炎の律者、七国を往く 作:怠惰の律者
2XXX年 XX研究所
「……というわけで君にはこの実験に参加してもらう。」
「はぁ…。」
「拒否権はない。絶対だ。」
冷たく言い放つ白衣の男に対し、少し苛立ちを覚える。
「上の決定でね、君はもう不必要なんだ。」
「…そうか。」
いつかこの日が来るとは思ってた。ただ…もう少し生きていたかったな…。
この世界を守る為にって…必死に戦って、その果てに待っているのは、戦って死ぬか人によって死ぬかしかなかった。
「実験は…いつからだ。」
「このあとすぐに行う。こちら側の準備は全て終わっているのでな、早くしてもらおうか。」
挨拶する暇も無いのか。本当にせっかちな奴らだ。
すまん…姉さん…約束守れそうにないな…。
「言われなくとも早く行く。」
…………
どうやらここみたいだな。地図を見てもなかなか見つからない物だから少し焦ったが、なんとか見つかったな。
『手を触れてください』
このタッチパッドを触るんだったか。
すっと手を差し出し、タッチパッドに触れる。
『承認完了』
「…開いたな。」
扉が開いた途端、潜水艦の用な巨大な機械が一番に目に入る。
「どうやら、あれみたいだな。」
今回の計画、箱舟傾角に使用する機械、虚数潜他次元移動機。長いから虚動機で。
こいつは、今の世界から他の並行世界へと飛ぶ為の乗り物らしい。詳しい原理は分からないが、まぁ間違いなく言えることは、この計画が成功する確率は1%もない。
そもそも似たような事は一回も行われていない。
いわば俺は生贄。成功すればよし、失敗すれば不安分子が無くなるだけってわけだ。
「はあ…ふざけてる。」
「なんとでも言うがいい。」
「!さっきの。」
「早く乗り込め、時間が勿体ない。」
「そうかよ」
早くいなくなって欲しいみたいだな、お望み通り俺は今から消える、良かったな。
入り口から虚動機に入り、座席に座る。内部は随分と普通だな。もっとゴテゴテしてるものだと思ってたが、外側だけだったか。
「対象が乗り込みました。」
スタッフの一人が白衣の男に言う。
「機体の調子は?」
「問題ありません。」
「総員、起動準備を開始しろ。」
「「「はい!」」」
外は随分と動き回ってるみたいだな。
「準備完了しました。」
「起動しろ!」
『起動待機中……起動に成功しました。』
『発射まで…3…2…1』
最後に見るのがこんな殺風景な室内になるとは思わないんだ。ははっ…何だか寂しいな。
『0』
(すまない、助けられるなら助けたかった。だがどうしようもなかった。だから、せめて君に助けられた一人の人間として、最後に祈るよ。どうか君の来世が安らかで幸せなものでありますように…。)
(さようなら、キール・カスラナ。)
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…ここはどこだ?俺は生きているのか?
手は…動く。足も問題ない。
ただ…
「く…そ…痛え…」
やばい…意識を保つのもやっとで…ま……ず…………。
…………
「こ……森で……た…けど、……」
やっと意識が…誰か…話してるのか?
「良かった!目を覚ましたみたい。」
目を開けて目の前にいたのは、まるでファンタジーに出てくる服装をした、ツインテールの美少女だった。
来週月曜までは毎日更新予定です。