○月Χ日
私の身体はどうなっちゃってるんだろうか。
お姉さんに教えてもらった灘神影流"弾丸すべり"でクリスタルのチェーンをずらし、軽めの掌打で襲撃者の女の子を吹き飛ばした。
ノイズを召喚できる杖を掴み合えば投げ飛ばし、翼さん諸とも私を消し炭にしてやると咆哮する彼女へ拝むように手のひらを合わせ、お姉さん直伝の灘神影流"菩薩拳"を打ち込む。
少なくとも彼女の着ているスーツのおかげで致命傷になることはないらしいけど、翼さんはゼッショウというものを使ったせいでボロボロだ。
私が走った方が速いっ!
そんなことを考えながら翼さんを背負い、街で一番大きい病院に連れ込み。師匠に翼さんの緊急搬送と病院の名前を教えて、あと私にできるのは翼さんの手術が成功するのを祈ることだけだ。
いつも呪われてるのか言っているけど、神さま翼さんを助けてください。その人の歌声で私は救われたんです。どうかお願いします。
○月¢日
了子さんがお姉さんに会ってみたいと公園まで着いてきた。私が良いですよ?と言う前にコッソリと尾行していたのは知っている。
私は普段と同じようにお姉さんに話しかけたら今日は灘神影流じゃなくて天下無双流という拳法を教えてくれるそうだ。
その流派の開祖はお姉さんの知っている格闘家の中でも異次元の存在らしく、下手したらノイズも殴り飛ばせるかもしれないと話してくれたけど。
たぶん、私だけじゃなくて了子さんも「その人は人間なのだろうか?」と思ったはずだ。だって、そうじゃなかったら江田島平八って人は、それこそ人間なのかも怪しい。
そんな私の言葉にお姉さんも頷き、むしろ人間じゃないと言われた方が納得できると言う。あの、お姉さんの交遊関係に口出しするのは私としてもダメだと思うんですけど。
なんというか、そのですね。
お友だちは人間のほうがいいですよ?
○月$日
今度は師匠が着いてきた。
なんでも私の迅速な行動のおかげで翼さんを助けることが出来たお礼を言いたいらしい。あと灘神影流を見てみたいとキラキラと輝く瞳で言われた。
お姉さんは男の人を連れていることに驚き、ほんの少し警戒している。私が師匠ですと言ったら納得し、どの番組に出るんだ?と師匠に聞く。
ああ、やっぱりだ。
なんか噛み合ってないと思ったんだよ、お姉さんってば私がテレビの番組を受けるために特訓してると思ってるんだ。師匠はぎこちなく「特撮かアウトローなどを」とか言ってるけど、下手したら嘘だってバレますよ?
それにしても師匠なんだかお姉さんのこと見すぎじゃないですか?と思いつつ二人を眺める。二人とも体の極限まで鍛え上げた超人だ。
とくに師匠は発勁を使える。お姉さんはよく分からないけど、いきなり巨大化する千歩気功拳というものを使える。
うーん、二人は人間なのだろうか。