名探偵コナン外伝〜闇黒秘儀の機密文書〜   作:Yunice

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仙水悠の研究日誌です。
志保ちゃんに出会う前までの物語を日誌形式にまとめました。

専門用語ばっかなので少しつまらないところもあるかもしれませんが後半からはあの人がついに登場します。


とある研究者の備忘録

10月1日

この日から本格的に私の烏丸テクノロジーズの研究員として働くこととなった。

最初に研究所へ足を運んだとき所内の研究員は白い目で見てきたが、研究内容に色々口を出したら彼らは私の話を真剣に聞き、アドバイスなども入れるとその通りに行動してくれたので少しは馴染んだ気がする。給与については心配いらなくなったから、思う存分研究できる。

 

10月7日

一週間がたった。今日は研究方針を確認し、いつまでに完成できるかを討論した。資金と人材については問題ないのでそんなにかからないとは思うが、問題はどの量子コンピュータを開発するかだ。量子コンピュータは主に2つに分類される。

 

1つ目は量子ゲート方式。

量子ゲート方式は、量子状態にある素子の振る舞いや組み合わせで計算回路を作り問題を解く。超電導やイオントラップ、トポロジカルなど様々な実現手法が提案されている。従来型のコンピュータの上位互換として期待が高く、GoogleやIBMなどの大手ITベンダー、またリゲッティ・コンピューティングやIonQなどのスタートアップがハードウェアの開発を進めている。

 

2つ目は量子アニーリング方式。

量子アニーリング方式は、組み合わせ最適化問題を解くことくに特化している。高温にした金属をゆっくり冷やすと構造が安定する「焼きなまし」の手法を応用して問題の解を求める。商用化で先行するD-Wave Systemsのハードウェア、D-Waveマシンでは、格子状に並べられた素子に相互作用を設定し、横磁場という信号をかけ素子全体のエネルギーが最も低くなる状態を探索。日本ではNECが2023年までの実用化を目指している。

 

まあ僕の専門が前者であるためその方式を採用することになるのだが、我々がこれからやろうとしていることは低コストで量産できるもの。以前大学にいた頃学会に発表したのだが、机上の空論とあしらわれた。しかし今はあの烏丸グループの巨大プロジェクト。まさか実現にこきつけられるとは思わなかった。

 

僕の理論を元にうまくやれば一年以内には完成するのでは…?

 

 

11月30日

 

研究してから約一ヶ月が経過した。

 

あれから自分の理論を説明したんだが、やはり現実はそう甘くなかった。基礎研究は問題ないのだがやはりコンピュータという形にまとめるにはそれぞれの分野の研究者と綿密に議論しなければならない。この前制御理論の第一人者に「あなたの理論のシミュレーションを元に数理モデルを作ったのだが、やはり量子回路の設計と冷却システムを確立させてから作らないと量子ドットの量子状態が安定できません。」

と言われてしまった。そう、電子などの素粒子を完全に制御するにはエネルギーを極限まで減らす、つまりごく低温にしないと正確に計算できなくなってしまう。また、回路についても、途中で電子を検出してしまうなどしてしまった場合観測問題によりこれもまた計算不能にしてしまう大きな要因となるのだ。

 

つまり何が言いたいかというと、従来のコンピュータにおいても同じことが言えるが、自分の理論が正確であっても、他のQPU(CPUの量子コンピュータver.)などのデバイス、制御回路、計算システム、設計などといったいずれかの技術が不正確では意味がなくなってしまうのだ。

 

これをまず克服しなければならないという新たな壁に私は今立たされている。

 

 

 

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

12月3日

 

数日だった今日

 

取り敢えず量子コンピュータに用いられる全ての分野の研究の見通しが立ったため、それぞれ本格的に研究を始めることとなった。

 

制御理論の方にも言われた冷却装置もその手の研究者を呼び我々の表向きの支援者から多額の投資をぶち込んでもらうことで解決した。

 

このまま行けば完成の夢もそう遠くないだろう。

 

 

 

 

12月24日

 

世間はクリスマス一色で浮かれている中で

我々の研究チームはすべてを返上して研究に打ち込む。

 

ブラックだな、…ブラックだけに

 

 

 

 

 

 

みんなが必死になって開発最中

一本の非通知の電話が鳴り響いた。

恐る恐る電話を出てみると。高い音や低い音にボイスチェンジされた声が聞こえた。

 

 

 

 

 

「も、もしもし…」

《仙水悠くん…で間違えありませんね?》

「は、はい…」

《こうやって話すのは初めましてですねぇ…

 

"RUM"

 

このコードネーム、聞き覚えありますか?》

 

「っ!?!?!?」

 

 

 

 

驚いた…

 

この規模すらわからないくらい巨大な烏丸グループのNo.2というあのジンすら歯向かうことすら許されないとまで噂されるあの…

 

まさかそんな最高幹部が僕に連絡してくるとは……

 

 

 

冷や汗が止まらない…

 

なにか悪いことでもしたのだろうか…

 

 

恐る恐る電話に応える

 

 

「え、ええ…もちろん存じ上げております…そのRUMさんはこの僕に一体何の御用何でしょうかぁ⤴…」

 

 

やば!声がひっくり返った!!!

やばいどうしよう、殺される!!!

 

《いやねぇ、量子コンピュータの件、一体どうなっているのかあなたの口から聞きたくてね。で、進捗はどうでしょうか》

「えと、現在基礎理論は大方完成しておりますので、今後は設計とシステムの構築とその連携を行うという予定です」

 

《そうですか。ではまだ完成には程遠い…と?》

 

あ、これぶち殺されるやつだ…

 

「はい、大変申し訳ございません!!」

 

《別に説教するつもりはありません。ただここ最近進捗状況がずっと気になっていましたから…それどころか私はあなたを評価しなければなりません。》

 

「…理由をお聞かせ願ってもよろしいでしょうか」

 

《そうですねぇ…実を言うと、あなたが来る前、この計画は一時中断させていたんですよ》

 

「そうなんですか?」

 

《ええ、そもそも量子コンピュータという代物は産学官(産業、学術、国の略)共同の下、尚且つ億兆は軽く超えるほどの巨額な研究費があって初めて完成するもの。

たったの一企業だけで完成するのは到底不可能だったんです。

私がそれを知り諦めかけていたその時、あなたの研究を知った。有識者曰く、この理論であれば費用は他のところと比べ半分で済み、あとはその道の第一人者をヘッドハンティングすれば良い。あとで知りましたが貴方はそれだけでなくチームをまとめ上げる能力に才覚があると来た…なので私は思いました。これが出来る人は世界中を探してもあなた一人しかいない…と》

 

「…」

 

「量子コンピュータはいつ頃完成する見込みですか?」

「…試作機についてはあと一年ほどは掛かるかと」

「そうですか。では完成したらあの方に連絡するように。メールアドレスは知っでいるでしょう」

 

「承知しました…」

 

 

《それと…》

 

「まだなにか…?」

 

《実働部隊についてです。最近我々の周りをコソコソと嗅ぎ回るネズミが数多く潜んでいるとジンから報告を受けています。幹部のスコッチとライはこちらで処理しましたが、ネームレスの者たちは完全に把握しきれていません。対策としてキュラソーにはNOCリストの回収に向かわせていますが、いつ情報を抜き取られるかわからないことに加え、特にサンライズは外部とのやり取りがどうしても多くなります。十分に注意するように》

 

「承知しました」

 

 

《ご苦労。ではまた何かあれば連絡します。》

 

 

ブツッ

 

 

 

プー

プー

プー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…クリスマスって怖い

 




一応言っておくと、

週休二日制
有給あります。

なんならボーナスも



RUMが登場しました。

この世界のRUMは17年前の失敗からあらゆることを教訓とし、
学んできたので、とんでもなく強いです。


彼の実力と筆者の実力がかけ離れているためそのすごさが書けないくらいには



次回はこの続きで、

シェリーとの出会いです。

お楽しみに。
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