魔法少女あさひ/つきのマギカ   作:あららい@

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第六節

《結加里あさひ》

 

 

……と、まぁそんなことがあったりして私と月乃ちゃんは運命的な出会いをしてしまったのであーる!

 

 ───なんてモノローグを脳内で入れつつHRは終わりを迎えるとともにクラスメイト達はこぞって月乃ちゃんのところに集まる。

「繰輪月乃さんわたしの名前は───」

「ねぇ、月乃さん部活の予定ってありますの?軽音部一緒にやってみませんこと?」

「俺中田って言います!」

「お前は早く古文やれよ中田!あ、繰輪さん今日俺たちとお昼食べない?」

 自分達の自己紹介から始まりどこから来たのかとか好きなものは何だとかみんな口々に色々質問している。というか後半ナンパ入ってないかなコレ。私はそんなクラスメイトたちを横目に一時間目の準備をしていた。

「えっと……一時間目は歴史か。ってあれ海華ちゃん?どうしたの?」

「あさひちゃんは月乃さんのところに行かないんだ。二人は……知り合いなんでしょ?」

 と、ちょっと口ごもって海華ちゃんがそう話しかけてきた。

「ん?そうだね。知り合いって言ってもそんな親しいって訳じゃないからねー」

「そうなんだね。よかった……」

「よかった?」

 私は疑問に思ってしまった。

「うん。だってあさひちゃんがすごく親しそうでさ。もし小さい頃からの友達とかでわたしが入る隙間もなかったら妬いちゃってたもん」

 少し顔を尖らせながら海華ちゃんはそう言った。

「そっか……でも心配無用だよ。昨日ちょっと知り合っただけだからお友達って感じじゃないの」

「私と海華ちゃんは親友どうしだからねっ!」

 と、当然のことを私は言った。するとどうしたことか海華ちゃんは顔を真っ赤にしてあわあわしていた。

「あ、あわあわあわわわ!ちょっと待って恥ずかしいってば!あさひちゃん!」

 顔を真っ赤にした海華ちゃんは荷物を持って教室を飛び出して行ってしまった。

(海華ちゃん、どうしたんだろう?)

 私は首を傾げた。

 海華ちゃんが移動したのを皮切りにみんなも移動し始めた。

(さて、私も移動しなくちゃ……)

 私も教科書とかを持って教室を出ようとした時ただ一人教室に残ってる人がいた。

「あれ?中谷君どうしたの?一時間目歴史だよ?授業始まっちゃうけど行かないの?」

「中田な。『に』が余計なんだわ。ああ、俺?俺はさ!課題終わってねぇ訳じゃん。怒られるのはマジで勘弁な訳なんだよ!森Tから説教くらうのは」

「大丈夫!私も終わってないから。一緒に怒られよう!だから西村君も行こう」

 私はニコリと笑ってサムズアップする

「もう中田の原型ねぇじゃん。いいかげん名前覚えてくれよ。それにお前はいつも宿題出してるから今回が初犯みたいなもんだろ?俺は課題すっぽかしたり誤魔化して来たからもう後がねぇのだから行った行った」

 シッシッ、とはまd………違う。中田君は手で私を追い払うジェスチャーをする。でも私はその場を後にしなかった。

 私はクラスの子の机を借りて、そして中田君の机にくっつけた。

「何だよ」

「一緒にやれば早く終わるよ」

「お前授業は」

「いいのいいの。困ってる人間助けたくなる星人、結加里あさひちゃんだからね」

「結加里ぃ……お前はホンットお人よしだよ……」

 目の前の彼の目は潤んでいた。

 私たちは二人で課題に取り掛かる。いや正確には取り掛かろうとして私がノートを開いたその時だった。

「おーす。授業始めるぞー」

 と、大柄の中年男性───森敦信先生がやって来た。

「ってあれ?何で結加里と中田しかいないんだ?」

「先生、古文は二時間目ですよ、間違えて来ちゃったんですか?」

「おおっと、そうだったか間違えちまったみたいだ」

 森先生はうっかりしてたみたい。

「?じゃあなんで結加里と中田はここにいるんだ?」

「それはですねー私達はここで二時間目に出す課題を全部仕上げてしまおうかなと」

「おいバカ!結加里!」

「え?あ……」

 やってしまった。よりにもよって先生に向かって堂々とサボり宣言。しかも課題を課した本人に。

「………結加里、中田。とりあえず授業行け。んで昼休み職員室に来い。話はそこで聞く」

 森先生は落ち着いたトーンでそう言っていた。が、低い声も相まって逆に怖かった。

「何やってんだ結加里ィィィ!」

「ごめーーーん!!!」

 私たちの声と一時間目のチャイムは同時に響いたのだった。

 

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