁ、な…まだひとりには全く及ばぬが」

 

「でも、ある程度弾けるようになってくると楽しくなってくるよね〜」

 

ひとりの教え方が良いのか、2人のギターの腕前は上がってきている。

 

「やっぱり熱意があるし、どんどんうまくなってきてるよ」

 

「ひとりどのもそうだったでござるからな」

 

本人曰く不純な動機であるが、今のひとりの腕前は目標に向けて努力した結果の産物である。その姿を間近でみてきたカイムは、2人の様子を見て当時を懐かしんでいた。

と、その時。

 

コンコン

 

とドアを叩く音がした。

 

「えー諸君。お待ちかねの給料だぞ。ふふん」

 

入ってきたのは、星歌であった。その手には給料袋が握られ、扇のように顔をあおいでいた。

 

「「「やったー!」」」

 

「あ…や、やったー」

 

「あれ反応が薄いでござるな」

 

「いや…給料が貰えるとは思ってなかったから…」

 

「働いたなら当然だろう。なぜそんな当たり前なことを忘れる」

 

反応は薄いが、ひとりは内心かなり喜んでいる。他メンバーが列に並んで給料を受け取り、最後に並んだひとりも給料を受け取った。

 

「はい、これぼっちちゃんの分」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

恐る恐る封筒を開けてみれば、見えるのは一枚の札。

その顔を見るだけで、ひとりの心の嬉しさは高まっていった。

 

「私の…私が働いて得たお金…!」

 

何に使おうか。新しいバンドスコアか。思い切って漫画を一気に買ってみようか。手元に金があるだけで、やりたいことがどんどん広がる。

 

「そういえばひとり、お前こけしだとか…金目のものをもっているであろう。それを売ればそんなものは端金ではないのか?」

 

「…拙者があえて言わなかったことを…まあ理由が気になってたから言わなかったでござるが…」

 

「冷静に考えてごらん?例えば買取店に行ってさ…急に女子高生が明らかに高価な品物出してきたとしてさ…」

 

 

 

 

 

「すみません…これは、本当にあなたの物ですか?」

 

「盗品じゃないのか?」

 

「え…いや…その…」

 

「答えられない理由があるんだな!」

 

「え…エト…」

 

 

 

 

『速報です。今日、後藤ひとり氏が盗品の疑いのある品買取り店に持ち込み逮捕されました。また、本人はマトモに受け答えができないなどと供述しており…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私はもう収監されるに決まってるんです…」

 

「つまり、店員に売る勇気が無いということか」

 

「でもいきなり高い品持ってきて売りたいって来たら困惑されそうっていうのはわかるでござるよ」

 

 

 

「…それはともかく!これは初めて自分の手で稼いだお金…!何に使おうかn「じゃあ、ライブ代徴収するね〜」

 

 

 

 

 

「お」

 

「なんと」

 

 

幸福感は一瞬のうちに崩れ去った。

 

 

「ァ…ァァ…」

 

「ごめんねー!私だって心苦しいんだよー!」

 

 

 

 

「言われてみれば思い出したでござるが、ライブのノルマのために働いていたんでござるな」

 

「ん?ああいたのか。ノルマとはなんじゃ?」

 

「だから最初からいるでござる…ノルマっていうのはかくかくしかじかで」

 

「ほう…そういうことか。哀れ」

 

絶望

ひとりの初任給は早くも手放さなければならないことが確定した。もはや顔には喜びなど残ってはいない。

それでも。

それでもひとりにはまだ希望があった。こうしてバイトを続け、ノルマを埋めることが初ライブへの道だと。そう信じていた。

しかし、それだけでは飽き足らず、ひとりへ追い討ちが加わるのであった。

 

 

「えーっアルバム作るのってそんなにお金かかるんですか⁉︎」

 

「うん。せっかくならライブの物販とかに置いてみたいし…それにミュージックビデオの撮影するのもお金かかるんだよ〜…」

 

「それじゃあ夏休みは別のバイト増やさないとですね!」

 

「ヒッ」

 

「だね!みんなで海の家とかでバイトしちゃう?」

 

「いいですね海!」

 

「ウウウウウウウウウウウミィ⁉︎……ウ…ウミ…バイト…」

 

「遊園地もいいね〜!」

 

 

海とは陽。陽そのもの。陰に属する自らが入れば生きては行けない陽の結界を張られた場所。(ひとり談)

仮にそんなところでバイトをすることになる。ただでさえ給料引きでメンタルブレイクされているひとりにとって、それはあまりにも痛恨の一撃であった。

 

 

(バイトに行かなくても済む方法バイトに行かなくても済む方法バイトに行かなくても済む方法)

 

「こうなったら肝臓売る…」

 

「…こけし売れないのになんで臓器は売れるんでござるか?」

 

「まったく。相変わらずで見飽きた」

 

「…ひどいよぉ…」

 

「まあまあほら、漢方飲んで落ち着くでござる」

 

「んぐっ…んぐっ…苦い…」

 

「我慢するでござる」

 

「相変わらずひどい…」

 

なんとかどうにか。ひとりを落ち着かせることができた。カイムに背中をゆすられ、それを無表情で眺める百花と混沌とした状況であるが、そこに近づく影があった。

 

「ぼっち。今いい?」

 

「はいいっ!とにかくギター担保にすればしばらく持つと思うので遊園地だけはなにとぞなにとぞ……‼︎」

 

復活したとはいえ、ひとりは瀕死であり、恐怖も抜けた訳ではなかった。しかし、それを見たリョウは少し驚いたが、気にせずスマホを出した。

 

「…なんか薬飲んだりしてたから落ち着くまで待ってた。それで、曲できたんだけど」

 

(し…新曲⁉︎)

 

「もうできたでござるか!思ったより早い!」

 

曲のデータは既にリョウのスマホに保存されているらしい。

話を聞きつけた虹夏と喜多も来て、バンドメンバー全員でスマホを囲む。

 

「あれ、百花ちゃんは聞かない?」

 

「いや、楽しみは後に取っておこうと思ってな。聞くのは完成するまで取っておくつもりじゃ」

 

「なるほど、確かに。それじゃあ早速新曲聞いてみましょうかー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

再生が止まる。

しばらく沈黙がが続いたが、バンドメンバーの顔は皆笑顔だ。

 

 

「…え…?かなり…よくない?」

 

「はい…!とても…!」

 

「ぼっちの歌詞見たら浮かんできた」

 

「やったじゃん!がんばった甲斐あったね!」

 

「褒めてつかわす。よしよし」

 

(あ…そうか…私…がんばったんだ…)

 

自分のおかげで良い曲ができた。

そう称賛されることは今まで数えるほども無かったため、褒められたと実感したひとりはニヤけていた。

 

「せせ先輩!私もがんばってるんですよ!見てください!こんなに弾けるようになりした!」

 

「すごい」

 

「じゃあ私も褒めてください!」

 

「よしよし」

 

(…猫?)

 

2人ともリョウに顎を撫でられ、表情がにやけている。

虹夏だけはそれを遠巻きに見ており、微笑ましく思っているのか、様子を見て笑っていた。

だが、少しつぶやくと何かを決心した顔をした。

 

「…よし。来月ライブできるようにお姉ちゃんに頼んでみる!」

 

「え⁉︎まだ言ってなかったんですか⁈」

 

「大丈夫〜この前もすぐ出させてくれたもん。ね、お姉ちゃん?」

 

虹夏は期待に満ちた目で星歌を見る。しかし、それに対する目と返答は、乗り気なものではなかった。

 

「あ?出す気ないけど」

 

先ほどまで楽しげだった空気が沈む。少し遠巻きで見ていたカイムも、目を向けていなかった百花も、その言葉を聞き、動きを止めた。

 

「え…?」

 

「…なんで?新曲もできたのに…」

 

「それはこっちには関係ない」

 

「…あ、ああ…集客できなかった時のノルマなら払えるよ…?」

 

「お金の問題じゃなくて実力の問題」

 

「…この前は出してくれたじゃん…」

 

「あれは思い出作りのために特別にな」

 

「思い出作りって…」

 

「普段はデモ音源審査とかしてんの知ってんだろ?」

 

「そう…だけど…」

 

「悪いけど5月のライブみたいなクオリティなら出せないから」

 

「出せないって…じゃあ私達は…?」

 

「一生仲間内で仲良しクラブやっとけ」

 

虹夏は、黙って俯いた。震えるが、言葉は出ない。

 

「まだ何かあんの?」

 

 

 

 

「なにもそこまで言わなくても…」

 

「うん…確かに言葉が強すぎると思う、けど…言ってることはもっともだと思う」

 

ライブハウスとは客商売である。

バンドが中で演奏するための場であるが、当然客を呼び込める、という保証のもと貸し出してるといってもいい。

現実を突きつけるこの言葉。

実際、言い過ぎだと感じてしまう。だが、虹夏はそれが間違いでは無いと一番分かっていた。だから、否定も、反論もすることができなかった。

 

虹夏は、暫く黙っていた。

でも、頭ではわかっていても納得はできなかった。何かを我慢していた。しかし、湧き上がる言葉を抑えきれず

 

 

 

「…まだぬいぐるみ抱かないと寝れないくせに‼︎」

 

そう言って、虹夏は店を飛び出してしまった。

 

「伊知地先輩!」

 

「…なんだ、あの捨て台詞」

 

口ではそうは言っても。

効いていたのか、確実に声は小さくなっていた。

しかし、そんな状況を気にせず、リョウは星歌に画面を見せる。

 

「ぬいぐるみって、このヨレヨレのパンダとうさぎのこと?」

 

「ほうほう」

 

「あらかわいい」

 

「その画像消せ!今すぐに‼︎」

 

「…何してるんですか!面倒そうにしないで!早く追いかけないと!」

 

「えー」

 

「なにめんどくさそうにしてるんですか!後藤さんも!ほら!」

 

「えっ…あっ…はい!」

 

虹夏が飛び出したことは、ひとりも喜多も、かなり重大な事態だと認識している。しかし、わりと深刻な状況であるにもかかわらずリョウはいつも通りで、星歌も特段焦った様子は無いようだった。

喜多に背中を押され、リョウは階段へ向かう。

遅れながらもひとりとカイムは後へ続こうとした。

だが、その時

 

「待って、ぼっちちゃん」

 

「あっハイ」

 

「えっ、今呼ばれて」

 

「エッ」

 

体が、硬直する。

 

何の何の何

一体何用なのか

自分は何を言われてしまうのか

無事で済むのか

済まないんじゃないか

終わりか

終わりだ

もうおしまいだ

 

様々な思考がひとりの頭をめぐる。

既にオーバーフローを起こしかけ、もはや一言も喋れなくなっていた。

 

(父さん母さんふたりカイムそれと妖怪のみんなごめん。私もうダメかもしれない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わかりやすく拗ねてる」

 

虹夏は、そう離れていない場所にいた。ぶすーっとした顔でストローを咥え、ジュースを飲む。

 

「大丈夫ですか…?」

 

「ごめんね、急に飛び出して。でもあんな言い方しなくたっていいじゃん…」

 

心配する喜多とは裏腹に、虹夏はそこまで深く落ち込んではいなかった。しかし、顔はリョウの言う通り、分かりやすく拗ねていた。

しかし、ふと前を見た時、何者かの影が見えた。

 

「…」

 

「どうしました?」

 

「来てない?あれ」

 

「えっ?そういえば確かに…ってあれって!」

 

遠目でも分かる、凄まじい土埃。

誰が見ても彼女が全力で疾走していることは一目瞭然であった。しかし、その体制は走るにしてはやや仰ぎすぎな姿勢であり、あたかも何者かに押されているようにも見えた。

 

「ほらほら!目的地まであと少しだ!一気に飛ばすよ!」

 

「待って待って待って待って速い速い速い‼︎そもそも目的地本当にあってるの⁉︎大丈夫なの⁉︎」

 

「行く前に確かめてきたから大丈夫さ!」

 

「もしかして…」

 

「ぼっちちゃん⁉︎」

 

ひとりの背中を押すのはメリケンの高速ヒーロー、スピーディーWである。ひとりは自分の足では絶対に虹夏を追いかけるどころか、喜多に合流するこてさえできないと自覚していた。それゆえの強制ダッシュである。しかし、冷静でない状態で考えた策であるが故に、当然負担は想像以上。風圧衝撃スピード全てに苦しんでいた。

 

「いやあああああ‼︎」

 

「止まる時も大丈夫!」

 

「ひっ…おおう…と…止まった…」

 

「ど、どうしたのぼっちちゃん⁉︎」

 

「はっ…ええと…その…えっと…」

 

無茶なスピードで動いたため、まともに呼吸ができるはずもなく。ひとりの顔には生気が宿っていない。

 

「はぁ…はぁ…追いついた…全く無茶を…」

 

「とにかく息吸って!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奢ってもらったジュースを飲み、なんとか落ち着いたひとり。悪かった顔色も良くなり、どうにか話せるまで回復していた。

 

「大丈夫?」

 

「は、はい…それより…虹夏ちゃんは」

 

「もう…私は大丈夫だから。これからはこんな無茶しないでね?でも、何か言おうとしてたよね。何かあった?」

 

「その…店長さんが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呼び止められた後。

カイムと百花の協力もあり、パニック状態から落ち着いたひとりは、星歌の話を聞いていた。

 

「ライブに出たいならまずオーディション。1週間後の土曜日に見て決めるから…それ何?」

 

「え、エナジードリンクというか…普段は見慣れないかもしれないんですけどたまに!たまに自販機の中にあるから少し珍しくて!」

 

「本当か?っていう目でござるな」

 

「ほら、背中さするぐらいはしてやる。落ち着いて飲め」

 

「う、うん…」

 

「…」

 

「しれっと写真撮ってなかったでござるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば昔自販機の受け取り口に毒入りの飲み物が入れられた事件があった気がする」

 

「えゥエッ…」

 

「リョウ先輩物知り!」

 

「大丈夫でござるよ。今まで散々飲んだけど無事だったでござろう」

 

「ってそうじゃなくて…つまり!」

 

虹夏の目が、輝く。

 

「オーディション!」

 

「それ受かればライブできるってことよね!」

 

「最初からそう言ってよ…お姉ちゃんのイジワル…」

 

「それじゃあもっと練習頑張らないとですね!」

 

「ウンウン」

 

「よかったねぇ〜」

 

しかし、リョウはある事にに気づいた。

 

「この2人が一番不安なんだけどって顔してる」

 

「えっまあやけに笑顔だなって思ったでござるが」

 

笑っているが、目は死んでいる。

嬉しいのは山々だが、彼女らの前の不安はかなり大きかった。

その中、リョウは2人をいっそのことエアギターにしよう、と提案したが、当然虹夏には却下された。

 

「1週間しかないし、今回はがんばらなくても」

 

「ダーメ!へたっぴでも、がんばれば熱意は伝わるって!」

 

「「へたっぴ…」」

 

「あ…ごめん…大丈夫!2人とも最初に比べたらすごく上手くなってるし、ね!リョウ!…ちょっとはフォローしてよ!」

 

何気ない言葉が、2人を傷つけた。しかしその中で喜多だけは、発言に違和感を感じていた。

 

 

(でも後藤さん、そんなに下手じゃない気がする…あの時学校で聞いた音は素人の私でもうまいって思えた。なのに、どうしてなんだろう…)

 

 

 

 





後藤ひとり
一話のうちに何回自己崩壊と再生を繰り返すのだろうか。しかしやりすぎたか、と思って原作を見返してみると、思った以上にテンション乱高下していた。これも妖怪のしわざか…
ちなみに、一回だけこけしを売ろうとしたことはあった。しかし、銅のこけし一個をでさえも持っていく勇気は出ず、実行に移すことはなかった。

カイム
ツッコミしたり蘇生したりかなり忙しい立場である。もはや漢方は常備品である。バンド活動を始めてからは結構な頻度で使わされるため、最近はまず〜い漢方のみを購入している。

百鬼姫
なんだかんだかなりの頻度でギターレッスンに通っている。表面上は無表情だが、ライブで新曲が聴けることをかなり楽しみにしている。本人は気にしていないが、ひとりが出た後、STARRYで星歌・PAさんと3人きりになった時、一言も口を聞かなくて皆が戻ってくるまでかなり気まずい空気だったらしい。

リョウ、星歌
虹夏の事を気にかけている2人。どちらも感情をハッキリと表に出さないが、姉である星歌は当然として、再びバンドをしようと誘われたリョウ、虹夏には相当重い感情を向けていると思われる。

喜多
初心者の自分はともかく、ひとりがそこまで上手ではないと認識されている事に違和感を覚えているようで…?

スピーディーW
普段はアメリカにいるが、ひとりの活動については友だち妖怪の連絡網でしっかり知っている。それは他のヒーロー妖怪たちも同じようだ。

ヘヤノスミス
ヒキコウモリ、じめりんぼう、ジミー、トホホギスで構成される音楽ユニット。ひとりとはどこか似たところがあるため、なんだかんだで交流は続いている。
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