名探偵コナン外伝〜闇黒秘儀の機密文書〜   作:Yunice

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遂に原作主人公が登場します。


内容を大きく編集しました。
ご迷惑おかけします


第三章【たった二人の戦争】
いつものヤツ


「それで?進捗はどうですか?」

 

「同じ分量で投与して一匹だけ幼児化したから、まあ偶発的なものでしょうね。個体ごとの遺伝子に強く依存して薬とのゲノム結合率が違うのかも。」

 

「なるほど…では薬品の反応プロセスは間違ってはいないと」

 

「そのはずよ。アポトーシスを誘導しのテロメラーゼ活性によって細胞の増殖能力を高める。現時点での考察はこんなことしか言えないけど、これを個体に関わらずうまくmRNAに絡み合わせるための媒介となる物質を見つけない限り無理そうね」

 

「じゃあその物質を見つければいいんだね」

 

「理論上は。現実はそんな簡単に行かないわよ。」

 

「まあ見てなよ。あと半年で量子コンピュータの試作機が完成するんだ。今世界で流行っている超伝導型より性能が段違いで低コストで作れる。まあこれが表に出ることはないけど、いずれは創薬部門はもちろん、情報部門、IT、金融にも設置してシステムの最適化を図っていくつもりだよ。」

 

「ふーん」ズズッ

 

「なんか当事者のくせに興味なさそうだな。」

 

「あらそんなことないわよ?あなたの自慢話、とっても楽しかったわ。」

 

「…おい」

 

「でも」

 

「?」

 

「でも、あなたと話して楽しいのは本当よ。

…この研究室はどこも白いけど我々の色は常に底のしれない暗黒色。この先も変わらず黒に黒を重ねていくのだと思ってたけど、あなたがここに通うようになってからはそれが少し和らいだ気がする……コーヒー、せっかく入れたのに冷めるわよ?」

 

「ぐぬぬ」ズズッ

 

彼女の唐突な独白に戸惑いながらも話題を変え気分転換を図る。

 

「…それで、どうだったの?」

 

「今度は何?」

 

「そう嫌な顔しないでよ〜。だから、つい最近米花町の誰かの家に行くってこの前会ったとき言ってたじゃん。」

 

「あぁ、工藤新一…」

 

「そうそれ!確かジンが例の薬を勝手に持ち出して被検者にしちゃったんだよね?」

 

「えぇ、まあ」

 

「ジンも最近横暴がすぎるよ…僕たちをなんだと思ってやがる…そもそも組織ってメインは研究開発や金融であって実働部隊じゃない。あくまでそれらの補助なのに、最近はその立場が逆転してるんだよなぁ。なあシェリー、お前幹部なんだからそのくらい言ってやってくれよ」

 

「馬鹿なこと言わないで頂戴。私はあくまでも極秘研究を任されている身。彼らがそれだけ私の研究を求めているってことよ。たかが製薬部門の責任者とはいえコードネームを与えられるなんて異例中の異例。コードネームを与えられるということだけでも名誉なことなのにそれで上に現状の改善でもかけあってみなさい。間違いなく殺されるわよ」

 

「ですよね~…まあ給料がいいからまあ良しとしますかねぇ。で、それはそうと未だに遺体が発見されず不明って扱いにされていたようだったけど、調査の結果は?」

 

「切り替え早いわね」

 

「まあそんなことより工藤新一さんのことが気になりますからね。彼、巷では高校生探偵とか言われていて難事件をずばずば解決してるから。先週の朝刊の大見出しだったし。」

 

「ふーん」

 

「それで、どうなんですか?」

 

 

 

「…」

「…」

「…」

 

 

「…?どした?」

 

「い、いえ、彼は死亡したわ、当然でしょう。」

 

「ま、ですよね。その彼がまさかこの前見せてくれたマウスのように幼児化して、その工藤邸の押し入れからごっそり子供服だけ無くなってた、なんてこと、あるわけないよねぇ…」

 

「ッ!?!?!?」

 

「え、どした…?僕なにか変なこと言った?」

 

「い、いえ何も…何とぼけたこと言ってるの…そんなこと、あるわけないじゃない……寝言は寝てから言いなさいよね!」

 

 

「ぐぬぬ」ズズッ

 

 

そう言いながらコーヒーを飲み終わった彼女はマウスの映ったPCの席を離れ白衣をはためかせる。

 

となりで同じくコーヒーを飲む量子物理学者の目が彼女を追っていることにも目をくれずに。

 

 

 

天才薬科学者、宮野志保とはそんな人だった。

 

 

 

 

 

***

 

 

半年後、彼は彼女に言った通り新型の量子コンピュータの試作品を完成させた。

 

いち早く彼女に報告するため藤原製薬に赴いたのだが………

 

 

 

 

 

 

…………そこにはただ焦げの付いた荒野がただただ広がっているだけであった。

 

 

 

 

****

 

 

 

 

 

俺は高校生探偵工藤新一

 

数ヶ月ほど前、幼馴染で同級生の毛利蘭と遊園地(トロピカルランド)へ遊びに行きその帰り際、黒ずくめの男の怪しい取引現場を目撃した。

 

取引に夢中になっていた俺は背後から近づくもうひとりの仲間に気が付かなかった!

 

俺はその男に毒薬を飲まされ目が冷めたら…

 

 

 

体が縮んでしまっていた!

 

江戸川コナンと名のり奴らの情報を掴むため、父親が探偵をやっている蘭の家に転がり込んだ。

 

ところがこのおっちゃん、とんだヘボ探偵!

仕方がないのでアガサ博士の発明品の時計型麻酔銃でおっちゃんを眠らせ事件を解いている。世間からは眠りの小五郎として名を轟かせた。

 

いま現時点で知っている黒ずくめの男についての情報は少ないが、俺を背後から殴った長髪の男の名はジン、取引していたサングラスの男の名はウォッカだという。彼らは自分たちのことを組織と言い、その国際犯罪シンジケートのために任務をこなしているそうだが、その組織の目的はおろか、その規模さえ未だに謎に包まれている。

 

そして俺の正体を知る者は隣に住む博士だけではない。

俺の両親、工藤有希子と工藤優作

西の高校生探偵服部平次

 

そして灰原哀、本名は宮野志保。コードネームシェリーとして俺を幼児化させた薬の開発者で俺と同じく薬で幼児化し、今は博士の家に居候している。

 

 

 

小さくなっても頭脳は同じ!

迷宮なしの名探偵!

 

真実は、いつも一つ!!!!

 

 

 

 

 

*****

 

 

帝丹小

 

下校時刻

 

 

 

「なあ…」

「…」

「なあ灰原ってば」

「…何よ?」

「お前まだ何か知ってんだろ?組織のこと、詳しく教えてくれよ」

「言ったはずよ?知ってることは全部話したって」

「そう入ってもよぉ」

「あのねぇ、仮に私が話したところであなたには何もできないのよ?組織の力は底が知れないの。その力は産業だけでなく金融、政界までに及んでいるの。あなたは探偵ごっこで秘密を暴くことに快感を覚えるのかもしれないけど、謎を解けば解くほど人が亡くなる。下手したらあなたの近しい人まで魔の手が伸びることになるのよ!」

「わーってる。だから俺がぶっ潰さねーと」

「はぁぁぁ……」

 

この探偵、分かってないなと悲嘆に暮れ、一つ、秘密を明らかにすることを決めた。

 

 

「……自称探偵さんは組織についてどこまで知ってるのかしら?」

「おいおい自称って…あぁまぁ…やべー薬作ったり妙なソフトウェア開発したり…だろ?」

 

「まあそんなとこね。」

「そんなとこって…おめー教える気あんのかよ…」

「量子コンピュータ」

「え?」

「知ってる?」

「あ、あぁ、量子力学の性質を利用した新しいコンピュータの一種だろ?従来のコンピュータに比べて数千兆倍という途方もない計算速度で計算しちまうっていう。その利益が計り知れないってことで世界各国が熾烈な開発競争をしてるんだったよな。」

「そう。流石は名探偵さんね。ならその開発競争に組織が一枚噛んでる…って言ったらあなたはどうする?」

 

「な…………に………!?」

「これを開発してしまえば暗号なんていとも簡単に解くことが可能になる。それがたとえ世界のメガバンク口座情報でも国家当局の情報であったとしても…」

 

「おいおい…量子コンピュータは国家プロジェクトにも相当する世界最先端の技術…いくら規模がデカいっつってもそれは…まさか他のプロジェクトにも組織が関わってるのか!?」

 

「さあ、どうかしらね。量子コンピュータは極論だけど、組織はそれだけ本気ということよ。どう?これでこりたかしら?」

 

「なんだよ冗談かよ!!でもありがとな灰原!俄然燃えてきたぜ!ぜってーぶっ潰してやる!!!」

 

「はぁ……」

 

 

全然わかってないし…

 

 

 

 

あなたはいつもそうやって自信に満ち溢れて

純粋な目をしている。

 

 

 

 

 

けどね工藤くん…いや江戸川コナンくん。

 

 

あなたは組織を暴力団のようなただの犯罪集団と思ってるかもしれないけど、それは正解のようで全くの不正解。

 

 

 

 

彼らは既に世界を侵食しもう取り除けないところまで来ているのよ。

 

 

 

 

 

潰すことはできない。

 

 

 

 

なぜなら彼らを潰すとは世界の均衡を崩すことであり、

3度目の世界大戦の引き金を意味するのだから

 

 

 

 




黒の組織は本当にただの犯罪集団?
いいや違うね。




そして、シェリーは工藤新一の幼児化の証拠をなぜ彼に言わなかったのか。
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