盗賊を追い払ったのどかたちはアルビオンに行くための船の便を待つためにラ・ロシェールにやってきた。ラ・ロシェールまではタバサ、のどか、キュルケの3人はシルフィードに乗っていたので、髭男爵という言葉似合う男――ワルドとは自己紹介をしていなかった。
「では、改めて自己紹介をしようか。僕はワルド、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドだ。君たちのことをお聞かせ願おうか」
ワルドはのどかたちに柔和な笑顔で話しかける。先程盗賊を退治したあとのキュルケに対しての態度とは大違いである。
「キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーですわ」
「タバサ」
「わ、私は宮崎のどかですー」
キュルケは先程のことでワルドに興味がなくなったらしく、ぶっきらぼうだが一応丁寧に、タバサは名前だけを完結に告げ、話すことは何もないという様子で、のどかは緊張した面持ちでワルドにそれぞれの名前を告げた。
「よろしく。では、宿なのだが……『女神の杵』に宿泊しようと考えている。ここで、一番高級な宿だ。どうだろうか?」
ワルドの言葉に異を唱えるものはいないように思われた。なぜなら、ギーシュは馬できたことで疲れており、才人は何かあったのか不機嫌な様子で、ルイズはワルドの言うことをそのまま受け入れており、キュルケは一番上等な宿ならば、ゆっくりできるだろうと考え、タバサは何を考えているか分からないが、何も言わないということは、特に反論する気がないのだろう。しかし、のどかは違うようだった。
「あ、あのー。『女神の杵』というお宿は、一番高いんですよね」
のどかの確認にワルドは呆れて様子で答える。
「ああ、その通りだ。君は
のどかは辛辣なワルドの言葉に、多少萎縮しながらも言葉を返す。
「え? あ、す、すいません。で、でもー一番高い宿だと、そのアルビオンの貴族が襲ってくるかもしれませんしー」
「確かに、一理あるな。しかし、先程の盗賊も我々を物取り目的で襲った、と言っていたんだ。アルビオンの連中にはバレていないと思うが」
「でも、ここってアルビオンのいわゆるお膝元というか、情報を集めやすい場所なんじゃないかなーって思うんです。だから、あまり貴族が立ち寄りそうな場所には行かない方がいいと思います」
のどかの指摘にワルドは思わず唸った。しかし、それを聞いてもワルドは自分の意見を曲げることはないらしい。
「しかし、旅の疲れもあるだろう。出来ればゆっくりできる方がいいと思ったのだが……それに、賊が襲ってきたのならば、それを倒せばいい。貴族だったのならば、そいつらから情報を聞き出すとしよう」
ワルドは自分の腕に相当の自信があるようである。しかし、のどかはワルドの的外れな言葉にのどかは少しの違和感を覚えた。
「(どうしてそこまでして、『女神の杵』に泊まろうとするんだろう。確かに、私の指摘なんてただの不安要素だしー、多少は気を配らないといけないと思うけど……まるで、そこに泊まらないといけない理由があるみたいなー……それに、疲れを取るためのはずなのに、戦闘を想定してもあまり関係ないと言っているみたい。自分の力に自信があるみたいだしー、そういうものなのかなー)わ、わかりましたー」
のどかは疲れているギーシュや、機嫌が悪そうで早く休みたいと思っているだろう才人を見て、ワルドの言葉に頷いた。のどかがそう言うと、ワルドは一瞬ホッとしたようだった。
そして、『女神の杵』に着くと、ワルドは部屋割りを決めた。
「では、部屋割りなのだが、2人部屋が3つと1人部屋が1つ取れた。誰かが、1人にならないといけないのだが……とりあえずサイトとギーシュが相部屋」
才人とギーシュはお互いに睨み合った。
「次に、キュルケとタバサが相部屋」
タバサがムッとしたのをキュルケは見逃さなかった。
「あら、タバサ。残念だったわねー、ノドカと一緒じゃなくて」
キュルケはタバサをからかい、タバサは顔色を変えることはなく、違う、と否定した。
「そんなに、ムキにならなくてもいいのよー。だってノドカにべったりだものねー」
「勉強を教えてもらっているだけ」
「まあ、そういうことにしておいてあげるわー」
ワルドが大きく咳払いをすると、キュルケはさすがにバツが悪いと感じたらしく、黙った。
「次に、僕とルイズが相部屋だ。婚約者なのだから、当然だろう?」
その言葉に才人は驚愕した。それは、ルイズも同じようで思わず声に出して反論した。
「ダメよ、私たちまだ結婚していないんですもの」
才人もルイズの言葉に同意しているようで、うんうんと頷いている。
「大事な話があるんだ、2人きりで話したい」
ワルドの目は真剣そのもので、ルイズは何も言えなくなってしまっていた。
「ということはノドカが1人?」
キュルケがそう言うと、ワルドは頷いた。
「ああ、申し訳ないが、これがベストだと思う。盗賊を退治したタバサとキュルケのコンビネーションは目を見張るものがあった。恐らく、賊程度ならば楽に倒せると思ったからね。それに、ギーシュとサイトは一見、仲が悪いがかなり仲が良いのではないかと思ったのだよ。そして、さっきも言ったが、僕とルイズは婚約者だ。そうなると、ノドカだったかな、君が1人になってしまったんだ。構わないかい?」
ワルドは自分がどう部屋を決めたかを皆に伝えた。それには、納得するものもいたが、才人とのどかは同じことを思っている。婚約者だから同じ部屋という理論はおかしい、ということである。のどかは反論しようと思ったが、何を言っても先程のようにワルドが自らの意見を変えることはないだろう、と判断したようである。
「私は別に構いませんよー。」
「そうか、すまないね」
ワルドはのどかに一言謝ると、鍵束の中からそれぞれに鍵を渡していく。
「それじゃあ今日はもう解散としようか。各々睡眠はしっかりと取るように」
のどかも渡された鍵の部屋に向かい、部屋を開けると、さすが貴族を相手にしているだけあって、上等なものだった。話し合っていたロビーもかなり綺麗だったが、部屋も同じかそれ以上に綺麗にされている。常に掃除されているらしく、ホコリなど見当たらないし、ベッドは天蓋付きで豪華なものである。のどかはそんなベッドは本や、テレビでしか見たことがなかったので、驚いていた。実は、ルイズの部屋のベッドにも天蓋が付いているのだが、そんなこと知らないのどかはそのベッドに軽く興奮しているようであった。
凄いなー、こんなベッドがあるなんてー。なんだか、お姫様になったみたいー。そう考えると、ここで良かったかもー。明後日の朝が出発だけど、ちゃんと休まないとー。
のどかがそう考えていると、部屋の扉がノックされた。
「はーい、今開けますー」
誰だろー、タバサかなー。そうだとしたらどうしたんだろー。
のどかが扉を開けると、そこにいたのはタバサではなく、緑色の髪をした眼鏡の似合う美人だった。その人をのどかは知っていた。
「マチルダさん!? どうしてここに……」
マチルダはのどかを部屋に押しやると、無理やり部屋に入ってきた。
「ゴメンね、ノドカ。私の弱点を突かれて、協力することになったの。でもね、さっきあいつから私は基本何してもいいって言ってたから、あなたたちの妨害はしないわ。するように言われたんだけどね。とりあえず、今の私が言えるのはここまでよ。あなたなら多分大丈夫よ。せっかく、また新しく人生をスタートできると思ってたのに、ゴメン。ノドカの気持ちを無碍にしちゃって……もう真っ当な職にはつけそうにないねぇ」
マチルダは何度ものどかに謝った。どうやら、誰かに何か弱みを握られているせいで、脱獄してしまったらしい。
「マチルダさん、私の世界には覆水盆に返らず、という言葉があります。これは、こぼれた水は再び皿の中に戻ることはない、ということから起こしたことは元には戻らないという意味です。起きたことは仕方がありません。ちょっと残念ですけど……それでも、経歴を隠して傭兵につけば、大丈夫です。贖罪ができなくなっても、罪を意識し続けるという十字架を背負うことに意味があると思いますから……前は罪を償うべきだとか言ってましたけど」
マチルダはのどかの言葉に少し心が楽になったらしく、笑顔になった。
「ありがとう、気が楽になったよ。じゃあね、うまくやりなさい。ノドカなら問題ないと思うけどね」
と言って部屋から出ていった。そして、マチルダがいなくなってからノドカは思案する。
マチルダさんはきっと脅されているんだ。そうじゃないと、脱獄なんてするわけがないから。脱獄しなかったらその場で殺されていたかもしれないっていうことだよね……一体誰なんだろう。名前を言わないということは私が知らないか、それとも……
のどかはある程度考えをまとめ終えると、眠りについた。次の日、目を覚ますと普段のナイトキャップを被らずに、キュルケが着るようなパジャマのような何かを着て、のどかの上で眠っていた。
「た、タバサ!? ど、どうしてそんな服着てるの!? あ、う、ううん、そ、そうじゃなくて、えとえーっと……」
のどかはタバサのいつもと違った服装だとか、どうしてここにいるのかだとかいろいろな考えがごっちゃになってしまって、目を回している。
「おはよう、のどか」
タバサはのどかの声で起きたらしく、呑気に挨拶をした。
「あ、う、うん。お、おはよー、タバサ」
のどかは未だに困惑していたが、なんとか挨拶を返したようだ。そして、タバサはジッとのどかを見つめている。
「のどか、ご飯にする? お風呂にする? それとも私?」
タバサのその言葉はよく新婚夫婦がする会話である。のどかは本でよくその言葉を知っていた。だから、タバサの言った意味を理解して更に慌てる。
「た、たた、タバサ!? それは誰に教えてもらったの!? それに、その服……」
「キュルケ。昨日連れ出された」
「きゅ、キュルケさん……どうしてこんなことー……」
タバサはのどかの様子からキュルケの作戦は失敗したことを悟ったらしく、部屋から出ていった。スケスケのパジャマでだ。のどかはさすがにそのまま返すわけには行かなかったので、慌てて自分の服をタバサに貸した。タバサはのどかの服を羽織らずに、わざわざ着て、出ていった。それになんの意味があるのかはわからないが……
ちなみに、キュルケの作戦はこうである。まず、スケスケの服でのどかの部屋に入る。鍵がかかっていても、魔法で外す。次にのどかに気づかれる。そして、先程タバサがやった新婚夫婦の真似事をする。そして、のどかが飛びつけば良し、飛びつかなければそのまま帰る。そうすると、のどかは当然服を渡すだろうからそれを受け取る。そして、戻る。つまり、キュルケの第二の作戦であるのどかの服をもらう、ということは成功したのであった。
のどかはそんなこと露知らず、タバサのせいで火照った体を冷ますために、部屋を出ると、ワルドとルイズが部屋に入っていくのが見えた。
ルイズさんと、ワルドさん? 何かあったのかな、少しルイズさんの元気がないように見えるけどー……
のどかはルイズの様子を見て、才人のことが心配になった。なぜなら、ルイズがああなるのは、才人関係でしかありえないと知っているからである。更に、昨日の才人はどこかおかしかったからである。ルイズのことに一喜一憂し、ワルドをやたらと敵視していたこともあった。しかし、才人がどこにいるか検討もつかなかった。とりあえず、才人とギーシュの部屋に行ってみたのだが、中からギーシュのいびきが聞こえるだけなので、才人はいないらしい。他に才人がいそうな場所は思いつかなかったので、部屋に戻ると、部屋の前には才人がいた。才人はのどかを待っていたらしい。
「のどか、悪い。少し部屋に入れてくれないか」
才人の顔は悔しさでいっぱいだった。それは声色にも含まれていた。
「わかりました。どうぞ、部屋に入ってください」
のどかが部屋に招き入れると、才人はありがとう、と小さくお礼を言った。しばらく才人は何も話さなかった。のどかも何も聞かずに、才人から話すのを待っている。
「何も聞かないのか?」
才人はのどかが何も言ってこないことを疑問に思ったらしく、こう言った。
「私から聞いても、きっと何も解決しませんから」
のどかがそう言うと、才人はポツリポツリと話し始めた。
「さっきさ、ワルドと決闘……したんだ。決闘って言っても、ガチなやつじゃなくてさ……ほんの手合わせみたいなものなんだけどさ。それで、負けちまったんだよ。ルイズの前で、さ」
才人はまだ何か溜め込んでいるようである。それを話さないということは、まだ心の整理がついていないのだろう。
「その、さ。えっと……俺、はさ。弱いって実感したよ。思えば、のどかにずっと助けられてきたからな。ギーシュの時も、フーケの時も、盗賊の時なんてワルドに助けられちまった。伝説の使い魔なのに情けないよな……」
「才人さん、私はそうは思いませんよ。才人さんが頑張るから私もお手伝いするんです。ギーシュさんの時、私は才人さんに助けられました。あの時、才人さんは守ってくれました。それに、マチルダさんの時は、才人さんの『ガンダールヴ』の力があったからこそ、タバサさんにロケットランチャーの使い方を教えることができたんですよ」
「ギーシュの時はそうかもしれないけど……フーケの時は2回もゴーレムにやられかけたのを助けてくれたじゃないか。のどかの方が俺を助けてくれてるよ」
「才人さんだって助けてくれている、って言っているんです。私は1人じゃ何もできません」
「そんなことねえよ。のどかには心を読むっていう力があるじゃないか」
「読心術は確かに強力です。それで、何回もピンチを切り抜けてきました。でも、心を読むだけじゃ勝てません。だから、私はある人に身体能力を強化する術を教わりました。1年近く練習しても、強化し続けられるのはほんの少しの間だけです。それだけの間努力を続けても、私は1人じゃ何もできません。こっちに来て初めてファンタジーに触れた才人さんが1人で何もできなくても仕方ないじゃないですか」
「でも! 俺は伝説の使い魔なんだ。なのにどうして……」
「才人さん、伝説と言っても努力しない人は大成しません。英雄たちには才能がありました。私は才人さんの剣筋は悪くない、と思います。努力が必要なんです。経験も。それがない英雄なんて英雄とは言えない、と私は思います」
「確かに、俺は努力なんてしてないな……のどかはずっと頑張ってきたんだよな。俺よりも長い間……」
「それはワルドさんも同じでしょう。才人さんは努力と経験が足りない、ということだと思います。それがあればきっとワルドさんなんてすぐに追い越しちゃいますよ。何せ伝説、なんですからね」
才人はまたしばらく黙った。俯いて、何か考えているようだ。のどかはその様子を見ていた。才人は顔を上げて、のどかを見た。
「あの、さ。のどかありがとうな、少しスッキリしたよ。ワルドのやつも努力したからあんなに強いんだな。俺も頑張らないとな……」
「私も頑張りますから、一緒に頑張っていきましょう、才人さん」
のどかが才人に笑顔を向けると、才人は顔を赤くして、目をそらした。
「(あれ、俺……さっきまでルイズのことでドキドキしてたのに、のどかの笑顔でもなんかドキドキする。のどかって可愛いんだよな……俺って甲斐性なしなのかなぁ。ルイズがワルドに盗られるのもなんかスッゲェむしゃくしゃするし、のどかが誰かに盗られるのもスッゲェむしゃくしゃする。きっと、同じ世界の人間だから、こうやって相談しちまうし、それを聞いてくれるから、結構心を許してるのかもしれないな……)なあ、のどかはワルドに俺が『ガンダールヴ』って話してないよな?」
才人は唐突に話を変えた。才人にとっては、今の考えを打ち消すために言った適当なことだった。
「言ってませんよー。ワルドさんが才人さんのことを『ガンダールヴ』だって言ったんですか?」
「ああ、そうなんだよ」
「才人さん、ワルドさんなんて言っていたか覚えていますか?」
「ああ、俺も不思議に思ったから覚えてる。て言っても、さっきまで忘れてたんだけどさ。確か……グリフォンに乗っている時にルイズに聞いた、とか。王立? 図書館で調べたとか」
才人が語った、ワルドの言葉を聞いた瞬間、のどかは真剣な顔をした。
「やっぱなんかおかしいよな。俺はルイズにも『ガンダールヴ』だって言っていないのにさ。なんで知っているんだろうな」
「そうなんですか?」
「ああ、ルイズにも言ってない。知っているのは、学院長とコルベール先生くらいだぜ」
「才人さん、今から私の推論を話します。真偽はわかりませんけど……」
「何かわかったのか? 今のだけで?」
「はい。恐らくですけど、ワルドさんは敵です。アルビオンの貴族ではないでしょうけど、貴族派の人間だと思います。ルイズさんたち王党派と敵対している組織の人間だと思われます」
「マジかよ!? どこからそんなことわかるんだ!?」
のどかの言葉に才人は驚きを隠せなかった。
「まず、最初に私はルイズさんが本当にグリフォンの上で話していた、と思って考えていました。実際には違いましたけどね。その考えでは、ルイズさんから『ガンダールヴ』ということを聞いてから王立図書館で調べたように聞こえてしまいます。もしかしたらマチルダさんを尋問した時に、聞いて興味を持ったから先に調べた可能性もありましたけどね」
「あ、確かにフーケを尋問した時って言ってたな」
「そうなると、この考えは消えますね。次の疑問点は何かわかりますか?」
「俺が『ガンダールヴ』だってルイズが知っていたこと?」
「惜しいけど、少し違います。この場合は、ルイズさんがどうして知ったかよりも、知っていたと仮定します。そして、どうしてワルドさんに話したかを考えるべきです。私の知っているルイズさんは聡明です。才人さんならきっと口止めすると思います。私にはしませんでしたけど、ちょっと話していいか迷っていたような気がしましたから。ルイズさんはさっきも言ったとおり聡明な方です。それにも気づくと思います。それに、ワルドさんが婚約者だからとか、今回の任務で必要なことだから、と言われても話さないはずです」
「俺もそう思うよ。ルイズはなんだかんだ言っても、そういうことは守ってくれるからさ」
才人ものどかの言葉に相槌を打つ。
「本当に都合のいい解釈ですけど、ルイズさんが話したなんてウソをついたのかということになりますよね」
「確かにな」
「つまり、ワルドさんは元々才人さんが『ガンダールヴ』だと知っていた、ということになります。ここから導き出される答えは才人さんは伝説の使い魔、伝説の使い魔は虚無の担い手にしか現れない。これは伝承をあのあと読みました。つまり、ルイズさんは虚無の担い手ということになります。ルイズさんと2人きりになりたがったり、才人さんの自信を喪失させたり、まるでルイズさんの信頼を勝ち得ようとしているかのようです。そして、その目的は……」
のどかは自分の推論を才人に最後まで話した。才人にとっては考えられないようなことだったが、のどかの推論には筋が通っていたので、のどかの考えを肯定した。そして、ある程度作戦を立てた。
「もしかしたら、のどかの推論が本当に当たっているかもしれないんだよな。そしたら、俺は絶対に止めるよ。最初のやつの行動がのどかの予想通りだったら、迷わないようにする。絶対にミスらないようにする。のどかが読心術すれば早いんだけどな。それだと、俺たちがあいつに怪しまれちまうもんな。頑張るよ、俺」
才人は決意した。その胸中はワルドの計画阻止は当然だが、ルイズに見直してもらおうという下心があるようだ。才人はのどかの立てた作戦を何度も何度も確認した。のどかが紙に書いたので、バレないか心配だったようだが、才人やのどかの世界の文字は恐らくタバサくらいしか読めないから大丈夫とのことだった。
「お願いします。これはタバサにも知らせませんから、才人さんが頼りです」
「ああ、なんとかやってやるさ」
才人とのどかは解散した。才人はのどかの部屋に入る前と後では、別人かと思うほど纏う雰囲気が変わっていた。
「(それにしても、のどかってズルイよなぁ。普段はなんかおしとやかって感じがするのに、ああやって自分の考えとか話すときはスッゲェキリッとしてるし、顔もめちゃめちゃ可愛いんだよなぁ。とりあえず今は、ルイズを助ける! 絶対に!! まだ何もされてないんだけどな)」
そして、才人は寝ているギーシュの隣で、二度寝を始めた。夜に備えて、である。
原作主人公に活躍してもらわないといけないな、と思ったので、こうなりました。
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