黒の組織の影響力の片鱗を味わっていただけたら幸いです
アメリカ
ニューヨーク, マンハッタン
FBIが組織一斉摘発実行の3時間前
「それで?今回はどんな計画で奴と取引するのかね?」
「そう慌てるなアイリッシュ。今回は我々の傘下であるPhyzerが確立した遺伝情報学に関する基礎研究のデータをもらうだけだからよ。そうですよね、兄貴。」
「あぁ、一応念のため部隊は配置するが、残念ながらお前たちの出番は無い。」
「まじかよ!あーあ。せっかく新しいライフル新調したってのによ!そうだとは思わんか?カルヴァドス」
「あぁ、だが無闇にぶっ放したところで目撃者を作る方が危険だからやらないに越したことはない。」
「おめぇ、本当面白くねーな。」
「そのデータを営業の野郎が出向いてる間に俺たちはとある人物の幹部昇進のテストを行う。」
「なんだ?聞いてねーんだが?一体誰だってんだよ」
「ジョンだ。聞き覚えくらいあるだろ?」
「あぁあいつか。あいつは俺たちに似合わないくらい人望が厚く優秀な野郎だからな。あいつならいつかやってくれるだろうと思ってた」
「まあそいつが最終試験を通ったら次回以降俺たちと行動を共にするってこった。そのつもりでいるように」
「了解〜」
そう。今回の任務は組織のメンバーを幹部昇進させるための最終試験をする予定となっている。その候補に抜擢されたのがジョンスミスだった。
彼は新入りとして入ってきた頃から極めて優秀で、銃の腕前も確かなものだが、特に乗り物の操縦に関しては群を抜いており、車、クルーザーだけでなく、ヘリ、飛行機も操縦できるという逸材である。ウォッカも操縦に関してはかなりの腕前だが、ジョンは彼と同等もしくはそれ以上だ。
これだけの技術を持つメンバーは指で数えるほどしかいないため貴重な戦力だ。
そしてウォッカの言うように、今回は組織の傘下であるアメリカの大手医薬品メーカー、Phyzerがとある成果を出したとのことなので、組織の技術営業部門のトップが自ら出向することになっている。
表社会においてPhyzerは世界を代表する医薬品メーカーであるが、実際のところ経営幹部がわれわれ組織の息のかかったメンバーであるため、利益の大半は組織に流れているのだ。
こうした企業を世界各地に有しているためにここまで大きくなったといえる。
ただ今回はただの技術提供で終わることはないだろう。
キュラソーというとある人物の側近がいるのだが、その人が僕のもとにとある文書を送りつけてきた。
この文書によると、今夜、FBIが同企業の駐車場にて組織を一斉摘発する計画を立てているのだそうだ。
計画では営業部のトップが会議をしている間、ジンたち実行部隊がNOCの幹部昇進のテストを行う隙に一斉摘発するという、わりと古典的なやり方なようだ。
まあこのままだとあれなんでその対抗策を練ることにする。
取敢えずFBIの無線を傍受することから始めた。
***
"I am James Kirby from the technical service department .
Nice to meet you!"(技術営業部部長のジェームズカービーです。今日はよろしくお願いします)
"Oh! Welcome to our company! I am Arbert Brown from the technical service department of the Phyzer. Nice to meet you too."(おお、お待ちしておりました。Phyzer社技術営業部部長のアルバートブラウンです。こちらこそよろしくお願いいたします。)
phyzer社の陣営がかれを中に案内したことを確認してから例の駐車場に向かう実行部隊であったが、ウォッカのもとに一通のメールが届いた。
「なんだ?こんな時間に……なっ!?」
「どうした?」
「あ、兄貴、俺たちの計画がFBIに漏れてるって、例の新人から!」
「貸せ!」
ジンがウォッカの携帯を強引に奪い取り内容を見ると、
怒りをあらわにし、その後ニヤリと口角を上げた。
「ふん。ネズミごときが我々を出し抜けるとでも思ったか…計画変更だ、ジョンスミスがNOCと判明した。これがどういう意味なのかお前らならわかるよな?」
「「な!?」」
「全員このメールの通りの配置に付き俺の指示があるまで待機。」
「「「「了解!」」」」
ジンがそういうとメンバーはそれぞれの配置へ移動を開始した。
***
ウォッカにメールを送った後, 僕はとある人物に電話をする
「で?わざわざこれだけのために私を呼んだわけ?」
「えぇ。あなたとしては面倒な仕事だと思いますが、彼らを油断するにはあなたが適役かと。私が命令することに不満はあるかもしれませんが、これはピスコからの命令ですのでご容赦を」
「わかってるわよ、ラムも今回の件はピスコに任せるよう言ってるから彼に命令されたあなたを信用してる。けどよくこんな短期間で幹部の信用を勝ち取ったわよね〜」
「僕も怖いくらいなんですが、なんだかんだ要求には応えてますから。研究があるから本当は後回しにしたいところなんだけど。」
「ま、能力が買われることは悪いことじゃないし、別にいいんじゃないかしら?」
「そう言われたら仕方ないんですけどね、また何かあったらあなたの力を借りたいのでそのときはよろしくお願いしますね?ベルモット」
「えぇ、それじゃ」
「フッフッフッ………」
電話を切ったベルモットは彼らを地獄に落としに駐車場へ向かう。
コツッ…コツッ…コツッ…コツッ……
駐車場に響き渡る足音。
コツッ…コツッ…コツッ…コツッ……
まるで彼らの死を宣告するカウントダウンであるかのように
次回は工藤新一がコナンになったとき、組織では何が起きていたかを深掘りします。
不定期ですがお楽しみに