中華人民共和国
北京
中国国家安全部 本部 会議室
ウィーーーン
カタカタカタカタ
ピッ
ピピッ
部屋には数人の局員が集まり、スクリーンには例の組織や各国諜報機関に関する膨大なデータが映し出されている。局員たちは互いに緊張した面持ちで、議論を交わしている。
局員A
“根据最新情报显示!CIA内部正在传播一条关于我们与黑色组织秘密接触的消息。但在CIA采取行动之前,我们必须立刻应对。”
(たった今情報が入りました!例の組織と我々が秘密裏に接触しているという報告がCIA内部で拡散しています。CIAが動き出す前に手を打つ必要があります。)
局長
“问题是,这么详细的息是怎么出现的?交易的时间和地点都写得一清二楚。如果是外部有人泄密,那将是一个严重的问题。”
(問題は、なぜこんな具体的な機密情報が流れたかだ。取引の日時や場所まで詳細に書かれている。もし外部に情報を漏らした者がいるなら、大きな問題だ。)
局員B
“我们已经追踪了相关的网络痕迹。黑客没有通过我们的系统,而是直接侵入了CIA的服务器。这显然是专业人士干的。”
(ハッキングの痕跡を調べました。犯人は我々のいくつものサーバーを経由し我々のシステムに侵入。ここを経由してCIAのサーバーに送信した可能性が高いですね。プロの仕事だ。)
局長
“所以,是有人故意伪装成我们与黑色组织有联系。如果CIA相信了这条假情报并采取行动,我们的国际形象将受到极大的影响。”
(では、我々が本当に組織と接触しているように見せかけた、ということか。CIAがその情報を使って動くとすれば、我々にとって重大な外交的リスクになる。)
局員A
“更棘手的是,这可能还牵扯到MI6。最近几个月,MI6对我们的行动明显加强了干扰。如果黑色组织和MI6私下勾结,那情况会比我们想象的还要严重。”
(さらに問題なのは、これがMI6とも関連している可能性ですね。ここ数ヶ月、MI6が我々の動きを牽制する行動が増えているようです。もし例の組織とMI6が裏でつながっているなら、想像以上に深刻な事態です)
局長
“在没有确凿证据的情况下,直接行动风险太大。或许我们可以利用这条假消息,反过来让CIA和MI6互相怀疑。只要他们之间开始内斗,我们就能从容应对。”
(ただの推測に基づいて動くのは危険だ。この状況では、CIAとMI6の双方に偽情報の裏を探らせるよう仕向けるのも一手かもしれないな。彼ら同士が互いを疑うように仕向けることができれば、我々は冷静に対応できる。)
局員A
“技术部门将全力分析伪造情报的来源,追踪其具体来源。同时,我建议我们也可以主动散布一些假消息,扰乱CIA和MI6的判断。”
(技術班としては、捏造情報がどこで作られたかを特定するため、CIAやMI6の通信ログを解析します。それと並行して、こちらからも一部の偽情報を流して彼らを撹乱する作戦を提案します。)
局長
“可以,就这么办。我们要化被动为主动。如果敌人想让我们混乱,我们就让他们先自乱阵脚。”
(いいだろう。とにかく、我々はこの状況を逆手に取る。敵がこちらを混乱させるつもりなら、逆に彼らを混乱させてやればいい。)
会話の後、局員たちはそれぞれの持ち場に戻り、中国国家安全部内では高度な諜報作戦が密かに開始された。
*****
世界各国の諜報機関が我々組織に目をつけ、複雑な駆け引きが繰り広げられる。各国機関が連携して我々組織の包囲網を築きつつあるのは7年前から明らかとなっていた。しかし、最近彼らの動きがどうもきな臭い。
仙水悠は、パソコンに表示された各国諜報機関の動向を確認する。彼のハッキング活動によって得られた膨大なデータは、世界中の情報機関の裏の動きを網羅していた。特に、CIAやMI6、さらには中国国家安全部などが、組織に向けて進めている活動が次々と明るみに出ていた。
「これだけ情報が揃っていれば、こちらから仕掛けることも容易だな…。」
仙水は、組織に対抗するために動くこれらの諜報機関を撹乱し、組織の優位性を確保するための計画を立てた。
ターゲットは、中国国家安全部。こいつを中心にCIA, MI6の間に不信感を芽生えさせ、それぞれが互いを牽制し合うよう仕向けることが目的だ。
仙水は、CIAのサーバーに偽装したハッキングを仕掛けた。
そこには、中国国家安全部が我々組織と秘密裏に接触し、協力体制を築こうとしているという情報を仕込んだ。
その情報には、実際の取引場所や日時が詳細に記されており、あたかも中国が裏切り行為を働いているように見せかけていた。
もともと中国共産党が企んでいた国家戦略の1つだったが、他国を刺激しかねない危険な情報であるため、重要国家機密の一つとなっていたものだ。
次に仙水は、MI6の通信ネットワークに侵入。CIAが中国国家安全部との間で密約を交わしたという偽情報を流した。この情報には、CIAが黒の組織の情報を意図的に中国側に提供しているという具体的な証拠も添えておいた。
「中国国家安全部。我々組織の活動にとって最も警戒すべき相手。けど、連中の内部に不信感を植え付けることができれば、力を削ぐことができる……。」
この一連の行動により、
CIA内部では、信憑性の高い情報と断定し、急遽中国国家安全部への監視と工作を強化することが決定された。これにより、CIAのリソースは大幅に分散され、黒の組織への直接的な工作が一時的に停滞することとなった。
*****
過去数ヶ月にわたり、各国の諜報機関に対する工作を実行してきた。これらの機関が我々黒の組織に対してどのような意図を持ち、どのように動いているのかを探るため、CIA、MI6、中国国家安全部(MSS)に対してクラッキングを行った。
*****
アメリカ合衆国
バージニア州ラングレー
/CIA
"What is this, one after another!!
Are we supposed to believe we’re teaming up with the Chinese Communist Party?!
Who would buy that?!"
次から次へと一体何なんだ!!我々が中国共産党と手を組む?!そんな情報誰が信じるんだ!。
"Internal communications within China’s Ministry of State Security have tripled over the past 48 hours."
中国国家安全部の内部通信が、過去48時間で三倍に増加しています
"In addition, MI6 has attempted access twice to our Asia Division’s non-public channels.
There has been no formal inquiry so far."
加えて、MI6が我々のアジア部門の非公開チャンネルに二度アクセスを試みています。
正式な照会は、まだありません
"Why wouldn’t we just call and confirm something this easy?!
Do we have anything from the NSA yet?!"
こんなすぐ電話で確認できる情報をどうして?NSAからの連絡はまだか?!
"Nothing so far..."
それがまだ何も...
"Damn it!!
What the hell are they plotting?!"
くそっ!!一体奴らは何を企んでいる?!
"So?
Still can’t identify this source?"
それで?この情報源、まだ特定できないのか?
"The origin is listed as the People’s Republic of China, but..."
発信元は中華人民共和国とありますが....。
"It’s all too perfectly arranged..."
あまりにもできすぎている....。
"Yes...
It appears there is a third party observing interactions between nations."
はい...。
――国家同士を観測している第三者がいるように見えます。
イギリス
ロンドン
MI6
"There’s information claiming the CIA is in contact with China.
True or not, they didn’t deny it."
CIAが中国と接触している、という情報。
真偽はともかく、彼らは否定しなかった
"More like they couldn’t deny it."
否定できなかった、の間違いだろう
"That’s not the issue.
This information is far too… balanced."
問題はそこじゃない。
この情報、あまりにも“均整が取れすぎている”
"...Balanced?"
……均整?
"It provokes exactly the parties it should provoke.
It plants doubt precisely where it should.
It’s almost as if—"
怒らせるべき相手を、正確に怒らせている。
疑心を抱かせる相手を、正確に疑わせている。
まるで——
"—it’s measuring reactions."
——反応を測っている
"Who?"
誰が?
"No idea.
But whoever it is, they have no interest in which country is right...
But why?"
分からない。
だが少なくとも、
“どの国が正しいか”には興味がない存在だ。.......だが一体なぜ?
中華人民共和国/国家安全部
「……这次行动,似乎是以我们为中心展开的。」
……この動き、我々を中心にしている
「不是敌对行为吗?」
敵ではないのか?
「还无法确定。
但是——」
分かりません。
ただ——
「每当我们采取行动,
‘下一步反应’就已经准备好了。」
我々が動くたびに、
“次の反応”が用意されている
*****
「……やはり」
「国家は、
“嘘”よりも
“判断を急がされること”に弱い」
*****
各国の諜報機関は、同時に異変を察知する。
新たな情報は来ないが、相手は動いている気がする
先に動けば、罠かもしれない
結果として——
誰も動けなくなる。
世界規模の諜報網が、
一瞬、呼吸を止めた。
そして一つの結論にたどり着く。
「これは、国家間の諜報戦ではない」
「——誰かが、世界の諜報戦争の要を握ろうとしている.....?」
1ヶ月後…
この一連の工作は今までとは段違いに困難を極めた。
各国へのかく乱工作における混乱に乗じて、仙水は密かに各国の機密情報にアクセスしたのだ。
仙水は各国の真の目的を知ることとなった。
そしてそれは驚愕するものであった。
報告書
報告者: PISCO
報告日: 2024年12月
対象: 組織上層部
1. CIAの動向と裏の計画
CIAは、以前から我々組織の動向を監視していたが、特にManhattanでの一件(ニューヨークマンハッタンでの銃撃事件)以降、その行動が大きく変化した。なんと我々組織に対して協力的な姿勢を見せており、我々の活動に対する関与を深めている。しかし、これには裏があると考え、私はCIA内部への調査を開始した。
調査の結果、アメリカ政府国防総省直轄の国防高等研究計画局(DARPA)が黒の組織を裏で操作し、世界的な影響力を掌握しようとしていることが明らかになった。特に、以前Phyzerに研究させていた遺伝情報技術を利用して、新たな生物兵器を開発する計画が進行している。この兵器は、特定の遺伝子を持つ者にのみ効果を発揮し、ターゲットは世界中の特定の集団に絞られていることがわかった。
この計画が実行されれば、我々組織が持つ技術がアメリカ政府の手に渡り、我々の影響力がアメリカ政府に吸収される可能性があると考えられる。
2. 中国国家安全部(MSS)の動き
中国国家安全部(MSS)は、我々組織が世界規模で活動していることを早期に察知し、その存在を監視し続けてきた。中国政府は、我々が持つ生物兵器や量子コンピュータの技術を自国の軍事力強化に利用しようと狙っており、その動向には警戒が必要である。
表向き、中国は国際的な枠組みに沿って行動しており、情報を各国と共有し、我々と対立姿勢を見せている。しかし、裏では我々との接触を試み、CIAをはじめとする各国機関を出し抜き、我々の技術を自国の利益に利用しようと企てていることがわかった。中国の真の目的は、我々組織を利用して自らの軍事力を強化し、覇権主義的な意味での優位性を確立しようとするものである。
私の調査によると、国家安全部は、我々組織の技術を盗み取るために、将来的に接触を強化する可能性が高い。したがって、今後の行動には一層の注意が必要であり、これに対する対策を最優先で講じるべきである。
3. 結論と提言
現在、CIAと中国国家安全部の動きは、我々組織にとって極めて重要な局面を迎えている。アメリカ政府は、我々の技術を掌握し、黒の組織の力を利用しようとし、同時に中国はその技術を軍事強化に利用しようとしている。この2つの動きに対し、我々の立場を維持するためには、さらに慎重な対応が求められる。
私は、CIAの裏の計画を明らかにしたことで、組織内での信頼を得たが、同時にこれらの情報を暴露したことが引き起こすであろう対立を避けるため、ウォッカに報告を行った。今後、組織内での対立を最小限に抑えつつ、外部勢力の動きに対して迅速かつ効果的な対策を講じることが求められる。
報告終了
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我々の技術を狙う不届き者とは協力関係にはなれない。
世界に対して今一度力の差を見せつけなければならない。
彼はそれぞれの機関が抱える矛盾や弱点を見抜き、最終的に組織をさらに強大にするための計画を立てる。
今もなお各国機関では情報が錯綜していることだろう
機関のセキュリティが手薄だと確信した仙水は、楠田陸道を利用し、世界各国の諜報機関に侵入させた。
案の定簡単に侵入できたようで、オンラインでは存在しない紙媒体の機密文書を複製ことに成功した。
そして遂に、NOC(非正規諜報員)リストが、世界各国の情報機関で共有されていることを知った。